ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

相州三浦秋屋の里

2024-02-25 14:20:16 | 風景写真/海

 秋谷の立石にて、富士と満月を撮ってきた。前回の群馬遠征から一か月以上空いての撮影である。

 2024年2月24日は満月(実際は24日の21時半が満月)である。アメリカの農事暦で「スノームーン」と呼ばれ、今年地球から最も遠い小さく見える満月だが、日の出日の入り時刻と月の入り月の出時刻から、富士山頂に満月を重ねる「パール富士」が撮れるチャンスの日でもある。
 パール富士は、ダイヤモンド富士と違って、そもそも撮影できる日は年に数回しかなく、昇るパール富士は、緻密な計算を行って撮影場所を決めても、昇ってくる月が富士山で見えないので、運の良さも必要だ。沈むパール富士においては、当然、山頂と重なる方角を計算して撮影場所を選定する必要はあるが、最後の瞬間は、沈む月の角度を見極めながらちょっと移動すれば富士山頂の好きな位置と重ねることができる。いずれも撮影できれば、貴重な一枚であることに違いはない。
 「パール富士」は、過去にどちらも撮っている。昇るパール富士は、2021年の2月27日に撮影し「パール富士(スノームーン)」として掲載しており、沈むパール富士は、昨年の一月に撮影し「パール紅富士」として掲載している。勿論、どちらも満足できる結果ではなく、チャンスがあれば再び挑戦したいが、今回は、単に富士と満月を重ねた画角の狭い写真ではないものを残したいと思い、昨年の秋からイメージを膨らませていた。富士と満月という主役たちを引き立てる脇役が欲しい。そこで、今回撮影場所に選んだのが「秋谷の立石」である。

 秋谷の立石は、神奈川県横須賀市の葉山町にあり、古くから景勝地として知られ、初代歌川広重が『相州三浦秋屋の里』を描いたのをはじめ、その後も多くの画家や写真家たちに愛されてきた。相模湾越しに富士山を眺めることができ、三浦半島屈指の絶景といわれ「関東ふれあいの道」や「かながわの景勝50選」、そして「横須賀風物百選」や「横須賀市指定市民文化資産」にも選ばれている。特に夕暮れが美しく、湘南で随一のスポットになっており、過去に一度だけ夕方に訪れ「秋谷の立石」として掲載している。
 ここのポイントは海と富士山と松の木である。今回は、歌川広重が描いた絵に、満月を加えようと考えたのである。問題は、天気。ここ一週間近く天候が悪く、23日は自宅付近はみぞれ交じり。予報では24日の早朝は晴れマークであり大チャンス。
 東京国立の自宅を23日17時半に出発し、東八道路、環八、第三京浜経由で横浜横須賀道路の衣笠ICで降り、立石公園の無料駐車場に20時に到着。4割ほど埋まっていたが、徐々に少なくなり、深夜は2割ほどの駐車率。写真撮影の車ではなさそうである。箱根に雪が積もり翌日が晴ならば、大観山に行ったカメラマンは多いだろう。千葉県の鋸南町辺りなら「パール富士」目当てのカメラマンが多いだろうが、立石公園に車中泊で来るカメラマンは、ほとんどいないようだ。
 深夜は曇っていたが、4時頃には快晴となり、月も富士山も良く見える。4時半から準備を開始し撮影を始めた。葉山でも気温は4度。風が強く寒いが、前回の群馬遠征から比べれば優しいものである。レンズや撮影場所を変えながらシャッターを切った。満月はゆっくりと降りて行き、色彩も刻々と変化する。富士山と海と松の木、そして満月。将に日本らしい風景である。今回は、月の入りの1分後に日の出となることと、東方面の海上に雲が低くかかっていたことで、満月と紅富士を同時に収めることはできなかったが、ブルーモーメントの富士と満月が、私の「神奈川三浦秋谷の里」の一枚になった。

 これまで休日と天候などの関係で、計画していても見送ったものが多いが、今年の8月末までは、1つ1つ計画をクリアしていきたい。とりあえず2月の計画は達成。3月は、新潟、群馬、静岡での天の川撮影、地元近くでのオツネントンボの産卵(未撮影)の観察と撮影を計画しており、月を追うごとに多忙を極める予定になっている。

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参照

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

秋谷の立石にて富士と満月の写真
秋谷の立石にて富士と満月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 20秒 ISO 100 -1EV(撮影地:神奈川県横須賀市葉山町/立石公園 2024.2.24 5:31)
秋谷の立石にて富士と満月の写真
秋谷の立石にて富士と満月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 15秒 ISO 100 -1EV(撮影地:神奈川県横須賀市葉山町/立石公園 2024.2.24 5:44)
秋谷の立石にて富士と満月の写真
秋谷の立石にて富士と満月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:神奈川県横須賀市葉山町/立石公園 2024.2.24 6:04)
秋谷の立石にて富士と満月の写真
秋谷の立石にて富士と満月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:神奈川県横須賀市葉山町/立石公園 2024.2.24 6:07)
秋谷の立石にて紅富士の写真
秋谷の立石にて紅富士
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 50 +2/3EV(撮影地:神奈川県横須賀市葉山町/立石公園 2024.2.24 6:27)
相州三浦秋屋の里(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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春よ来い

2024-02-19 17:32:00 | その他

 2月中旬だというのに、18日は全国的に気温が上がり、3月から4月並みの暖かさとなった。北海道と東北では2月としては観測史上最も高い記録的な暖かさだという。気象庁によれば、日本付近では、偏西風が平年よりも北側へ蛇行したために南の高気圧の勢力が強まったことに加え、日本の北にある低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだことで九州から北海道にかけて広く気温が平年を大きく上回ったことが原因だという。
 日差しの下ではシャツの袖をまくり、春の暖かさを心身ともに感じたが、数日後には再び寒気が南下し、季節は逆戻りするようである。こうした気温の周期的な変化は、春の訪れが近いということだ。能登の復興のためにも早く本格的な「春」が訪れて欲しいと思う一方、今季は、各地で雪不足となっており、オープンできなかったスキー場もあると聞く。掲載した1枚目の写真は、2014年に信州霧ヶ峰で撮影したダイヤモンドダストとサンピラーであるが、もう見ることができないかもしれない。また、雪だけでなく雨も少なく、ダムの貯水率が低下している地域もあり、今後の水不足が懸念される。期待と不安が混じった「春」がそこまで来ている。

 さて、気が付けば今年は数えで61歳「本厄」。先日、東京都田無にある「田無神社」で厄除けのお祓いをしてもらったのだが、私にも、期待と不安が混じった「春」が待っている。春といえば、卒業や旅立ちの季節でもあるが、私においては、誕生日の前日である4月9日に28年間務めた会社を定年退職することにしたのである。
 2月16日から退職日までは、年次有給休暇の消化で、毎朝4時半に自宅を出て出勤してきた日々とも別れを告げた。まだ実感がなく、しばらくはのんびりと過ごしたいが、その後は、これまでできなかったことをやり抜く期間にしたいと思っている。
 ホタルの観察や昆虫、自然風景の写真撮影など、天候と休日の組合せによって貴重なチャンスを無駄にしてきたものが多い。これらを1つ1つ達成したい。また、ホタルの保全に関する講演会や勉強会の講師についても、これまでは日程的にお断りしたことも多かったが、今後は、ご要望にお応えできると思う。詳細はこちら「ホタルの講師派遣

 悔いのない人生と感じた時こそが「冬」から抜け出し「春」を迎えた時。そんな春を呼びたい。これも心構えと行い次第。日の出とともに新たな出発である。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ダイヤモンドダストとサンピラーの写真
ダイヤモンドダストとサンピラー
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/640秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰高原 2014.3.15 6:54)
大山千枚田の日の出の写真
大山千枚田の日の出
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/80秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市/大山千枚田 2018.3.25 5:50)
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