ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

沖縄本島のホタル

2022-06-27 09:37:48 | その他ホタル

 沖縄本島のホタルは、以下の8種類が生息している。しかしながら、成虫(オス)が発光する種は2種で、クロイワボタルとオキナワスジボタルしかいない。他のホタルはほとんどが昼行性であり、タテオビヒゲボタルのようにメスのみが発光する種もある。

  • オキナワクシヒゲボタル Cyphonocerus okinawanus okinawanus Nakane, 1983
  • オキナワアカミナミボタル Drilaster fuscicollis fuscicollis Nakane, 1977
  • オキナワクロミナミボタル Drilaster okinawensis Nakane, 1977
  • ナンザンミナミボタル Drilaster tenebrosus Kawashima, F. Satou et Sat ,2005
  • タテオビヒゲボタル Stenocladius azumai Nakane, 1981
  • クロイワボタル Luciola kuroiwae Matsumura, 1918
  • オキナワスジボタル Curtos okinawanus Matsumura, 1918
  • オキナワマドボタル Pyrocoelia matsumurai matsumurai Nakane, 1963

 沖縄本島では、森に入ればどこでもホタルを見ることができる。那覇市の中心街に近い末吉公園でも発光する2種クロイワボタルとオキナワスジボタルを見ることができる。発生時期はクロイワボタルは年1回、4月下旬から5月中旬に活動のピークが見られ、オキナワスジボタルは年2回、5~6月に加えて、9~10月に活動のピークが見られるとのことであるので、今回の沖縄遠征では目的の1としてホテルからも近い末吉公園で観察と撮影をすることにした。
 日中はやんばるでトンボとチョウを追いかけ、15時過ぎに公園駐車場に到着。まずは手ぶらでロケハン。駐車場近辺は整備された都市公園と言った感じだが、少し進むと熱帯のジャングルである。そして、とにかく暑い。汗が噴き出るのを我慢しつつ歩くが、途中で耐え切れなくなり、車に戻って待機。
 18時から再始動。ポイントとなる場所へは歩いて10分ほど。駐車場が21時で閉まってしまうため、撮影は遅くとも20時半には止めて戻ってこなければならない。どの辺をどのように飛ぶのかは、全く分からない。陸生のホタルであるからジャングルから出てきて、それなりの空間を飛ぶのだろうとの予測でカメラをセットした。
 なかなか暗くならない。それもそのはず。東京よりも南方のため、この日の日の入り時刻は19時25分。残照があるから、暗くなるのは20時近くだろう。幾分涼しくはなったとは言え、相変わらず汗が流れる。時折、散歩の方が通り過ぎる程度で、寂しく待機。19時45分。ようやく一番の暗がりで1頭が発光を開始した。がなかなか後が続かない。20時を過ぎた頃に数頭が飛翔を開始するが、カメラを向けていない所ばかりである。どうやら、発生の末期であるようだ。見渡せる範囲で20頭ほどしか発光飛翔しなかった。しかも石垣島のヤエヤマヒメボタル同様に、発光を始めてから30分程度で終了。まったく光らなくなった。
 写真には辛うじて2種類のホタル、クロイワボタルとオキナワスジボタルが写っている。この2種の発光パターンは異なり、クロイワボタルはヒメボタルに似て黄色く鋭く点滅するのに対し、オキナワスジボタルは青緑色に線を引くように発光することが分かって頂けると思う。
 20時20分に三脚をたたんで撤収。駐車場までは真っ暗な林道を戻るが、林道わきの茂みでは無数のホタルの光。まるでイルミネーションのようであった。明滅はしないオキナワマドボタルの幼虫たちである。これほどの数のマドボタル属の幼虫の発光は見たことがない。素晴らしい光景であった。

 末吉公園では、たいへん残念なこともあった。20時を過ぎた頃、10名ほどの団体がホタルのポイントに近づいてきた。すると一人が、かなり明るい懐中電灯を照らし、何かを説明している。「これがオオウナギです・・・」どうやら、年配ボランティアのガイドらしい。ホタルがまだ発光を続けているにも関わらず、そんなことは一切お構いなし。これには腹が立った。こちらからは何も言わなかったが、ガイドをする資格はないのではないだろうか。オキナワマドボタルの幼虫たちが発光している所では、「今はここがホタルのメインになっています」おそらく、幼虫が発光していることなど知らないだろう。ガイドならば、もっと学んで頂きたい。

 後で知ったが、末吉公園は様々な怪奇現象が起きることから心霊スポットとしても知られているという。霊感もなく時間も早かったからか、何も感じることも見ることもなく、無事に駐車場から出て、ホテルに戻った。

参考文献

  • 塚本 康太 (2016)沖縄本島に生息する2種のホタル:クロイワボタル Luciola kuroiwae、オキナワスジボタル Curtos okinawanus 成虫の野外における季節消長と日消長.保全生態学研究 (Japanese Journal of Conservation Ecology) 21 : 193-201

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

クロイワボタルとオキナワスジボタルの写真

クロイワボタルとオキナワスジボタルの飛翔風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 400 30秒相当の多重(撮影地:沖縄県那覇市 2022.6.23 19:50~20:15)

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