ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

カラスアゲハ(春型と夏型)

2018-09-10 21:42:52 | チョウ/アゲハチョウ科

 カラスアゲハ Papilio dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864 は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)アゲハチョウ属(Genus Papilio)のチョウで、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。食草は、ミカン科のコクサギ、キハダ、サンショウ、カラスザンショウ、カラタチ等であるため、山地の渓谷で主として見られる。
 チョウ類では、1年に一回しか羽化せずに一か月も経たないうちに産卵して死んでしまう種(ギフチョウやミドリシジミ等)や夏に羽化してそのまま冬を越して、翌年の初夏まで生きる長寿の種(ヤマキチョウやキベリタテハ等)がいるが、一年のうちに何回も羽化する種もいる。こうした種は「季節型」と言って、羽化した時期によって「春型」「夏型」「秋型」に分けられ、それぞれ翅の色彩や形状が異なっていることが多い。本種の場合は、年に2回羽化し「春型」「夏型」が存在するので、ここでその違いを紹介したい。
 カラスアゲハは、メスよりもオスの方が色彩が豊かで、特に春型のオスは小型で色彩が美しい。写真の春型のオスは、表後翅に赤斑が発達しているが、これは個体や地域によっても差があるので、一概に春型の特徴とは言えない。
 二週連続で出かけていないので、過去に撮影し、それぞれ記録として掲載していたものをまとめ直した記事ではあるが、こうした作業では新たな発見もあり、更には次の課題抽出にもなる。カラスアゲハの季節型については、今後、より多くの個体や様々な地域においても検証していきたい。また、メスの春型は撮影していなかったので、来年の課題としたい。そして他の昆虫(自然風景)でもそうであるが、美しい姿を、一番美しい時に、一番美しく見えるように撮影することを心掛けたい。

参照

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

カラスアゲハの写真

カラスアゲハ(オスの春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 1000(撮影地:東京都あきる野市 2011.5.8)

カラスアゲハの写真

カラスアゲハ(オスの夏型)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400(撮影地:東京都あきる野市 2017.8.20)

カラスアゲハの写真

カラスアゲハ(メスの夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/320秒 ISO 640 -1/3V(撮影地:東京都あきる野市 2012.8.11)

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ミヤマカラスアゲハ(春型)

2018-05-28 21:24:57 | チョウ/アゲハチョウ科

 ミヤマカラスアゲハPapilio maackii Menetries, 1858)は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)アゲハチョウ属(Genus Papilio)のチョウで、食草がミカン科のキハダ、カラスザンショウ、ハマセンダンなどであるため、深山(ミヤマ)という名前のように、主としてミカン科の野生種の生えている山地に生息している。
 本種は、地域変異や個体変異が多く、翅の色や模様が異なり、日本で最も美しい蝶と称されることもある。特に蛹で越冬して春に羽化する春型は、 小型ではあるが美しい。

 ミヤマカラスアゲハのオスは、微量のナトリウムが含まれている水場に集まるという習性があり、時に大集団になることもある。これまで、一度だけ目撃したが、その後はなかなかチャンスに恵まれず6年が経過してしまった。
 今年もポイントを訪れてみたが、何頭かは水場に飛んでは来るものの、落ち着いて吸水はせず、すぐに飛び立ってしまったり、吸水すらせずに私の緑色のカメラバッグの周りを旋回した後、行ってしまうという状況で、半開翅やピンボケの写真しか撮ることができなかった。本種は、太陽光と見る角度によって翅色が違って見えるが、今回は、本種の特徴である前翅の緑色を捉えることができたので、証拠程度の写真ではあるが掲載したいと思う。(1枚目の写真は2012年に、6~7枚目の写真は2013年に同じ場所で撮影したものである。)
 今年の撮影目標は、ミヤマカラスアゲハの春型の集団吸水を撮ることであるから、撮影場所を変えて、再チャレンジしたいと思う。

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ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +1EV(撮影地:山梨県 2012.5.27)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:山梨県 2018.5.27)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:山梨県 2018.5.27)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2018.5.27)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320(撮影地:山梨県 2018.5.27)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ
Canon EOS 7D7 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:山梨県 2013.05.25)

ミヤマカラスアゲハの写真

ミヤマカラスアゲハ
Canon EOS 7D7 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:山梨県 2013.05.25)

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ギフチョウ/イエローバンド

2018-05-06 21:28:21 | チョウ/アゲハチョウ科

 ギフチョウのイエローバンドを2014年から毎年通い続け、今年ようやく撮影することができたので紹介したい。

 ギフチョウは、強い飛翔力がなく他の生息地との行き来がないため、小さな地域個体群ごとに翅形や翅のサイズ、前後翅の黄色条または黒色条の幅、後翅肛角部の赤斑、斑紋の細部形状などに違いがある地理的変異が知られているが、同一地域個体群の中でも長野県白馬村で見られるイエローバンドなど常染色体劣性遺伝により引き継がれている形質もある。また更には、斑紋には様々な個体変異があり、赤上がり、イエローテールなどが知られ、斑紋異常による異常型も存在している。
 こうした様々なタイプがいることが、撮影者のみならず採集者を引き付けているギフチョウ。本記事では、イエローバンド及び過去に撮影した変異個体の写真も掲載した。

  • 写真1~3:イエローバンド
    (イエローバンドは、前翅・後翅の外縁部および尾状突起部が全て黄色く縁取られるのが特徴。)
  • 写真4:赤上がりの特徴が少しだけ現れたタイプ
    (赤上がりは、後翅表面の遠位内側にある大きな赤紋以外に小さな赤紋が黒帯の内側に沿って現れるのが特徴。)
  • 写真5:イエローテールの特徴が少しだけ現れたタイプ
    (イエローテ―ルは、後翅肛角紋の赤斑が全て後翅外縁部のオレンジ色と同じオレンジ色に置き換わるのが特徴。)
  • 写真6:斑紋異常タイプ

 ギフチョウのイエローバンドは、羽化して間もない翅のとても綺麗なメスの個体であった。こうして前翅・後翅の外縁部および尾状突起部が全て黄色く縁取られていると、ノーマルタイプに比べてより美しく見える。
 今回、イエローバンドの特徴が分かる写真は撮影できたが、図鑑写真的には満足のいく出来ではない。しかしながら、生息地内に2日間で12時間滞在したことで、気温、風、日差しとギフチョウの行動パターンや攻略法を学ぶことができ、帰り際に撮影に適したポイントも見つけることができたので、来年チャンスがあれば、確実にイエローバンドのもっと良い図鑑写真が撮れるだろう。もし、イエローバンドで赤上がり等の個体が自然界に存在するならば、是非、撮りたいものである。

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ギフチョウ(イエローバンド)の写真

ギフチョウ(イエローバンド)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:長野県 2018.5.05)

ギフチョウ(イエローバンド)の写真

ギフチョウ(イエローバンド)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県 2018.5.05)

ギフチョウ(イエローバンド)の写真

ギフチョウ(イエローバンド)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:長野県 2018.5.05)

ギフチョウ(赤上がりの特徴が少しだけ現れたタイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ギフチョウ(イエローテールの特徴が少しだけ現れたタイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 200(撮影地:新潟県十日町市 2013.5.18)

ギフチョウ(斑紋異常タイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ヒメカンアオイ(食草)(撮影地:長野県 2018.5.05)

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ギフチョウ(産卵)

2018-05-05 20:34:45 | チョウ/アゲハチョウ科

 ギフチョウ Luehdorfia japonica Leech, 1889 は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ギフチョウ属(Genus Luehdorfia)に分類される里山に生息するチョウで、氷河期の頃から地球環境の変化に耐えて生き残ったと考えられている。ギフチョウは、吸蜜植物が開花し食草の新葉が出る春に合わせて成虫が羽化・産卵し、葉が硬くなり林冠が閉鎖する真夏が来る前に蛹になる。 そして夏から翌春までの長い期間を蛹で過すという雑木林の季節変化にあわせた生態を持った「春の女神」(スプリング・エフェメラル)である。
 ギフチョウは日本の固有種で、本州の秋田県南部から山口県中部まで25県の広範囲に分布し、下草の少ない林に生息する。また、本州の特産種でもあり、世界中で日本の本州だけに分布するチョウは、このギフチョウだけである。かつては東京都下の多摩丘陵・高尾山とその周辺にも生息していたが、里山の放棄・放置によって食草であるカンアオイが 絶滅したことと、採集者によるギフチョウの乱獲により完全に絶滅している。全国的にも減少傾向にあり、環境省RDBでは絶滅危惧Ⅱ類に選定されており、26都府県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類や準絶滅危惧種として記載している。関東地方では、神奈川県の石砂山周辺でしか見ることができない。この地区のギフチョウは、神奈川県の天然記念物され地元の保護団体により保全されているが、人為的に他産地の個体の移入が行われた経緯があるようで、遺伝子攪乱が起こっていることがわかっている。
 環境省RDBで絶滅危惧Ⅱ類に選定され、多くの地方自治体のRDBで絶滅危惧Ⅰ類やⅡ類に選定されてはいるが、法的な拘束力はなく、規制のない地域では採集も行われている。ギフチョウは、地域変異・個体変異が多く見られるので、それを目当てに採集ツアーが開催され、参加者は採れるだけ採る。その日にいたギフチョウをすべて採りつくすのだから、環境の悪化や破壊よりもギフチョウを絶滅に追いやる一番の原因になっている。
 ちなみに、長野県白馬村では、ギフチョウとヒメギフチョウを昭和49年10月1日に村の天然記念物に指定し、成虫だけなく、卵、幼虫、蛹も含めて捕獲を禁止している。 また平成22年度より天然記念物の捕獲等について条例で10万円以下の罰金などの罰則が盛り込まれている。

 ギフチョウは、これまで何度も開翅やカタクリ吸蜜などのシーンを撮影しているが、今回は、生態学的にも貴重な「産卵」シーンを撮ることができた。
 林内で待機していると、林床をゆっくりと飛ぶ個体が目に入った。そっと近づくと、その個体は飛んでもよく止まる。翅も綺麗な大変美しい個体で腹部が大きいメスである。飛ぶ後を追いかけ続けていると、ウスノスズクサ科であるフタバアオイに止まり産卵を開始した。別の個体もフタバアオイに産卵を行っていた。
 ギフチョウの食草と言えばウスノスズクサ科のカンアオイであるが、カンアオイはクリやコナラなど落葉樹の林の日陰に生育する植物で繁殖力が弱く、自生地をほとんど広げない植物で、一度自生地が失われると自然状態で復活することが難しいと言われている。環境の悪化や破壊によってカンアオイが絶滅すれば、ギフチョウも絶滅するが、ギフチョウとヒメギフチョウの混生地である当地ではカンアオイは見当たらない。ヒメギフチョウの食草であるウスバサイシンが多い。そしてそれよりも多いのがフタバアオイであり、繁殖力の強さから一面フタバアオイとなっている場所もある。
 フタバアオイは、ギフチョウの飼育において以前から代用食として用いられていたようであるが、幼虫は若齢からでなければ受け付けないと言われている。当地のギフチョウは、フタバアオイで繁殖していると思われる。

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ギフチョウの写真

ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ギフチョウの写真

ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ギフチョウの産卵写真

ギフチョウ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ギフチョウの産卵写真

ギフチョウ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

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ヒメギフチョウ(交尾)

2018-05-03 20:53:37 | チョウ/アゲハチョウ科

 ヒメギフチョウ Luehdorfia puziloi (Erschoff, 1872) は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ギフチョウ属(Genus Luehdorfia)に分類されるチョウで、ロシア沿海から朝鮮半島、北海道から東日本に分布し、日本国内では北海道亜種と本州亜種に分かれる。ヒメギフチョウ本州亜種 Luehdorfia puziloi inexpecta Sheljuzhko, 1913 は、わずか9つの県にしか生息しておらず、新潟県、群馬県、岐阜県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類、青森県、福島県では絶滅危惧Ⅱ類、岩手県、宮城県、山形県、長野県では準絶滅危惧としており、環境省RDBには準絶滅危惧(NT)として記載されている。また長野県白馬村は天然記念物に指定しているほど、貴重なチョウである。
 同属のギフチョウ Luehdorfia japonica Leech, 1889 とは、前翅のいちばん前方外側の黄白色の斑紋がずれず、他の斑紋と曲線をなしている点や尾状突起が短く先がとがっている点が異なっており、大きさも少し小さい。また、ギフチョウほどではないが、地域変異、個体変異が見られ、「赤上がり」や稀に「イエローテ―ル」「白化型」も出現する。「赤上がり」 とは、後翅表面の遠位内側にある大きな赤紋以外に小さな赤紋が黒帯の内側に沿って現れる個体変異で、群馬県の赤城山麓に生息するヒメギフチョウ(赤城姫)に多く見られるが、白馬村においても 撮影している。(写真:4)また、この小さな赤紋が消失している個体もいる。(写真:5)ちなみに「イエローテ―ル」とは、後翅肛角紋の赤色が淡黄色になる個体変異である。

 今年も長野県白馬村へ。昨年は5月4日に訪問しているが、今年は桜の開花も早く、様々な昆虫の発生も早いので、おそらく白馬村も早いだろうという予測のもとで4月29日に訪問。昨年は満開であった中綱湖のオオヤマザクラはすでに葉桜。予想通り白馬村の季節も進んでいる。
 午前9時半から、昨年見つけた林でチョウが飛んでくるのを待つ。気温は17℃で、風もない。すぐにチョウが現れ、地面に止まったり、スミレやカタクリで吸蜜を行う。とりあえず撮れる個体をすべて撮影するとヒメギフチョウとギフチョウの割合は半数ずつであり、ギフチョウは羽化したばかりのように新鮮な個体が多かった。ちなみにギフチョウとヒメギフチョウの分布は明確に分かれており、この2種の分布境界線はリュードルフィアライン(ギフチョウ線)と呼ばれているが、長野県白馬村は分布境界線上にあり、ギフチョウとヒメギフチョウ本州亜種の混生地となっている。
 白馬村では、ヒメギフチョウが先に羽化し、少し遅れてギフチョウが羽化してくる。羽化の時期は、両種ともに林内の残雪の量とも関係があると言われているが、ここ数年は雪解けが早く、 今年は4月の気温が高かったので、白馬村の発生は例年より一週間以上早いように思う。ヒメギフチョウは、ちょうど桜が咲き始めた頃に発生し、ギフチョウでは、桜が散った頃と重なるようだ。
 今回の訪問では、午前中に吸蜜と探雌活動。吸蜜後はカラマツの梢でしばらく休息。昼近くからは探雌活動で花には一切止まらないという状況であった。しかしながら、静止、吸蜜という定番写真のほか、初めて生態写真である交尾態を撮影することができた。また、静止開翅という図鑑写真おいても、その特徴が分かる綺麗な個体を撮ることができたと思う。

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ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ(吸蜜)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ(吸蜜)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

ヒメギフチョウ(赤あがタイプ)の写真

ヒメギフチョウ(赤上がりタイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/640秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.04)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250 -1/3EV (撮影地:長野県白馬村 2014.5.03)

ヒメギフチョウ(交尾)の写真

ヒメギフチョウ(交尾)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2500(撮影地:長野県白馬村 2018.4.29)

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カラスアゲハ(夏型の集団吸水)

2017-08-20 17:46:31 | チョウ/アゲハチョウ科

 カラスアゲハPapilio dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864)<名義タイプ亜種, 日本本土・朝鮮半島亜種>は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)アゲハチョウ属(Genus Papilio)のチョウで、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。食草は、ミカン科のコクサギ、キハダ、サンショウ、カラスザンショウ、カラタチ等であるため、山地の渓谷で主として見られる。同属のミヤマカラスアゲハ(Papilio maackii Ménétriès, 1858)に似るが、ミヤマカラスアゲハには前翅の表面と後翅の裏面に白い帯があるので見分けられる。 羽化の時期によって春型と夏型が存在し、春型の方が小さく色彩もより美しい。

 カラスアゲハは、ツツジ、ユリやアザミの花でよく吸蜜する他、雨上がりの気温が高い日には、川岸の湿った砂地などで集団で吸水する性質がある。
 東京は記録的な異常気象で、8月になってから連続19日雨が降っており、日照も極端に少ない。前日(8/19)の夕方に激しい雷雨があったが、本日(8/20)は、曇りで気温は28℃。砂利が敷き詰められた渓谷近くの空き地では、オスのカラスアゲハが6頭、集団で吸水している様子が見られた。

 カラスアゲハは、環境省カテゴリに記載はないが、香川県のRDBには、準絶滅危惧種として選定されている。選定理由として、低中山地の渓流環境の悪化により、生息地、個体数とも減少しているためとしている。都市近郊の低山地の開発、森林の伐採、スギなどの植林による、コクサギの生える生息地の減少や成虫の吸蜜植物の減少を要因として挙げている。

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カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 400 +2/3EV(2017.8.20 10:02)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200 -1/3EV(2017.8.20 10:16)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(2017.8.20 10:19)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(2017.8.20 10:29)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 2000(2017.8.20 10:30)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200 -1/3EV(2017.8.20 10:16)

カラスアゲハの写真

カラスアゲハ(夏型オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400(2017.8.20 10:25)

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ウスバシロチョウ黒化型

2017-05-23 21:55:15 | チョウ/アゲハチョウ科

 ウスバシロチョウ Parnassius citrinarius Motschulsky, 1866 は、シロチョウと名前にあるが、モンシロチョウ等のシロチョウ科ではなく、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ウスバアゲハ属(Genus Parnassius)に属するチョウで、年1回5月頃だけに見られる。新緑に映える美しいチョウで飛び方も優雅である。幼虫の食草はムラサキケマンやヤマエンゴサクなどだが、成虫はムラサキケマンには産卵せず、近くの木の下枝などに産卵する。そして卵のまま越冬して、翌年孵化するという。
 ウスバアゲハ属は約150万年前の氷河期を生き延びて来たチョウで、胴体には細かい毛が沢山はえているのが特徴である。ちなみに、同じく毛深いギフチョウはウスバアゲハ亜科に属している。 ウスバアゲハ属は他に北海道にヒメウスバシロチョウとウスバキチョウが生息しており、ウスバキチョウは大雪山系固有で国の特別天然記念物に指定されている。世界では10の亜科に分類され多くは高山に生息しており、山や谷ごとに翅の模様が変わり、また、個体変異も多いと言われている。

 日本のウスバシロチョウは、もともと鱗粉が少ないことから「薄羽」という和名が付いているが、その鱗粉の量や色に個体変異が多く、一部では地域特性も見られ、青森県の一部には、白い鱗粉しかない「白化型」、長野県の一部には白い鱗粉が赤みを帯びる「赤化型」、福島県や新潟県等には白い鱗粉が黄色みを帯びる「黄色型」や白い鱗粉がない「黒化型」が存在している。見た目では、ノーマル・タイプが一番美しく、完全黒化型等は「油紙」のようであると言われているが、本記事は、「美」を追求するのではなく「変異」という生物学的興味から掲載するものである。
 昨年、富山県内において撮影した本種を「ウスバシロチョウ 半黒化型」として掲載しているが、今回は違う地域において撮影した個体紹介したい。羽化した後、時間と経過とともに鱗粉が取れた部分が透明化していく場合もあるようだが、この個体は、白い鱗粉がしっかりと模様を呈していることから、羽化時から変化はしていないと考えられ、「黒化型」の変異と言えるだろう。
 また、黒化型の形質はメスに出現するようで、オスにはほとんど見られない。しかしながら、オスにおいても他地域よりも黒い鱗粉が多いのが特徴で、更には日本海側に見られる特性である。
 参考までに、過去に撮影した典型的なウスバシロチョウの写真も掲載したので、比較いただきたい。尚、今後もウスバシロチョウの変異個体は撮影していきたいと思う。

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ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 250 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 250 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 1250 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(半黒化型)の写真

ウスバシロチョウ(黒化型のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ウスバシロチョウ(黒化傾向のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 400 +2/3EV(撮影日:2017.5.27)

ウスバシロチョウ(黒化傾向のメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/800秒 ISO 200 -2/3EV(撮影日:2017.5.27)

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過去に撮影したノーマル:タイプ

ウスバシロチョウの写真

ウスバシロチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.0 1/800秒 ISO 200(撮影日:2012.5.04 神奈川県内)

ウスバシロチョウの写真

ウスバシロチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200(撮影日:2011.5.05 東京都内)

ウスバシロチョウの写真

ウスバシロチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 320(撮影日:2011.5.05 東京都内)

ウスバシロチョウの写真

ウスバシロチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/2500秒 ISO 200(撮影日:2010.5.22 東京都内)

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ギフチョウ

2017-05-14 21:15:01 | チョウ/アゲハチョウ科

 ギフチョウ Luehdorfia japonica Leech, 1889 は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ギフチョウ属(Genus Luehdorfia)に分類される里山に生息するチョウで、春先にだけ出現する「春の女神」(スプリング・エフェメラル)である。
 かつては東京都下の多摩丘陵・高尾山とその周辺にも生息していたが、里山の放棄・放置によって食草であるカンアオイやウスバサイシンが絶滅したことと、採集者によるギフチョウの乱獲により完全に絶滅している。全国的にも減少傾向にあり、環境省RDBでは絶滅危惧Ⅱ類に選定されており、26都府県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類や準絶滅危惧種として記載している。東京近郊では、神奈川県の一部でしか見ることができない。この地区のギフチョウは、神奈川県の天然記念物され地元の保護団体により保全されているが、保全として他地域からの移入が行われた経緯があるようで、遺伝子攪乱が起こっている可能性が大きい。
 環境省RDBで絶滅危惧Ⅱ類に選定されてはいるが、法的な拘束力はなく、規制のない地域では採集も行われている。特に新潟県内においては、ギフチョウ多産地採集ツアーが開催され、参加者は採れるだけ採る。その日にいたギフチョウをすべて採りつくすのだから、環境の悪化や破壊よりもギフチョウを絶滅に追いやる一番の原因だ。

 さて、5月4日に引き続き長野県白馬村に行ってきた。桜は葉桜になり、山は新緑が美しく、例年の光景とは違っているが、今年は発生が遅いとの検証結果からの再訪問である。白馬村は採集禁止となっているので、網を持った輩は来ないが、4日に撮影したヒメギフチョウの卵が食草ごとなくなっていたのには驚いた。自宅で飼育し羽化させてそのまま標本箱に収めるために採取したのだろう。網を持っていなければ怪しまれない。まったく酷い話である。
 4日の様子は前回の記事「ヒメギフチョウ」をご覧いただきたいが、今回の目的もイエローバンドと言われる、後翅縁毛の全てが黄白色になったギフチョウ(白馬で固定化した遺伝子の異常タイプ)の撮影である。自宅を5時に出発し、現地に8時過ぎに到着。蝶道で待機していると、8時半からギフチョウが飛び始めた。4日よりも個体数が多く、ヒメギフチョウよりもギフチョウの方が多い。次々に現れるが、なかなか止まってくれない。特徴が分かる図鑑的写真を撮るには、止まったところを狙うのが一番だが、止まってくれない。10時頃になるとスミレに止まる個体が現れ、ようやく撮影可能となった。
 止まるであろうスミレの近くで待機していると、ギフチョウは突然現れる。どうやら頭上の高い梢から降りてくるようだ。とりあえず追いかける。そして地面や花に止まったところで撮影。 当然、どこにも止まらず森に消える個体も多い。飛翔を追いかけていくと、杉の高い梢に止まる個体を多く見た。
 正午過ぎまで数頭の個体を撮影したが、結局イエローバンドの個体に巡り合うことはできなかった。また来年にチャレンジである。イエローバンドという遺伝子の異常タイプも撮影したいが、とりあえずは、今年も絶滅危惧種である「春の女神」ギフチョウに出会えたことに感謝したい。

 以下の写真は、ギフチョウと比較するために同日に撮影したヒメギフチョウも掲載した。また、カタクリで吸蜜するギフチョウ(写真5.)は、2014年に撮影したものを再掲載した。

参照

  1. ギフチョウ(新潟)
  2. ギフチョウとヒメギフチョウ

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ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

ギフチョウの写真

ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F10 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

ギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F5.6 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F16 1/80秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

ヒメギフチョウの写真

カタクリで吸蜜するギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(撮影地:長野県白馬村 2014.5.03)

ギフチョウの写真

カタクリで吸蜜するヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F7.1 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

ヒメギフチョウの写真

ギフチョウの里(撮影地:長野県白馬村 2017.5.14)

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ヒメギフチョウ

2017-05-12 22:52:44 | チョウ/アゲハチョウ科

 ヒメギフチョウ Luehdorfia puziloi (Erschoff, 1872) は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ギフチョウ属(Genus Luehdorfia)に分類されるチョウで、北海道亜種と本州亜種がある。同属のギフチョウ Luehdorfia japonica Leech, 1889 とは、前翅のいちばん前方外側の黄白色の斑紋がずれず、他の斑紋と曲線をなしている点や尾状突起が短く先がとがっている点が異なっており、大きさも少し小さい。また、ギフチョウとヒメギフチョウ本州亜種 Luehdorfia puziloi inexpecta Sheljuzhko, 1913 の分布は明確に分かれており、この2種の分布境界線はリュードルフィアライン(ギフチョウ線)と呼ばれているが、長野県白馬村と飯山市、山形県鮭川村は分布境界線上にあり、ギフチョウとヒメギフチョウ本州亜種の混生地となっている。
 この2種は、一年に一回、春先だけに発生するスプリング・エフェメラルだが、幼虫はカンアオイやウスバサイシン等の葉を食べて6月下旬にはサナギになる。そして夏・秋・冬をサナギのまま過ごすという一生である。その生態から、氷河期の頃から地球環境の変化に耐えて生き残ったと考えられており、地史的にも興味深いチョウである。ヒメギフチョウ本州亜種は準絶滅危惧(NT)として環境省RDBに掲載されており、白馬村では天然記念物に指定されている。

 ヒメギフチョウ本州亜種は、2012年に群馬県渋川市赤城町(写真:3)において、2014に長野県白馬村(写真:4)にて撮影し、ブログ 「ホタルの独り言」に掲載しているが、今回の訪問目的は、実はヒメギフチョウの撮影ではなく、日本ではここにしかいないイエローバンドと言われる、後翅縁毛の全てが黄白色になったギフチョウ(遺伝子の異常タイプ)の撮影が目的であった。しかしながら、全体的に発生数が少なく、聞けば数日前かたやっと見られたという状況らしい。今年は、他の昆虫も発生が遅い状況であるが、白馬のギフチョウも同様のようである。今回の訪問で見ることができた個体のほとんどは、ヒメギフチョウであった。
 本記事では、今回撮影したヒメギフチョウの他、赤城町、白馬村において撮影した写真も併せて掲載いた。どの個体も後翅のオレンジ色の斑紋が違うのが興味深い。

参照:ヒメギフチョウ
ギフチョウとヒメギフチョウ

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ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/800秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.04)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/640秒 ISO 200(撮影地:長野県白馬村 2017.5.04)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ(赤城姫)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200(撮影地:群馬県赤城町 2012.5.13)

ヒメギフチョウの写真

ヒメギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320 -1/3EV(撮影地:長野県白馬村 2014.5.03)

ヒメギフチョウの卵の写真

ヒメギフチョウの卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 250(撮影地:長野県白馬村 2017.5.04)

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ウスバシロチョウ 半黒化型

2016-05-30 22:38:01 | チョウ/アゲハチョウ科

 ウスバシロチョウ Parnassius citrinarius citrinarius Motschulsky, 1866 は、北海道から本州、四国にかけて分布するが、分布域のどこにでも見られるわけではなく、局所的に個体群が存在してる。そのため、それぞれの地域個体群の間で遺伝的な変異が存在すると考えられており、地理的変異・個体変異が多い種である。上翅中室の外縁側下方や中央に丸い黒紋が出現するような翅の斑紋の違いがあったり、全体的な色合いが黄色い個体や白い個体、そして黒っぽく見える個体等、様々である。地理的では、日本海側では、白い鱗粉が少ないために黒っぽく見える個体、いわゆる黒化型の個体が多く出現することが知られており、愛好家からは「ウスバクロチョウ」などと呼ばれている。
 今回、北陸において黒化型に近い個体を撮影したので掲載する。比較のために黒化していない個体も写真も掲載した。来年は、様々な地理的変異・個体変異を撮影することを目標にしたい。

参考:ウスバシロチョウ(2016.04.20投稿)

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ウスバシロチョウ(黒化個体)

ウスバシロチョウ(黒化個体)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(2016.5.28)

ウスバシロチョウ(黒化個体)

ウスバシロチョウ(黒化個体)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320(2016.5.28)

ウスバシロチョウ

ウスバシロチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/2500秒 ISO 200 (2010.05.22)

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