ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を50年研究し保全活動してます。ホタルしか知らない人にホタルは語れないとの信念から他の昆虫や風景も掲載

ノハラボタル(千葉県大多喜町で発見)

2022-07-06 17:18:15 | その他ホタル

 ノハラボタル Pyropyga alticola Green, 1961 は、ホタル科(Family Lampyridae)ノハラボタル属(Genus Pyropyga)で北アメリカ原産のホタルであるが、日本に帰化し、関東各地で確認されているが、このほど知人の皆川みちる氏が千葉県大多喜町松尾の西畑川沿いの畑地において本種を発見し、スマートフォンにて撮影している。

 ノハラボタルは陸生のホタルで、卵、幼虫、蛹は発光するが、成虫は昼行性でほとんど発光しない。生態の詳細は分かっていないが、発生は年2化で、その他はオバボタル等の陸生ボタルに似ていると思われる。

 ノハラボタルは、1983年に多摩川六郷橋緑地(東京都大田区)で採集された1個体が文献上の最初の採集記録と思われる(金子 1997)。この標本に基づき、佐藤正孝博士がPyropyga属の1種であることを同定した(川島 2014)。1986年に深津武馬が大井埠頭(東京都大田区;現 東京港野島公園内)で採集し、その後、大田区以外では1993年に荒川区東尾久から(田悟 2007)で見つかり、東京都以外では1994年に埼玉県越谷市東町(木元 1998)、1997年に神奈川県川崎市(新多摩川大橋下流部)(雛倉 2008)、2004年に千葉県流山市小屋(田悟 2007)、2012年に茨城県龍ヶ崎市(小貝川河川敷)(大桃 2013)、2013年に栃木県足利市(渡良瀬遊水地)(大川 2013)などで見つかっており、その他の地域でも報告がある。
 今のところ東京、埼玉、神奈川、千葉、茨城、栃木の関東6県に限られているようである。ただし、これまでの記録は多摩川、江戸川、荒川など河川の近辺であり、河川敷に沿って分布を拡大していると思われていたが、今回の千葉県大多喜町では、河川沿いではあるものの、大きな川ではなく河川敷もない。そこに生息しているのかどうかは不明で、人為的な放虫の可能性もない訳ではないが、千葉県の内陸部での発見は初めてであるので報告したい。

参考文献

  • Kawashima, I., 2018. External characters of the naturalized species, Pyropyga alticola Green, 1961 (Coleoptera: Lampyridae: Lampyrinae: Photinini) settled in the Kanto Plain, central Honshu, Japan. Japanese Journal of Systematic Entomology, 24(1): 67-72.
  • 金子義紀(1997)大田区のコウチュウ目.大田区自然環境保全基礎調査報告書 大田区の昆虫 p 136.
  • 木元達之助(1998)コクロオバボタルの採集例.Coleopterists’ News 121: 15.
  • 木元達之助(1998)「コクロオバボタルの採集例」の訂正.Coleopterists’ News 124: 11.
  • 後藤好正、川島逸郎(1998)東京都多摩川河川敷で記録された帰化ボタル.全国ホタル研究会誌 31: 27.
  • 田悟敏弘(2007)ノハラボタルの発生状況等について.寄せ蛾記 127: 38-40.
  • 雛倉正人(2008)川崎市のノハラボタル.神奈川虫報 162: 24.
  • 大桃定洋(2013)コウチュウ目.茨城県自然博物館総合調査報告書 2012年 茨城県の昆虫類および無脊椎動物の動向 p 22-28.
  • 大川秀雄(2013)渡良瀬遊水地でノハラボタルを採集.インセクト 64(2): 158.
  • 川島逸郎(2014)名も無き渡航者 "Pyropyga(ピロピガ)".神奈川県立生命の星・地球博物館 特別展 「どうする?どうなる!外来生物 とりもどそう私たちの原風景」 展示解説書 p 107-108.
  • 大川秀雄(2017)足利市渡良瀬川のノハラボタル.インセクト 68(2): 131-132.
ノハラボタルの写真

ノハラボタル(撮影:皆川みちる氏/撮影地:千葉県大多喜町松尾 西畑川沿いの畑地 2022.6.18)

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沖縄本島のホタル

2022-06-27 09:37:48 | その他ホタル

 沖縄本島のホタルは、以下の8種類が生息している。しかしながら、成虫(オス)が発光する種は2種で、クロイワボタルとオキナワスジボタルしかいない。他のホタルはほとんどが昼行性であり、タテオビヒゲボタルのようにメスのみが発光する種もある。

  • オキナワクシヒゲボタル Cyphonocerus okinawanus okinawanus Nakane, 1983
  • オキナワアカミナミボタル Drilaster fuscicollis fuscicollis Nakane, 1977
  • オキナワクロミナミボタル Drilaster okinawensis Nakane, 1977
  • ナンザンミナミボタル Drilaster tenebrosus Kawashima, F. Satou et Sat ,2005
  • タテオビヒゲボタル Stenocladius azumai Nakane, 1981
  • クロイワボタル Luciola kuroiwae Matsumura, 1918
  • オキナワスジボタル Curtos okinawanus Matsumura, 1918
  • オキナワマドボタル Pyrocoelia matsumurai matsumurai Nakane, 1963

 沖縄本島では、森に入ればどこでもホタルを見ることができる。那覇市の中心街に近い末吉公園でも発光する2種クロイワボタルとオキナワスジボタルを見ることができる。発生時期はクロイワボタルは年1回、4月下旬から5月中旬に活動のピークが見られ、オキナワスジボタルは年2回、5~6月に加えて、9~10月に活動のピークが見られるとのことであるので、今回の沖縄遠征では目的の1としてホテルからも近い末吉公園で観察と撮影をすることにした。
 日中はやんばるでトンボとチョウを追いかけ、15時過ぎに公園駐車場に到着。まずは手ぶらでロケハン。駐車場近辺は整備された都市公園と言った感じだが、少し進むと熱帯のジャングルである。そして、とにかく暑い。汗が噴き出るのを我慢しつつ歩くが、途中で耐え切れなくなり、車に戻って待機。
 18時から再始動。ポイントとなる場所へは歩いて10分ほど。駐車場が21時で閉まってしまうため、撮影は遅くとも20時半には止めて戻ってこなければならない。どの辺をどのように飛ぶのかは、全く分からない。陸生のホタルであるからジャングルから出てきて、それなりの空間を飛ぶのだろうとの予測でカメラをセットした。
 なかなか暗くならない。それもそのはず。東京よりも南方のため、この日の日の入り時刻は19時25分。残照があるから、暗くなるのは20時近くだろう。幾分涼しくはなったとは言え、相変わらず汗が流れる。時折、散歩の方が通り過ぎる程度で、寂しく待機。19時45分。ようやく一番の暗がりで1頭が発光を開始した。がなかなか後が続かない。20時を過ぎた頃に数頭が飛翔を開始するが、カメラを向けていない所ばかりである。どうやら、発生の末期であるようだ。見渡せる範囲で20頭ほどしか発光飛翔しなかった。しかも石垣島のヤエヤマヒメボタル同様に、発光を始めてから30分程度で終了。まったく光らなくなった。
 写真には辛うじて2種類のホタル、クロイワボタルとオキナワスジボタルが写っている。この2種の発光パターンは異なり、クロイワボタルはヒメボタルに似て黄色く鋭く点滅するのに対し、オキナワスジボタルは青緑色に線を引くように発光することが分かって頂けると思う。
 20時20分に三脚をたたんで撤収。駐車場までは真っ暗な林道を戻るが、林道わきの茂みでは無数のホタルの光。まるでイルミネーションのようであった。明滅はしないオキナワマドボタルの幼虫たちである。これほどの数のマドボタル属の幼虫の発光は見たことがない。素晴らしい光景であった。

 末吉公園では、たいへん残念なこともあった。20時を過ぎた頃、10名ほどの団体がホタルのポイントに近づいてきた。すると一人が、かなり明るい懐中電灯を照らし、何かを説明している。「これがオオウナギです・・・」どうやら、年配ボランティアのガイドらしい。ホタルがまだ発光を続けているにも関わらず、そんなことは一切お構いなし。これには腹が立った。こちらからは何も言わなかったが、ガイドをする資格はないのではないだろうか。オキナワマドボタルの幼虫たちが発光している所では、「今はここがホタルのメインになっています」おそらく、幼虫が発光していることなど知らないだろう。ガイドならば、もっと学んで頂きたい。

 後で知ったが、末吉公園は様々な怪奇現象が起きることから心霊スポットとしても知られているという。霊感もなく時間も早かったからか、何も感じることも見ることもなく、無事に駐車場から出て、ホテルに戻った。

参考文献

  • 塚本 康太 (2016)沖縄本島に生息する2種のホタル:クロイワボタル Luciola kuroiwae、オキナワスジボタル Curtos okinawanus 成虫の野外における季節消長と日消長.保全生態学研究 (Japanese Journal of Conservation Ecology) 21 : 193-201

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

クロイワボタルとオキナワスジボタルの写真

クロイワボタルとオキナワスジボタルの飛翔風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 400 30秒相当の多重(撮影地:沖縄県那覇市 2022.6.23 19:50~20:15)

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ヤエヤマヒメボタル

2022-04-06 16:23:49 | その他ホタル

 ヤエヤマヒメボタル Luciola filiformis yayeyamana は、ホタル科(Family Lampyridae)ホタル属(Genus Luciola)でゲンジボタル Luciola cruciata やヒメボタル Luciola parvula と同じ仲間のホタルである。
 和名に関しては、石垣島ではヤエヤマボタルと呼ばれてることが多い。1918年に松村松年によってヤエヤマボタルとして記載され、大場信義氏の本では、ヤエヤマボタルとの表記が多いことからだと思われるが、一般的に使われている原色日本甲虫図鑑(III)には ヤエヤマヒメボタルが使われており、また、九州大学農学部の日本産昆虫目録にもヤエヤマヒメボタルが使われている。更には、和名を統一することも視野に入れてKawashima et al (2003)が日本産ホタルの分類に関する問題点を整理し、ヤエヤマヒメボタルとしていることからも、本ブログでは本種の和名をヤエヤマヒメボタルとした。

 ヤエヤマヒメボタルは、石垣島と西表島に生息し、オスは体長約5mm、メスは上翅が腹部の1/2の長さまで退化し、後翅は完全に退化して飛ぶことが出来ない。幼虫は林内で過ごし生態はヒメボタルに類似していると思われるが、未だ不明な点が多い。
 今回の石垣島遠征は、このヤエヤマヒメボタルの観察と撮影が一番の目的であった。初めての石垣島。インターネットで検索すると大まかな生息範囲は分かるが、必ず見られる保証はない。そこでツアーガイドを行っている方を日本ホタルの会の理事より紹介いただき、一か月前にその方のホームページより参加申し込みをした。しかしながら、いつになっても返信がない。携帯電話の番号が表記されていたため電話したところ、何度掛けてもでない。数日後に、ようやく電話がつながりツアーの申し込みを伝えたが、その後も連絡がないまま一週間前。信用できないため、急遽、ガイドをされている別の方に直接電話をし、ヤエヤマヒメボタルの生息地を案内して頂く約束を交わすことができた。
 18時半に待ち合わせ場所に行く。ガイドをして下さるのは、スポッター石垣島ネイチャーガイドサービスの川野俊幸 氏である。川野氏のワンボックス車に乗り換え、ヤエヤマヒメボタルの生息地へ向かった。ちなみに私一人の貸し切りガイドである。川野氏によれば、本種は石垣島ではちょっと山に入ればどこにでもいるという。西表島においては、かなり局所的だと伺った。予め、ロケーションの希望を伝えておいたので、その場所に連れて行って頂いた。
 そこは標高約140mの熱帯森林。西向きの斜面である。生息場所の多くは将にジャングルで、草木が生い茂ったところがほとんどだが、そこは時折下草刈りがされる場所で絶好のロケーションである。天候は曇り。気温25度、無風でかなり蒸し暑い。マスクをしていると息苦しいが、ホタル日和の証である。まだ誰もいない19時少し前からカメラをセットし待機。月齢28.9で、しかも翌朝に昇ってくるので月灯りは問題ない。そのためにこの日程を選んだ。しばらくすると、地元のカメラマンが1名と観賞者が4名ほどが来たが、それ以上は来なかった。
 日没は18時59分。まだ薄明るい19時21分に草むらで1頭のヤエヤマヒメボタルは発光を始めた。1分後に飛翔をはじめ、周囲でも発光する個体が増え始めた。光は黄色のフラッシュ光だが、ヒメボタルに比べるとかなり小さく弱い。発光間隔は1秒に2~3回と不規則である。写真では分からないが、映像では不規則に発光している様子が映っている。
 飛翔の高さはヒメボタルより低く、下草上30~50cmの所を飛翔するが、時折1mほどの高さを飛翔する個体もいる。それは、写真に写っている光の点の間隔や場所でも明らかである。他の下草が腰ほどの高さまで生い茂っている場所では、草上ぎりぎりの高さを飛んでいた。低い位置を飛翔するのは、発光が弱いためメスに存在を認めてもらうためと考えられるが確かではない。19時40分頃になると、発光飛翔の個体数は増えて、カメラで収まる範囲内だけでも100個体を超えていた。
 撮影場所以外の周辺を探索すると、道沿いの林内のどこでも光っている。100mほどの範囲で数千個体はいるのではないだろうか。ヒメボタルの発生期間は10日から3週間ほどであるが、ヤエヤマヒメボタルの発生期間は、3月中旬頃から5月下旬頃までと長い。成虫1頭の寿命はおそらく1週間ほどと思われ、期間中に発生数の増減はあるものの2か月も同じ場所で見られるのである。一体、全体で何頭が生息しているのだろうか?これまで何度か訪問した岩手県の折爪岳のヒメボタルは、生息数が山麓全体で100万匹とも言われているが、この石垣島のヤエヤマヒメボタル生息地は、その数十倍かもしれない。幼虫の成長を支える餌も大量に必要だ。おそらく陸生の貝類以外も食べているに違いない。
 19時50分。発光開始から30分しか経っていないが、下草や地面に止まりだし徐々に発光数が減って行く。そしてあっという間に光のショーは幕を閉じた。ヒメボタルでは、薄暮型では90分ほどの活動時間であり、深夜型では3時間以上も発光飛翔しているが、ヤエヤマヒメボタルの発光飛翔時間は、わずか30分ほどである。体長が小さいので、長い時間発光しながら飛べないと言う説もあるが、これも定かではない。
 翌日も同じ場所に一人で行ったみたが、朝から雨で風速8mの強風。夕方には雨は止んだが風は止まず、気温は18℃。19時半になってもまったく光ることはなかった。別の生息地では雨風ともに止んでいたが、18℃という気温では発光しないようである。成虫のマクロ撮影を予定していたが、それは叶わず、メス成虫の発見もできなかった。

 以下には、生息環境と発光飛翔の写真、そして映像を掲載した。2枚目の発光飛翔の写真は2分相当の多重で、1頭1頭の飛翔ルートや発光間隔が分かる。3~4枚目は20分相当の多重で、見栄え重視の創作である。実際の発光飛翔の様子は、映像をご覧いただきたいと思う。

 訪れた生息地は、来年の夏以降、車両通行止めになるというので、ホタルにとっては良好な環境が保たれるだろう。私にとっても貴重な経験となった。何といっても、急な連絡にも関わらずとても親切に案内して下さった川野氏には心より御礼申し上げたい。勿論、ガイド料金はお支払いしている。Webサイトはこちらである。スポッター石垣島ネイチャーガイドサービス

参考文献・図書

  • 松村松年 (1918) 日本の蛍. 教育画報 6 (3): 82-98.
  • 大場信義 (1993) 親子で楽しむホタルの飼い方と観察. ハート出版.
  • 大場信義 (2003) ホタルの木. どうぶつ社.
  • 佐藤正孝 (1985) ホタル科. (黒沢・久松・佐々治 編) 原色日本甲虫図鑑 (III). 120-124, pl. 20. 保育社.
  • I. Kawashima, H. Suzuki, M. Sato (2003) A check-list of Japanese fireflies (Coleoptera, Lampyridae and Rhagophthalmidae). Japanese Journal of Systematic Entomology 9 (2): 241-261.

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ヤエヤマヒメボタルの生息環境の写真

ヤエヤマヒメボタルの生息環境

ヤエヤマヒメボタルの写真

ヤエヤマヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / マニュアル露出 F1.4 ISO 400 約2分相当の多重(撮影地:沖縄県石垣市 2022.3.31)

ヤエヤマヒメボタルの写真

ヤエヤマヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / マニュアル露出 F1.4 ISO 400 約20分相当の多重(撮影地:沖縄県石垣市 2022.3.31)

ヤエヤマヒメボタルの写真

ヤエヤマヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / マニュアル露出 F1.4 ISO 400 約20分相当の多重(撮影地:沖縄県石垣市 2022.3.31)

ヤエヤマヒメボタルの映像

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光らないホタルたち

2020-07-18 18:41:41 | その他ホタル

 ホタルは、世界でおよそ2,700種類、日本には52種5亜種(オオメボタル科を含む)が生息している。(参照:ホタルの種類と分類)発光器を持ち、卵、幼虫、蛹、成虫と一生を通じて光るから「ホタル」なのであるが、中には、 成虫になるとほとんど発光しない種も存在する。同属の中でも成虫が発光する種としない種がいるから面白い。これらの特徴は、複眼が小さく触覚が発達しており、主に昼間に活動する。光を雌雄のコミュニケーションツールとしては利用せずに、メスが発するフェロモンを感知することで繁殖を行っているのである。
 東京都内には、9種類のホタルが生息しているが、成虫がピカピカと盛んに発光するのは、何と3種類だけである。ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルである。その他の6種類のホタルは、 「光らないホタルたち」である。本ブログでは写真だけの紹介とし、各々の詳細な生態や生息環境等の記載は省略するが、どの種も発光器はあり、まったく光らない訳ではない。特にクロマドボタルでは、夜に活動し発光することもある。また、沖縄等に生息するマドボタル属の成虫は、全て夜行性でよく発光する。

オバボタルの前胸背板の赤斑の変異について

 表題とは違う話になるが、オバボタルにおいては、前胸背板の赤斑に地域差や個体差が見られるので紹介しておきたい。特に、皆川 みちる 氏から提供頂いた新潟県のオバボタル (写真8~9)は、赤斑が小さく別種かと思う程であるし、赤斑ではなく黄斑の個体も存在する。

 この記事では、昼行性で夜はほとんど発光しない「光らないホタルたちを」を紹介しているが、発光するゲンジボタルやヘイケボタル等の中には「光れないホタルたち」が存在する。その理由の1つが、観賞者による光害である。この件については「ホタルを滅ぼすホタル観賞 これが光害だ!!」をご覧頂きたいと思う。

参照

  1. 日本産ホタルリスト
  2. 陸生ホタルの生態と生息環境

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ムネクリイロボタルの写真

ムネクリイロボタル Cyphonocerus ruficollis Kiesenwetter, 1879

クロマドボタルの写真

クロマドボタル Pyrocoelia fumosa (Gorham, 1883)

カタモンミナミボタルの写真

カタモンミナミボタル Drilaster axillaris Kiesenwetter, 1879

スジグロボタルの写真

スジグロボタル Pristolycus sagulatus sagulatus Gorham, 1883

オオオバボタルの写真

オオオバボタル Lucidina accensa Gorham, 1883

オバボタルの写真

オバボタル Lucidina biplagiata (Motschulsky, 1866)

オバボタルの写真

オバボタル Lucidina biplagiata (Motschulsky, 1866)

オバボタルの写真

オバボタル (皆川 みちる 氏提供)

オバボタルの写真

オバボタル (皆川 みちる 氏提供)

オバボタルの写真

オバボタル (黄斑型)

光らないホタルたち ~クロマドボタルとオバボタル~

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オオマドボタル

2020-06-15 17:23:19 | その他ホタル

 オオマドボタル Pyrocoelia discicollis Kiesenwetter,1874は、ホタル科(Family Lampyridae)マドボタル属(Genus Pyrocoelia)で、一生を陸地で過ごす陸生ホタルである。成虫は時折しか発光せず、メスが発するフェロモンを感知して交尾が行われる。山地から丘陵地の二次林内、竹林、林道脇などに生息している。

 マドボタル属は、前胸部に1対の透き通った窓があるのが大きな特徴で、日本国内には9種1亜種が生息しており、本州・四国・九州には2種、オオマドボタルとクロマドボタルが生息している。両種の生息環境や生態、幼虫の形態は酷似しているが、オス成虫ではオオマドボタルは前胸部に赤斑があり、クロマドボタルは赤斑が無く黒色である。
 両種は分布域が異なっており、これまでオオマドボタルは近畿地方以西、クロマドボタルは近畿地方以東に生息すると言われていたが、最近の調査では、オオマドボタルは南限が九州鹿児島県で、北限が宮城県。ただし東日本には少ない。一方、クロマドボタルは、北限が青森県で南限は九州の熊本県。ただし、中部・北陸・東海以西には少ない事が分かっている。また、両種の境界地域となっている近畿地方には、前胸部の赤斑について様々な変異を持った個体が見られるのも興味深い。
 両種は、交尾器の形状やコミュニケーション・システムなどにも大きな違いが認められないので同一種と考えられることもあるが、日本ホタルの会 副会長の鈴木浩文 氏に聞いたところ、両種のミトコンドリアCOⅡ遺伝子を分析し系統樹を作成すると、東北~近畿、近畿、近畿~九州という3つのグループ分けられ、東北から近畿のグループがクロマドボタルに対応するかもしれないが、まだ何とも言えない状況であるという。ただし、東北~近畿のグループと近畿~九州のグループには、ゲンジボタルの東西型以上の違いがあるとの結果が得られている。

 オオマドボタルは、環境省RDBや地方自治体のRDBにも記載がなく珍しい種ではないが、関東地方で撮影するのは困難なため、これまで関西方面に遠征に行くたびに探していたが、見つけることが出来ていなかった。先月に訪問した高知県においても探索を試みたが、発生時期が早かったこともあり、1頭も見られなかった。今回、高知県ホタルネットワークの石川憲一 氏のご厚意により、採集した個体を1頭郵送いただき、自宅にて撮影することができた。ゆえに本写真は、生態写真ではなく図鑑写真としての撮影である。この場を借りて、生体を提供して下さった石川憲一 氏に対し御礼申し上げたい。
 オオマドボタル(このオスの場合)は体長が15mmあり、クロマドボタル(オス)の体長10mm~12mmより大きい。今後は標本とし、研究のために保存したいと思う。以下には、比較のためにクロマドボタルの写真も掲載した。いずれもオスである。メスは、下記参照ページ「クロマドボタル」をご覧頂きたい

参照:クロマドボタル

参照:高知県ホタルネットワーク

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

オオマドボタルの写真

オオマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 2000 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

オオマドボタルの写真

オオマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 2000 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

オオマドボタルの写真

オオマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 3200 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

オオマドボタルの写真

オオマドボタル(腹部背面に見える発光器)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 2000 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

オオマドボタルの写真

オオマドボタル(腹部背面に見える発光器)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 2500 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

クロマドボタルの写真

オオマドボタル(腹部の発光器)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 2500 -1/3EV(高知県土佐市産 2020.6.13)

クロマドボタルの写真

クロマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 500(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.03)

クロマドボタルの写真

クロマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/160秒 ISO 640(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.03)

クロマドボタルの写真

クロマドボタル(前胸部の窓がはっきりしていない個体)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/125秒 ISO 800(撮影地:山梨県北杜市 2010.7.08)

クロマドボタルの写真

クロマドボタル(前胸部の窓がはっきりしていない個体)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1000(撮影地:山梨県北杜市 2010.7.08)

クロマドボタルの写真

クロマドボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 400(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.03)

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スジグロボタル

2018-06-09 13:58:27 | その他ホタル

 スジグロボタル Pristolycus sagulatus sagulatus Gorham, 1883 は、ホタル科(Family Lampyridae)スジグロボタル属(Genus Pristolycus)のホタルで、北海道、本州、九州に分布し、近畿亜種と奄美亜種がある。四国には、同属のシコクスジグロボタル Pristolycus shikokensis Ohbayashi et M. Sat , 1963 が分布している。
 体長は7mm~9mm。谷戸の最上部の樹林に囲まれた冷たい湧水が流れ込む薄暗い湿地等に生息し、幼虫はカワニナ等の巻貝や湿地に生息する多様な生物を食べる時だけ水中に入る半水生である。卵・幼虫・蛹・成虫ともに発光するが、成虫は昼行性なのでほとんど発光しない。写真から分かるように、朱色の上翅に3本の黒い筋があるのが特徴で、また触角が発達しており、オスはメスの発するフェロモンを感知して繁殖に至る。夜間に発光でのコミュニケーションは図っていない。
 スジグロボタルは、環境省カテゴリにはないが、神奈川県、埼玉県、宮城県のRDBでは、絶滅危惧Ⅱ類として記載している。

 スジグロボタルを撮影した湿地では、ミドリシジミやサラサヤンマも生息しており、毎年安定して発生している。今年は例年よりも10日以上も早い発生であった。

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スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 3200 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 3200 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2011.6.18)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル(交尾)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2011.6.18)

スジグロボタルの幼虫の写真

スジグロボタル(幼虫)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F10.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用

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クロマドボタル

2016-05-11 19:33:27 | その他ホタル

シリーズ「ホタルの写真を撮る」その4

 日本のホタル科(Lampyridae)49種類の内、幼虫が水中で過ごすホタルは、ゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマボタルの3種類のみで、46種類は、ヒメボタルを代表するように、一生を陸地で生活する陸生ホタルである。(尚、スジグロボタルは、半水生)
 本記事では、陸生ホタルであるマドボタル属(Pyrocoelia)のクロマドボタルPyrocoelia fumosa Gorham,1883)について紹介したい。

 日本国内には、以下の9種1亜種が生息しているが、クロマドボタルとオオマドボタルを除いては、南西諸島(アキマドボタルは対馬)に生息しており、ほとんどが各島々の地域固有種である。

ホタル科(Family Lampyridae)/マドボタル亜科(Subfamily Lampyrinae

  1. マドボタル属(Genus Pyrocoelia Gorham,1880)
    • ハラアカマドボタル(Pyrocoelia abdominalis Nakane,1977)
    • ヤエヤママドボタル(Pyrocoelia atripennis Lewis,1896)
    • オオマドボタル(Pyrocoelia discicollis Kiesenwetter,1874)
    • クロマドボタル(Pyrocoelia fumosa Gorham, 1883)
    • イリオモテマドボタル(Pyrocoelia iriomotensis Nakane,1985)
    • オキナワマドボタル(Pyrocoelia matsumurai matsumurai Nakane, 1963)
      • オキナワマドボタル久米島亜種(Pyrocoelia matsumurai kumejimensis Ch j et M. Sat,1972)
    • ミヤコマドボタル(Pyrocoelia miyako Nakane,1981)
    • アマミマドボタル(Pyrocoelia oshimana Nakane,1985)
    • アキマドボタル(Pyrocoelia rufa E. Olivier,1886)

 クロマドボタルは、本州の東海、近畿以東に分布し、それより西では、同属のオオマドボタル(形態が異なるが同一種という説もある)が分布し、伊豆半島では混生している地域もある。主に低山地にある水田や湿地に隣接した雑木林の林縁に生息しており、東京都においては、八王子市、あきる野市、青梅市の谷戸で見られ、成虫は6月下旬頃に発生する。
 オスの成虫が黒色で前胸背板の前縁に2つの透明な窓があることが和名の由来であるが、メスは黒色ではなく淡黄色で上翅、下翅ともに退化している。これはマドボタル属特有のメスの特徴で、世界中に生息するマドボタル属のメスは、すべて同じような形態である。ホタル科の多くが、前胸部が赤で前翅が黒色という典型的な「ホタル」の形態色であるが、本種は、全身が黒色というのも 興味深い。
 南西諸島に生息するマドボタル属の成虫は、夜行性でゲンジボタルのようによく発光するが、クロマドボタルのオスの成虫は昼行性で、天気の良い日は午前9時頃から活動を始め、林縁の草むら上をよく飛んでいる。また、夜間には微弱な発光をし、メスに近づくと強く発光するが、配偶行動は光によるコミュニケーションではなくフェロモンによると考えられている。メスは、飛ぶことができないため、木の切り株や葉上に這い上がってフェロモンを発し、オスの飛来を待つようだが、その目撃例はなく、落葉の下でじっとしているところが稀に見つかる程度である。写真のメスは、人工飼育により羽化させて撮影したものである。
 幼虫は夜行性で、草の葉上や木の枝を這い回り、カタツムリの一種であるウスカワマイマイ(Acusta despecta sieboldiana Pfeiffer,1850)等の陸生貝類や小さなクモ等を食べて生活しているが、樹液を吸う様子も観察(水分やミネラル類を補給していると思われる。)されている。また、人工飼育では、バナナやリンゴ等の果実、カブトムシの人工的な餌であるゼリーも食することが分かっている。幼虫は、冬季を除く期間よく発光し、秋になっても発光している様子が見られることから、地域によっては秋蛍、または土ボタルとも呼ばれている。尚、幼虫の光は明滅することなく連続光であることから、コミュニケーション・サインではないと思われる。
幼虫は前蛹を経て蛹になるが、土中に潜って土まゆを造ることはなく、地表に横たわって蛹になり、蛹の期間はおよそ10日間である。(尚、卵も蛹も連続発光する。)

 写真は、比較のために宮古島に生息するミヤコマドボタル(Pyrocoelia miyako Nakane,1981)も掲載した。

参照:オオマドボタル

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クロマドボタル(オス)

クロマドボタル(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 500(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.3)

クロマドボタル(メス)

クロマドボタル(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/30秒 ISO 3200(飼育個体 2011.2.26)

クロマドボタル(オス)

クロマドボタル(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 400(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.3)

クロマドボタル(幼虫の発光)

クロマドボタル(幼虫の発光)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/30秒 ISO 3200(飼育個体 2010.5.24)

クロマドボタル(蛹の発光)

クロマドボタル(メス蛹の発光)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
バルブ撮影 F16 43秒 ISO 400 ストロボ使用(飼育個体 2010.5.25)

クロマドボタル(蛹の発光)

クロマドボタル(メス蛹の発光)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
バルブ撮影 F16 43秒 ISO 400 ストロボ使用(飼育個体 2010.5.25)

ミヤコマドボタル

ミヤコマドボタル
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:沖縄県宮古島市 2012.09.08)

発光するミヤコマドボタル

発光するミヤコマドボタル
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
絞り優先AE F2.8 15秒 ISO 3200(撮影地:沖縄県宮古島市 2012.09.08)

発光するミヤコマドボタルの幼虫

発光するミヤコマドボタルの幼虫
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 6400(撮影地:沖縄県宮古島市 2012.09.08)

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クロマドボタル(成虫)の発光

2009-07-19 00:17:13 | その他ホタル
 山梨県にヒメボタル観察に行ってきた。

 3連休の初日とあって、中央道は大渋滞。国立インターチェンジから乗ったものの、歩いた方が速いくらいのノロノロで、これが上野原まで続いた。ETCを搭載していない私は正規料金を支払うのだから、優先して通して欲しいくらいだが、致し方ない。目的のインターチェンジまで3時間近くかかったが、何とか到着。

 周囲を散策した後、17時半に目的地の山の麓へ行き、車を止める。ここからは、徒歩で登山道を登る。息を切らして登ること15分。これまで雑木林の下草が背丈ほど伸びていたのが、ここから急に20~30cmになる。ヒメボタルの生息地である。立っているのもやっとの急勾配。登山道脇の木にもたれかかりながら、その時を待つ。運悪く、雨だ。森の中にいるから滴もほとんど落ちてこないが、できれば止んで欲しい・・・。

 19時10分。1匹のヒメボタルが発光を開始する。19時半、しだいに発光するヒメボタルが増え、ヒメボタルに取り囲まれる状態だ。昨年に引き続き、素晴らしい光景を見ることが出来た。漆黒の森の中に無数のゴールドの点滅。先週に訪れた奥多摩とは、また違ったすばらしさだ。

 ヒメボタルを観察している途中で、とても重要な発見があった。何と、クロマドボタルの成虫が発光していたのである。クロマドボタルの幼虫が発光することは広く知られているが、クロマドボタルの成虫が発光を確認したのは、私にとって今回が初めてである。

 クロマドボタル成虫の発光は、ゲンジボタルやヘイケボタル、或いはヒメボタルの成虫の発光とは異なり、規則的な明滅はしない。幼虫の発光同様に数秒間光り続けるが、時折強く発光する。昼行性のクロマドボタルは、光を雌雄のコミュニケーションツールとしていない。発光は威嚇なのだろうか?これからの研究課題である。

東京にそだつホタル>東京ゲンジボタル研究所/古河義仁

スジグロボタル

2009-06-07 18:15:10 | その他ホタル
 スジグロボタルの観察と写真撮影に東京の高尾の程近い谷戸田に行って来た。谷戸田は放棄水田で、カサスゲが茂り湿地になっているが、スジグロボタルの絶好の生息地となっている。昨年は写真撮影に失敗したので、今年こそは美しい姿を収めたい。朝9時。湿地脇の山道をゆっくりと歩いていると、湿地から生えている草の葉の上に、スジグロボタルを発見。おそらく羽化して地上に出てきたばかりなのだろう。何匹ものスジグロボタルが、同じように葉の上でじっとしていた。1年待った甲斐があった。昨日の源平合戦を撮影したフィルム(プロビア400F)の残りを全て撮り尽くした。
 
 10時半に家に帰ったが、ふとカメラのフィルム感度の窓を見ると、何と昨日のゲンジボタルの乱舞風景を撮影した時のままISOが200ではないか!これでは、露出オーバーで真っ白かもしれない。何たることか。また失敗か!時期といい、天候といい、こんなチャンスはもう無いかも知れない。また行くしかない。直ぐさま近くのカメラに行き、プロビア100を買って、高尾へUターンである。
 
 12時。再度、撮影開始である。しかし今度は、肝心のスジグロボタルがいない。気温が高くなり、日光が湿地を照らしている。おそらく葉の陰か、雑木林の中まで移動してしまったのだろう。辛抱強く探すこと1時間。ようやく1匹のスジグロボタルを発見。日陰になっている谷戸田の最上部、地表近くのシダの葉の上にいた。近寄ろうとすると、飛び立ってしまった。体調1cmのスジグロボタルを追いかけた。2mほど飛んだところで、草の葉へ。慎重にピントを合わせ、24枚を撮り尽くした。

 この写真は、ホームページ(東京にそだつホタル

クロマドボタル

2009-05-04 21:53:56 | その他ホタル
 5月2日、4日とクロマドボタルの幼虫観察に行って来た。2日は、あきる野と青梅に、4日は、八王子とあきる野の生息地にいったのだが、二日間で出会えたクロマドボタルの幼虫はたったの1頭。林道脇のササの茎で発光していたが、これ以外はまったく見つけることができなかった。4月25日以来、雨が降っていないため、林道脇の茂みも乾燥している。どうやら陸生ホタルの幼虫は、活動が活発な夜間でも、乾燥した状態が続いていると落ち葉の下の土に体を密着させてじっとしているようである。
 観察のために持ち帰った幼虫も、昨日は昼夜を問わず落ち葉の下でじっとしていた。ウスカワマイマイも殻の中に閉じこもっている。

陸生ホタルの生態と生息環境