オオオバボタル Lucidina accensa Gorham, 1883 は、ホタル科(Family Lampyridae)オバボタル属(Genus Lucidina)で、本州、四国、九州に分布し、低山地の雑木林に生息する陸生のホタルで、昼間に活動する。
オオオバボタルの体長は、オス約14mm、メス約15mmで、同属のオバボタル(オス約8mm、メス約10mm)に比べてかなり大きく、ゲンジボタルと同じくらいの大きさである。本州で見られる陸生ホタルの中では一番大きな種である。前胸部にはたいへん鮮やかな赤斑がある。発光器があり、羽化直後はかすかに発光するが、その後はほとんど光ることはない。体長と同じくらい長い触覚が特徴で、フェロモンによる配偶行動を行っている。
他の陸生ホタルの幼虫が、浅い地中か落ち葉の下で生活するのに対し、オオオバボタルの幼虫は、雑木林の朽ち木の中で生活し、ミミズなどを食べている。
ムカシトンボが生息する渓流沿いに続く砂利の林道。日当たりが良い少し開けた斜面に伐採された杉の木が、草に埋もれるようにして、いくつも折り重なって積み上げられている。10年以上は経っているであろう、木は朽ちてコケが密集するように生えている。オオオバボタルは、このような場所で見られるが、かなり局所的である。
成虫が見られる期間は2週間ほど。日中に訪れ、朽木の周囲に生えている草の多く目の葉の裏を丹念に探すと、隠れている本種が見つかる。飛び回っても、朽木からあまり離れることはないようである。個人的感想ではあるが、体の色・形ともに、たいへん美しいホタルであると思う。ほとんど光ることはないが、発光器が赤色であることも面白い。秋や蛹になる前の5月頃は、朽木の外を発光しながら歩き回る幼虫を観察することができるので、探してみたい。
オオオバボタルは、これまで単独での記事を掲載していなかったので、今回、写真ともに紹介した。
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Canon 7D / TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/20秒 ISO 3200(撮影地:山梨県北杜市 2013.7.06 5:35)

Canon 7D / TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/160秒 ISO 640(撮影地:東京都青梅市 2010.6.26 15:26)

Canon 7D / TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/60秒 ISO 400(撮影地:山梨県北杜市 2013.7.06 5:34)

Canon 7D / TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400(撮影地:山梨県北杜市 2013.7.06 5:33)

Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 500(撮影地:東京都青梅市 2010.6.26 15:23)

OLYMPUS OM-2 / ZUIKO MC AUTO-MACRO 50mm F3.5 / FUJICOLOR PRO400(撮影地:東京都青梅市)
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