ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
自然風景の写真も紹介しています。

御射鹿池 夜の幻想

2018-08-28 20:03:58 | 風景写真/湖沼

 御射鹿池は、長野県茅野市の奥蓼科にある小さな農業用ため池だが、私の叔父の友人であった東山魁夷画伯の「緑響く」(1982年制作)という名画のモデルにもなり、その幻想的な風景から、農水省により「ため池100選」にも選ばれている池である。様々なテレビ・コマーシャルにも登場し、昨今では全国から多くの観光客が訪れる観光スポットである。
 筆者は、四季を通じて何度も訪れており、その美しさを伝えてきたが、今回は、これまでに撮影したことがない光景を撮るべく、数か月前からこの日を心待ちにしていた。訪れた時間は、午後の3時。早朝は三脚組だけだが、この時間帯はスマホ組で三脚での撮影は筆者だけ。18時を過ぎると、誰もいなくなる。筆者にとってはこれからが勝負の時間であり、池湖で一人ひたすら時が来るのを待った。
 風景を目前に「時が来るのを待つ」のは、自然風景を撮影する醍醐味であるが、その「一瞬」が訪れないこともある。今回は、残念ながら玉砕。台風20号の影響で大気の状態が不安定。南からの湿った空気が八ヶ岳で厚い雲となり、期待した光景との出会いは叶わなかった。それでも、光景は「一期一会」でる。「夜の幻想」として掲載することにした。今回撮れなかった写真は、来月に再挑戦しようと思う。

 三枚目の写真は、言わば御射鹿池の「定番」。日が暮れる前に撮ったものである。真夏の濃い緑を映す水鏡が美しい。
 御射鹿池には、これまで駐車場はなく、池畔に5台ほどが止められる小さなスペースに止めていたが、 平成29年に「バス専用駐車場」および「普通車専用駐車場」が完備された。今までの迷惑な路上駐車がなくなったのは良い事だと思うが、 安全対策の「立ち入り禁止区域」が新設され、池畔で自由に撮影することが出来なくなってしまった。撮影は道路からの限られたスペースからとなる。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

御射鹿池の写真

御射鹿池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F1.4 6秒 ISO 800(撮影地:長野県茅野市 2018.08.25 19:18)

御射鹿池の写真

御射鹿池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 1600 +1 2/3EV(撮影地:長野県茅野市 2018.08.25 19:36)

御射鹿池の写真

御射鹿池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/25秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県茅野市 2018.08.25 17:04)

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オオルリボシヤンマ(青眼メス)

2018-08-27 22:18:59 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマのメスは、通常、複眼と腹部の斑紋が黄緑色であるが、他に複眼と腹部の斑紋が青色のタイプ(オス型メス)や腹部の斑紋のみが青色のタイプが見られ、昨年、兵庫県と新潟県で撮影している。今回、複眼の半分だけが青色のタイプを撮影したので報告したい。(写真:1~3)また、写真は水面から50cm以上も高い場所の小枝に産卵をしていた所を撮ったものである。
 メスの青色は変異(個体変異及び地域変異)で、マダラヤンマ、ヤブヤンマ等のメスでも確認されているが、こうした色のメスが出現する理由については分かっていない。以下に、様々な色のタイプのオオルリボシヤンマのメスの写真を掲載した。

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オオルリボシヤンマ(メス)の写真

オオルリボシヤンマ(複眼の一部が青色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 9:26)

オオルリボシヤンマ(メス)の写真

オオルリボシヤンマ(複眼の一部が青色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 9:26)

オオルリボシヤンマ(メス)の写真

オオルリボシヤンマ(複眼の一部が青色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 9:26)

オオルリボシヤンマ(オス型メス)の写真

オオルリボシヤンマ(複眼と腹部が青色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/40秒 ISO 3200(撮影地:兵庫県 2017.9.23)

オオルリボシヤンマ(オス型メス)の写真

オオルリボシヤンマ(腹部が青色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +1/31EV(撮影地:新潟県 2017.10.08 12:06)

オオルリボシヤンマ(メス)の写真

オオルリボシヤンマ(複眼が緑色型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 9:26)

オオルリボシヤンマ(メス)の写真

オオルリボシヤンマ(ノーマルタイプのメス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:東京都 2011.9.19)

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ルリボシヤンマ(産卵)

2018-08-26 20:27:27 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ(Genus Aeshna)属で、日本では、北海道、本州、四国に分布している。7月頃より羽化し10月頃まで多く見られる大型のヤンマで、同属のオオルリボシヤンマより、やや細身で地色の茶色味が強く、胸部の模様と腹部斑紋の形状が若干異なっている。斑紋の色彩には地理的変異があり、寒冷地ではオオルリボシヤンマのように斑紋の大半が水色や緑色になる個体も現れると言われており、今回は、中部山岳地帯においてルリボシヤンマの青色型メスを探索した。

 標高およそ1,400mの池は、早朝から日当たりが良く、ルリボシヤンマのオスは朝7時より縄張り飛翔していた。池半分は水が溜まっておりオオルリボシヤンマが占有。もう半分は湿地状態でルリボシヤンマがあちこちでホバリングしている。
 メスが産卵に来るのを待っていると、いつ飛来したのだろうか、すでに茂みの中で産卵している個体を発見。こちらの動きを察すると、すぐに移動して別の場所で産卵。オオルリボシヤンマのメスより神経質に思える。移動途中でオスにつかまって高い梢へとタンデム飛翔していく場合もあったが、中には、交尾を拒否する行動なのだろうか、飛びながら腹部を「つ」の字に曲げる個体がおり、その場合、オスは離れて行った。

 今回、数個体のルリボシヤンマのメスを撮影したが、いずれも青色型ではなくノーマルタイプであった。機会があれば、もっと標高の高い別の場所で探索したいと思う。

参照:ルリボシヤンマオオルリボシヤンマ(オス型メス/兵庫)

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ルリボシヤンマの産卵写真

ルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 640(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 7:33)

ルリボシヤンマの産卵写真

ルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 -1/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 8:24)

ルリボシヤンマのメスの写真

ルリボシヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:長野県松本市 2018.8.26 9:17)

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ゴマシジミ属

2018-08-19 19:03:06 | チョウ/シジミチョウ科

 ゴマシジミ属(Genus Phengaris)は、日本をはじめ、朝鮮半島、中国から中央アジアを経てヨーロッパ中央部まで分布するチョウである。日本国内においては、以下の2種が生息しており、ゴマシジミは、北海道と本州、九州(四国では確認されていない)に分布し、それぞれ亜種として分類されている。オオゴマシジミは、北海道渡島半島および本州東北~中部地方の高山に分布し、西限は飛騨山脈であるが、いずれも生息場所は極めて局所的である。

ゴマシジミ属 Genus Phengaris

  1. ゴマシジミ Phengaris teleius (Bergstrasser, 1779)
    • ゴマシジミ 北海道・東北亜種 Phengaris teleius ogumae (Matsumura, 1910)
    • ゴマシジミ 本州中部亜種 Phengaris teleius kazamoto (H. Druce, 1875)
    • ゴマシジミ 八方尾根・白山亜種 Phengaris teleius hosonoi A. Takahashi, 1973
    • ゴマシジミ 中国・九州亜種 Phengaris teleius daisensis (Matsumura, 1926)
  2. オオゴマシジミ Phengaris arionides (Staudinger, 1887)
    • オオゴマシジミ Phengaris arionides takamukui (Matsumura, 1919)

 ゴマシジミ属は、世界的にも絶滅が危惧されるチョウで、国内のゴマシジミは、絶滅危惧ⅠA類(環境省カテゴリ)、オオゴマシジミは、準絶滅危惧(環境省カテゴリ)に選定され、いずれも多くの自治体のREBにも絶滅危惧種として記載している。理由は、その特異な生態にある。
 ゴマシジミは「ワレモコウ」、オオゴマシジミは「カメバヒキオコシ」を宿主植物として、若齢幼虫はその花芽を食べるが、4齢になるとアリの巣の中に移り、幼虫はそこで、アリの幼虫を食べるか、またはアリの成虫から口移しで餌をもらうのである。両種はいずれもシワクシケアリ(Myrmica kotokui)に寄生することが明らかになっており、その存在が不可欠なのである。
 ただし、シワクシケアリは、形態では判別できない4つの遺伝的系統(L1~L4)に分化しており、遺伝子解析の結果、ゴマシジミおよびオオゴマシジミの生息地には,それぞれシワクシケアリの L2系統 および L3系統 が分布すること、更にゴマシジミおよびオオゴマシジミ幼虫が実際に寄生していた巣のアリ系統も、それぞれ L2系統 および L3系統 であることが明らかになっている。
 シワクシケアリの生息環境は、湿った土の存在が必要条件であり、乾燥化や植物群落の遷移が進むとシワクシケアリはいなくなり、結果としてゴマシジミとオオゴマシジミは絶滅してしまうので、草原の管理が保全には大切になっている。撮影者も、むやみに草地に入り込むのは慎まなければならない。

 ゴマシジミ属の減少は、「捕獲・採集」が「開発や環境悪化」に次ぐ大きな要因となっていることがわかっている。自身のコレクションやオークションで販売目的で、産地に採集者が集まり、乱獲してしまうのである。
 ゴマシジミ属は、その特異な生態から生息地が極めて限られ、ゴマシジミに至っては翅表の斑紋に地域性があり、掲載写真のように青い斑紋を持つ(青ゴマ)個体がいるため、採集者は「採れるだけ採る」のである。長野県と山梨県の一部に生息する「ゴマシジミ本州中部亜種」は、昨年「国内希少野生動植物種」に追加指定され、許可なく採集することはできなくなった。許可を受けずに捕獲したり、譲渡したりすると5年以下の懲役や500万円以下の罰金が科される。そのため、生息地においては、安定的な発生が見られるが、オオゴマシジミは採集の法的規制がない。掲載した写真は2014年に撮影したが、その後、採集圧により完全に絶滅している。撮影当日は、狭い生息場所に、カメラマン(筆者)一人に採集者4人。撮影後に、全てのオオゴマシジミが採られてしまった。長野県、栃木県、新潟県、群馬県、福島県などの生息地も採集圧により激減している状況である。

 ゴマシジミ属のみならず、絶滅危惧種については、捕獲・採集圧(商業目的や鑑賞目的の乱獲・盗掘)が以前から問題になっており、数少なくなってしまった種に対して壊滅的な打撃となることが指摘されている。こうした状況を踏まえ、環境省では、捕獲・採集が与える影響の大きさについて広く国民一般向けの普及啓発を目的としたチラシ及びポスターを作成し、都道府県や関係団体等の協力を得て全国的に配布し、また、個々の種の状況に応じて種の絶滅を回避するため、今後、保護増殖事業の実施や生息地等保護、区の設定を検討するとしているが、まずは採集できない法的規制を早急に取らなければ、現状は変わらない。

 掲載写真は、すべて過去に撮影したものだが、これまで個々のブログ記事にそれぞれ掲載していた。今回それらをまとめ、ゴマシジミにおいては、青ゴマの開翅、交尾、産卵も掲載した。

参照:絶滅危惧種の捕獲・採集圧に関する普及啓発チラシ及びポスター - 環境省野生生物が悲鳴をあげている - 環境省

  1. 参考文献
    • 上田昇平 日本産ゴマシジミ類のシワクシケアリ種内系統に対する寄主特異性 Scientific Reports volume6, Article number: 36364 (2016)
    • 巣瀬司ほか, 2003. 22. 愛知県. 日本産蝶類の衰亡と保護第5集. 日本産蝶類県別レッドデータ・リスト(2002 年): 82-87. 日本鱗翅学会, 東京.
    • 平賀 壯太 オオゴマシジミの宿主アリの再同定について やどりが2003年 2003巻 196号 p.31-34

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ゴマシジミ(青ゴマ)の写真

ゴマシジミ(青色タイプのメス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県松本市 2017.8.11 9:32)

ゴマシジミ(青ゴマ)の写真

ゴマシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県松本市 2017.8.11 9:32)

ゴマシジミの写真

ゴマシジミ(暗褐色タイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(撮影地:長野県松本市 2017.8.11 9:32)

ゴマシジミ(交尾)の写真

ゴマシジミ(交尾)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県松本市 2015.8.01 9:30)

ゴマシジミ(産卵)の写真

ゴマシジミ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320(撮影地:長野県松本市 2014.8.23 11:21)

オオゴマシジミの写真

オオゴマシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 3200(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.03 7:54)

オオゴマシジミの写真

オオゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 2500 -2/3EV(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.03 8:11)

オオゴマシジミの写真

オオゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/500秒 ISO 200(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.03 8:17)

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ヒオドシチョウ属

2018-08-15 21:50:30 | チョウ/タテハチョウ科

 日本におけるタテハチョウ科(Family Nymphalidae)ヒオドシチョウ属(Genus Nymphalis)は、以下の3種が生息している。

  1. ヒオドシチョウ属 Genus Nymphalis
    • エルタテハ Nymphalis vaualbum ([Denis et Schiffermuller], 1775)
    • キベリタテハ Nymphalis antiopa (Linnaeus, 1758)
    • ヒオドシチョウ Nymphalis xanthomelas japonica (Stichel, 1902)

 上記の進化上近縁な3種は、いずれも羽化後に標高の高い所に移動し、晩夏から初秋になると標高の低い所に降りてきて越冬し、翌年の5月頃まで生きる長命なチョウであるが、今回、これまで撮影していなかったエルタテハの翅裏を撮ることができたので、ヒオドシチョウ属として3種をまとめて掲載した。単に個々に写真を撮るだけではなく 進化上近縁である種の形態や生態、生息環境などを学び、さらに実際の知見によって生態系を理解でき、自然保全を考えることができるのではないだろうか。
 尚、キベリタテハ及びヒオドシチョウの詳細については下記リンクを参照頂き、本記事ではエルタテハについて記しておきたいと思う。

 エルタテハは、ユーラシア大陸とアフリカ大陸北部の旧北区のほぼ全域と北アメリカ大陸に分布し、日本では北海道と中部地方以北の本州に分布する。北海道では平地から山地にかけて、本州では主に標高1,000 m以上の食樹であるニレ科植物(ハルニレなど)やカバノキ科植物(ダケカンバ、シラカンバなど)がある落葉広葉樹林等に生息している。同属のヒオドシチョウと形態が似ているが、本種は、後翅の裏面中央部に和名の由来となっている白色のL字紋があるのが特徴である。
 ノリウツギやナナカマド等の花を吸蜜することもあるが、ダケカンバ等の樹液、獣糞を吸ったり、腐った果実に集まったり、地面で吸水したりすることが多い。また、コンクリートの擁壁に止まり、エフロレッセンス(白華)現象によって生じた炭酸カルシウムの結晶を吸っている様子を見ることも多い。
   本種はもともと個体数が少なく、植林に伴う自然林の消滅や生息環境の少しの変化によっても個体群が維持できなくなる可能性がある。環境省カテゴリにはないが、新潟県のRDBには準絶滅危惧種として記載している。

参照

キベリタテハ/キベリタテハがいない?
ヒオドシチョウ

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エルタテハの写真

エルタテハ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12)

エルタテハの写真

エルタテハ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.8 1/320秒 ISO 200(撮影地:群馬県吾妻郡嬬恋村 2012.08.25)

エルタテハの写真

エルタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 320 +1EV(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F11 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県嬬恋村 2012.08.25)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 200(撮影地:群馬県嬬恋村 2012.08.25)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 500(撮影地:山梨県北杜市 2013.06.08)

ヒオドシチョウの写真

ヒオドシチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 1600(撮影地:山梨県韮崎市 2013.06.23)

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キベリタテハ(2018)

2018-08-13 22:06:37 | チョウ/タテハチョウ科

 キベリタテハ Nymphalis antiopa (Linnaeus, 1758) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae<)/ヒオドシチョウ属(Genus Nymphalis)で、和名にあるように翅表外縁に黄色の太い縁取りがある。翅全体は小豆色でベルベットのような光沢があり、黄色の縁取りの内側には、青色の斑紋が一列に並ぶ。これに似たチョウは世界的にみても他にない。
 幼虫の食草はカバノキ科のダケカンバ、ウダイカンバ、シラカバ、ヤナギ科のオオバヤナギ、バッコヤナギ、ドロノキなどで、そのシックな色合いから日本では「高原の貴婦人」とも呼ばれており、アメリカでは、Mourning Cloak(喪服のマント)と呼ばれ、イギリスでは、Camberwell Beauty(キャンバーウェルの美人)と呼ばれている。北海道から本州中部(標高約1,000m以上の山岳)以北に生息し、雄大に滑空するたいへん優美なチョウである。
 本種は、標高1,000m前後の発生地において、7月下旬から8月中旬、9月上旬頃の3回くらいに分かれて羽化する。7月下旬から8月中旬に羽化した個体は、涼を求めて標高1,500m以上の高山へ移動し、9月中旬前後には標高1,000m前後の発生地に戻り越冬の準備をすると言われている。

 この日の主目的はエルタテハで、その撮影のために標高約2,000mのポイントに向かうと、林道沿いのコンクリートが吹き付けられた崖には、エルタテハ以外にキベリタテハがミネラルを吸うために飛来していた。本種は、過去に何度も撮影しているが、見かければカメラを向けてしまうチョウである。長野県の北信エリア、東信エリアの北部では、その姿をほとんど見ることができなくなったしまったが、東信エリアの南部や南信エリアでは、今年も数多く見られた。
 背景がコンクリートの壁では絵にならず、キベリタテハの色彩を再現するのが難しく、今後の課題ではあるが、今回は、ヤマハンノキで樹液を吸う姿も観察したので紹介したい。

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キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 2000 +1 2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.08.11 13:49)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 2000 +1 2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.08.11 13:49)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1600 +1 2/3EV(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12 9:07)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 800(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12 9:20)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1600(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12 8:54)

キベリタテハの写真

キベリタテハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1600 +1 2/3EV(撮影地:長野県佐久市 2018.08.12)

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池のくるみ 夏の朝景

2018-08-12 21:12:58 | 風景写真/夏

 池のくるみ(通称)は、長野県諏訪市霧ヶ峰にある湿原。正式な名称は踊場湿原と言い、車山、八島ヶ原とともに霧ヶ峰三大湿原(国指定天然記念物)の一つである。標高1,550mに位置した高層湿原で、周囲を10~400mの尾根に囲まれた東西に細長い湿原で、断層によってつくられた盆地に発達した。霧ヶ峰では踊場湿原にのみ見られるクシノハミズゴケが生育しており、貴重な植物群落となっている。

 8月11日~12日の信州遠征。実に7月21日以来の撮影遠征である。目的は、クモマベニヒカゲ、ホソミモリトンボ、エルタテハ等の昆虫である。当初、天の川やペルセウス座流星群の撮影も考えたが、天気予報で無理と判断。昆虫の撮影に力を入れることにした。
 11日午前0時に東京を出発。深夜にも関わらず帰省ラッシュで中央道は国立ICから35kmの渋滞。第一の目的地である乗鞍高原には5時の到着になってしまった。6:10発のシャトルバスで標高2.700mの畳平に向かったが、残念ながらガスの中。待機するも晴れることなくクモマベニヒカゲは断念。その後、高原に下り池を探索したが、ホソミモリトンボには出会えず断念。「湯けむり館」という日帰り温泉で汗を流し、松本IC近くの「いちばん」で黒毛和牛プレミアムコースの食べ放題。満腹になった所で、霧ヶ峰に移動し車中泊。気温21℃。東京の熱帯夜から解放された至福の夜であったが、やはり予報通り雲が掛かって天の川やペルセウス座流星群は見ることはできなかった。
 12日4時に目が覚めると、霧ヶ峰というだけあって何と濃霧。次の目的であるエルタテハまでは数時間あるので、もう一寝入りと思ったが、霧ヶ峰の濃霧・・・予定にはなかったが、近くの池のくるみ(踊場湿原)に行ってみることにした。

 池のくるみには何度か訪れ、冬景として「池のくるみ(霧氷)」を過去に掲載している。この状況では、きっと幻想的な光景が見られるに違いないと思い、駐車スペースに止めると、先客が5台。皆、思うことは同じである。今回の遠征では、昆虫写真を目的としたため、カメラは35mm版フルサイズではなく昆虫撮影用のAPS-Cサイズの Canon EOS 7D のみ。画角が狭く解像度も劣るが、所持した機材を活かして「池のくるみ 夏の朝景」を切り取った。
 この撮影後に別の場所に移動し、目的であるエルタテハを撮影。また今回、キべりタテハも多数見かけたので撮影した。これらは後ほど紹介したいと思う。

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池のくるみ 夏の朝景の写真

池のくるみ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 200 +1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰 2018.8.12 5:54)

池のくるみ 夏の朝景の写真

池のくるみ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 250(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰 2018.8.12 5:48)

池のくるみ 夏の朝景の写真

池のくるみ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F22 1/50秒 ISO 1250(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰 2018.8.12 5:45)

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オオルリボシヤンマの羽化後

2018-08-05 22:35:59 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856 は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ(Genus Aeshna)属で、北海道、本州、九州に分布し、成虫は6月下旬頃から11月頃まで見られる。周囲に樹木がある抽水植物や浮葉植物が生育する池沼等に生育し、標高300mほどの丘陵地から標高1,600mほどの高地において見ることができる。
 長野県の標高およそ1.400mの池。近辺には池がいくつかあるが、この池は、池にミズゴケが厚く堆積するという環境で、多くのトンボ類やゲンゴロウ、モリアオガエルの生息も確認している。周囲のミズナラ林にはゼフィルスも見られることから、池に生息するトンボ類とともに、その観察と撮影に毎年訪れているが、偶然にオオルリボシヤンマの羽化後の個体の出会ったので掲載しておきたい。

 オオルリボシヤンマとリボシヤンマは環境から棲み分けを行っていることが多い。付近にオオルリボシヤンマが多産する池はあるが、この池では、これまでルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)を確認していただけであった。しかしながら、こうして羽化(及び産卵)を確認することによって、この池にも生息していることが分かる。
 羽化後の個体は種の同定が難しいが、腹部先端の形状からオオルリボシヤンマと同定した。(もし、違っていたら遠慮くなくご指摘いただきたい。)

 オオルリボシヤンマは、オスは成熟すると複眼と腹部の斑紋が青色となる。メスは通常、複眼と腹部の斑紋は黄緑色であるが、複眼と腹部の斑紋が青色のタイプ(オス型)と腹部の斑紋のみが青色のタイプが見られ、昨年、兵庫県と新潟県で撮影している。(参照)
 本年は、リボシヤンマのオス型メスを探したいと思っている。

参照

  • オオルリボシヤンマ(青色型メス)
  • オオルリボシヤンマ(青色型メス/新潟)
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    オオルリボシヤンマの羽化写真

    オオルリボシヤンマの羽化
    Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.6.30 9:35)

    オオルリボシヤンマの羽化写真

    オオルリボシヤンマの羽化
    Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1600 +1/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.6.30 10:02)

    オオルリボシヤンマの写真

    オオルリボシヤンマ
    Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都あきる野市 2011.9.19 16:04)

    オオルリボシヤンマの産卵写真

    オオルリボシヤンマの産卵
    Canon EOS 7D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 2000 +1 2.3EV (撮影地:長野県松本市 2018.8.11 12:33)

    オオルリボシヤンマの生息池

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ゼフィルスの開翅

2018-08-01 21:52:25 | チョウ/ゼフィルス

 ゼフィルスは国内に25種類生息しているが、翅裏が特徴的な種類もあれば、翅表が青や緑に輝く種類もいる。出会うことさえ難しい種類もあれば、出会っても、その美しさを写すことが難しい種類が多い。ゼフィルスの仲間でも一際美しい FavoniusChrysozephyrus。その輝く翅表を写真に収めるのは簡単ではない。それぞれの種の生態と行動パターンを学んだ上で、生息地ごとの発生初期に合わせて訪問し、撮影テクニックを駆使して撮らなければならないが、その年の発生のタイミングや天候にも左右され、遠くに遠征しても空振りの事さえある。
 良い時期と天候、そして時間に訪問したとしても翅裏だけの写真で終わることも多い。一枚目の写真は、エゾミドリシジミ Favonius jezoensis (Matsumura, 1915) のオスだが、翅を開く前に飛んで行ってしまった。また、翅を開いたとしても、目線と同じ高さ、あるいはそれ以上の葉先で撮影角度が悪ければ、鱗粉が反射する光の加減で後翅が輝かずに黒く見えてしまう。(写真2.)また、生息環境も一緒に写し込む広角撮影は別にして、被写体の図鑑写真を目的とするならば、遠くの梢では写真的にインパクトがなく、証拠程度になってしまう。(写真3.)それに羽化から時間が経っていれば翅が擦れ、鱗粉も剥がれてしまう。個体の最高に美しい姿を写真に撮るという点では、昆虫の中では一番難しいと言えるのではないだろうか。

 そうしたゼフィルスの仲間でも、掲載したジョウザンミドリシジミ Favonius taxila taxila (Bremer, 1861) は、比較的撮りやすく、山地性ゼフィルスの撮影入門種と言えるかも知れない。
 ジョウザンミドリシジミは、ミズナラやコナラの林縁や林内のギャップにおいて、早朝からオスが飛び廻り、葉先に止まっては翅を開く。自分のテリトリーに他のオスが侵入してくるのを見張るのである。他のオスが侵入してくれば、飛び立って追い払う。相手が逃げ出すまで、互いにクルクルと卍飛翔を繰り返す。逃げだせば、また葉先に止まって見張る。
 種によっては、高い梢の葉先にしか止まらないが、ジョウザンミドリシジミは、個体によっては下草にもよく止まる。曇りや少し雨が降っていても活発に活動している時間帯であれば、葉に止まればすぐに翅を開くので撮影しやすい種だと思う。他の種でもそうだが、撮影者にとっては、この翅を開く瞬間がたまらない。
 掲載したジョウザンミドリシジミは、まさにテリトリーを見張っている瞬間である。翅を広げ始めると前脚2本を持ち上げ、戦闘姿勢に入る様子が分かる。他のオスが飛んで来れば、すぐに飛び出す構えである。
 ジョウザンミドリシジミは、過去に何度も撮影し、美しい姿を公開しているので参照いただきたい。今回は、翅が擦れ、片方の尾状突起が欠けている個体であるが、本年に撮影した個体なので記事として紹介した。

 筆者は、ヒサマツミドリシジミのオスを除く Favonius と Chrysozephyrus のオスの開翅はすべて撮影しているが、満足できる写真は少ない。今年は、ハヤシミドリシジミとウラキンシジミは達成できたが、他は未達。そろそろゼフィルスの季節も終わりである。来年は、十分に計画を練って、すべて達成できるよう楽しみたい。

ゼフィルス(Zephyrus)は、ラテン語でギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)が語源となっている樹上性のシジミチョウ科(Family Papilionidae)の一群、ミドリシジミ族(Tribe Theclini)の俗称である。ゼフィルスという属名は、現在では分類学上(Thecla)属の同物異名として破棄されているが、長い間ミドリシジミ族の属名として世界的に使用されてきた関係もあり、またミドリシジミ族(現在では多数の属に分割されている)全体を表現する用語として便利なために一般によく使用されている。

参照:ジョウザンミドリシジミ

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エゾミドリシジミの写真

エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.7.21 5:51)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.7.21 6:55)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 -2/3EV(撮影地:東京都 2018.6.24 7:22)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 500 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:39)

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