ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
自然風景の写真も紹介しています。

マイコアカネ

2019-09-24 18:53:34 | トンボ/アカネ属

 マイコアカネ Sympetrum kunckeli (Selys, 1884)は、成熟したオスは顔面が青白く腹部が鮮やかな赤色になり、赤い着物と白粉で装った京の舞妓さんを思わせることから和名が付いている。平地や丘陵地のヨシ、ガマ等背丈の高い抽挺水植物が繁茂する腐植栄養型の池沼に生息し、北海道から九州まで広く分布するが産地は限られている。生息環境となる池沼や湿地の埋立等による減少、農薬による水質汚染、池沼の公園化による護岸工事による破壊が減少の大きな原因になっている。
 環境省のRDBに記載はないが、都道府県のRDBでは、群馬、鳥取、島根、熊本の各県で絶滅危惧Ⅰ類に、東京都、青森、山形、富山、福井、香川、愛媛、佐賀の各県で絶滅危惧Ⅱ類、その他多くの県で準絶滅危惧種としており、絶滅危惧種として指定している都道府県数は、実に23に及び、アカネ属では3番目に多い。
 マイコアカネは、これまでたまたま見かけたときに撮っているだけで、過去に撮影した写真データをみても僅か3点しかない。調べてみて、これほど絶滅が危惧されているとは 驚きである。今回も、別の種を撮っている最中に近くに止まっていたので撮影したが、今後は、生息地や生息環境など注視し、撮影していきたい。写真は、マイコアカネの他、今月に撮影したヒメアカネとミヤマアカネも掲載した。

 参考までに、以下に飛来種を除いた本州で見られるアカネ属の種ごとの絶滅危惧指定都道府県数を記した。()内は、環境省指定のカテゴリを示している。また、オオキトンボ等については、過去の記事にリンクを貼ったので参照いただきたい。

  1. オオキトンボ     30(絶滅危惧ⅠB類)
  2. キトンボ       24
  3. マイコアカネ     23
  4. ヒメアカネ      19
  5. ミヤマアカネ     17
  6. マダラナニワトンボ  16(絶滅危惧ⅠB類)
  7. ナニワトンボ     14 (絶滅危惧Ⅱ類)
  8. コノシメトンボ    8
  9. アキアカネ      8
  10. タイリクアカネ    7
  11. ネキトンボ      5
  12. ナツアカネ      4
  13. リスアカネ      4
  14. ノシメトンボ     3
  15. マユタテアカネ    1

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

マイコアカネの写真

マイコアカネ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F4.0 1/320秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 7:10)

マイコアカネの写真

マイコアカネ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F4.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 7:14)

マイコアカネの写真

マイコアカネ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F4.0 1/200秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 7:15)

ヒメアカネの写真

ヒメアカネ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/1000秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.14 9:19)

ミヤマアカネの写真

ミヤマアカネ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 400 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:44)

ミヤマアカネの写真

ミヤマアカネ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:37)

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マダラヤンマの産卵

2019-09-22 20:44:16 | トンボ/ヤンマ科

 マダラヤンマの産卵を撮影することができたので、他のシーンと併せて紹介したい。


 マダラヤンマは、日本特産亜種であり、北海道西南部、東北地方全域と関東地方の一部、石川県、長野県に分布しており、ヒメガマ、ヨシなどの抽水植物が繁茂する池沼に生息するが、生息地は極めて局地的である。体長は約65~70㎜と小型だが、成熟したオスは腹部斑紋と複眼が瑠璃色となり、極めて美しいヤンマである。メスは、地色は淡い褐色で胸部と腹部には黄緑の紋があるが、複眼と腹部斑紋がオスと同じ瑠璃色になる個体もいる。
 これまで、栃木県と長野県において、オスの静止、ホバリング、オス型メスとの交尾態は撮影しており、ブログ記事「マダラヤンマ」に写真を掲載しているが、マダラヤンマの産卵シーンは未撮影であり、今年の年頭に掲げた撮影目標の1つであった。


 二週連続の三連休。先週末は「ルリボシヤンマ 青色型メス」の撮影。マダラヤンマの産卵は、時期的に、この三連休(21~23日)に賭けるしかないが、何と先週中頃に台風17号が発生し三日ともに雨マークが・・・半ば諦めて迎えた週末土曜日。東京は曇りで、時々晴れ間。長野県は雨が降っていたようだが、最新の予報では翌日曜日は一日曇りで、降水確率は30%。GPV気象予報では、午前中は雲があまりなく、晴れ間が多い。どうやら、台風の進み具合が予報より遅いようである。これは、行くしかない。3年ぶりに長野県にあるマダラヤンマ生息地を目指した。
 21日17時に自宅を出発。距離は200kmしかないが、午前3時に出発するのは辛く、お決まりの前日入り車中泊である。現地に一番近いSAに19時着。夕食を済ませた後、一本空けて熟睡。翌22日の5時半に再出発。マダラヤンマの生息地では6時から待機した。


 気温17℃。薄雲越しに差す朝日が弱く、なかなかマダラヤンマは姿を現さない。8時を過ぎるとようやく強い日差しが照り付け始め、それとともにマダラヤンマのオスたちが飛び始めた。長いホバリングを交えながら、ガマの茂みの中を飛び回る探雌飛翔を繰り返す。こちらは、メスが飛んでくるまでの間、オスのホバリング撮影を楽しむ。
 何枚が撮っていると、ガマの茂みの中から交尾態が飛び出してきた。気づかないうちにメスは産卵にやってきていたのである。さすが、オスは目ざとい。運良く、近くの木の2mほどの高さに止まったので、交尾態も撮影。5分くらいすると連結がほどけ(その後もオスが仕掛けるが、メスが拒否)メスは池の方へ飛んでいき、枯れたガマの茎に止まって産卵を始めた。この大チャンスを逃さぬように慎重に近づいて撮影。
 この日は、オス7~8頭。交尾態は3組を確認。オスの静止、ホバリング、オス型メスとの交尾態、そして目的であったマダラヤンマの産卵の写真を撮ることができ、今回は、産卵シーン以外は動画も撮影した。


 今回訪れた長野県の生息地(市の天然記念物に指定)は、トンボ屋にはよく知られた場所であり、毎年この時期には多くのカメラマンが集まるが、この日は知人I氏と二人だけ。(途中、一人来られたがすぐに帰られた)十二分に撮影を楽しんだが、生息地のほとんどは私有地であり、所有者のご厚意によって立ち入っての撮影が許されている。しかしながら、昨今、隣接するリンゴ畑で用を足すなど撮影者のマナーが悪く、来年からは一切立ち入ることができなくなるようである。ここのマダラヤンマは、この写真が最後になるかもしれない。


お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県 2019.9.22 8:39)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 160(撮影地:長野県 2019.9.22 8:58)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1400 +1EV(撮影地:長野県 2019.9.22 8:40)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県 2019.9.22 8:41)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県 2019.9.22 8:42)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/1000秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 8:42)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/1600秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 8:44)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/800秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 8:47)


マダラヤンマの写真

マダラヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 400 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.22 10:03)


マダラヤンマ(交尾態)の写真

マダラヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 9:08)


マダラヤンマ(交尾態)の写真

マダラヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 9:20)


マダラヤンマ(交尾態)の写真

マダラヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 9:20)


マダラヤンマ(産卵)の写真

マダラヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 9:26)


マダラヤンマ(産卵)の写真

マダラヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400(撮影地:長野県 2019.9.22 9:26)



マダラヤンマ



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アカネ属の連結飛翔

2019-09-18 18:55:01 | トンボ/アカネ属

 アカネ属の連結飛翔は、その様子から「タンデム」(バイクで二人乗りすること)と呼ばれ、必ず前の個体がオスで、そのオスが腹端の付属器でメスの頭部を挟むことで形成されている。トンボのオスは、交尾後のメスを奪うと、メスの生殖器に入っている精子を掻き出して自分の精子を渡すと言われている。したがって、オスは自身の精子の受精を確実なものとするために、交尾後のメスが産卵を終えるまで他のオスから警護しなければならない。そのため、オスとメスが連結したまま飛翔し、産卵をさせるのである。(警護飛翔および警護産卵)
 アカネ属の連結飛翔は、ブログ記事「アカネ属の連結飛翔と産卵」にも掲載しているが、今回は、未掲載であったリスアカネとコノシメトンボの連結飛翔を紹介したい。どちらも小さな池の周囲には多数のオス。メスが単独でいようものなら、すぐにタンデム状態である。警護飛翔の意味がよく分かる。
 尚、ナニワトンボとマダラナニワトンボの連結飛翔については、下記リンクを参照いただきたい。

参照

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リスアカネの写真

リスアカネ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 2000(撮影地:埼玉県 2019.8.27 11:32)

リスアカネの写真

リスアカネ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 2000(撮影地:埼玉県 2019.8.27 11:34)

リスアカネの写真

リスアカネ(連結打空産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/125秒 ISO 2000 -1/3EV(撮影地:埼玉県 2019.8.27 13:04)

コノシメトンボの写真

コノシメトンボ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 125 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:18)

コノシメトンボの写真

コノシメトンボ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 125 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:18)

コノシメトンボの写真

コノシメトンボ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 125 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:18)

コノシメトンボの写真

コノシメトンボ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 125 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.14 12:18)

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オオルリボシヤンマ/オスの飛翔行動

2019-09-16 09:53:15 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856 は、これまで日本各地で観察と撮影を行ってきたので、ここでオスの飛翔行動について少し触れておきたい。

 オオルリボシヤンマのオスは広い縄張りを持ち、その範囲をパトロール飛翔する。縄張り内に別のオスが侵入してくれば、追いかけまわし、追い出す様子はよく見かける光景である。また縄張り内にメスが飛来すれば、メスの近くを飛翔し、メスが産卵を始めると、近くでホバリングしながら待機している。この光景は、一見すると警護飛翔(自分と交尾したメスの産卵を警護する)にも見えるが、警護飛翔ではない。
 縄張りを形成するトンボでは、自分の縄張りに入ってきたメスと交尾し、縄張り内で警護しながら産卵させることが多く見られる。その場合、アカネ属に多いタンデム(直列連結)状態での連結産卵やオオシオカラトンボのように、オスが交尾メスのそばで飛翔または静止して産卵メスを見まもり、他のオスが来たらそれを追い払うといった警護である。これらの種は何故警護飛翔するのか?トンボは、最後に交尾したオスの精子と受精するため、オスは、交尾したメスを別のオスに取られないように守る必要があるからだと考えられている。
 トンボ類の中には、オスの警護なしに産卵する種も多い。オスがいない間にそっと訪れ、単独で産卵を行う。ギンヤンマを除くヤンマ科のメスに多く見受けられる。オオルリボシヤンマのメスもそうである。オオルリボシヤンマのオスは警護飛翔しているのではなく、隙があれば交尾をしようと待ち構えているのであるが、まずタンデムに至らない。メスは産卵を中断してオスから逃げる行動も見せる。同属のルリボシヤンマでは、産卵中のメスと連結し、強引に高い梢へと連れ去る様子がしばしば見るが、本種の場合は見たことがない。

 オオルリボシヤンマのオスは、人間でいえば、恋愛に対して慎重すぎる成熟の遅い奥手男子なのか、あるいはつきまとい・・・?では、効果的なアプローチを実践し交尾に至るのは、いつなのだろうか?また、圧倒的にメスの個体数の方が多いと思うのは私だけだろうか。今後も、じっくりと観察を行ってきたい。

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オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:長野県 2013.8.10 9:51)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640(撮影地:長野県 2013.8.10 9:51)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 640 +1 1/3EV(撮影地:長野県 2016.8.20 11:32)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 640 +1 1/3EV(撮影地:長野県 2016.8.20 11:32)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:新潟県 2017.10.08 12:03)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22 13:35)

オオルリボシヤンマの写真

オオルリボシヤンマ(オスの静止)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.9.19 16:04)

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ルリボシヤンマ 青眼型メス

2019-09-15 10:32:21 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマ 青眼型メスを撮影したので掲載したい。

 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種的に生息していると言われており、日本では寒冷な気候である北海道の他、本州、四国に分布する。主として高層湿原や林に囲まれた抽水植物が繁茂する泥炭質の小さな池沼などに多く生息している。丘陵地から低山帯の池沼など温暖な平地にも生息するが、数は少なくなる。
 オスは、成熟すると複眼は青色に、胸部の模様と腹部斑紋は黄色に変化し、腹部の第1節後半と第2節前半及び6(または7)~8節の斑紋が青色になる。メスは、複眼が緑色で胸部模様と腹部斑紋は黄色または淡緑色である。いずれも、地色の茶色味が強い。
 本種を含むルリボシヤンマ属では、メスの複眼と斑紋の色がオスと同じ青色になる個体がいる。青色型メスの出現は地理的変異と言われており、オオルリボシヤンマでは兵庫県と新潟県で撮影し、マダラヤンマは長野県で撮影しているが、(下記リンク参照)本種においては、ここ数年、極稀に確認されると言われている本州中部山岳地帯を中心に様々な地域で探索しても青色型メスを見つけることが出来ていなかった。

 今回訪れたのは、岐阜県にある高原(標高1,400m)の湿地で初めての場所である。木道が設置されているような高層湿原では、個体数が多くても池塘まで距離があるなどして、ほとんど撮影はできないので、今回は、寒冷地であり、尚且つ撮影のし易さで選定した。前日の21時過ぎに自宅を出発し、途中で車中泊。現地には6時半到着。朝の気温は14℃。快晴の澄んだ青空とススキの穂が秋を感じさせる。早速、高原の至る所を見て回る。ルリボシヤンマが一番好むであろう場所に狙いを定めて待機した。
 湿地も湿地脇の小さな池にも、まだ朝陽が当たっていない。オスの縄張り飛翔もなし。しかしながら、湿地脇の小さな池を見ると、すでに1頭が草の陰に隠れるように産卵中であった。時間は7時半である。ただし、この個体は、ノーマルタイプのメスであった。(写真6)
 8時半を過ぎると、湿地に朝陽が当たり始め、オスも次々に現れた。湿地上でホバリングを交えた縄張り飛翔や草陰を丹念に見て回る探雌飛翔を始めた。メスが飛んでくるのを待ちながらオスの飛翔撮影。ホバリングと言っても、飛翔移動中に1~2秒間静止するだけ。マニュアルフォーカスで素早くピントを合わせてシャッターを切った。
 まだ陽の当たっていない池を覗くと、こちらの気配で1頭のメスが飛び出した。そして、そのまま林の中へ飛んで行ってしまった。しかし、もう1頭が産卵中。よく見ると複眼が水色に見える。腹部第1節と第2節の斑紋も水色である。青色型ではないが、ルリボシヤンマ 青眼型メスの個体に出会うことができた。ストロボを焚いたものとノンストロボのカットを撮影。もっと別の角度から撮ろうとしていると、何とオスが現れ、交尾態となって林の高い場所へ連れ去ってしまった。
 その後、午前11時頃まで観察したが、10時を過ぎてオスが多数飛翔している時間帯になるとメスは全く来なくなった。オスが少ない朝方や夕方に、こっそりと産卵に来るようである。この日に確認したメスは、全部5頭。青眼型は1頭だけであった。

参照

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ルリボシヤンマ(青眼型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青眼型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:28)

ルリボシヤンマ(青眼型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青眼型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:29)

ルリボシヤンマ(青眼型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青眼型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:30)

ルリボシヤンマ(青眼型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青眼型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:31)

ルリボシヤンマ(青眼型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青眼型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 3200(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:31)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(ノーマル型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 3200 -1/3EV(撮影地:岐阜県 2019.9.14 7:34)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(ノーマル型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/2000秒 ISO 400 -1EV(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:50)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(ノーマル型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/2000秒 ISO 400 -1EV(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:52)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500(撮影地:岐阜県 2019.9.14 8:44)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/800秒 ISO 400(撮影地:岐阜県 2019.9.14 8:55)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/800秒 ISO 400(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:07)

ルリボシヤンマの写真

ルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 250(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:07)

ルリボシヤンマ(青眼型メス)

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カトリヤンマ(9月上旬)

2019-09-07 21:57:01 | トンボ/ヤンマ科

 カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909 は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)カトリヤンマ属(Genus Gynacantha)で、北海道南部から九州まで広く分布し、平地や丘陵地の樹林にかこまれた汚染のない池、竹林、松杉がまばらに生育する河川敷の林、水田など里山的な環境の豊かな地域に生息するヤンマである。環境省カテゴリーに記載はないものの、東北5県、東京都、千葉県、富山県、石川県のRDBには絶滅危惧Ⅰ類、栃木県、新潟県、長野県、福井県のRDBには絶滅危惧Ⅱ類として記載されている。
 これまでオスのホバリングや日中のぶら下がり、青い複眼のメスや産卵の様子等、神奈川県、千葉県、愛媛県にて多く撮影してきたが、今回始めて訪れた場所にカトリヤンマが多く生息していることが確認でき、撮影したので紹介したい。

 9月7日(土)晴れ。翌日は、午後から台風15号が関東に接近する予報であるから、出かけるチャンス。今月一番の目標であるトンボを探索すべく、金曜の夜から信州に遠征とも考えたが、今週は仕事が超激務であったため、疲労困憊。信州遠征は今後の三連休に予定することにし、この日は、ゆっくり起きて一般道で隣県へ。現地には10時半に到着。目的はリスアカネの連結打空産卵の撮影であり、何十枚と撮影したが、昨今、こまめに動き回る被写体を撮っていなかったので勘が取り戻せず、ほとんどがピンボケと被写体ブレ。時間とともにペアがいなくなり撮影終了。
 台風13号のフェーン現象もあって気温36℃。池と湿地の周囲は湿度も高い。熱中症の危険を感じながら他の池や湿地を探索するため歩き始めると、小さな細いヤンマが目の前を横切って枝に止まった。カトリヤンマの羽化後間もないメスである。その後薄暗い藪の中へ分け入ると、地上から40~50cmの高さで下草の中を縫うように飛び回るオスを何頭も目撃した。どうやらメスを探しているようだ。時折、枝に止まるので、お決まりの静止写真を撮影。運が良ければ交尾態も撮れるかと期待したが、どのオスもメスを見つけることが出来なかった。また、根気良く探しては見たが、既に交尾態になっているペアも見つけることはできなかった。この日に見たメスは、すべて私の身長よりも高い木の枝に止まっていたが、オスは地面近くを探雌していたのが不思議である。
 まだ羽化後間もない未成熟個体もいるので、これからが旬であろう。他の予定とやりくりできれば、この場所でのカトリヤンマの行動を観察するべく再訪したいと思う。

 以下には、ストロボを使用した写真と自然光だけで撮影した写真を掲載している。昆虫写真では、基本的にストロボは使用しないが、複眼の美しいヤンマに限っては、ストロボを発光させた方が自然光よりも奇麗に撮れることから使用している。
 今回は、絞り優先AEでスローシンクロで撮っている。これは、被写体はストロボ光で、背景はスローシャッターによる長時間露光で標準露出となるため、背景が暗くなるいわゆるストロボ臭い写真にはならない。ただし、掲載写真のデータからも分かるように、1/25~1/50秒という低速シャッターになるので三脚が必須であるし、当然、静止しているような場面でしか使えない。動いている被写体の場合は、ハイスピードシンクロに切り替えて撮るが、いかにもストロボを使用した感じになってしまう。ちなみに使用しているストロボは、Canon スピードライト550EX である。

参照:カトリヤンマ(青眼メス)カトリヤンマ(産卵)カトリヤンマ(静止飛翔と産卵)

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/50秒 ISO 1250 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 11:37)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/40秒 ISO 1250 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 12:45)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/25秒 ISO 1250 ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 12:46)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/100秒 ISO 1250 -1/3EV(撮影地:埼玉県 2019.9.07 12:48)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマのメス(羽化後間もない未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/20秒 ISO 1250 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 10:53)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマのメス(羽化後間もない未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/60秒 ISO 1250 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 10:54)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマのメス(未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 2000 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 11:43)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマのメス(未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 2000 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 11:44)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1250 +1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2019.9.07 11:47)

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Canon EOS 7Dで撮影した昆虫の映像集

2019-09-03 20:40:56 | 動画

 私の昆虫撮影は、ほとんどが写真である。写真は、一瞬の時間芸術とも言われ、写真ならではの良さがあるが、動きの連続は、映像でなければ分からない。
 今年になって、なるべく映像も残すように努め、ホタルの発光飛翔は多くの映像を撮影した。他の昆虫はどうかと言うと、過去のデジタルデータを探しても、ほとんどない。辛うじて、何点か撮影していたのでCanon EOS 7Dで撮影した昆虫の映像集としてまとめてみた。映像には、未公開映像を含めたチョウやトンボなど、下記の16種類が登場する。

  • カラスアゲハ
  • ジョウザンミドリシジミ
  • キベリタテハ
  • アサギマダラ
  • キバネツノトンボ
  • ムカシトンボ
  • アオヤンマ
  • オオルリボシヤンマ
  • ヤブヤンマ
  • ミンミンゼミ
  • ハグロトンボ
  • リスアカネ
  • アキアカネ
  • オオキトンボ
  • カトリヤンマ
  • ミルンヤンマ

 Canon EOS 7D の映像は、フルハイビジョンであるから、昨今の4Kや8Kの映像に比べると格段に見劣りする。また、写真を撮りながら途中で動画モードに切り替えて撮っているため、動画の設定がいい加減で、作品とは言えない単なる「記録」でしかない。今後は、もっと勉強してよい映像を残せるよう努力したい。

お願い:動画は、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

Canon EOS 7Dで撮影した昆虫の映像集(6分54秒)

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ベニヒカゲ

2019-09-01 15:27:38 | チョウ/タテハチョウ科

 ベニヒカゲは、2015年に長野県の浅間山系で撮影しているが、今回、8月半ばに北アルプスでも撮影したので、浅間山系の写真と併せて紹介したい。

 ベニヒカゲ Erebia neriene (Bober, 1809) は、 タテハチョウ科(Family Nymphalidae)ジャノメチョウ亜科(Subfamily Satyrinae)ベニヒカゲ属(Genus Erebia)で、国外ではヨーロッパからアジアに至るユーラシア大陸、北アメリカに分布し、北緯30°付近から北緯75°付近までの寒冷地や高山に多い。日本国内では、北海道および本州中部地方以北に分布し、北海道にはベニヒカゲ北海道亜種(Erebia neriene scoparia Butler, 1882)、本州にはベニヒカゲ本州亜種(Erebia neriene niphonica Janson, 1877)が生息している。
 北海道では低山地にも生息するが、本州では高山地に生息するいわゆる高山蝶の一種である。ちなみに、日本には14種類の高山蝶が知られているが、北海道特産の5種を除くと、本州に産するものは9種類ベニヒカゲ、クモマベニヒカゲ、タカネヒカゲ、クモマツマキチョウ、ミヤマシロチョウ、ミヤマモンキチョウ、オオイチモンジ、コヒオドシ、 タカネキマダラセセリである。
 ベニヒカゲは、全体が黒褐色で、前翅の両面と後翅表面には眼状紋を囲む橙赤斑があるのが大きな特徴である。雌は翅表の眼状紋内に白点がある他、縁毛が白く目立ち後翅裏面中央に白ないし黄色の帯が現れる。また地域固有の変異と個体変異があり、日本産だけでも20程が知られている。
 ベニヒカゲ本州亜種は、環境省カテゴリでは準絶滅危惧(NT)としており、地方自治体では、群馬県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類、岩手・秋田・山形・福島・新潟・岐阜・福井各県のRDBでは準絶滅危惧種として記載している。また、昭和50年2月には長野県の天然記念物に指定され、長野県と群馬県では採集が禁止されている。
 昨今では温暖化の影響で生息域が高標高化の傾向にあり、生息域が縮小しているにも関わらず、登山者が多い生息地では、食草であるイネ科のイワノガリヤスやカヤツリグサ科のヒメカンスゲが踏み荒らしによって消失したり、ニホンジカによる草本の食害やスキー場の開発による生息地の改変、更にはマニアによる乱獲も減少の原因となっている。

 今回訪れた北アルプスでは、標高1,400mから1,800mの間を散策したが、草原や湿地で数多くのベニヒカゲが見られた。陽の光には敏感に反応し、陽が差すと草の中から飛びだし草上をゆるやかに飛翔するが、日が陰ると草むらに隠れるという行動が見られた。
 当日の一番の目標は、同じ高山蝶であるクモマベニヒカゲであったが、標高1,800m以上はガスの中であったため登山を断念。また下山途中でゴマシジミ八方尾根・白山亜種を見つけたが、リフトに乗っていたため撮影はできなかった。その他、湿原ではルリボシヤンマのオスを1頭、標高1,400m付近では、既に掲載したヒメキマダラヒカゲとアイノミドリシジミを撮影した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/160秒 ISO 125 (撮影地:長野県白馬村 2019.8.10 7:19)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/160秒 ISO 160 (撮影地:長野県白馬村 2019.8.10 7:18)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.0 1/160秒 ISO 100 (撮影地:長野県白馬村 2019.8.10 8:55)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 500 +1EV (撮影地:長野県東御市 2015.9.05 8:30)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 800 (撮影地:長野県東御市 2015.9.05 7:49)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 500 +1/3EV (撮影地:長野県東御市 2015.9.05 8:33)

ベニヒカゲの写真

ベニヒカゲ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 200 +1EV (撮影地:長野県東御市 2015.9.05 8:29)

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