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東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

春のトンボツアー 廃田湿地編

2025年05月02日 | トンボ
河川を離れてシオヤトンボが羽化に急ぐ谷戸の廃田湿地へ訪れた。

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
手間の水溜りに見える黒い物体はいったい?

アズマヒキガエルのオタマジャクシ

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
沿岸部の個体群は脚が生えて陸上の生活へと移行しているけれど、丘陵地から底山地に分布する個体群はひと月程遅い様子に伺える。繁殖期に地域差が見られるところが面白く、また、沿岸部の公園池から低山地の水辺までの広域に分布する順応性を持つところも非常に素晴らしい。

シオヤトンボ 雌(羽化)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
羽化場所は湿地面からほんの数センチ上。羽化色が周辺の環境色に擬態しているので、
上から探しても発見しづらく、低い姿勢で植物の間を縫うように探すと発見に繋がる。

シオヤトンボの羽化を撮影するSさん

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
Sさんが居る位置は早くも日影になっていた。この廃田は周辺の林の遷移が進み以前よりも日照時間が限られて来ている。いずれ日影の廃田になってしまうのだろうか。Sさんが突然サンショウウオみたいなのが居ると言うので捕獲。その正体は...

アカハライモリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
数年前から繁殖期に来ると見かけていた。健在で何より。右側の尻尾の太い方がオス。自分には見えていないところを見ているSさんは流石だ。アカハライモリをリリースしたところで、この湿地を離れて越冬トンボが活動する水辺に向かった...

撮影日:4月29日

春のトンボツアー 河川編

2025年05月01日 | トンボ
昭和の日は、日の出前から出発して、春の都下でトンボ修行中のSさんと観察ツアーを楽しんだ。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
朝一はホームの河川に入った。夜半まで降り続いた雨の影響により、増水を懸念でいたが通常の水位で何より。地形変化や底質によるヤゴを含めた水生生物の付き場等を解説しながら羽化の状況を探っていると...いた!

アサヒナカワトンボ 雌(羽化)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
上流部に続けて中流部の羽化個体にも出会えて何より。今回は完全に体色が出る前の段階を掲載。東京都で見られるカワトンボ科の羽化時初段階の翅は白色なのが特徴。アオハダトンボとハグロトンボもこの段階では翅が白い。それらの羽化にもタイミングを合わせて証明できればと思う。

アサヒナカワトンボの羽化を撮影するSさん

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
お一人でのフィールドワークの最中に、ヒメクロサナエの羽化を発見なされ、着実にトンボ修行の成果を出されていて頼もしい限り。

コヤマトンボ 雄(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
運良く定位からの発見が叶っていたコヤマトンボ。羽化の進行を撮影していたその内の最高の一枚。
体型、体色ともにコヤマトンボらしく見えてきた時。

コヤマトンボ 雄(羽化後)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
残念ながら飛び立つ姿にはピントが合わず...
ここで河川の観察を終えてシオヤトンボが羽化に急ぐ谷戸の休耕田へ向かった...

撮影日:4月29日

エノキの実生で

2025年04月30日 | チョウ
日曜日は調査報告書をやっつけてから娘と沿岸部のフィールドへ向かった。そろそろアカボシゴマダラの幼虫が蛹になっているはず。そう思い、エノキの実生をチェック。あ、ちょい待ち、その前にサクラの胴吹きでナナフシチェック。すると...

ナナフシの幼虫(ナナフシモドキ)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
この時期は林縁の日影にあるサクラの胴吹きをチェックするとナナフシを見つけられるかも知れない。

続いて本命の蛹探し。すると...

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

アカボシゴマダラの蛹

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
見た目は草餅を使用した一口餃子のイメージ。触るとブルブル動くので娘に試してもらった。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
吊るした魚が暴れている様で面白いけれど、昆虫は遊び道具ではないから、やりすぎには注意。

アカボシゴマダラの蛹

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
逆光からだと葉に擬態していて目立たない。

アカボシゴマダラの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

アカボシゴマダラの蛹

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
エノキの葉の欠けている部分にマッチして擬態している素晴らしい場面を発見する事に成功。
羽化殻もあったのでそろそろ白化型の春型成虫が林縁に飛翔す姿を観察できるに違いない。

PS:この度は東京港グリーンボランティアを脱会しました。昆虫イベントにご参加予定されていたご家族の皆様には、
ご不便をおかけして申し訳ございません。また何処かのフィールドでお会いできる事を楽しみにしています。


撮影日:4月27日

副産物

2025年04月28日 | トンボ
この土曜日は気温が低くどんよりとした曇り空の中、ヒメクロサナエの羽化を撮りに上流部へ訪れた。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
先ずは羽化殻の数をチェックして状況把握に努めていると、羽化中のトンボを発見!それは...

アサヒナカワトンボ 雌(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
発見時は裂開したばかりで動かず、もしかしたら羽化不全かと思ったが、暫く様子を見ていると羽化を進行してくれたので一安心。アサヒナカワトンボのメスらしい姿になった時の一枚。どうしてもヒメクロサナエは羽化殻しか見つからない...そんな時、テネラルが飛び立ち植物に静止!それは...

ヒメクロサナエ 雌(テネラル)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
この体色の段階を見る限りでは、おそらく前日の午後に羽化した個体の居残りに伺える。

アサヒナカワトンボ 雄(橙翅型の羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カワトンボ科は護岸のえぐれの天井部分を羽化場所に選択する事がよくあるので要チェック。
こうした場所は晴れた日だとコントラストが強すぎて難しい場合が多く曇りだからこその出来映え。

ヒメクロサナエの羽化殻

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
本命は羽化殻とテネラルのみ。アサヒナカワトンボの羽化殻も混じるが、この数からすると羽化終盤といったところかも知れない。羽化殻から時期や状況を読むのもトンボ観察の楽しみ。ヒメクロサナエはアオサナエの羽化と同時期なので、どうしてもアオサナエの美しい青草色の羽化色を優先してしまい、何時もヒメクロサナエの羽化は後回しになってしまう。本命がダメでもアサヒナカワトンボの羽化を発見できたので何より。

撮影日:4月26日

4月下旬の草はらで

2025年04月24日 | いろいろ
娘たちと河川のトンボ観察を楽しんだ後、沿岸部の草はらの様子が気になり寄り道。

キリギリスの幼虫

このところ幼虫が発生するタイミングで草刈りがされてしまうパターンなので数が少なく残念。
管理された公園に生息するバッタの最大の天敵は草刈りだと思うけれど被害妄想だろうか。

ヤブキリの幼虫

前回撮影した画像だけれど、キリギリスとの見分け用に掲載した。
背中の色模様と体型が違い、掲載画像ではわかりずらいがキリギリスの方が後脚が長い。

ツバメシジミ

バッタを探している最中、メスの取り合いで目立っていた。今までツバメシジミは初夏のイメージだったけれど、春先に発生している事を最近知った。そろそろ河川敷ではギンイチモンジセセリ(春型)のシーズンだ。探してみよう。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:4月20日