今年も、春になってからホタルの幼虫を放流した所は全国的に多い。ホタルの幼虫を放流することは、けして悪いことではない。しかし、放流の時期が3月であるということとそれだけに頼っていることに大きな疑問を感じる。
ホタルが一生を通じて安心して暮らせる環境を取り戻す努力はしないで、終齢になるまで育てた幼虫を放流するのはおかしい。
放流するならば、7月か8月のホタルの幼虫が孵化した直後、もしくは台風が去った後の10月頃に行うべきである。飼育すれば観察もできるから、環境教育上も大切だが、実際は、なるべく沢山のホタルの成虫が飛ぶようにと人工養殖しているにすぎない。人が見るためだけに無理矢理ホタルを復活させている。これをホタル保護とか、自然環境保護と思うことは間違いである。こうしたことを推奨し指導する者の中には、単なる飼育屋がビジネスとして行っている場合もあるからあきれてしまう。今後は、マスコミも記事にする前にホタルや自然について勉強してほしいと思う。
是非とも、「自然環境を取り戻した努力の結果、ホタルの幼虫放流をしなくてもホタルが飛んだ。」というニュースを多く聞きたい。