ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ハヤシミドリシジミ

2018-06-25 21:49:57 | チョウ/ゼフィルス

 ハヤシミドリシジミ Favonius ultramarinus ultramarinus (Fixsen, 1887) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)オオミドリシジミ属(Genus Favonius)のチョウで、国内では北海道・本州・九州に分布している。四国には産しない。オスの翅表は学名(ウルトラマリン)にふさわしく、サンゴ礁の海のような青緑色が特徴である。和名は、チョウの研究者、林慶氏にちなむ。
 ゼフィルスの多くはブナ科の数種を食樹としているが、本種はほぼカシワしか食べない。そのため、丘陵地や高原のカシワが散在する明るい二次林に多く生息し、年1回、6月中旬~7月上旬頃に発生、卵で越冬する。
 本種は、食樹のカシワの樹林からほとんど離れず、日中は雌雄共にカシワの葉上などに静止していることが多いが、オスは、午後3時を過ぎる頃からカシワの梢上を活発に飛翔したり、カシワの葉に静止してテリトリーを見張る占有行動を行う。

 ハヤシミドリシジミは、限られた場所に生育するカシワに依存して生息していることから、産地はいずれも局地的であるが、 近年では、混交林の繁茂や管理放棄に伴いカシワの生育が不全となったり、伐採によってカシワが無くなる地域が多く、本種の個体数は減少傾向にある。
 環境省カテゴリーにはないが、18の都府県ではRDBに記載しており、茨城県、群馬県、愛知県では絶滅危惧Ⅰ類に、山形県、栃木県、埼玉県、東京都、神奈川県、岐阜県、兵庫県、熊本県では絶滅危惧Ⅱ類に選定している。

 ハヤシミドリシジミは、2013年にカシワの葉上で翅を広げてテリトリーを見張る様子を撮影している(写真.9)。これは生態写真であり、ウルトラマリンの翅表も美しく撮れている貴重な1枚であるが、更に翅に擦れや欠損がない個体にて、その特徴である翅色が分かるような美しい図鑑写真を撮りたいという欲が出る。
 昆虫写真は様々である。撮影者が何も拘りを持たず、ただその姿を写すだけならば、トンボやチョウでも苦労なく撮れる種は多いが、撮影に目標や理念を持つとハードルが高くなる。撮りたい種の生態と行動パターンを学んだ上で生息場所に行き、丹念に探せば何とかなる場合もあれば、証拠程度の写真すら苦労する場合もある。更に産卵や羽化と言った生態写真になれば、より多くの知識と経験、撮影機材とテクニック、時には運も必要になるが、撮影成功の鍵は、執念かも知れない。
 では、チョウである本種の開翅写真はどうだろうか?生態と行動パターン、攻略法を学ぶことは言うまでもない。その上で、まずは発生初期に行くこと。今年は、どの昆虫も例年に比べて発生が10日ほど早く、本種も同じように早いと予想。そして一番重要なのが気象条件である。

 ハヤシミドリシジミの生息地。天候は、曇り時々小雨。早朝4時半から何本もあるカシワを1本ずつ周る。カシワの葉から何頭も飛び出しても、それを追うのが大変で、運良く下草に降りても、見失ってしまう。やっと見つけても、翅を開かず飛び立ってしまうことも。1時間くらいすると雨が降り出し、一旦中断。止んでも、すぐにまた雨。気温は18℃から15℃に下がった。
 ようやく雨があがり、途中から来られた同じ目的を持ったお二方とともに連携作業を繰り返す。そのうち1頭のオスが下草に静止。10分ほど経過すると奇跡的に薄日がさす。すると、その個体は徐々に翅を広げた(写真.3~7)。よく見ればカメラ目線で、こちらの思いが通じたかのようだ。その後、見事に全開翅。他のゼフィルスでもそうだが、この瞬間はいつも緊張と安堵、そして感動と興奮である。この個体は、5分ほどマリンブルーを披露してカシワの木へと飛び去っていった。気温が高ければ降りては来ないし、気温が低ければ翅は開かない。また、チョウの翅に直射日光が当たれば、青よりもキラキラした緑色が強く出てしまう。位置がちょっと変わるだけでも後翅は黒色になってしまう。 将にすべての条件が揃った5分間であった。

 写真撮影とブログへの掲載は、個人的趣味の自己満足の域を出ないが、これら写真から、ハヤシミドリシジミという美しい小さなチョウの魅力が少しでも伝われば幸甚である。また、下草での開翅写真は、撮影のために人為的な手段を用いるため、生態学的には意味をなさないものであることを付け加えておきたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:09)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:02)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:13)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1600(撮影地:東京都 2013.06.30 15:19)

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ゲンジボタルの写真と動画

2018-06-23 20:14:56 | ホタル

 ゲンジボタルの写真と動画を撮影してきた。
 前の記事に記したように、6月16日は「ホタル大学」の第三回目で「里山とゲンジボタルの生息地での観察」を行ったが、ゲンジボタルの生息地では、気温が低かったことで飛翔せず葉上で数頭が発光するのみであった。そこで、一週間後に筆者一人で再度訪問したところ、気象条件が合致し多くのゲンジボタルが発光しながら飛翔する光景を観察し撮影することができた。

 ホタルの写真は、今年になってからブログに何枚か掲載しているが、飛翔風景は、いずれも過去にフィルムで撮影したものばかりなので、本記事の写真が今年初になる。当然フィルムではなく、一眼デジタル・カメラでの撮影であり、撮影方法も長時間一発露光ではなく、短時間の露光で撮影したコマを何枚も重ね合わせたものである。
 デジタル・カメラでの撮影は、フィルムの長時間一発露光と違って1秒毎のインターバルになるため、一枚の写真の中に時間の連続性がない。「写真は空間芸術であり、時間芸術である」という観点からは、このホタルの写真は「創作」に他ならない。また、ホタルの光跡も1秒という隙間が入ってしまうので、生態学的にも価値のない「創作」である。
 掲載した「ゲンジボタルの風景」は、それを弁別した上で撮影し現像したものである。一枚目は、見栄えだけを重視し、フィルムでは露出オーバーになるだろう24分間の光跡を重ね合わせた。(フィルムでも、場所によっては60分の長時間露光で適正露出になる)2枚目は、フィルムの露光時間であろう5分間の光跡を重ね合わせた。これらは、あくまで「創作」であり、これだけのホタルが一度に飛んでいる訳ではないので、誤解のないようお願いしたい。

 今回は、動画も撮影した。機材は、ビデオカメラではなく写真と同じ Canon EOS 5D Mark Ⅱと Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE の組み合わせ。デジタルカメラでも EOS 6D Mark Ⅱ や 5D Mark Ⅳ ならば、背景も綺麗に写るだろうが、筆者の機種ではこれが限界。ただし、ゲンジボタルの発光は美しく捉えていると思う。動画では集団同期明滅も分かり、生態学的にも価値がある。8分強の長い動画であるが、ご覧頂きたいと思う。

 実は、勤め先の健康診断で腫瘍マーカーの値が9.5という結果が出て、先月、専門の病院でMRI検査をすると、前立腺癌の疑い。日程をやりくりして、6月20日~21日に生検のため検査入院をしてきた。退院日は安静。翌日は血尿も止まり体調も回復傾向。また車の運転は大丈夫ということもあり、無理のない範囲で夕方から車にて小一時間で行けるゲンジボタルの生息地へと足を運んだ。
 病院での検査結果は7月9日。仮に癌が見つかっても、仕事は勿論、ホタルの研究をはじめ、様々な昆虫や自然風景の写真撮影は、変更なく行いたい。

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ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 640 24分多重(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.22)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 640 5分多重(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.22)

ゲンジボタルの風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.22)

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ホタル大学(6月)

2018-06-17 21:06:14 | ホタル

 ホタル大学は、ホタル棲む自然環境の保全と再生を担うリーダー養成講座として、内閣府認証「NPOホタルの会」がホタルの生態や生息環境をはじめ、生態系の保全と維持管理、そして再生の手法等、ノウハウをすべて提供するものだが、私が主任講師を務めている。
 4月に開講し、第三回目になる6月16日は、野外実習として「里山とゲンジボタルの生息地での観察」を行った。里山では、モリアオガエルの卵塊等を観察。ゲンジボタルの生息地では、数頭の発光を観察したが、小雨で気温が14℃。雨は問題ないが、気温が低かったことで飛翔せず、葉上で発光するのみであった。目的は、ホタル観賞ではなく観察。「このような気象条件では、配偶行動ができない。」ということを肌で感じて頂けたと思う。来月は、「ヘイケボタルの観察」を予定している。

参照:ホタル大学一期生募集

 掲載写真は、いずれも過去に撮影したもので本記事とは関係がないが、すべて東京都内で自然発生しているゲンジボタルとヒメボタルの 飛翔する光景であることと、フィルムでの一発露光(長時間露光)であることから掲載した。昨今では、ホタルの写真はデジタルカメラで簡単に撮影できるようになり、私自身もフィルムでは撮影していない。また、デジタルでは何カットも重ねるという手法が用いられ、見栄え重視の写真が溢れているが、かつての一発露光(長時間露光)のフィルム写真を見直すことで、ホタル写真における写真芸術と生態学的価値を考え直したいと思う。ホタルの写真は、ホタルの光がたくさん写っていれば「綺麗」(インスタ映え)というものではない。
 ちなみに、4枚目のヒメボタルの飛翔風景の撮影には、6年を要した。しかも、すぐ背後で野生のツキノワグマがうろつく中での撮影であった。

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ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:東京都青梅市)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:東京都奥多摩町)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:東京都奥多摩町)

ヒメボタルの飛翔風景写真

ヒメボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / FUJICOLOR NATURA 1600(撮影地:東京都奥多摩町)

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フジミドリシジミ

2018-06-13 21:39:52 | チョウ/ゼフィルス

 フジミドリシジミ Sibataniozephyrus fujisanus fujisanus (Matsumura, 1910) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)フジミドリシジミ属(Genus Sibataniozephyrus)のチョウで、北海道(南西部)、本州、四国、九州に分布する日本の特産種。食樹はブナ科のブナ、イヌブナで山地のブナの自然林に生息し、二次林にはほとんど生息しない。翅の開張は33mm内外でミドリシジミ族のなかではもっとも小さく、翅表の色彩が強い青色を帯びるのが特徴である。最初に富士山で発見されたことが和名の由来である。
 フジミドリシジミは、環境省カテゴリーに記載はないが、佐賀県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類、福岡県、熊本県、三重県、愛知県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類、茨城県、埼玉県、岐阜県、島根県、愛媛県、高知県のRDBで準絶滅危惧種として記載している。地球温暖化に伴うブナ林の分布域縮小やシカの下草の食害による裸地化が個体数の減少の原因として挙げられている。

 フジミドリシジミは、ブナの樹冠部で早朝と夕方に活動していることから目にすることも稀であり、写真に撮ることはまず無理である。しかしながら、東京都内には、フジミドリシジミが生息するブナの冠部を上から眺めることができる場所が一ケ所だけあり、奇跡的に撮影できる。それでも、距離は数メートルあるから、小さなチョウを撮るのは簡単ではないし、撮っても証拠程度の写真が多い。しかし、その生態を知り行動を細かく分析すると、場所を変えれば状況は変わってくる。
 フジミドリシジミは花から吸蜜することはなく、活動場所のブナの樹冠部で吸水するが、樹冠部で吸水できなければ林道脇などの下草に降りてくるのである。
 ある時、訪れたブナの森は大木ばかりで、樹冠は10mも上。見上げたが、飛びまわっているフジミドリシジミは1頭もいない。林道沿いを見て回る。すると、ブナの森を流れる小さな沢と林道との出会いの周辺で10頭を越えるフジミドリシジミのオスが下草上で見られた。これほど狭い範囲の下草に多くのフジミドリシジミが見られるとは驚きであった。下草に朝日が当たり始めた頃、葉に付いた夜露を舐め、翅を開いて体を温め、しばらくすると弱々しく羽ばたきながらブナの梢へと飛び立っていった。

 偶然や奇跡的に撮影できたものも一つの記録であると思うが、昆虫の生態を知り、行動を詳細に観察することによって確実に収めることができた写真は、学術的にも裏付けとなる貴重な生態写真となる。ただし、撮影しやすいということは、採集もしやすいということにもなる。本種は、環境悪化以外に採集者による乱獲も減少に拍車を掛けていることから、撮影場所の詳細は記さないこととし、撮影場所の問い合わせに関しても一切お答えしないこととしたい。また、本記事の写真は、全て過去に撮影したものである。

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フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F10 1/4000秒 ISO 6400(撮影地:東京都 2014.6.1 6:06)

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/1600秒 ISO 6400(撮影地:東京都 2014.6.1 5:56)

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:29)

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:31)

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:31)

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ホタルは灯りが大嫌い

2018-06-10 20:06:17 | ホタル

 ホタルは、なぜ光るのか?それは、オスとメスが、交尾のために自らの発光によってコミュニケーションを図るため。しかしながら、ホタルが目的を持って光っていることを多くの方々がご存知ない。

 現在、全国各地で「ホタルまつり」や「ホタル観賞会」が行われており、多くの方々がホタルを見に訪れている。「ホタル」という昆虫ではなく、ホタルが発する光と光景を見に訪れている。ホテルの庭園や公園施設などの安全対策が取られ、安心してホタルを見ることができる所も多い。そのような場所での「ホタル観賞」は、施設内のルールに従えば気軽に楽しめるだろう。
 一方、野山の川で自然発生しているホタルを観賞する場合には、絶対に行ってはならない事がある。それは、「ホタルに灯りを向けてはいけない」ということである。オスは光りながら飛び回ることで存在をアピールし、葉の上ではメスが光って応える。メスを見つけたオスは葉の上に降りて行き、光で会話をするのである。そのためには、お互いの「光」が見える暗がりがなければならない。月明りでさえ、そのコミュニケーションを阻害してしまうにも関わらず、観賞者がホタルやホタルが飛び交う方向にライトを向けたらどうなるだろう。

 その場のホタルの発生期間は、2週間くらいはあるだろう。ただし、メスが発生してくるのは少し後になるから、混在するのは10日ほどになる。ただし、月の光が明るい夜や、風の強い夜、気温が低くて寒い夜は、活動が鈍くなるから、交尾の機会は5日くらいかも知れない。しかも、オスとメスが出会える時間は、1日90分だけである。そのわずかなチャンスを人工的な「灯り」で邪魔をしてしまえば、交尾の機会は極端に少なくなり、将来的には発生数は少なくなるだろう。近くに民家や街灯があったり、側を車が通るところに生息している場所もあるが、ホタルは、そんな環境の中でも一番暗い場所を選んでコミュニケーションを図っている。ちなみに幼虫が蛹になるための上陸や成虫の産卵においても、0.1luxの明りで阻害されることが研究で分かっている。
 成虫を放っているだけのところは、その場で繁殖していないから「灯り」に対して気を配らなくても、毎年ホタルが見られるだろうが、本当に自然発生している生息地では、絶対に「ホタルに灯りは禁物」である。懐中電灯を向けたり、カメラのストロボを焚くのもダメである。
 これから、野山の川で自然発生しているホタルを観賞される方々は、是非ともホタルに灯りを向けないでいただきたい。生息地へは、車のヘッドライトも懐中電灯も必要のない明るい時間帯に到着し、岸辺で暗くなるのを待つようにしたい。帰るのは、ホタルが発光する時間帯が終わってからにしたい。もし、灯りを向けている方がいたら、「灯りを向けるとオスとメスが出会えなくなりますよ。」と伝えていただきたい。

 ただし、人々の考え方は様々で、気を悪くしたりするかも知れない。様々なメディアで訴え、SNS等で情報を発信しても「ホタルは灯りが大嫌い」ということは、なかなか浸透しないのが現実である。以下は、あるプロの写真家の意見。(原文そのまま。一部抜粋)

「ストロボを使用するホタル撮影は、ホタルの繁殖行動に悪影響を及ぼしてしまいます。」 などという記述も含めて、私には極論に感じられました。
 弱い懐中電灯の明かりやほんの数回のストロボの発光が、ホタルの繁殖行動に目くじらを立てるほどに悪影響を及ぼすのなら、なぜ、町の中の光がたくさん存在しホタルの活動時間帯に車が絶えず通るような場所にも、ホタルが多数生息する場所があるのでしょうか? また古河さんは、ホタルの観察に出かける際に、ヘッドライトをつけた車に乗ることはないのでしょうか?
 そもそもマナーは、人それぞれが自分なりに一生懸命に考えることであり、他人に押し付ける筋合いのものではないと考えます。
 ホタルを大切にしましょうという主張は、ホタルのためではなくて、突き詰めると、ホタルを好きな誰かのためなのです。 もしも人間が存在しないのなら、実はホタルはどうなってもいいのです。
 ホタルに関して言うと、まずは事実が大切です。本当に懐中電灯の光や数回の発光が、目くじらをたてるほどの悪影響があるのか? ホタル愛好家が自分たちが好きなホタルの見方を、自然保護の名目で押しつけようとしていないか?
 せいぜい自分のホームページ内で主張すべきことだと思うのです。

 次は、ある個人の方の意見。(抜粋)

「ホタルが光らなくなる=繁殖できない」と伝わると思い込んでいるのは知識がある人間のエゴ。光らなくて困るのは貴方自身に他ならない。 ホタルのためにと言いますが、それはその場のホタルを減らしたくないと言う貴方個人の利を守ろうとしているに過ぎない。
 声を代弁するなどと大それたことは、どんなにその動植物のために尽力したとしても人間風情が口にすべきことでは無い。独り言で済んでいるうちは何を言っても構わないと思いますが・・・

 掲載写真は、ホタルの生息地における典型的な「光害」の一枚と、灯りが一切ない生息地での飛翔風景の3枚である。いずれも、デジタルカメラがない時代にタングステンタイプのポジフィルムで撮影したものである。

参照サイト:博士に聞いた!ホタル観賞が10倍楽しくなる豆知識&観賞テク

参考文献

  1. 宮下 衛(2009)「ゲンジボタル・ヘイケボタル幼虫に対するLED照明の影響」,土木学会論文集G Vol.65 No.1,1-7
  2. 宮下 衛(2011)「ゲンジボタル・ヘイケボタルの産卵に対するLED照明の影響」,土木学会論文集G(環境) 67(1), 21-29
  3. 遊磨 正秀(2017)「動植物に対する「光害」、特にホタル類への影響」,全国ホタル研究会誌,5

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ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルが飛ぶ小川を照らす車のライトと懐中電灯
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:山梨県)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:東京都)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:静岡県)

ゲンジボタルの飛翔風景写真

ゲンジボタルの飛翔風景
OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional(撮影地:東京都)

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スジグロボタル

2018-06-09 13:58:27 | ホタル

 スジグロボタル Pristolycus sagulatus sagulatus Gorham, 1883 は、ホタル科(Family Lampyridae)スジグロボタル属(Genus Pristolycus)のホタルで、北海道、本州、九州に分布し、近畿亜種と奄美亜種がある。四国には、同属のシコクスジグロボタル Pristolycus shikokensis Ohbayashi et M. Sat , 1963 が分布している。
 体長は7mm~9mm。谷戸の最上部の樹林に囲まれた冷たい湧水が流れ込む薄暗い湿地等に生息し、幼虫はカワニナ等の巻貝や湿地に生息する多様な生物を食べる時だけ水中に入る半水生である。卵・幼虫・蛹・成虫ともに発光するが、成虫は昼行性なのでほとんど発光しない。写真から分かるように、朱色の上翅に3本の黒い筋があるのが特徴で、また触角が発達しており、オスはメスの発するフェロモンを感知して繁殖に至る。夜間に発光でのコミュニケーションは図っていない。
 スジグロボタルは、環境省カテゴリにはないが、神奈川県、埼玉県、宮城県のRDBでは、絶滅危惧Ⅱ類として記載している。

 スジグロボタルを撮影した湿地では、ミドリシジミやサラサヤンマも生息しており、毎年安定して発生している。今年は例年よりも10日以上も早い発生であった。

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スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 3200 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 3200 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2011.6.18)

スジグロボタルの写真

スジグロボタル(交尾)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2011.6.18)

スジグロボタルの幼虫の写真

スジグロボタル(幼虫)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F10.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用

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ヒオドシチョウ

2018-06-06 22:20:40 | チョウ/タテハチョウ科

 ヒオドシチョウ Nymphalis xanthomelas japonica (Stichel, 1902) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)タテハチョウ亜科(Subfamily Nymphalinae)タテハチョウ族(Tribe Nymphalini)ヒオドシチョウ属(Genus Nymphalis)のチョウで、北海道から九州に分布し、食樹はエノキで、低地から山地の樹林や雑木林に生息する。鮮やかな赤みのある緋色をしていることが、紅で染められた紐を使った緋縅(ひおどし)の鎧を連想させることから和名がつけられた。
 本種は、年1化で5月中旬頃に羽化しそのまま冬を越して翌年の5月頃まで生きる長命なチョウだが、7月頃から翌春までその姿を見ることはほとんどない。詳しい生態は分かっていないが、低地で発生した本種は、発生後、しばらくすると標高の高いところに移動して夏眠・冬眠して降りてくるからだと言われている。同属のエルタテハ Nymphalis vaualbum ([Denis et Schiffermuller], 1775)やキベリタテハ Nymphalis antiopa (Linnaeus, 1758)も同じような生態である。
 環境省カテゴリにはないが、都道府県のRDBで千葉県で絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県・長崎県で絶滅危惧Ⅱ類、福岡県、鹿児島県では準絶滅危惧種に選定している。

 他のチョウでもそうであるが、翅が擦れていない美しい姿を撮るには羽化したばかりの時期しかない。参考に越冬後の写真も掲載したが、長命ゆえに翅はこれほどまでボロボロになってしまう。これもヒオドシチョウの生態写真であり、このチョウの生きざまであるが、筆者の昆虫写真は、生態写真は次の段階で、まずは特徴が分かる図鑑写真が基本。チョウ類では、翅裏と翅表を撮ることが必須であるが、美しい翅表を撮ることは容易ではない。
 掲載写真のヒオドシチョウは、脚が4本しか写っていないが、これは欠落しているのではない。タテハチョウ科に見られる特徴で、前脚は極端に小さくなっていて前胸部に折りたたまれているのである。

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ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 500(撮影地:山梨県北杜市 2013.06.08)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:山梨県甲州市 2018.5.27)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400(撮影地:山梨県甲州市 2018.5.27)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:山梨県甲州市 2018.5.27)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ(越冬後)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:東京都あきる野市 2012.5.12)

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サラサヤンマ(静止)

2018-06-04 21:31:43 | トンボ/ヤンマ科

 サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri (Martin, 1901)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)サラサヤンマ属(Genus Sarasaeschna)で、日本のサラサヤンマ属は、サラサヤンマとオキナワサラサヤンマの2種からなる。サラサヤンマは北海道から屋久島にまで分布し、オキナワサラサヤンマは沖縄本島北部にのみ分布している。
 サラサヤンマは、丘陵地や低山地のほとんど水のない小さな湿地や休耕田などに生息するヤンマで、体長が6cm程しかなく、ヤンマの仲間では一番小さいだろう。関東では5月初め頃に羽化して、雑木林の中で過ごし、成熟する5月下旬頃に湿地に戻ってくる。和名のサラサは、更紗(さらさ)模様から付けられている。更紗模様は、東南アジア系の模様の総称。同じ紋様が繰り返し増殖していく様式は、輪廻転生のように無限に再生する生命観を表現したものと考えられている。
 幼虫(ヤゴ)は、草に覆われた湿地内の、僅かに水の溜まった場所で、泥の上に落ち葉が堆積したような所で生活しているようであるが、まだ、生態の詳細は解明されてはいない。
 本種は、環境省RDBに記載はないが、東京都、神奈川県、群馬県、長野県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類に、青森県、兵庫県、徳島県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類に、千葉県、埼玉県、栃木県のRDBでは、準絶滅危惧種に選定している。里山の谷戸における湿地や休耕田が主な生息環境だが、里山そのものの消失、里山においても、放棄放置によって湿地や休耕田が乾燥状態になる等が減少の原因と考えられる。

 サラサヤンマの写真は、これまでに成虫の静止やホバリング「サラサヤンマ(飛翔と静止)」を撮影し紹介している。となれば、次は、生態の各ステージを収めるのが筆者の理念であり、今年は「産卵」を目標にした。しかしながら、三週連続で生息地二か所を訪れて見たものの、目撃できたのはオスばかりで、何時間待機してもメスは飛来せず、産卵の様子を撮影することはできなかった。気になったのは、昨年は多くの個体を確認できたにも関わらず、今年はどちらの生息地も個体数が少ないと感じたことである。羽化までには大部分は2年であるという報告がなされており(福井,1996)、環境の変化はほとんどないことから、本年は発生数が少ない年であったかも知れない。産卵の様子は来年に期待するとして、本年は、産卵場所に飛来し枝に止まったオスの写真を掲載して締めようと思う。
 掲載写真は、同じ個体を同じ場所から撮影したものであるが、一枚目は内臓ストロボを発光させ、二枚目はストロボを使用していない画像である。どちらの写真的が良いかは、個人の好みによって分かれるだろうが、今後の参考にご意見を頂ければ幸いである。

参考文献

  1. 福井順治, 1996. サラサヤンマ幼虫の齢期分析と飼育記録.Aeschna 32:9-13.

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サラサヤンマの写真

サラサヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 400 -2EV ストロボ使用(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.03)

サラサヤンマの写真

サラサヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 3200 +1EV(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.03)

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ミドリシジミ

2018-06-03 20:11:08 | チョウ/ゼフィルス

 ミドリシジミ Neozephyrus japonicus japonicus (Murray, 1875) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)ミドリシジミ属(Genus Neozephyrus)のチョウで、日本では北海道、本州、四国、九州に分布するが、九州では九重山系にのみ産する。
 翅の裏面は雌雄とも灰褐色であるが、オスの翅表は金緑色で和名の由来になっている。メスの翅表は、遺伝的多型があることが知られ、褐色無紋のO型、橙赤斑をもつA型、大形の藍紫斑をもつB型、藍紫斑と橙赤斑の両方をもつAB型と4タイプが知られている。
 幼虫の食草はハンノキ、ヤマハンノキなどなどのカバノキ科であるから、低地から山地のハンノキが生える湿地に多く生息するが、ヤマハンノキが生育する山地にも生息している。ちなみに筆者は、2014年8月23日に標高1,200mの山地にて蕎麦の白い花で吸蜜するオスのミドリシジミを撮影している。(ミドリシジミ(吸蜜)
 本種は、環境省RDBに記載はないが、熊本県で絶滅危惧Ⅰ類、千葉県、岐阜県、奈良県、香川県、島根県、大分県では絶滅危惧Ⅱ類に選定している。撮影した埼玉県では準絶滅危惧種に選定しており、平成3年には県の蝶に指定している。

 ミドリシジミの写真は、その魅力である輝く翅表を収めたものでありたい。2012年に撮影し「ミドリシジミ(開翅)」として掲載してはいるものの、片方の尾状突起が欠損した個体であった。その後、ハードルの高い山地性ゼフィルスを主として撮影していたため、なかなかチャンスがなかったが、今年は、ミドリシジミの翅の擦れと欠損がない美しい個体を撮ることを目標として定め、3週に渡って生息地へ通った。先週は未発生であったが、今回は発生のピーク。到着した6時半には、10数頭の個体が一畳ほどの範囲の下草に止まっていた。また、湿地全体のあちこちで下草にいる個体を確認できた。
 日が当たり気温上がってくると半開翅した後、ハンノキの梢に飛び上がってしまう個体が多かったが、しばらくすると降りてきて下草で開翅する個体や、地上で羽化したばかりの個体が下草で開翅するという場面に多く遭遇できた。翅の擦れた個体や欠損した個体の写真は「生態写真」として言い訳できるが、図鑑写真として新鮮な個体を美しく撮ることが第一の目標である。しかしながら、ミドリシジミの生態や成虫の行動に関する知識を持っていても、綺麗に撮るのは簡単ではない。近づくとすぐに飛び立ってしまう個体も多い。それでも何とか複数個体を様々な角度から撮影することができたので紹介したい。
 ミドリシジミの翅表の色は、サブミクロン・スケールの微細な構造によって作り出される物理的な色、すなわち「構造色」であり、入射した光線のある波長の山と山が重なり合ったときに金属光沢をもつ強烈な色を形成し、見る方向によって異なった色を示す。同じ個体でも見る角度で翅色が緑色や青色に見えるのである。写真のミドリシジミの翅表の色も、太陽光の角度や撮影方向で違っている。

 今回は、これまであまり興味がなかったメスのミドリシジミも撮影した。橙赤斑をもつA型である。メスの遺伝的多型の図鑑写真を撮りたいという意欲が湧いてきたが、今年は、ヒロオビミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、ヒサマツミドリシジミ、アイノミドリシジミ、キリシマミドリシジミを綺麗に撮り直したいと思う。

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ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 10:36)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1250 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 10:37)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 8:34)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:03)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 7:45)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 7:14)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:12)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ(翅裏)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:09)

ミドリシジミ(メス)の写真

ミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 8:41)

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ゼフィルスの季節

2018-06-02 18:09:45 | チョウ/ゼフィルス

 ゼフィルスの季節が今年もやってきた。ゼフィルス(Zephyrus)は、ギリシャ語だが、語源はギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)で、樹上性のシジミチョウの一群(ミドリシジミ亜科)をゼフィルスと呼んでいる。かつては分類学上の呼称であったが、現在でもそのまま使っている。国内には25種類生息しており、キタアカシジミを除く24種類を撮影しているが、満足のいく図鑑写真は多くない。
 今年は、ミドリシジミをはじめ、山地性ゼフィルスの撮り直しを計画。まずはミドリシジミの生息する湿地を訪れた。湿地では、平地性ゼフィルスがすべて発生しており、特にアカシジミとウラナミアカシジミは大発生であった。平地性ゼフィルスが発生すると、次はより美しい山地性ゼフィルスが舞い始める。これらの発生時期がよい指標となる。
 この日の目的であったミドリシジミは次の記事で紹介することとし、今回は5種を掲載した。ただし、毎年、平地性ゼフィルスの同じような写真を撮影し掲載したのでは単なる撮影日記で進歩がない。そこで今回は、特徴が分かる翅裏と開翅写真を並べた。アカシジミとウラナミアカシジミにおいては、翅を開いて止まることがないため、少しだけ翅を開いた写真を掲載した。

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アカシジミの写真

アカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2018.5.26)

ウラナミアカシジミの写真

ウラナミアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250(撮影地:東京都西多摩郡 2012.06.17)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1000(撮影地:東京都西多摩郡 2012.06.17)

ウラゴマダラシジミの写真

ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

ウラゴマダラシジミの写真

ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

オオミドリシジミの写真

オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 800(撮影地:東京都八王子市 2016.6.19)

オオミドリシジミの写真

オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

アカシジミとウラナミアカシジミの写真

アカシジミとウラナミアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 800(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

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