80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

4001の製作(屋根上は1000形にならって)

2011-06-29 15:38:05 | 新幹線
こんにちは。

ここのところ忙しく、久々の投稿です m(_._)m

さっぱり状況がわからなかった軌道試験車4001号の屋根上。先日、1号車1番A席様より貴重な情報と助言をいただいたので、やっと重い腰をあげました。

もっとも、全てが解明されたわけではないのですが、基本的な構造は"同級生"である1000形試験電車と同じであろうと推測し、それに準拠して作ることにしました。
1000形の屋根構造は、量産車である0系へほぼそのまま受け継がれていますから、近い将来再開する予定の0系の屋根製作の練習という狙いもあります。
せっかくなので、造形村の0系の屋根も参考にしました。


1000形試験電車の屋根構造は、青梅鉄道公園に収蔵されているB編成の模型から読み取ることができます。



左右のルーバーに対応した位置に空調ユニットのフタがあって、その両脇にランボードが走っています。それぞれのフタには、開閉に使用すると思われる取っ手の丸穴が4ヶ所ずつ開いています。このイメージで作っていくことにします。



まず、ランボードや塗り分け線などの位置を書き込んだ紙を車体に巻き、寸法を写し取ります。



ランボードには網目板を使いたいところですが、ここでは"ロコモデル式"表現法を試してみることにしました。
ただ、現在ウチで使っているトイレットペーパーを調べたところ、どれもドットパターンようなエンボス加工がしてあって不向きなことがわかったので、ティッシュペーパーを使うことにしました。


まず薄い広告紙にボンドを塗ってティッシュを貼り付けます。紙が薄いので瞬く間にシワができますが、乾けば何とかなると信じて、そのまま続けます。



ティッシュは1枚もののように見えて、薄い紙が二重に貼り合わさっています。そのままだと剥がれてしまうので、軽くサーフェーサーを吹いて固着します。相変わらずシワくちゃですね。大丈夫か・・・?



なだらかな屋根カーブに合うよう、薄いケント紙を裏の片側に貼って「足」としたうえで、幅3.5mmに切り出します。



接着剤が乾燥するまで、しばらく重しを載せておいたところ、シワがきれいに取れてザラザラの質感のランボードができあがりました。たぶん実車は網目模様だと思うのですが、これはこれで結構イイ感じにできました。



次に、出来上がったランボードを屋根に貼りますが、その前に、ランボードの取付け位置の1mm内側にスジ彫りをしておきます。これが実際の空調ユニットの幅になるようです。もっとも1000形や0系では、空調ユニットが連続しているため、このように連続した溝のように見えるわけですが、空調の取付間隔が広い4001でも同じような構造になっていたのかは不明です。



先ほど切り出したランボードを所定の位置に貼ります。さらに、空調ユニットのフタを貼るのですが、小さな丸い穴を開けるのはペーパーでは難しい(というかきれいにできない)ので、t0.3プラ板を使い、穴はドリルで開けました。



ランボードの内側ピッタリに瞬着で貼り付けます。そして丸穴の中にはφ0.4真鍮線を埋め込んで"取っ手"を表現しましたが、はっきり言って視力の限界です~ (@_@;



まだ、残りのフタと両サイドの換気ルーバーを作らなければいけませんが、だいたいの方針は見えたので、引き続き粛々と作っていくことにします。


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4001の製作(乗務員ドアとライトケース)

2011-06-23 09:58:26 | 新幹線
こんにちは。

921-1改め、正式に4001号車でいくことにします。
といっても、つくり自体には何ら変わるところはないんですが・・・

乗務員ドア3枚を切り出し、所定の位置に貼りました。写真で見る限り側板とドアはツライチのようなので、このように後付けする方法としました。今までの写真で"なんか変?"と感じていた方、こういう理由でした。写真は2位側のドアで、普通のサイズです。



3、4位側のドアは機材の搬出入のためか広く、700mmもあります。



ヘッドライトケースは、前に書いたように、KSモデルの「キハ40、58用」を使いますが、長さを2/3くらいにカットしました。電動ドリルのチャックにくわえて切っているところです。



ストックが2本(片側分)しかなかったため、1/2にカットして4本を生み出そうとたくらんだのですが、レンズを入れるための"ザグリ"部分が結構難しい形をしているためギブアップ。結局、反対側のライトケースも同じものを調達することにしました。


ライトケースを差し込み、並行に注意しながら角度を微調整します。



顔がソレっぽくなってきました。テールライトはφ2.0×φ1.5の細密パイプです。
ヘッドライトが気持ち太めでしたね。113系用の方がよかったかな? 車体のスケール1/87に対して1/80パーツのせいかも知れません。
オデコのシワはほとんど解消しました。あと1回サフを吹いてペーパーをかければ完全に消せそうです。



さて、そろそろ塗装のことを考えなくてはいけないわけですが、この車両は「黄色」でよいのでしょうか?
追加新製された921-2と並んだ写真では、クリームというか肌色に近いような色をしています。製造後2年でここまで退色してしまったのか、はたまた最初から薄めの黄色だったのか。。もしご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

(新製後2年を経た4001(左)と新製直後の921-2(右):鉄道ファンNo.571より)


あと、屋根の上がどうなってるのかも実はわかっていない。。(^^;
もともと浮気プロジェクトなので、今回は資料調査も実車調査もしないで(実車残ってないし・・・)想像だけで強行突破しようとは思いますが・・・


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キニナル鴨宮時代

2011-06-22 02:40:25 | 新幹線
こんばんは。

921-1(もはや旧番4001の可能性大)は、引き続き下地仕上げを続けていますが、なかなかオデコのシワが消えてくれません・・・(~_~;
あと2回くらいサフェ吹きと研磨を繰り返す必要がありそうです。



そうこうしているうちに、こんな写真を発見してしまいました。
試作電車1000形のA編成(2両)が軌道試験車(モチ"4001"号車時代)を引き連れてお散歩している写真です。いやぁ、これは貴重な写真ですよね。貴重なだけでなく、ちょっと惹かれるものがあります。
1000形A編成と4001号車の貴重なショット
AGUI NET 中の「新幹線ギャラリー」内の投稿画像=撮影:c59182様)


0系を放り出すわけではありませんが、こんなこともしてみたいヨ。。
というわけで、お馴染み「20100系文庫」さんから1000形試作電車A編成の図面だけ、とりあえずDLしてみました。



試作電車は2両のA編成と、4両のB編成の2本が作られて、各種試験が行われました。本当は12両作るはずのところ、緊縮予算の影響で半分の6両になったそうです。

このうちB編成は、当時の世界最高速度記録256km/hを樹立したり、試乗会で多くの人を乗せたり、はたまたその塗色が量産車である0系に受け継がれたりと常に表舞台に立っていたのに対し、わずか2両のA編成はずいぶんと地味な存在だったようです。
当初は911形DLを作って牽かせる考えでしたが、冒頭の写真を見てからは、この表舞台には立てなかったかも知れない1000形A編成が好ましく思えてきました。

造形村で0系が製品化されたのをいいことに、流線型前頭部の製作を放り出してしまった後ろめたさがあるので、そのつぐないとして再び光前頭づくりにチャレンジしてみようかと考えている今日この頃です。はい。


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続・山か棒か

2011-06-19 14:32:51 | 新幹線
こんにちは。

921-1の測定枠の形が途中から変わっている問題。
レールの変位を検出する方法が、車輪式から光学式に変わったためではないかとのご指摘を、ととさんから頂きました。

少し調べてみたところ、そのあたりの経緯がわかる記事がありました。
鉄道総研の雑誌「RRR」に寄稿されたものです。
「光学式レール変位検出装置」(竹下邦夫,RRR 2007.11)


要点を抜き出すとこうなります。
●921-1は200km/hでの検測を目指して開発されたが、走行試験の結果、測定車輪の強度上の問題が明らかになったため、160km/hに抑えて(※1)営業車が走行しない夜間に検測を行った。
●山陽新幹線の開業に当たり夜間に線路保守作業を行ため(※2)、昼間に高速で検測が可能となるような光学式装置の開発を1968年から始めた。
●しかし最初の方式では良い結果が得られなかったので、別の方式を1970年から開発し、その成果はドクターイエロー(T2編成)に反映され、博多開業時に210km/hでの昼間時の検測が可能となった。

※1 ととさんのご指摘では160km/hの検測さえ難しかったのでは?とのことですが、記事でも"抑えて"とあるので、実際はそれ以下の速度で検測することが多かったように読めます。
※2 東京~新大阪間開業時点でも(当然、現在も)保線作業は夜間にするものではないかと思いますが、当時は軌道検測と保線のスケジュールをうまく融通する余裕があった(区間や曜日を分けるなど)ということでしょうか。


上記でおわかりのとおり、921-1の測定枠が棒状のものから山型のものに変更されたのは、早ければ光学式の研究が始められた1968年(昭和43年)、遅くともその改良方式が研究され始めた1970年(昭和45年)頃ではないか、ということがわかってきました。

余談ですが、上記のPDFに写っている更新後の921-1の写真は、前回記事でリンクした「保線ウィキ」の山型枠をもつ同車の写真と一緒ですね。


さて、当鉄道のモデルの方はというと下地処理の真っ最中。すき間をパテで埋め、オデコには溶きパテをしみ込ませ、#150の耐水ペーパーでざっと成形したのち、車体全体にサーフェーサーを吹いています。



ところが、困ったことにオデコの木目がなかなか消えてくれません。削り出すときは目安になっていいやと思っていた木目ですが、このまま頑固に消えなかったらどうしよう・・・



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山か棒か

2011-06-17 13:28:49 | 新幹線
こんにちは。

前回の記事について、軌道検測の専門家ととさんより「台車についている枠は棒状じゃなくて山型ではないか」とのご指摘がありました。
私も気になっていた部分なのですが、いかんせん0系の片手間に作っている車両ゆえ(爆)、詳しい説明をはしょってしまったので、ここで少し考察を書いてみたいと思います。
写真の転載許可を取っているヒマもないのですべてリンクですがご容赦ください。お手数ですがブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください。


まず、このクルマの台車、TR8001が明瞭に写っている写真が以下のリンク先のブログにあるのでご覧下さい。6枚目の写真です。
しゅうちゃんのお出かけ日記(Byシュウチャン様)

ただし写真にも車番が写っているとおり、これは4001号時代のものです。枠は簡素な棒状をしています。
(余談ですが、試運転の様子を撮った他の写真も貴重で興味深いものがあります。)


一方、撮影年月が不明ながら、921-1に改番された後の姿はこちらにあり、山型の少しガッチリとした枠に変わっているのがわかります。
「保線ウィキ」中の921-1の写真


同じサイトには4001号時代の写真もあり、柵にかかっていて見にくいですが、どうやら「棒状」のようです。
「保線ウィキ」中の4001号車の写真


じゃあ、弟分として登場した921-2は山型?
「保線ウィキ」中の921-2の写真

うーん「棒状」ですね。。


もう一丁「鉄道ファン」2008年11月号P.34の写真を部分引用させていただくと、左側の4001は、これも非常に不鮮明ですが棒状、右側の921-2も棒状、と読み取れます。



さて、「山型」への改造がいつなのかは判然としませんが、921-1の経歴をみていくと興味深いことがわかります。東北新幹線の小山試験線へ転出して高速走行試験に供されたというのです。これが昭和53年(1978年)のこと。これをきっかけに改造されたのでは?
ちなみに、このときは既に軌道検測車をあらかじめ組み込んだT2編成が稼動中で、弟分の921-2はひと足先に廃車済みという情勢でした。

しかーし。
我ながらいい仮説だ・・・と思っていたところ、大変な証拠写真が出てきてしまいました。
リンク制限があるようなので情報だけにしておきますが、余生を過ごす「山型」枠をもつ921-1の姿で撮影場所は大阪第一運転所。そして撮影年月日はなんと昭和52年(1977年)7月12日!小山へ転出する1年も前ということになります。
※「築堤整備工段ホームページ」(DT200A様)「新幹線の名脇役 保守・試験車両 No3」より

転出へ向けた改造というよりは、すでにこの時点で改造はなされていた、と見るのが妥当でしょう。
「鉄道ファン」掲載の昭和39年の「棒状」の姿から昭和52年の「山型」までの13年間の空白。いったいこの間、いつ改造を受けたのでしょうか。興味は尽きません。


ひるがえってこのモデル。枠自体は瞬着で台車にとめてあるだけなので外すのは簡単なのですが(実際、台車を取り付けている時にポロッと外れた・・・)、前にもちょっと書いたように、1000形試作編成に牽かせて鴨宮時代を再現するのもいいかなーと思い始めており、921-1改め4001として竣工させる公算が大きくなりました。
(じゃあ1000形も作るわけね? グサッ・・・)


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