ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ヤンバルトゲオトンボ

2023-07-11 13:40:59 | トンボ/トゲオトンボ科

 ヤンバルトゲオトンボ Rhipidolestes shozoi Ishida, 2005 は、トゲオトンボ科(Family Rhipidolestidae)トゲオトンボ属(Genus Rhipidolestes)のトンボ。トゲオとは「棘尾」の意味で、オスの腹部第9節背面にトゲ状の小さな突起があることに因んでいる。トゲオトンボ科の種は、国内に7種1亜種の8分類群が分布しているが、これらいずれも分布が重なっていないので、基本的に一つの分布地域に1種(亜種)となる。本種は、沖縄本島北部の山原(やんばる)だけに分布している。沖縄本島では、名護市の多野岳の南西部および渡嘉敷島に分布する個体群は、オキナワトゲオトンボ Rhipidolestes okinawanus Asahina, 1951で、多野岳の北東部の山岳地帯に分布する個体群を本種としている。
 2020年に高知県にてシコクトゲオトンボ Rhipidolestes hiraoi Yamamoto, 1955 を探索したが見つからず、今回、トゲオトンボ科では初見初撮影で、ブログ記事「昆虫リストと撮影機材」「蜻蛉目」で108種類目となる。

 ヤンバルトゲオトンボは、山地の渓流に生息し、成虫は4月~7月ごろにだけ出現する。ヤゴは渓流沿いの水しぶきがかかる苔むした岩の上や、水が染み出した岩盤などに生息していると言われている。
 昨年も訪れた山奥に行ってみた。林道を進むと沢との出会いが幾つかある。その1つでは、去年も撮ったリュウキュウルリモントンボが数頭見られた。そこから数百メートル離れた別の沢に寄った見たところ、ヤンバルトゲオトンボを見つける事ができた。幸運にも交尾態も撮影することが叶った。そこでは、リュウキュウルリモントンボはいなかった。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ヤンバルトゲオトンボの写真
ヤンバルトゲオトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/50秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 11:22)
ヤンバルトゲオトンボの写真
ヤンバルトゲオトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F7.1 1/60秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 11:26)
ヤンバルトゲオトンボの写真
ヤンバルトゲオトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F7.1 1/60秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 11:25)
ヤンバルトゲオトンボ(交尾態)の写真
ヤンバルトゲオトンボ(交尾態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/160秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 11:31)
リュウキュウルリモントンボの写真
リュウキュウルリモントンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/50秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 10:57)
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