ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ホタルの生息する環境づくりの指導

2006-05-28 21:05:27 | ホタルに関する話題
半年かけて、ある場所のホタルの生息する環境づくりの指導をしているが、人工河川において自然を再現することはたいへん難しく、膨大な時間がかかるが、ようやく形ができてきた。土づくりも植生も理想の10%だが、それでも早々10匹ほどのホタルが羽化してきた。6月になれば、100匹は飛び交うだろう。いい状態として定着するには、地道な努力を続けても後数年はかかるだろう。
東京にそだつホタル

写真は、我が家のベランダで咲き出したクランベリーを携帯電話のカメラで写したものである。私は、食べられる実のなる植物が好きで、現在はクランベリーの他、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーの鉢植えが並べてある。毎年、どの植物も実をつけるが、どうしてもクランベリーだけは熟すまでにいかない。ヒメリンゴのような赤い実がなるが、途中で小さく萎んでしまう。なぜなんだろうか?

我が家の愛犬「プリン」の死

2006-05-24 21:56:08 | 動物
平成7年(1995年)1月17日午前5時46分、淡路島北淡町野島断層を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。淡路島、神戸市、西宮市、芦屋市など、震度7の烈しい揺れに見舞われ、死者6,433人。行方不明3人、重軽傷者者43,792人。全半壊家屋274,181棟。焼失家屋約7,500棟、避難者約35万人の大惨事であった。この被災地で生まれたのが我が家の愛犬「プリン」である。里親に募集し、神戸から引き取ったときは、まだまだ小さな子犬だった。そして11年。家族の一員であった「プリン」が、午前1時30分逝ってしまった。寂しさ、悲しさに言葉を失っている・・・。

2006-05-20 18:43:12 | その他
午前中は晴れて蒸し暑かった。午後は強風で快晴になり、15時頃に太陽が陰ったのでふと空を見上げると、北の方は黒い雲が立ちこめており、あっという間に土砂降りの雨となる。そして18時。美しい空が広がっていた。私は、空を見上げるのが好きだ。真っ青な空もいいが、様々な雲が浮かんでいる空は、その雄大さを味わえる。人間はいかに小さいか、つまらないことも忘れられる。

小田原で早くもホタル発生か?

2006-05-18 22:28:24 | ホタルに関する話題
梅雨のように小雨が降る毎日が続いている。勤務先のビルの窓から見える新宿の高層ビル群も霞んでいる。土に潜ったホタルの幼虫にとっては、乾燥を防ぐことが出来るので好都合だが、われわれ人間にはうっとうしい天気である。

21時頃、小田原近くに住む義理の妹から家内の携帯にメールが入った。帰宅途中、家の近くで緑に光るものを発見したという。捕まえようとしたが、ゆっくりと飛び去ってしまった・・・。ホタルは見たことがないので、ホタルかどうかは分からないという。
九州では、すでにホタルが発生しているが、小田原で早くもホタル発生だろうか?ちなみに3月と4月の気象状況を調べてみたが、4月10日から12日にかけて雨が降っており、最低気温も10℃以上あった。このときに上陸していれば、単純に言えばそろそろ発生する時期だが、4月12日後の気温はそれほど高くなく、最低気温が10℃を下回る日も多くあるので、積算温度からはまだ発生時期ではない。そもそもそこにホタルが生息しているかどうかも不明だ。
飛んでいた光は、いったい何なのだろうか?

ホタルの幼虫の上陸週間

2006-05-13 09:31:27 | ホタルに関する話題
先週のゴールデンウィークは晴天続きだったが、週が変われば毎日雨模様である。
ベランダの鉢植えの植物も、一気に緑が濃くなった。タイムは花盛り、ラベンダーも花穂が伸び始めてきた。乾燥を好むハーブたちには、この雨続きの天気は残念だろうが、生き物には大切なものである。
平日は、ホタルの観察フィールドまで行くことは不可能であるから想像でしかないが、今週は気温の高い日も多かったので、ホタルの幼虫の上陸週間であったに違いない。今日も朝から雨であるが、少々気温が低い。都内で一番発生の遅い場所に観察に行こうと思ったが、最低気温の予想12℃では、上陸はしないかもしれない。

まだまだ続く、ホタル幼虫の放流や飼育の報道

2006-05-10 14:43:18 | ホタルに関する話題
ホタル幼虫の放流や飼育のメディア報道は、相変わらず続いている。

「ホタルの繁殖を進めている○○市において、身近な水辺でホタルの発生を通し、環境に対する関心を高める狙いで、幼虫が上陸する“島”を造ったり、えさになるカワニナを放流。その後、ホタルの幼虫も取り寄せ、このほど幼虫200匹を放流した。期待通りの“乱舞”が見られるのか注目される。」

「○○地区は、昔はホタルがよく飛び交っていたが、宅地開発で数が減ったという。川の水の美しさなど良好な環境の象徴となるホタルを育てることで、子どもたちに地域や環境に関心を持ってもらおうと、4年前から地元の子どもたちや市内のボランティアらが飼育を開始。毎年数匹から数10匹が羽化しているという。」

幼虫やカワニナの放流は、ホタルのいない場所にホタルを復活させるのであれば、初期段階ではどうしても必要である。しかし、上陸間近の終齢幼虫ばかり放流して満足しているようであれば、ホタルは定着しない。将来的には、放流しなくてもホタルが舞うように、生息環境の整備に努力しなければならない。

水槽で養殖したホタルを疑似ビオトープに放流して羽化させることによって、本当に「環境に対する関心を高める」ことができるのであろうか。環境に対する関心を高めた後は、一体どうするのであろうか?ホタルのためになるのであろうか?

東京にそだつホタル

東京でホタルの幼虫が上陸

2006-05-07 22:48:22 | ホタルに関する話題
晴天続きのゴールデンウィークだったが、最終日の本日は待望の雨となった。4月は雨の日が6日間あったが、雨天時の最低気温が10℃の日が2日で、後は10℃を大きく下回っていた。雨天以外でも、気温の低い日が多い。これでは、ホタルの幼虫は上陸しない。5月に入り、2日が雨だったが、気温が11℃しかなく、ホタルの幼虫は上陸しなかった。そして本日。朝から編めで気温も高く18時時点で18℃ある。いよいよ上陸か?
観察フィールドである2カ所に出かけてみた。19時15分に第一地点に到着。残念ながら雨は止んでしまったが、発光しながら上陸しているホタルの幼虫を1匹発見。19時半になると、さらに3匹発見した。雨が降っていたら、もっと多くのホタルの幼虫が上陸しただろうと思われる。
20時過ぎに第二地点に移動する。こちらも、およそ10匹であるがホタルの幼虫の上陸が確認できた。ある範囲の茂みにまとまって上陸している幼虫もいるが、その対岸にも上陸している。上陸する岸辺に関しては、ある一定の法則は見いだせない。岸近くの岩の上に上陸している幼虫もいる。岩の上をうろうろして、しばらくすると水中に戻ってしまった。写真に撮影したが、三脚は使用出来ず、ピントを合わせるのも難しかったために、上手く撮れているかは現像しなければ分からないが、フィールドでの貴重な写真となるので、期待したいところである。
昨年も同日に観察に来て上陸していたが、これからが上陸の本番であろうと思われる。
ホタルの生態写真集はこちら東京にそだつホタルホタルの写真をどうぞ。

オーレル・ニコレの芸術

2006-05-07 11:12:57 | 音楽
 これまで、フルーティストのゴールウェイ、ランパルと紹介したが、今回は80歳を迎えたオーレル・ニコレを紹介したい。
 フルートを手にする人たちは、一度はこう自問してみたことがあるにちがいない。一体、フルートという楽器にどれほどのことが可能なのか?音の戯れを越えて、その背後にある人間精神の内奥に切り込むには、その音はあまりにも無力なのではないか・・・
 ニコレは、フルートに無理強いして、意志的な表現や激しい感動を求めようとするのではない。フルートを出来る限り美しくやわらかに響かせて、その美観の中に感覚を越えたものを見いだしていこうとするものである。透明で暖かく、心の底にまでしみ通ってくる響きである。この道は、音楽という芸術の本道であろう。なぜなら、音楽における精神性は、音の中にしか示されず、音によってしか伝達されないものだからである。
 今日、パユやバイノンなど艶やかで達者なフルートを聞かせてくれる奏者は少なくない。しかし、フルートにその先があることを教えてくれる人は、ニコレを除いて何人の奏者の名を挙げることができるだろうか。
 そんなニコレの音楽芸術を味わうには、やはりバッハが一番であるが、私の一番のお気に入りは、今から42年前に録音したフランソワ・クープラン/王宮のコンセール第4番ホ短調である。

国分寺姿見の池緑地保全地域

2006-05-06 10:47:36 | その他
 中央線の線路の北側、西国分寺駅から国分寺駅方向へわずかのところに小さな林があり、その国分寺駅寄りに池がある。これが姿見の池である。この池は、玉川上水から分水された恋ヶ窪用水の通り道にあり、溜池になっていたのではないかと思う。用水への給水が止まり、どうやら最近まで水がない状態だったようだが、近年、東京都の緑地保全地域に指定され、湿地の復元が行われている。試掘してみたところ、湧水も復活し、また、JR武蔵野線のトンネルから湧き出す地下水をくみ上げ、野川に放流する計画の中継地となっていて、緑地復活の中心地となりつつある。

 この池にいつの頃からか、カワセミが見られるようになった。今日も池に張り出した桜の枝先に止まっていた。遊歩道では、5,6人の男性が望遠レンズを向けている。聞いてみると朝5時からいるという。よい写真が撮れることを願う。


ブラベ/フルート協奏曲

2006-05-05 16:41:04 | その他
風薫る五月。良い天気に新緑。今日は予定もなく家でのんびりとできそうだ。久しぶりにランパルの音が聞きたくなった。ランパルとは、フランスのフルートの巨匠ジャン・ピエール・ランパルである。すでに亡くなっているが数多くのCDを出している。J.ゴールウェイやA.ニコレとならんで私の好きなフルーティストの一人である。ランパルは、地中海的、牧歌的、外向的・・・その音は少々線が細いが明るく、そして天才的なテクニックで吹き飛ばすといった感じであろうか。レパートリーもバロックから近代まで幅広いが、中でもバロック協奏曲はすばらしい。
エラートの輸入盤でM.ブラベのフルート協奏曲イ短調がお気に入りである。パイヤール室内管弦楽団の格調高い弦の音の上を伸びやかに歌うランパルの音は、きらびやかで生き生きとしている。まさにブラボー!