ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

11月の夏日

2023-11-06 16:47:40 | 風景写真/秋

 11月なのに暑い。4日は、日本ホタルの会の会議で、久しぶりに対面で行い中野まで行ってきたが、東京都心では最高気温26.3℃を観測し14年ぶりに25度以上の夏日となった。気象庁によれば、年間の夏日の日数が4日で141日目となり、1875年の観測開始以降最多だという。全国915の観測地点のうち219地点で夏日となり、38地点で11月の観測史上最高を記録したらしい。まさに異常である。
 異常といえば、この秋はクマの被害がとても目立つ。環境省は、今年4月から10月末までにクマに襲われるなど被害に遭った人が全国で180人に上ったと発表している。こちらも統計を開始した2006年以来、過去最多という。私も過去に5回ほどツキノワグマに遭遇している。幸い襲われたことはないが、昆虫や自然風景の写真を撮りに行く場所は、ほとんど人が来ない山の中でツキノワグマの生息地が多い。最近では、山奥でなくても住宅地にまで出没しており、東京ではあきる野市街でも目撃されているというから注意が必要である。
 せっかく紅葉が美しい季節でありながら、これまでの経験を思うと野山まで一歩を踏み出す勇気がない。今年は身の安全を優先して、紅葉を愛でる遠征はしない方が良さそうである。このまま暑さが続けばクマの冬眠が先になるかもしれないが、長期予報では来週末あたりから寒波がくるというから、「月のない快晴無風の夜と放射冷却の朝」という条件の日を待って、冬期通行止めになる前に撮りたい自然風景を撮りに行こうと思う。

 この記事では、未掲載写真を含めた、この時期らしい風景とトンボの写真を集めてみた。
 富士山を撮った草原では、夏は多くの絶滅危惧種のチョウが見られるが、秋は閑散としていて寂しい。撮影時は、大きなイノシシ2頭と遭遇したが、無事にやり過ごすことができた。
 秋らしく真っ赤に成熟したナツアカネは、里山の田んぼで盛んに産卵しており、空中からばらまく卵も写すことができた。別の稲刈りが終わった田んぼでは、カトリヤンマのオスが数十秒のホバリングを行っており、この時期の撮影の楽しみの1つである。小さく細いヤンマであるが、秋の柔らかい日差しの下で、その美しさが際立つ。今年の夏に撮影したホソミモリトンボでもそうだが、最新機種に頼ることなく古い一眼デジカメと中古のレンズでマニュアルフォーカス、ワンショットで頭の先から腹部先端までピントが合った飛翔写真を撮るのが拘りである。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

秋の富士山と草原の写真
秋の富士山と草原
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F14 1/25秒 ISO 100(撮影地:山梨県 2013.11.17 13:50)
ツキノワグマの写真
ツキノワグマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2021.7.24 9:51)
ナツアカネの写真
ナツアカネの連結飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 800 +2/3EV(撮影地:東京都 2014.10.18 11:57)
ナツアカネの写真
ナツアカネの連結打空産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:東京都 2014.10.18 11:50)
ナツアカネの写真
ナツアカネの連結飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:東京都 2014.10.18 12:00)
カトリヤンマの写真
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2013.10.14 15:02)
カトリヤンマの写真
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800 +1EV(撮影地:神奈川県 2016.10.23 13:06)
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夏から初秋へ

2023-10-09 15:23:13 | 風景写真/秋

 ブログの更新が一か月空いてしまった。写真は8月下旬以来まったく撮っていない。チョウやトンボ、自然風景も被写体となるものは多くあったが、その多くは、撮影しても過去に写したものと同じような写真になってしまう。新たな目標もあったが、週末の天気に左右され、結局、この週末まで一切出掛けないままでいた。気が付けば、猛暑の夏からようやく秋の気配を感じる気候となり、季節は確実に進んでいることを感じる。
 この一か月以上は、ブログに掲載済みの写真を見直し、特に星景写真においてノイズが目立つもののRAW現像のやり直しを数多く行った。これまで星景写真のRAW現像は、まず Dxo PureRAW というソフトでRAWの最適化を行ってから、Adobe Lightroom Classic で作業を行っていたが、今年4月にアップデートされたLightroom Classic(バージョン12.3)に導入された「AIノイズ除去」を使用し、RAW現像することも多い。両方でRAW現像して良い方を掲載するようにしており、 今回、以下の投稿記事の写真を「AIノイズ除去」に切り替えて再現像し、差し替えた。写真は、差し替えてしまったので、Dxo PureRAW と Lightroom Classic を比較することはできないが、他の投稿記事においては Dxo PureRAW の方が良い場合もあった。写真そのものの良し悪しは別として、所持する機材でノイズの少ない結果を得られることは嬉しい。

 今回の記事では、過去撮影のRAWデータを保存しているファイルの中から、再現像する星景写真を探している時に見つけた2枚と今年撮影した紅葉の2枚を掲載した
 1枚目は、朝霧漂う真夏の高原の朝の光景である。今年の夏は、全国的に猛暑が続き、特に7月下旬以降は38℃以上の危険な暑さも相次いで観測され、1898年から統計を開始した日本の平均気温偏差は過去最高を記録した。それでも標高1,500mを超える高原の朝は涼しく、まさに避暑地であった。2枚目は、少しずつ色づき始めた高原の草原である。フランス印象派の画家が描く絵画のような色彩に、秋の艶やかで寂しい雰囲気を感じて写したものである。3及び4枚目は、今年、山梨県のトンボ池にて撮影したカエデである。緑色の葉から徐々に色付く色彩が美しい。
 気温差に体がついて行かない今日この頃であるが、今年の秋は、美しい「紅葉」に感動したいものである。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

高原の朝(夏)の写真
高原の朝(夏)
高原の草原(初秋)の写真
高原の草原(初秋)
カエデの紅葉の写真
カエデの紅葉
カエデの紅葉の写真
カエデの紅葉
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枝折峠の滝雲

2022-09-26 21:43:30 | 風景写真/秋

 枝折峠の滝雲は、「一生に一度は見たい絶景!雲の大瀑布」と言われている。それならば、一度は見て撮っておきたいものである。ちなみに「枝折峠の滝雲」は、新潟県魚沼市にある標高1,065mの枝折峠(しおりとうげ)から眺めることができ、奥只見湖や銀山平で発生した大量の雲が雲海となり山の谷間にたまり、谷を埋め尽くした雲が溢れて山の稜線を流れ落ちる自然現象のことである。
 滝雲は、北海道や山形、熊本の阿蘇などでも見ることができるが、枝折峠も含めて、まず雲海が発生しなければ始まらない。9月23日から世間では3連休。しかしながら4週連続で台風が接近。今回の15号は、小型ながら東海地方に大きな被害を及ぼすなどしたが、24日(土)には温帯低気圧に変わり、午後から東京も回復傾向にあった。新潟の天気予報を見れば、24日は雨だが翌25日(日)は朝から晴れ。雲海が出来るに違いない。
 24日(土)は会社に出勤だが、この日は午前中で仕事は終了。14時半に都心の勤め先から、そのまま新潟へ車を走らせた。関越道は既に道が乾いており、群馬県内では青空も見えていたが、関越トンネルを出ると何と雨。小出ICで降りたが、暗い雲が低く垂れこめていた。
 枝折峠は新潟県魚沼市と福島県檜枝岐村を結ぶ国道352号線にあり、魚沼側から国道352号線で行くことができるが、道がかなり狭い。そこで、魚沼市から奥只見湖を結ぶ「奥只見シルバーライン」(全長22.6kmのうち18.1kmがトンネル)を通り、途中の奥只見湖西部の「銀山平温泉」から国道352号線に入り向かう方が良いと聞き向かったが、最後の樹海ラインは、道が細く狭く、車のすれ違いは困難である。ただし、この時間に下ってくる車は当然いない。枝折峠には、18時半に到着。すでに駐車場は半分以上が埋まっていた。皆、考えることは一緒である。雨は、相変わらず降っているが、天気予報を信じて就寝。
 午前3時に目覚ましを掛けたが、2時に目が覚める。空を見上げると星が見えた。頭が冴えてきて眠れない。2時半から早々に準備を開始し出発。気温は12℃で寒い。厚手のシャツを羽織って登山開始である。トイレの脇から越後駒ヶ岳への登山道があり、撮影ポイントは15分ほど登ったところ。駐車場近くの道路からでも撮影できるとあったが、標高の高い所から眺めてみたかった。
 真っ暗な時間に懐中電灯を付けて登らなければならないが、登山道は、細く険しい。こんなだとは想像もしていなかった。一か所だけ危険なところがあり、踏み外せば滑落してしまう。息を切らしながら、ポイントを探すが、真っ暗でどこが良いのか分からない。すでに何カ所かでカメラマンが三脚を立てていたので、その内の一か所で見晴らしが良さそうな所に決め三脚をセットしたが、ここもかなりの急斜面。三脚をしっかりと固定しないと、カメラごと滑落してしまうような場所であった。

 午前3時から待機。一番の目的は、前項の黄道光と滝雲を組合せた写真であったが、眼下には雲海が広がっているものの東方向の空には雲がかかり星は見えない。しばらくすると、雲がなくなり星が見えるようになってきたのだが、今度は雲海が消え始めた。それでも黄道光と天の川は奇麗に見え、写真にも撮ることができた。
 さて、肝心の滝雲はどうであろうか。午前5時頃になると、再び雲海の量が増え始め、溢れた雲海が山の稜線を越え始めた。これが枝折峠の滝雲である。自然現象であるから、雲海が稜線を越える場所や量は、その時によって違う。今回は小規模のようであるが、それでも日の出直後には、まさに大瀑布とも言える光景であり、自然の驚異と神秘を感じた。
 小規模でなければ、50mmレンズで空も入れた全体を写したが、今回は望遠レンズで滝雲の部分を切り取った。また、映像はすべて2倍速で編集していることをご承知いただきたい。

 枝折峠を6時半に出発。美人林や棚田など様々な場所へ寄ることもできたが、20時から日本ホタルの会のオンライン会議があったため、トンボ池一か所だけに立ち寄り、帰路に就いた

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 3.2秒 ISO 400 -1 1/3EV(撮影地:新潟県/枝折峠 2022.9.25 5:03)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:26)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:31)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:36)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/20秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:52)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/80秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 6:10)
枝折峠の滝雲(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)

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大山千枚田(初秋)

2021-09-24 18:42:58 | 風景写真/秋

 大山千枚田は、千葉県鴨川市にある棚田で農林水産省選定の「日本の棚田百選」に選ばれている。375枚の水田が階段状に並んだ光景は、将に日本の原風景であり、千葉県指定文化財にもなっている。特定非営利活動法人大山千枚田保存会が管理し景観の保全を行っている。

 シルバーウイーク後半は4連休。23日の祭日は混雑が予想されるのと、腰痛がひどく自宅で自粛。RAWデータを最適化するソフト(Dxo pureRAW)で、過去に撮影した星景写真を色々と現像し直して、ブログ記事に掲載済みの写真を7割ほど差し替える作業で終了。土日は愛車が車検で身動きがとれないため、平日の金曜日に遠征を決定。痛い腰を騙しつつ午前3時に自宅を出発し、アクアライン経由で千葉県入り。2時間弱で現地に到着した。
 大山千枚田には、過去に何度も訪れており、様々な昆虫や両生類、風景では天の川と日の出の光景を撮っている。主目的は棚田の風景撮影ではなかったが、畔のあちらこちらに曼珠沙華が咲いており、この光景は初。すで三脚を立ててスタンバイしているカメラマンが数人。5時29分の日の出を待っているようだ。こちらもカメラをセットし、周囲をぶらぶらと歩きながら、初秋を感じるようなカットを数枚記録した。
 大山千枚田は、私有地であるために畔に立ち入ることはできない。撮影許可(有料)を申し込めば良いようだが、許可がなければ車道から撮るしかない。ドローンも禁止されている。私を含め皆ルールを守って撮影していたが、ルールを守れない人間もいる。
 袖ヶ浦ナンバーの乗用車が、中腹にある展望スペースの脇に路上駐車すると、初老の男性が2名降りてきた。棚田を眺めるのかと思いきや、二人そろって棚田へ放尿である。済ませると、そのまま走り去っていった。ここには、駐車場が二カ所あり、トイレも二か所ある。にも関わらずである。ルールやマナー以前に人間性を疑う。

 シルバーウイーク前半に遠征した信州で撮影したトンボの写真やそれにまつわるトンボの話、そして現像し直した星空の写真(富士山と星空でまとめた)でブログ記事を投稿できるのだが、今はちょうどお彼岸(彼岸入り9月20日・中日(秋分の日)9月23日・彼岸明け9月26日)でもあるので、曼珠沙華(彼岸花)を主体とした光景を掲載した。
 曼珠沙華は、自宅から1時間ほどの埼玉県飯能市にある巾着田の群生が有名で、何度か訪れているが、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、曼殊沙華を開花前にすべて刈り込むという対策が講じられている。残念ではあるが、今回は、曼殊沙華を初秋の里山の光景として目に焼き付けたいと思う。
 また、現地では嬉しいことにモンキアゲハ、ナガサキアゲハ、クロアゲハの3種が曼殊沙華で吸蜜をしていた。「絵」になる構図では撮れず、更には翅もボロボロではあったが、実はナガサキアゲハのメスを証拠程度以上に撮影するのは初であった。

参照:棚田と天の川大山千枚田の朝景

以下の掲載写真は、1024*683 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 1000 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 5:45)

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 5:51)

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 5:49)

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 6:05)

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田にて
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/200秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 6:01)

初秋の大山千枚田の写真

初秋の大山千枚田にて
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 6:02)

モンキアゲハの写真

モンキアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 8:04)

ナガサキアゲハの写真

ナガサキアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 8:30)

クロアゲハの写真

クロアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2021.9.24 8:34)

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時坂峠

2020-12-05 16:43:55 | 風景写真/秋

 時坂峠(とっさかとうげ)は、東京都檜原村にある。甲州への道は、今は甲州街道と呼ばれ小仏峠を通っているが、江戸時代では小仏峠ではなく檜原村の浅間尾根を通る甲州道中が主な路であった。時坂峠は、その浅間尾根へ続く路として檜原の人々に利用されていた。時坂峠からは、御前山、大岳山などの山並みや檜原村本宿とあきる野を望むことができ、峠への坂道は平均斜度8.3%とそれなりのキツさがあるため、現在では、都内絶景ヒルクライムとして多くのクライマーが訪れているようである。

 あっという間に2020年も12月。この週末は、東京は前夜から弱い雨で最高気温が一日中10℃に届かない寒い一日。一方、信州は晴れで乾燥。これでは目的の霧氷撮影は叶わない。新型コロナウイルスの第3波も拡大が収まらないので、こんな週末は自宅でゆっくりと過ごすことに決め込んだ。
 今朝は7時に起床。土曜出勤が2週連続で連日4時半に起きていた為、久しぶりの寝坊である。猫5匹に囲まれながらの朝食。他にすることもないので、外付けハードディスクに保存しているRAWデータを見直して、これはと思うものを現像してみる。季節が逆戻りする光景ではあるが、様々な思い出を蘇らせ記憶色で現像した駄作の中から、今回は10年前に撮影した「時坂峠」の光景から5枚を選んだ。朝陽に当たることで、徐々に全貌を現す霧で覆われた雨上がりの深い谷。「ここが東京なのか?」と思うほどの秘境「時坂峠」である。
 駄作であるため「お蔵入り」していたが、10年前の感性と撮影技術の未熟さを私自身が反省するために「蔵出し」した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

時坂峠の写真

時坂峠より
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/8秒 ISO 100(撮影地:東京都檜原村 2010.11.21 8:00)

時坂峠の写真

時坂峠より
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100 -1EV(撮影地:東京都檜原村 2010.11.21 7:18)

時坂峠の写真

時坂峠より
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/6秒 ISO 100(撮影地:東京都檜原村 2010.11.21 7:40)

ケヤキ(紅葉)の写真

欅の紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都檜原村 2010.11.13 15:32)

ケヤキ(紅葉)の写真

欅の紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 0.8秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都檜原村 2010.11.13 15:46)

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晩秋の美人林

2020-11-15 16:51:08 | 風景写真/秋

 晩秋の美人林を訪ねて新潟県十日町市へ。

 南か、北か・・・和歌山にサツマシジミを撮りに今期3度目の挑戦をするか、あるいは新潟に風景写真を撮りに行くか?今回も悩んだが、一か八かの大遠征は諦め、新潟の十日町市にある「星峠」で星景を撮ることにした。私の休日と新潟の晴れが合致する確率は低くいが、運よく14日(土)の夜は快晴の予報。月もなく絶好の星景日和である。
 自宅を午前10時に出発。しばらく一般道を走り、圏央道青梅ICから高速に乗った。鶴ヶ島JCから高坂SAまで渋滞。秩父や長瀞辺りの紅葉が奇麗なんだろう花園ICも出口で渋滞していた。そう言えば、ここ数年まともに紅葉の写真を撮っていない。今回、星峠の撮影だけでも良かったが、時間もあるため、紅葉のピークは過ぎていることを承知で「美人林」に、まず立ち寄る計画にした。
 美人林は、新潟県十日町市松之山の丘陵に約3万平方メートルにわたって樹齢90年ほどのブナの木が生い茂る林である。昭和初期、木炭にするため、この辺りのブナはすべて伐採され原野となったが、その後、全てのブナがまっすぐ均一に成長し、幹の太さや高さが整って、すらりとした立ち姿が美しい林になったと言われる。

 美人林を訪れるのは、これで5回目。春の残雪と新緑、緑豊かな頃や秋雨降る紅葉の最盛期にも訪れている。いつもは早朝の訪問だが、今回は午後の太陽が傾いた頃にした。
 予想通りに美人林は晩秋の装い。時折、林の中を吹き抜ける風に、葉がひらひらと舞ってくる。シャンソンの代表的な楽曲「枯葉」(Les Feuilles mortes )のメロディーが浮かぶが、ここは和テイストを感じて撮影。枯葉の美しさを引き立てたことで、今まで撮ったことがない「美人林」の光景を収めることができたと思う。
 参考までに、過去に撮影した違う季節の写真3点も併載しておきたいと思う。本格的な紅葉の写真は、来年、「秋山郷」で撮ることにしたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:20)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F7.1 1/4秒 ISO 100 +2EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.1 14:32)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 0.6秒 ISO 100 +1EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 15:19)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F13 1.6秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:29)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:43)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 15:14)

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美人林の写真

美人林(根開き)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25)

美人林の写真

美人林(初秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/5秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:49)

美人林の紅葉の写真

美人林(紅葉)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 4秒 ISO 100 -1 1/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

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心の色

2020-10-17 17:37:46 | 風景写真/秋

 秋は紅葉の季節。野山は、春とは違った色彩で溢れるが、週末ごとに天気が悪く、予定していた場所に思う光景を撮りに行くことができていない。そこで、過去に撮影した写真からマクロレンズで撮った「秋の野花」を5点選んで掲載してみた。
 紅葉の風景とは違って彩は少ないが、優しい色で微笑む秋の野花を撮っている時は、こちらも優しい気持ちになり、心が安らぐものである。色に心理的、生理的影響を与えられているからだ。コンクリートジャングルの中で時間に追われて仕事をしている月~金とは「心の色」も違っているに違いない。平日の心の色は「灰色」か?
 試しにインターネット上で「心の色」の簡易診断をやってみた。(https://www.arealme.com/mental-color/ja/)結果は「青」。その意味内容は次の通りである。

「心の中が青色の人は、思考能力に長けており、感情を重視します。バランス能力もよく人間関係などの難しいこともバランスよくやり過ごします。ですが、完璧主義で他人にも自分にもとても厳しくあたり、他人の意見を聞かずに自分の意見をおし通すことが多いです。」当たっているかも知れない・・・

 実際は自分の「心の色」を見ることはできない。他人の心や気持ちも同様に見ることはできない。しかし、見えないものこそが大切なのではないだろうか。 私はキリスト教徒ではないが、聖書にこんな一節がある。「私たちは見えるものにではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」 (新約聖書 コリントの信徒への手紙II 4章18節)ともすれば、あまりにも「目に見えるもの」にばかり縛られてしまう日常。その日々の中にあって、私たちは「目に見えない」ものを見る必要があるように思う。
 私たちが目を注ぐ、目には見えないけれども、決して過ぎ去らないもの・・・今日の自分がどんな心の色をしていようとも、他人を思いやり、優しい思いを渡せるようになりたいと思う。最後に、フランスの小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作「星の王子さま」にある名言で締めたいと思う。

「心で見なくちゃものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ。」

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曼珠沙華の写真

曼珠沙華
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/40秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:埼玉県日高市 2010.09.25)

秋桜の写真

秋桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/800秒 ISO 200(撮影地:埼玉県日高市 2010.09.25)

ヒメツルソバの写真

ヒメツルソバ
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/80秒 ISO 100(撮影地:東京都奥多摩町 2011.11.19)

ミゾソバの写真

ミゾソバ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 500(撮影地:東京都あきる野市 2011.10.16)

秋の野花の写真

秋の野花
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/800秒 ISO 200(撮影地:東京都あきる野市 2011.10.16)

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柿の木

2019-11-20 19:29:00 | 風景写真/秋

 秋の里山風景・・・鮮やかに色づいた紅葉も良いが、たわわに実をまとった大きな柿の木も印象的である。柿は、一説では氷河期の終わり頃に中国大陸から日本に渡ってきたと言われており、果物の中では唯一日本固有の種である。学名は Diospyros kaki Thunberg 「カキ」という日本語がそのまま使われている。意味は「神様の食べ物」である。
 柿は、古来より日本人と深いつながりがあったようだ。縄文・弥生時代の遺跡から柿の種が出土しており、食用として広まっていたと言われる。「古事記」や「日本書紀」にも柿の名前が記されている。また、鮮やかで濃い橙色の柿の実の色は、「柿色」として日本の伝統色として古くからある色名で、器の世界では柿右衛門が鮮やかな柿色を出す為に何年も苦労した話がある。江戸時代末になると、家屋のそばには必ず柿の木が植えられ、松尾芭蕉は「里古りて柿の木持たぬ家もなし」と句を詠んでいる。柿は、秋の季語であり、風物詩となったのである。そしてその光景は、我々がイメージする日本の原風景である。

 このように柿は、日本の歴史や伝統文化と共に日本人に愛されてきたが、現在、放棄放置された里山では多くの実が付いたままの光景を目にする。ある時、越冬するチョウの撮影の帰り道、寂れた里山の斜面で柿の実だけを残して佇む柿の木が目に入った。いつから放置されているのか分からないが、枝の剪定もされず樹形も乱れ、実も小さい。紅葉スポットの近くでもあるから人や車の通行量は少なくないが、誰も見向きもしない。里山に生き残った柿の木が深い悲しみを訴えているような気がしてカメラを向けた。

 実りの秋。「和」を感じさせる柿は、古くから日本人にはおなじみの果物でもある。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、柿は栄養豊富で、二日酔いにも良いと言われる。渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、利尿作用があるカリウム、肝臓の働きを助けるビタミンCも豊富なため、ワインを毎日1本空ける私には心強い存在だ。歴史や伝統文化を噛みしめながら旬をいただきたいと思う。

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柿の木の写真

柿の木
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/60秒 ISO 100 -1EV(撮影地:千葉県 2013.12.01 12:32)

柿の木の写真

柿の木
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100 -1EV(撮影地:千葉県 2013.12.01 12:24)

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秋のスナップ写真集

2019-11-17 13:51:01 | 風景写真/秋

 私は、昆虫の生態写真や自然風景を撮っているが、写真には様々なジャンルがあり、それぞれの撮影にそれぞれの楽しみ方がある。スナップ写真もその一つであろう。
 スナップ写真は、下準備その他特にせず、日常のできごとあるいは出会った光景を一瞬の下に撮影する写真のことである。「スナップ」は、狩猟用語にある不意に飛び立つ鳥などを銃で早撃ちする技術(スナップ・ショット)のことであるが、カメラが小型化されると写真の早撮りが広く普及しスナップショットという言葉が用いられるようになったと言われている。ちなみにスナップには「(機会などに)飛びつく」という意味もある。特に対象物を決めず、気ままに歩きまわり、気になったものを気取らずに感じたままに切り取り楽しむ撮影スタイルである。(ちなみに、ポートレート写真とは、人物をテーマの中心に置いた肖像写真と言われているもので、カメラマンとモデルのコミュニケーションによって作る共同作業的な写真のことである。)

 私の場合、昆虫でも自然風景でも特定の場所に特定の昆虫や光景を撮りに行く。気軽にぶらぶらと歩いて気取らずに撮るのではなく、目的をもって事前準備をして向かい、その場では三脚を据えてじっくりと時間を掛けて撮る。場合によっては、一枚も撮らずに終わったり、カメラをカバンから出さずに帰ることもある。撮影できた時は満足感と充実感があるが、撮れない時は、ストレスが溜まる。しかしながら、気持ちに余裕がある時は、その場においてスナップ写真を撮ることがある。
 以下に「秋のスナップ写真集」と題して、その場で出会い気になって撮った光景を集めてみた。手振れ補正機能などない長玉レンズを使うことが多いので三脚に据えて撮るから、厳密には「スナップ」とは言えない。また時間を掛けて対峙した結果の「作品」でもない。しかしながら、それらはただ単に撮っただけの「写真」ではなく、私にとっては撮る「意味」がある光景であったに違いなく、私だけに理解できるものである。それゆえ、本記事のスナップ写真は、発表ではなく、読者の皆様と感動の共有を求めるものでもなく、自己の心を見つめ直すための掲載である。

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夜明け前の写真

夜明け前の月と雲
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1.3秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2011.11.12 5:48)

夜明け前の写真

夜明け前に色ずく雲
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2011.11.12 6:10)

夜明け前の小田代ヶ原と貴婦人の写真

夜明け前の小田代ヶ原と貴婦人
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 30秒 ISO 100 -2EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2019.11.02 5:36)

夜明け前の赤井谷地の写真

夜明け前の会津赤井谷地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F14 2秒 ISO 100(撮影地:福島県会津若松市/赤井谷地 2011.10.08 5:23)

夜明け前の赤井谷地の写真

朝の会津赤井谷地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F14 1/15秒 ISO 100(撮影地:福島県会津若松市/赤井谷地 2011.10.08 6:20)

朝の星峠の写真

朝の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1.3秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2017.10.08 5:39)

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F22 0.8秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:山梨県丹波山村 2011.11.12 11:39)

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秋は「夕暮れ」

2018-11-03 20:58:32 | 風景写真/秋

 今年もあと二ヶ月。12月は癌の手術で入院するため、ほとんど遠征ができないので、今月が事実上の締め。昆虫撮影は天候と気分次第で「サツマシジミ」を予定。自然風景写真は、奥日光の小田代ヶ原の霧氷、美ヶ原の霧氷、新潟の星峠及び蒲生の棚田を予定しているが、すべて体調と天候次第。目指す光景が撮れない時は、過去に撮影した数千カットを見直して再現像し、未掲載の写真を中心に紹介していきたいと思っている。

 平安時代中期の女流作家・歌人である清少納言は、随筆「枕草子」で春と冬は「朝」、夏は「夜」、秋は「夕暮れ」が良いと詠っている。「枕草子」は 人生や自然、外界の事物の断面を鋭敏な感覚で描いたものだが、自身の素朴な体験と印象をただ羅列するのでなく、不遇の中でめめしい情緒に流されまいとする心のたたかいのもとに詠っているという。
 私自身の自然風景写真を「枕草子」と並べるのはおこがましいが、清少納言が美しいと思う四季をもとに整理すると、私の自然風景写真は、春と冬の朝が50%、夏の夜が30%、秋の夕暮れがは20%の割合であった。夏は当然のことながら「ほたる」であり、冬は霧氷が多いが、秋の夕暮れ、しかも夕日も写した写真はたった数枚しかなかった。
  「秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。 日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。 」
 そのような風情は全く感じられない「秋の夕暮れ」写真だが、以下に、ブログでは未掲載の3枚を並べた。霧ヶ峰の夕暮れ写真は、「ススキのある風景」にも追加掲載しているのでご覧いただきたい。

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秋の夕日の写真

秋の夕日/霧ヶ峰高原
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市・霧ヶ峰高原 2012.10.20 16:55)

日本海に沈む夕日の写真

日本海に沈む夕日
Canon EOS 7D / EF28-80mm f/3.5-5.6 USM / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200 -1/3EV(撮影地:新潟県糸魚川市能生 2018.9.22 17:05)

日本海に沈む夕日の写真

日本海に沈む夕日
Canon EOS 7D / EF28-80mm f/3.5-5.6 USM / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 200 +1/3EV(撮影地:新潟県糸魚川市能生 2018.9.22 17:33)

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棚田の秋

2017-11-14 22:31:52 | 風景写真/秋

 「棚田」は、山間部などの傾斜地に階段状に作られた水田のこと。先人達が果てしない労の末に築いた農村文化の結晶であり、新潟県十日町市の松代・松之山地区には「にほんの里100選」や「日本の棚田百選」に選ばれている棚田が多数点在する。この地域では、秋に代掻きを行って田んぼに水を張るため、安らぎを感じる「里山の原風景」として多くの人々に愛されている。

 11月12日。早朝に「美人林の紅葉」を撮ったあと、松代・松之山地区の三か所の棚田を訪れてみた。棚田は、地形に合わて作るため棚田ごとに違った見応えがあり、季節、時間、天候でも表情が変わる。どの表情も素晴らしいが、基本になる風景に雲海などのプラスαが加わって最上の光景が現れる。週末カメラマンが、その最上の光景に出会える確率は極めて低く、また今回は美人林の次いでに寄ったため、基本景観しかない。しかし、この光景は一期一会であり、二度と見ることはできない。写真作品としての価値はなくても、今日の表情という記録としての価値はあろう。

 棚田は、全国的に過疎化、担い手の高齢化、後継者不足といった問題を抱え、危機に瀕している。新潟県十日町市の松代・松之山地区でも若者の減少が目立ち、越後妻有(新潟県十日町市・津南町)の農家も高齢化が止まらず、この35年間に放棄された棚田は500ha以上、耕作面積は1970年の半分以下になっているという。こうした現状に対し、十日町市のできるだけ多くの田んぼを担い、美しい棚田を守るため「まつだい棚田バンク」というものがある。運営資金を出資し、米づくりに参加することで、棚田保全に参画するという仕組みになっている。
 近隣には、ゲンジボタルも多く生息し、景観の素晴らしさだけではなく、生態系豊かな自然環境が残っている。いつまでも存続するように、微力ながら協力していきたい。

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儀明の棚田の写真

儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 +1/3EV (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 -1/3EV (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

星峠の棚田の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/50秒 ISO 100 (撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

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巾着田の曼珠沙華

2009-10-23 21:45:27 | 風景写真/秋
埼玉県日高市内を流れる高麗川の蛇行により長い年月をかけてつくられ、その形が巾着に似ているので巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれるようになったという。
地元では川原田と呼ばれている。8世紀にこの付近に移り住んだ高句麗からの渡来人が、この地を開墾して田を作り、稲作を伝えたと言われている。
秋には、曼珠沙華で辺り一面が真紅に染まる。曼珠沙華の名は、法華経などの仏典に由来する。彼岸花という呼び名の方が一般的かも知れない。
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン)を多く含む。ただし、リコリンは水溶性であるため長時間水に晒せば無害。



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初秋の里山

2009-10-18 14:40:38 | 風景写真/秋
 朝から初秋の里山をぶらぶらと歩いてきた。紅葉はまだまだで、ちょっと彩りが物足りないが、空気はとてもすがすがしい。
 数年前までは放置されて荒れた里山だったが、NPOの活動で稲作が復活した。農薬を使っていないから、イナゴが大量だ。それでも立派なコシヒカリが収穫されている。紅葉が見頃を迎えるのは、あと一ヶ月後だろう。その頃、また訪ねて来よう。

 デジタル一眼のCanon EOS 5D MarkⅡは、今日が使い始めて2回目で、まだ細かい使い方がわかっていない。マニュアル本を置いてきてしまったので、測光モードの変更や露出補正の方法がわからず、いい加減な撮影になってしまった。更には、三脚も持ってこなかったため絞り込むことができず、風景にも関わらずシャッタースピード優先の撮影になってしまった。OM に慣れ親しんだ私にとっては、最新のカメラの機能は優れている反面、なかなか覚えづらいが、基本的にはフィルム同様に現場できっちりと撮影したいので、早く使い慣れるようにしたいと思う。

 思った通りに撮れた写真は1枚もなかったが、とりあえず「初秋の里山」として。











撮影:
Canon EOS 5D MarkⅡ
Canon EF 17-35/2.8L USM
SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1