お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※浅田次郎(1951年東京生まれ。95年「地下鉄に乗って」で第16回吉川英治文学新人賞。97年「鉄道員」で第117回直木賞。00年「壬生義士伝」で第13回柴田錬三郎賞。16年「帰郷」で第43回大佛次郎賞)



●「真面目」な悪党3人が織りなすドタバタ喜劇

 鉄砲玉で13年ムショぐらしのやくざ「ピスケン」、湾岸戦争に反対し自決を図った自衛官「軍曹」、収賄事件の罪をかぶり妻にも大物議員にも捨てられた大蔵官僚で元政治家秘書「ヒデさん」。この3人が何の因果か定年した極道まがいの老刑事に集められ、彼らを欺いた巨悪に挑むというお話。デビュー翌年の92年1月に天山出版に刊行。すでに平成となっていたが、昭和の臭いたっぷりで笑わせてくれるユーモア小説。

 「悪漢(ピカレスク)小説」とあるが、主役3人は悪党ではなくいたって「真面目」。出世より筋を通すことに血道をあげる。それが逆に笑いを誘う。特に3人のうち「軍曹」が登場するシーンは抱腹絶倒。作者自身が元自衛官という事もあって、本当に「自衛隊はヒマ」なんだろうかと思ってしまう。ほかにも思わず「クスッ」となる会話の連続。ヤクザの組長と妾のセックスシーンでさえ爆笑するほどで、まるで吉本新喜劇のような掛け合いが続く。あっという間に読み切った。うまいなぁ。

 この人は時代ものを含めどんなジャンルでも書けてしまう凄い作家だとつくづく感心していたが、デビュー当時からもう凄いの書いてたんだね。続きを読もうっと(^o^)

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