
“演歌の妖精”とのふれ込みで一昨年にデビューした花咲ゆき美さんのサードシングルは、一度聴いてすぐに好きになりました。作詞:池田充男氏、作曲:新井利昌氏のコンビは前2作と同じです。
この曲を聴いてまず感じたのは、花咲ゆき美さんの歌唱のうまさです。感情の表現が上手で、気持ちがストレートに伝わってきます。歌いだしはさりげなく、2フレーズ目でぐっと感情が高揚します。サビの部分では彼女の適度にハスキーな声が効果を高めています。
歌詞もなかなかいいと思います。テーマは演歌につきものの「別れ」「みれん」で、本当に数多くある「海峡もの」ではあるのですが、後ろ向きの感情だけではなく、去ってゆく人の無事を祈る前向きの感情も歌われています。
演歌の様式美をしっかり守りながら、いい味わいを持った逸品だと言えるでしょう。