ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

七夕の天の川(沖縄にて)

2023-07-09 15:56:49 | 風景写真/星

 七夕の天の川を沖縄にて撮影してきた。

 昨年に引き続き、本年も沖縄に4日間の遠征。トンボやチョウなど昆虫の撮影が主な目的であるが、今回も天の川の撮影を予定に組み込んだ。昆虫の写真や遠征記録は、次の記事から順に掲載しようと思うが、まずは天の川を掲載したい。
 2012年に宮古島で見た天の川の光景は忘れることができない。南の島の星空は、こんなにも素晴らしいのか!と感動し、初めて天の川を撮ったのだった。しかし、宮古島へはホタルの講演と観察で伺ったため、カメラは昆虫用で、レンズも50mmマクロレンズで撮るしかなかった。その後、いつか南の島で天の川を撮ろうと思っており、昨年は、沖縄本島ではあるが、今帰仁村の古宇利島から天の川を撮った。(沖縄の天の川)それなりに写ったが、本島越しでは街明かりが以外にも明るく、今回は、再挑戦である。沖縄遠征は7月5日から8日までの三泊四日(初日は車中泊)で、すべての夜に天の川を撮影できるように予定を組み、本島の東海岸から真っ暗な太平洋上で写そうと東村の高江展望台を撮影地に選んだ。
 沖縄は、すでに6月25日に梅雨が明け、連日晴続きであるが、2週目となるとなかなか快晴にはならない。遠征初日も晴れであるが、雲が多く断念。2日目も同様で断念。3日目が最後のチャンスで、しかも七夕である。 月が昇ってくるのは23時頃なので、月明かりも問題ない。朝からこまめにGPV気象予報で雲の状態をチェックし、一か八かで高江展望台に行ってみることにした。
 名護のホテルから現地までは、車でおよそ90分ほどの道のり。大宜味から平良湾へ出て、沖縄本島最北端まで続く県道70号線を進む。昆虫を撮りに頻繁に往復した名護からやんばるまでの国道58号沿いは、道の駅やコンビニがあるが、県道70号線には何もない。畑と森の中を進むだけである。小さな集落には「共同売店」がある程度で、沖縄の原風景を味わえる道である。
 少し心細くなるような道を走って、高江展望台に19時半に到着。日没は19時26分なので、まだまだ明るい。展望台の先は断崖絶壁で、太平洋を一望できる。運よく南から北東方向には雲がない。ただし、以前に千葉県の銚子から撮影した時もそうであったが、海上は湿度が高いので多少霞んでいる。とりあえずカメラをセットし、暗くなるまで待機である。
 20時半頃になると肉眼でも天の川が確認できるようになってきた。撮影した画像をモニターで確認すると、はっきりと天の川が写っている。単に海原の上に横たわる天の川の写真であるが、沖縄ならではの星空なので良しとしたい。石垣島は星空保護区に指定されているが、本島も早ければ2024年度の上半期にも「ダークスカイ・インターナショナル」(本部・米アリゾナ州)が認定する「星空保護区」への申請を予定しているという。貴重な財産を守ってほしいと思う。
 七夕といえば、織姫(琴座のベガ)と彦星(鷲座のアルタイル)が、年に一度7月7日の夜だけカササギ(白鳥座のデネブ)がつくる橋をわたって会える日。今夜は出会えたに違いない。21時に帰り支度をしていると、目の前の草地で1頭のホタルが光っていた。オキナワスジボタルであろう。きっとホタルも祝福していたのだろう。
 帰り道は、来る時よりももっと心細い。パイナップル畑の中の細い道を抜け70号線に出ると、何やら不気味な雰囲気。米軍の北部訓練場がすぐ近くにあるのである。ジャングルに鉄の門があり、兵士が立っていた。高江のやんばるの森を切り開いてオスプレイの着陸帯であるヘリパッドがいくつもあるらしい。静かで豊かな大自然の東村高江には、似つかわしくない光景であった。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:41)
天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:45)
天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:50)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2023 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.



最新の画像もっと見る

コメントを投稿