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過払い返還、密約で減額 債務者が知らぬ間に 消費者金融と法律事務所

2013-03-24 20:13:51 | Weblog

                 過払い返還、密約で減額 

                   債務者が知らぬ間に 

                  消費者金融と法律事務所 

http://digital.asahi.com/articles/TKY201303230436.html?ref=comkiji_txt_end_s_k
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過払い返還、密約で減額 債務者が知らぬ間に 消費者金融と法律事務所

過払い金の返還交渉

 消費者金融業者に払い過ぎた借金の利息を取り戻す「過払い金返還請求」をめぐり、
業者が、請求を代行する法律事務所と手を結び、債務者の一部に不利益となる協定を秘
密裏に交わす例があることがわかった。返還額を減らして手早く和解する内容で、業者
のメリットは大きく、法律事務所も多くの依頼を処理できる。その一方で、債務者は知
らないまま、返還額を減らされている。

 朝日新聞は、全国展開する消費者金融業者の内部資料を入手した。それによると、協
定は「包括和解」などと呼ばれ、相手先には、過払い金の返還請求を主に扱う大都市圏
の弁護士や司法書士の法律事務所などの名前が20ほど並んでいる。

 法律事務所などは多数の債務者から相談を受けるが、返済した合計額から正しい金利
で計算した借金を引いた結果、(1)まだ借金が残る人(2)借金は完済し、業者から
過払い金を取り戻せる人――に二分される。

 協定は、(1)には借金の金利免除や分割での返済を認める一方、(2)には本来の
返還額の9~5割をカットし、(1)(2)についてこの業者と一括で和解する。法律
事務所などに今後依頼する債務者にも適用される。

 和解は、それぞれの債務者の事情や要望に応じて個別に判断するのが本来のあり方だ
。協定により、法律事務所は1件あたりの手間が減り、短期間に大量の依頼を処理でき
るため手数料を稼げる。業者も返還の支出を減らせ、双方にメリットがある。だが、(
2)の返還請求ができる人には不利益しかなく、協定を知らないまま返還額を減らされ
ているのが実態だ。

 この業者の元幹部ら複数の関係者は取材に対し、内部資料に記された協定の存在を認
めたうえで、「返還の支払いを減らすことが目的だ。『交渉の結果、取り戻せるのはこ
れだけ』と法律事務所に言わせれば、債務者はあきらめて和解する」と打ち明ける。各
地の法律事務所などに協定を働きかけるのは日常的だという。

 消費者金融に関する相談を数多く手がける三上理(おさむ)弁護士(東京弁護士会)
は「手早く和解するという法律事務所の利益のために、過払い金を請求できる人の権利
が損なわれている。協定を結んだ弁護士や司法書士には、職務倫理上の問題がある」と
指摘。弁護士職務基本規程などに触れるおそれもあるという。

 この業者は取材に「和解は個別に行っている。ご指摘のような協定はない」と回答。
資料に名前のあった法律事務所などのうち十数カ所にも取材を申し込んだが、いずれも
「お答えすることはない」などと拒否した。

 (高田英)


 ■背景に経営難、正当化できぬ

 <消費者金融問題に詳しい池尾和人・慶応大学教授(金融論)の話> 2006年の
貸金業法改正でグレーゾーン金利の廃止や総量規制が導入され、各業者の利益率が低迷
。さらに過払い金の返還が追い打ちとなり、経営を圧迫している。業者が返還の支出を
減らそうと協定を持ちかけているとすれば、背景には経営難があるのだろう。ただ、法
改正前は各業者とも、返せないほどの金を貸し付けて多重債務者を生むなど不健全に肥
大化した。今の経営難はその反動であって、返還の減額を正当化するものではない。


 ■協定、業者が持ちかけ 断られると嫌がらせも

 業者から、協定を持ちかけられたと証言する法律事務所などは少なくない。

 「5割減で和解なら半年後、8割減なら2カ月後に一括で返還金を払う。代わりに、
うちへの返済が続く人には対応を検討します」――。東海地方の司法書士事務所は昨年
、大手業者の担当者からこんな申し入れを受けた。

「債務者の意向を無視することになる」と断ると、業者は債務者に直接電話をかけ、
「司法書士の報酬は高すぎないか」などと嫌がらせをしてきたという。

 関西地方の司法書士事務所にもここ数年、複数の大手業者から協定の申し入れが相次
いだ。担当者はしきりに「ほかの事務所は結んでいる」と説得してきた。「5割しか戻
らない」と別の法律事務所で言われ、頼ってきた債務者もいた。

 これらの事例について各業者に取材したところ、複数の大手業者は、法律事務所との
交渉に際し「減額をお願いする中で、具体的な割合や数字を『目安』として示すことは
ある」と回答。しかし「提案は和解内容を拘束するものでなく、交渉は個別にしている
」「和解交渉は個別の事情、意向に応じて行う」として、協定の存在を否定している。


 ◆キーワード

 <過払い金返還請求> 多重債務者が社会問題化するなか、最高裁は2006年1月
の判決で、利息制限法の上限(年15~20%)を超える金利での貸し付けを原則無効
と判断。同年末には、出資法の上限(年29.2%)までの「グレーゾーン金利」の廃
止が決まった。返済してきた合計額が、利息制限法で計算し直した借金額を超えた場合
は「過払い」となり、法律事務所などを通じて返還請求する債務者が急増した。

 


マンション家賃踏み倒す“モンスター店子”の壮絶手口 消費者法を逆手…難癖つけ、ゴネて“飛ぶ”

2013-03-17 18:47:19 | Weblog

                                     マンション家賃踏み倒す

                                  “モンスター店子”の壮絶手口 

                        消費者法を逆手…難癖つけ、ゴネて“飛ぶ”

マンション家賃踏み倒す“モンスター店子”の壮絶手口 消費者法を逆手…難癖つけ、ゴネて“飛ぶ”
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130316/waf13031612010012-n1.htm

 賃貸住宅で家賃滞納者を強制的に追い出す行為が問題となっているが、一方で悪質な入居者による家賃未払いが相次ぎ、不動産業者側が対応に苦慮している実態はあまり知られていない。さまざまな理由をつけて家賃を払わず、夜逃げ同然に姿を消す入居者。裁判に持ち込んでも相手に支払い能力がなかったり、法的な制約があったりで滞納分が返ってくるケースはほとんどない。年間数千万円の被害を“かぶる”業者もおり、経営を圧迫する事態にもなっているが、抜本的な解決策がないのが実情だ。(高田清彦)

 昨年11月、家賃滞納者の退去をめぐる訴訟の判決が大阪地裁であった。家賃を滞納すれば、借り主に無断で部屋の鍵の交換や持ち物の処分ができると定めた契約条項が消費者契約法に違反するとして、NPO法人「消費者支援機構関西」が不動産開発・管理会社「明来(あき)」(大阪市)に条項の使用差し止めを求めたのだ。いわば、賃貸業者の「追い出し行為」の違法性を問う訴訟だったが、大阪地裁は「すでに条項を使用しないと表明している」などとして、ほとんどの原告側請求を棄却した(原告側は控訴)。

 消費者契約法は第10条で「消費者の利益を一方的に害する行為は無効とする」などと定めており、強制的な追い出し行為はこれに当たる可能性がある。しかし今回の訴訟や賃貸業者側の主張を通して見えてきたのは、確信犯的に家賃を払わなかったり、「ごね得」を通したりと、入居者側にも悪質な行為が多々あるという実態。いわば“モンスター店子(たなこ)”ともいうべき借り主たちの存在だ。

 「最初から家賃を踏み倒すつもりで借りる人もいる。借りたその月から払わず、電話連絡しても出ないし、督促状を郵送しても音沙汰なし。入居の際には収入や保証人などをチェックするが、最後は“飛んで”しまう(未納のまま姿を消し所在地が分からなくなる)借り主が多く、打つ手がない」。同社の藤田精(たくみ)社長はこう話す。

 同社によると、管理する約3000室のうち、約30%は家賃を滞納したり、督促してやっと入金されたりと、何らかの問題がある入居者だという。さらに全体の3〓5%が支払う意思がないなど「完全滞納」に該当。年間でそうした悪質な滞納は40〓50件、滞納額は約2000万円にも上るという。

 具体的な事例からは、入居者のあきれるばかりのモラル欠如の実態が見て取れる。20代前半の風俗関係の女性は家賃15万円の1LDKの部屋に入居していたが、家賃滞納が続き、支払い督促にも応じず、滞納額や退去時の支払額の合計が160万円を超えた。その結果、明来側が家賃などの支払いを求め、相手側も督促で苦痛を感じたとして慰謝料を求めるなど双方が提訴する事態に。結局、明来側が勝訴したが、女性は転居し所在が分からなくなり、未納分は返ってこなかった。

 20代半ばの水商売の女性の場合、家賃を3カ月滞納、連絡にも応答しなくなった。担当者が部屋を見に行くと中から犬のなき声が聞こえる。どうやら飼い犬を室内に残してどこかへ行ったようだ。数日間様子を見たが、部屋への出入りが確認できなかったため犬を保護した。ところがその後に女性が現れ、「犬を盗まれた」と警察に訴えた結果、和解金を支払うはめになったという。

 このほか、「上階の人がうるさいが、対応してくれなかった」「(督促を受けた時)こちらから電話したが、担当者が来なかった」など、あれこれ“難癖”をつけ家賃を払わないクレーマーのような入居者も多い。

 昨年、家賃3カ月分など30万円を滞納して“逃げた”20代の男性については、保証人からたどって居場所を発見。支払いの訴訟を起こし簡裁、地裁と勝訴したが、いまだに滞納分の支払いはないという。訴訟で男性側は「換気扇に雨が当たる音がうるさく、管理ができていない」などと細かくクレームをつけてきたが、認められなかった。

 明来の担当者は「裁判に持ち込んでも判決まで数年かかることがある。経費がかさむし、部屋を開けてない入居者との係争ではその間の家賃も払われない。たとえ勝っても相手がいなくなったり、支払い能力がなかったりで未払いの額が返ってくることはまれで、労多くしてメリットはあまりない」と嘆く。

 入居者が“飛んで”しまったようなケースでも通常、部屋を鍵で開けたり、残った荷物や家具を整理するのは裁判所の手続きを踏んで行うが、それだと家賃などが保証されないまま数カ月かかることが多い。そこで業者側の判断で電話連絡や督促の郵送、部屋への出入り確認など手順を踏んだ上で部屋へ立ち入り、写真を撮ったり、荷物を倉庫で保管したりする場合もある。

 のちのトラブルを避けるためのやむを得ぬ手段だが、それでもトラブルは起きる。連絡のとれなくなった入居者の女性の部屋を調べたところ、ゴミ袋が3つあった。完全に出ていったと判断し、それらを処分したところ、半年ほどたって女性が現れ、「袋の中には百数十万円のブランドものバッグが入っていた」として損害賠償請求を起こされたという。

 不動産・賃貸業界の関係者によると、業者と借り主の関係でいえば、どうしても“弱者”である消費者を守るという観点から借り主が「善」、業者が「悪」というイメージでとらえられてきた面があるという。
 しかし、藤田社長は「わざと滞納しても3カ月程度で追い出すことはできないと、消費者契約法を逆手にとって確信犯的に家賃を滞納する悪質な借り主が増えている。分不相応な高額の部屋を借りている人に多く、こちらが安い部屋に移ることを提案しても聞く耳を持たない」と実情を明かす。

 それでも、賃貸業者側が不正の実態を根気よく訴えてきたことで、最近は裁判でも業者の主張を認める判例が増えてきたという。裏を返せば、それだけ店子の不正が目立っているということかもしれない。

 「わざと滞納する人はよそに移っても同じことをやっている。これまで民事訴訟で対応してきたが、悪質なケースには詐欺罪適用が認めらるようになってほしい」と藤田社長。スーパーの万引被害などと同様、家賃の未回収は賃貸業者の経営を圧迫する事態ともなるだけに、深刻な問題だ。