お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※山本文緒(1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て作家デビュー。1999年「恋愛中毒」で吉川英治文学新人賞、2001年「プラナリア」で直木賞受賞。著作に「あなたには帰る家がある」「眠れるラプンツェル」「絶対泣かない」「群青の夜の羽毛布」「落花流水」「そして私は1人になった」「ファースト・プライオリティー」「再婚生活」「アカペラ」「なぎさ」など多数。20年「自転しながら公転する」で島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞を受賞。この1年後の2021年10月13日、膵臓がんのため58歳で死去。)



●最後の1行に心が震えた

 ひとり娘、32歳で独身の都(みやこ)。アパレルショップの正社員として東京で働いていたが、親の介護のため地元茨城に戻り、近所のモールのアウトレットで派遣社員として働く。そこで出会った中卒でヤンキー風の年下の寛一になぜか引かれ、恋愛のようなものが始まる。結婚、仕事、両親の問題……ぐるぐると思い惑う都。「私」で自転しながら「公」で公転し、幸せを求める姿を描く。『小説新潮』掲載に書き下ろしのプロローグとエピローグを加えて単行本化。

 意表を突く豊かな表現力と、読みやすい文体。500ページ近いがすんなりと読めた。

 最終章の最後の都の一言。いいなぁ。自転しながら公転し、すごいスピードで宇宙の果てまで向かっていたのが、ゆっくりとスローダウンし、ソフトランディングした感じ。そして最後の1行に心が震えた。

 書き下ろしのプロローグ、エピローグがさらにこの物語を奥深くしている。とくにエピローグには驚かされた。たどりついた答えも洒落てる。「そんなに幸せになろうとしなくていいのよ。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」。

 山本文緒さんはこの作品を発表した1年後、58歳で永遠の眠りについた。

 23年12月、都を松本穂香、寛一を藤原季節が演じたテレビドラマが読売テレビで3話完結で放映された。寛一のイメージがちょっと違ったかな。カッコ良すぎる(^_^;

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