80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

E127系100番代の製作(その4・やっぱり丸刀ほしい・・・)

2010-05-24 03:18:54 | 大糸線方面
組み立て中に屋根のビードが潰れてしまうといけないので、とりあえず木工用ボンドを塗り込めておきました。サーフェイサーで固める手もあるのですが、屋根の補強用にもう1枚内側にペーパーを貼る予定なので、食いつきを考えてボンドにしてみました。



ボディは、ドアと内貼りを貼り込めば組み立てに入れるのですが、客ドアの窓のRに合う彫刻刀がないことが判明しました。実際のRは不明ですが、写真から類推するとR1.5mm(φ3mm)くらいの丸刀がフィットするようです。
ネット情報で、ダイソー(百均)の「ミニ丸刀」がR1.5らしいろいうことがわかったので、近所の店に行ってみたものの在庫なし。
仕方がないので、また簡易定規を作ってカッターだけで切り抜いてみましたが、窓フチの時のように外側を切るのと違って、内側を抜く場合には刃先の“ぶれ”がモロに出てしまい、きれいに抜くことができませんでした。R抜きには、やはり丸刀が必須のようです。お値段は張りますが、沖野彫刻さんの秀逸な丸刀がいよいよ恋しくなりました。
なお、窓ガラスのプレスを表現するため薄紙を貼りあわせて使うのですが、ここでは「書き損じハガキ」を使うことにしています。



どれを使うにせよ、丸刀の準備が整わないと先へ進めないので、下回りの製作を進めることにしました。
穴あきの床板とモーター車用ボススタの手持ちを切らしていたので、クモハE127の床板に写真のような穴を開けました。



必要最小限の穴しか開けていないので、台車枠を外してインサイドギヤを穴に通します。



センターピンは旧式の段付き(エンドウ製#5903)を使うため、φ2.8mmドリルで台車の穴を拡大します。



このTS-1026はレールからボルスタ上面までの高さが実測で11mm強あり、市販の枕バリと呼ばれている芯皿状のスペーサー(t0.8mm;写真右端)を組み合わせると腰高となってしまうため、新たにt0.2mmくらいの真鍮板からこれを作り直しました。工作キットに入っていた電機回路の接点用の部品から切り出したものです。



動力台車を仮組みしたところです。
写真では見にくいかも知れませんが、センターピンのネジの先端がモーターに当たっているので、本組み段階では少しカットしてやる必要がありあます。
実際に組み付けてみると、計算上の値より何となくシャコタン気味ですね(汗) 市販の枕バリでいけたかも知れません。



下回りの全景です。室内(シート)を組み込む予定なので、せめてウェイトは床下装着でしょうか。



モーターはうまい具合に扉部分に収まっているため、全てのシートが装着できそうです。



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E127系100番代の製作(その3・ビードの表現法)

2010-05-22 00:14:44 | 大糸線方面
プリンタラベル紙を使った窓やドアのフチの表現方法は「その1」に書いたとおりですが、軽量ステンレス車体のもうひとつのやっかいなディティールに、屋根や妻面のビード表現があります。

松本駅で撮った写真でビードの位置を確認していたところ、またまた「わからないこと」が出てきてしまいました。編成によって屋根の先端まであるものとないもの、連結面にあるものとないものがあるようなのです。編成によってというより、おそらく製造メーカーの違いによるものなのでしょう。12編成24両の小所帯を甘く見てはいけないことを悟りました。。

全ての編成を撮ったわけではないので、わかる範囲で比較してみたところ、A10編成とA11編成で次のような違いがありました。みにくい写真ですみません。

■クモハE127の屋根先端部のビード
【A10編成】クモハE127-110
 ⇒列車無線アンテナ部分以外、全幅にわたってビードあり


【A11編成】クモハE127-111
 ⇒運転席側2/3はビードなし


なお、クハE126についてはどちらも違いはないようです。


■連結面のビード
【A10編成】クハE126-110(左)
 ⇒ビードあり


【A11編成】クハE126-111(右)
 ⇒ビードなし



編成ごとの特徴など、このへんの事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただきたいと思います。
今のところ、連結面のビードがないだけでも工程の短縮になるということで、A11編成をプロトタイプにしようと考えていますが、インレタの「1」の消費量がすさまじいことになるので頭を抱えています(苦笑)


さて、屋根上のビードの表現方法ですが、スジ彫りをした上に真鍮線を乗せていく方法を考えていたものの、きれいに接着するのが難しい、見た目がゴツい、たかだか埋め込むだけに真鍮線を使うのはもったいない等々の問題もあることから、プレスによる表現方法を考えてみました。

プレスといってもバシッと一発でプレスするのではなく、1本1本針先で押し出していく方法です。こう書くと気の遠くなるような話に聞こえますが、1両につき27本、2両でも54本ですから、小休止を入れても30分あればできてしまいます。

まずは屋根の裏側の両端にビードの位置をプリントした紙を貼ります。



次に、プラ製の波板を下に敷いて溝の位置をビードに合わせ、定規を当てて鉄筆(実際はコンパスの針)で強く押し出します。波板がプレスの雌型、鉄筆が雄型となるわけです。
力が弱いと浮き出しが甘くなるので、力強く引いた方が好結果が得られるようです。
この波板は前作のE641自由形電機のエアフィルターに使ったエバーグリーン社のもので、0.75mmピッチのため1本ずつずらしながら引いていきましたが、1mmピッチのものを使えば、車体を固定したまま一気に全てのビードが押し出せるでしょう。



できあがったビードです。真鍮線を使うより浮き出しの感じが本物っぽく、材料費もかからず、おまけに屋根の曲げ癖もついて一石三鳥でした。あとは、組み立て中にこのプレスが元に戻らないように、注意して取り扱う必要があります。



一方、屋根の裏側はこんな感じで、一部にササクレが出ているものの破れたりするようなことはなく、サーフェイサーをひと吹きして固めてやれば問題ないと思います。



妻板にもビード位置を印刷してありましたが、そんなわけでビードなしを選んだので、このまま組み立てに回すことにします。JR車両にしては珍しく、貫通路は広幅・両開きドアとなっています。クハ、クモハ両方ともドアが付くことは現車で確認済みです。



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E127系100番代の製作(その2)

2010-05-21 07:38:44 | 大糸線方面
カツミのオンラインショップに注文していた台車が届きました。DT61ではなく、フレームが湾曲しているTS-1026を使うことにしました。プレーン、ピボット各1両分で、車輪は付属していませんが、手持ち品があるのでそれを使うことにします。
写真のように、それぞれ右端の1個だけ裏返しに入っていますが、どうも偶然ではなく、軸受メタル入りであることがすぐにわかるようにとの配慮のようです。



動力機構は今回も旧式でいきます。手持ち品の中からカツミ製と思われるWB26mmのインサイドギヤを探して装着したところ、枕バリの幅が広いためうまくいきません。



インサイドギヤと干渉する側を糸鋸で切り取って、何とか収まるようになりました。
なお、センターピン穴はMPギヤ仕様でφ2mmタップ穴ですので、これも旧仕様の段付きセンターピンに合うよう、今後φ3mmにあけ直します。



モーターは通称“秋葉原モーター”と言われている、アウトレット品?のDC12V仕様カンモーターを使います。ステンレス用の鋸刃を使うようになってから、モーター軸の切断が苦でなくなりました(軸自体は硬い鉄のようですが)。
通電試験OK。ギヤノイズは大きめながら軽快に回ります。それにしても連動ギヤが丸見えですね(笑)。見栄えの面からも、ボルスタレス台車にはMPギヤ方式が合うようです。



続いて付随車用を組み立て、ピボット車輪を取り付けたところ、幅が合わずに浮き上がってしまいます。手持ちの車輪をすべて試してもダメで困ってしまったのですが、枕バリの両端をペンチで僅かに広げてやったところ、ちゃんと接地するようになりました。ほんの少しの調整ですが、ずいぶんと違うものですね。。



組みあがった台車一式です。波打ち車輪を奢りたいところですが、財政状況からパスです。



今までの当工場製の車両は室内がスッカラカンなのですが、そろそろ室内も作り込まないとナ・・・と思い始めて、今回の車両にはシートを入れることにしました。
E127系100番代は、大糸線が観光路線であることに配慮して、山側(といっても両側が山ですね・・・南小谷方面に向かって左側のこと)の一部がクロスシートになっています。
ガサゴソやっていたら、KATOのオハフ33を改造してマニ37を作ったときの発生品が出てきました。肘掛がレトロっぽいですが、まあ使えそうなので、とりあえずキープしときましょう。



こんな感じになりますね。
ウチでは車体の補強にアングルではなく、相変わらず3×3ヒノキ材を使っていますので、取り付けには少し工夫が必要かも知れません。



とりあえず本日はここまで。

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E127系100番代の製作(その1)

2010-05-20 07:57:12 | 大糸線方面
0系はどうなった?という突っ込み、ごもっともです。。
資料とパーツが揃ったところで熟成モードに入った、とだけご説明しておきましょう。
大物にとりかかる前のプチ浮気ということで、大目に見てやってください♪
大糸線用E127系100番代2連を、ペーパーで作っていきます。

(クモハE127-110ほか2連(A10編成),2010.5.15,松本駅)


車体はt0.4mmアイボリーケント紙を使ったペーパールーフ構造とし、パソコン上で図面を描いてプリンタへ出力しました。
以前、プリンタの精度が悪いので0系は手でケガく、と書いたことがありましたが、どうも一時的なトラブルだったようで、大きな誤差はないことがわかったので使ってみました。
この形式は珍しく、ほとんどの窓・戸袋が80で割りやすい寸法となっているため、手ケガキではいつも6mm、16mmとしていた乗務員室扉、客扉の寸法を、それぞれ6.25mm、16.25mmと実寸どおりにすることによって、車体全長をどんぴしゃ243.75mm(実寸19,500mm)に収めることができました。



出力したものは、ケガキ線が消えない程度にサーフェイサーを吹いてから、#600耐水ペーパーで軽く研磨しておきます。
今の軽量ステンレス車は窓とか扉のフチの出っ張りが多いため、組み立ててからだと十分な研磨ができないためです。



その“フチ”の表現はプリンタ用のラベル紙(ハガキサイズのフォト光沢紙;公称厚さ0.18mm)を使いました。
1両分を無理やり1枚に収めたため、窓枠が縦横を向いているほか、車端部の窓枠に至っては余剰となるドアの内側スペースを使っています。



窓枠の外側のRに合った彫刻刀がなく、写真の右端に見える丸彫刻刀(大)では大きすぎるため、プラ板から写真のような簡易定規を作りました。



簡易定規でシール紙をカットし、車体に貼ります。あまりやったことがない工作なので、テストを兼ねて慎重に、クハE126のトイレ側の小さい窓から始めました。



カッターと丸彫刻刀(小)で内側をくり抜きます。R部分の内外半径も揃い、うまくいきました。なお窓枠の幅は実寸がわからないので、見た目と実用性を考え0.75mmとしてあります。



同様にして全てのドア、窓を抜いた状態です。こちらはクモハE127の車体です。
窓の黒サッシは、完成後に窓セルに後付けする予定なので、当面はこのように窓がドバッと開いた状態になります。扉間の車体の強度というか平面性の確保に注意する必要がありそうです。



さて、車体関係はこんな感じで問題なく進みそうですが、下回りは課題山積です。
まず台車ですが、ボルスタレスのDT61系ながら、床面高が低い車両向けに台車枠を弓形にした写真のような派生タイプ(DT61A)が使われています。16番では発売されていないので、普通のDT61をそのまま使うか、台車枠の上側を斜めに削ってそれらしく見せるか、といった対応が必要です。
いろいろ考えた結果、軸箱や空気バネの台座周辺のつくりは少し違いますが、全体のイメージが似ているTS-1026(カツミ製=小田急3000形用)を使うことにしました。


TS-1026参考写真はこちら。(鉄道ホビダス・台車近影)


あとは床下機器もズバリの市販品はないので、類似パーツの流用や自作でまかなう必要がありそうです。


(3225M,2010.5.15,安曇沓掛~信濃常盤間 あ゛~「4」とかぶった~)


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大糸線撮影と中央線沿線廃なモノ巡り(後編)

2010-05-18 01:16:10 | 中央東線方面
松本駅を後に再び車を走らせ、長野道から中央道へ入って諏訪南I.C.で降り、向かった先はこちら。中央線富士見~信濃境間にある旧立場川橋梁の遺構です。



その存在は以前から知っていましたが、弊ブログにもたびたびコメント頂いているととさんが素晴らしいモジュールを作成されているのを拝見し、これはぜひ実物を見なければと思い、このたびの訪問となった次第です。
廃線後30年、架設から100年以上という歴史ある鉄橋だそうで、真下から見るとさらに圧倒的な威圧感というか、鬼気迫るものを感じます。「日本版カサンドラクロス」と呼ばれるのもわかる気がします。



しかし、しばらく見ているうちに全く違う印象が湧いてきました。つくりが非常に繊細で、ある意味"きゃしゃ"といってもよいくらいなのです。赤錆びて朽ちかかっていることを差し引いても、この細い部材を組み合わせた構造物が、数十トンもあるD51やF級電機の足元を支えていたということが、にわかに信じられなくなりました。



築堤に登ってみました。レールは剥がされていますが、架線柱や枕木は残っています。右手の大きな木は現役時代もあったのでしょうか。建築限界の呪縛を解かれ、伸び伸びと枝を広げています。



鉄橋のところは柵があって渡れません。柵の間から見たところですが、これを見ても何か危なっかしく、重量級の列車が日夜往来していたのがうそのようです。



突然轟音が聞こえ、振り向くと、新線のコンクリート橋の上をスーパーあずさが駆け抜けて行きました。



築堤を降り、少し引いて鉄橋全体を改めて眺めてみました。綺麗な水が引かれ、田植えの準備がすっかり整った水田越しに眺めてみると、先ほどの不安定感は不思議と消え去り、EF13牽引の客レや181系あずさが今にも顔を出しそうな重厚な鉄橋に戻っていました。



30分ほど不思議なタイムスリップを楽しんだあと、カーナビを信濃境駅の少し東側にセットして車をスタートさせました。そこには元富士急行の名車、3100系の廃車体があるはずなのです。
置かれている場所は、これも中央線の旧線跡地で、あらかじめ航空写真で位置をシミュレーションしておいた甲斐あって、目的の場所はすぐにわかりました。
驚いたことに、前面の9割以上がブルーシートで覆われています。前面ガラスの破損がひどいという話は聞いていましたが、ここまで荒らされているとは思いませんでした。
「立ち入り禁止」の看板とロープで近づけないようになっていて、人影は見えないものの、万一トラブルになってもいけないので、ここは見える範囲の写真だけ撮って退散することにしました。



電車の近くには水場などもあって、宿泊施設として使われていた形跡があります。オーナーがどのような方かは存じませんが、このような車両を買い取ったということは、多少なりとも鉄道に理解のある方ではないかと思います。
時あたかも高度成長時代、私鉄高性能車ブーム真っただ中にあって、初の狭軌WN駆動という新技術を引っ提げてデビューした輝かしいこの車両に、ぜひ安住の地を与えてやってほしいものです。


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