ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
自然風景の写真も紹介しています。

柿の木

2019-11-20 19:29:00 | 風景写真/秋

 秋の里山風景・・・鮮やかに色づいた紅葉も良いが、たわわに実をまとった大きな柿の木も印象的である。柿は、一説では氷河期の終わり頃に中国大陸から日本に渡ってきたと言われており、果物の中では唯一日本固有の種である。学名は Diospyros kaki Thunberg 「カキ」という日本語がそのまま使われている。意味は「神様の食べ物」である。
 柿は、古来より日本人と深いつながりがあったようだ。縄文・弥生時代の遺跡から柿の種が出土しており、食用として広まっていたと言われる。「古事記」や「日本書紀」にも柿の名前が記されている。また、鮮やかで濃い橙色の柿の実の色は、「柿色」として日本の伝統色として古くからある色名で、器の世界では柿右衛門が鮮やかな柿色を出す為に何年も苦労した話がある。江戸時代末になると、家屋のそばには必ず柿の木が植えられ、松尾芭蕉は「里古りて柿の木持たぬ家もなし」と句を詠んでいる。柿は、秋の季語であり、風物詩となったのである。そしてその光景は、我々がイメージする日本の原風景である。

 このように柿は、日本の歴史や伝統文化と共に日本人に愛されてきたが、現在、放棄放置された里山では多くの実が付いたままの光景を目にする。ある時、越冬するチョウの撮影の帰り道、寂れた里山の斜面で柿の実だけを残して佇む柿の木が目に入った。いつから放置されているのか分からないが、枝の剪定もされず樹形も乱れ、実も小さい。紅葉スポットの近くでもあるから人や車の通行量は少なくないが、誰も見向きもしない。里山に生き残った柿の木が深い悲しみを訴えているような気がしてカメラを向けた。

 実りの秋。「和」を感じさせる柿は、古くから日本人にはおなじみの果物でもある。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、柿は栄養豊富で、二日酔いにも良いと言われる。渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、利尿作用があるカリウム、肝臓の働きを助けるビタミンCも豊富なため、ワインを毎日1本空ける私には心強い存在だ。歴史や伝統文化を噛みしめながら旬をいただきたいと思う。

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柿の木の写真

柿の木
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/60秒 ISO 100 -1EV(撮影地:千葉県 2013.12.01 12:32)

柿の木の写真

柿の木
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100 -1EV(撮影地:千葉県 2013.12.01 12:24)

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秋のスナップ写真集

2019-11-17 13:51:01 | 風景写真/秋

 私は、昆虫の生態写真や自然風景を撮っているが、写真には様々なジャンルがあり、それぞれの撮影にそれぞれの楽しみ方がある。スナップ写真もその一つであろう。
 スナップ写真は、下準備その他特にせず、日常のできごとあるいは出会った光景を一瞬の下に撮影する写真のことである。「スナップ」は、狩猟用語にある不意に飛び立つ鳥などを銃で早撃ちする技術(スナップ・ショット)のことであるが、カメラが小型化されると写真の早撮りが広く普及しスナップショットという言葉が用いられるようになったと言われている。ちなみにスナップには「(機会などに)飛びつく」という意味もある。特に対象物を決めず、気ままに歩きまわり、気になったものを気取らずに感じたままに切り取り楽しむ撮影スタイルである。(ちなみに、ポートレート写真とは、人物をテーマの中心に置いた肖像写真と言われているもので、カメラマンとモデルのコミュニケーションによって作る共同作業的な写真のことである。)

 私の場合、昆虫でも自然風景でも特定の場所に特定の昆虫や光景を撮りに行く。気軽にぶらぶらと歩いて気取らずに撮るのではなく、目的をもって事前準備をして向かい、その場では三脚を据えてじっくりと時間を掛けて撮る。場合によっては、一枚も撮らずに終わったり、カメラをカバンから出さずに帰ることもある。撮影できた時は満足感と充実感があるが、撮れない時は、ストレスが溜まる。しかしながら、気持ちに余裕がある時は、その場においてスナップ写真を撮ることがある。
 以下に「秋のスナップ写真集」と題して、その場で出会い気になって撮った光景を集めてみた。手振れ補正機能などない長玉レンズを使うことが多いので三脚に据えて撮るから、厳密には「スナップ」とは言えない。また時間を掛けて対峙した結果の「作品」でもない。しかしながら、それらはただ単に撮っただけの「写真」ではなく、私にとっては撮る「意味」がある光景であったに違いなく、私だけに理解できるものである。それゆえ、本記事のスナップ写真は、発表ではなく、読者の皆様と感動の共有を求めるものでもなく、自己の心を見つめ直すための掲載である。

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夜明け前の写真

夜明け前の月と雲
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1.3秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2011.11.12 5:48)

夜明け前の写真

夜明け前に色ずく雲
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2011.11.12 6:10)

夜明け前の小田代ヶ原と貴婦人の写真

夜明け前の小田代ヶ原と貴婦人
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 30秒 ISO 100 -2EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2019.11.02 5:36)

夜明け前の赤井谷地の写真

夜明け前の会津赤井谷地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F14 2秒 ISO 100(撮影地:福島県会津若松市/赤井谷地 2011.10.08 5:23)

夜明け前の赤井谷地の写真

朝の会津赤井谷地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F14 1/15秒 ISO 100(撮影地:福島県会津若松市/赤井谷地 2011.10.08 6:20)

朝の星峠の写真

朝の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1.3秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2017.10.08 5:39)

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F22 0.8秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:山梨県丹波山村 2011.11.12 11:39)

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秋は「夕暮れ」

2018-11-03 20:58:32 | 風景写真/秋

 今年もあと二ヶ月。12月は癌の手術で入院するため、ほとんど遠征ができないので、今月が事実上の締め。昆虫撮影は天候と気分次第で「サツマシジミ」を予定。自然風景写真は、奥日光の小田代ヶ原の霧氷、美ヶ原の霧氷、新潟の星峠及び蒲生の棚田を予定しているが、すべて体調と天候次第。目指す光景が撮れない時は、過去に撮影した数千カットを見直して再現像し、未掲載の写真を中心に紹介していきたいと思っている。

 平安時代中期の女流作家・歌人である清少納言は、随筆「枕草子」で春と冬は「朝」、夏は「夜」、秋は「夕暮れ」が良いと詠っている。「枕草子」は 人生や自然、外界の事物の断面を鋭敏な感覚で描いたものだが、自身の素朴な体験と印象をただ羅列するのでなく、不遇の中でめめしい情緒に流されまいとする心のたたかいのもとに詠っているという。
 私自身の自然風景写真を「枕草子」と並べるのはおこがましいが、清少納言が美しいと思う四季をもとに整理すると、私の自然風景写真は、春と冬の朝が50%、夏の夜が30%、秋の夕暮れがは20%の割合であった。夏は当然のことながら「ほたる」であり、冬は霧氷が多いが、秋の夕暮れ、しかも夕日も写した写真はたった数枚しかなかった。
  「秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。 日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。 」
 そのような風情は全く感じられない「秋の夕暮れ」写真だが、以下に、ブログでは未掲載の3枚を並べた。霧ヶ峰の夕暮れ写真は、「ススキのある風景」にも追加掲載しているのでご覧いただきたい。

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秋の夕日の写真

秋の夕日/霧ヶ峰高原
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市・霧ヶ峰高原 2012.10.20 16:55)

日本海に沈む夕日の写真

日本海に沈む夕日
Canon EOS 7D / EF28-80mm f/3.5-5.6 USM / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200 -1/3EV(撮影地:新潟県糸魚川市能生 2018.9.22 17:05)

日本海に沈む夕日の写真

日本海に沈む夕日
Canon EOS 7D / EF28-80mm f/3.5-5.6 USM / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 200 +1/3EV(撮影地:新潟県糸魚川市能生 2018.9.22 17:33)

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棚田の秋

2017-11-14 22:31:52 | 風景写真/秋

 「棚田」は、山間部などの傾斜地に階段状に作られた水田のこと。先人達が果てしない労の末に築いた農村文化の結晶であり、新潟県十日町市の松代・松之山地区には「にほんの里100選」や「日本の棚田百選」に選ばれている棚田が多数点在する。この地域では、秋に代掻きを行って田んぼに水を張るため、安らぎを感じる「里山の原風景」として多くの人々に愛されている。

 11月12日。早朝に「美人林の紅葉」を撮ったあと、松代・松之山地区の三か所の棚田を訪れてみた。棚田は、地形に合わて作るため棚田ごとに違った見応えがあり、季節、時間、天候でも表情が変わる。どの表情も素晴らしいが、基本になる風景に雲海などのプラスαが加わって最上の光景が現れる。週末カメラマンが、その最上の光景に出会える確率は極めて低く、また今回は美人林の次いでに寄ったため、基本景観しかない。しかし、この光景は一期一会であり、二度と見ることはできない。写真作品としての価値はなくても、今日の表情という記録としての価値はあろう。

 棚田は、全国的に過疎化、担い手の高齢化、後継者不足といった問題を抱え、危機に瀕している。新潟県十日町市の松代・松之山地区でも若者の減少が目立ち、越後妻有(新潟県十日町市・津南町)の農家も高齢化が止まらず、この35年間に放棄された棚田は500ha以上、耕作面積は1970年の半分以下になっているという。こうした現状に対し、十日町市のできるだけ多くの田んぼを担い、美しい棚田を守るため「まつだい棚田バンク」というものがある。運営資金を出資し、米づくりに参加することで、棚田保全に参画するという仕組みになっている。
 近隣には、ゲンジボタルも多く生息し、景観の素晴らしさだけではなく、生態系豊かな自然環境が残っている。いつまでも存続するように、微力ながら協力していきたい。

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儀明の棚田の写真

儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 +1/3EV (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 -1/3EV (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

星峠の棚田の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/50秒 ISO 100 (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

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巾着田の曼珠沙華

2009-10-23 21:45:27 | 風景写真/秋
埼玉県日高市内を流れる高麗川の蛇行により長い年月をかけてつくられ、その形が巾着に似ているので巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれるようになったという。
地元では川原田と呼ばれている。8世紀にこの付近に移り住んだ高句麗からの渡来人が、この地を開墾して田を作り、稲作を伝えたと言われている。
秋には、曼珠沙華で辺り一面が真紅に染まる。曼珠沙華の名は、法華経などの仏典に由来する。彼岸花という呼び名の方が一般的かも知れない。
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン)を多く含む。ただし、リコリンは水溶性であるため長時間水に晒せば無害。



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初秋の里山

2009-10-18 14:40:38 | 風景写真/秋
 朝から初秋の里山をぶらぶらと歩いてきた。紅葉はまだまだで、ちょっと彩りが物足りないが、空気はとてもすがすがしい。
 数年前までは放置されて荒れた里山だったが、NPOの活動で稲作が復活した。農薬を使っていないから、イナゴが大量だ。それでも立派なコシヒカリが収穫されている。紅葉が見頃を迎えるのは、あと一ヶ月後だろう。その頃、また訪ねて来よう。

 デジタル一眼のCanon EOS 5D MarkⅡは、今日が使い始めて2回目で、まだ細かい使い方がわかっていない。マニュアル本を置いてきてしまったので、測光モードの変更や露出補正の方法がわからず、いい加減な撮影になってしまった。更には、三脚も持ってこなかったため絞り込むことができず、風景にも関わらずシャッタースピード優先の撮影になってしまった。OM に慣れ親しんだ私にとっては、最新のカメラの機能は優れている反面、なかなか覚えづらいが、基本的にはフィルム同様に現場できっちりと撮影したいので、早く使い慣れるようにしたいと思う。

 思った通りに撮れた写真は1枚もなかったが、とりあえず「初秋の里山」として。











撮影:
Canon EOS 5D MarkⅡ
Canon EF 17-35/2.8L USM
SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
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