ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

2019年の自己ベスト(風景編)

2019-12-28 10:12:40 | 自己ベスト/風景、昆虫

 この一年を振り返ると、昨年末に前立腺がんの全摘手術を終え、1月28日から仕事に復帰。毎朝4時半に家を出て、月曜は5時半に出社。火~金曜は6時に出社。働き方改革もあり、帰宅は週に1、2回は15時になり、他は21時半。以前と何ら変わらぬ激務をこなし仕事納めをした。まずは、一年間頑張った自分を褒め、そして支えてくださった多くの方々に感謝したいと思う。

 ホタル関係では、三重県菰野町と八王子市川町、そして相模原市城山町で講演を行い、千葉県君津市では保全指導を行った。昨年はメディアの取材も多く、テレビやラジオ出演もあったが、今年はほとんど取材がなかった。(テレビ番組「マツコの知らない世界」からオファーがあったが、打ち合わせ後にマツコさんがホタルについて知識があると分かり、キャンセル)メディアの関心が薄れた年と言えるが、後に豪雨及び台風が全国各地に甚大な被害をもたらし、一部では来年のホタル発生も危ぶまれている。こうした異常気象、天災の原因は温暖化であり、我々に責任がある。ホタルを守りながら、ホタルを滅ぼしているとも言える。メディアは、ホタルを単なる風物詩、観光、癒しの道具として扱うのではなく、ホタルを通じて自然環境を考える報道をしていくべきだろう。

 さて、自然風景写真については、病後と加齢による気力と体力の低下から毎週末強行軍の遠征と言うわけにはいかなかった。撮りたい光景と気象状況とのマッチングが少なく、断念したことも多い一年であった。それでも、今までとは違った自然の美しさに感動し、写真に収めることはできたと思っている。
 2019年(令和元年)の最後は、この一年に撮影した自然風景写真で締めくくりたいと思う。

2019年の自己ベスト(風景編)

  1. 信州にて天の川
  2. 小田代ヶ原(カラマツの霧氷と黄葉)
  3. ヒメボタル
  4. 小田代ヶ原(夜明け前の幻想)
  5. 霧氷と富士山の夜明け
  6. 源平合戦
  7. 霧氷と星空
  8. ペルセウス座流星群と富士
  9. 富士山と星空
  10. 逆さ富士

2019年の自己ベスト(動画編)

  1. 里山に舞う日本のホタル(2019)

 あくまで自己満足の写真であるが、並べてみると、今年はほとんどが夜間撮影であり、更には富士山が多いのも特徴。動画に関しては、昆虫と風景と多く撮影したが、自己ベストとしては、ゲンジボタルの飛翔風景にBGMを付け再編集して自己ベスト(動画編)として掲載した。HD設定で、是非フルスクリーンでご覧頂きたい。
 ブログ記事「最上の一枚とは」でも書いたが、「冷静に自然と対峙し、自分の心を見つめ、自分が感動し、人々にも感動していただけるオンリーワンの写心」そんな一枚を来年は撮れるようになりたい。また、引き続き動画にも力を注いで撮影していきたいと思う。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。新年の初投稿は1月5日を予定しています。
これまでご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2020年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

天の川の写真

信州にて天の川

小田代ヶ原の写真

小田代ヶ原~カラマツの霧氷と黄葉(9年目にしてようやく出会えた光景)

ヒメボタルの写真

ヒメボタル(昨年は撮影したにも関わらず、レンズキャップを外し忘れたのでリベンジ)

小田代ヶ原の写真

小田代ヶ原~夜明け前の幻想

霧氷と富士山の写真

霧氷と富士山の夜明け

ゲンジボタルとヘイケボタルの写真

源平合戦(東京都内で唯一ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に舞う場所だが、開発問題がある)

霧氷と星空の写真

霧氷と星空

ペルセウス座流星群と富士の写真

ペルセウス座流星群と富士

富士山と星空の写真

富士山と星空

逆さ富士の写真

逆さ富士

里山に舞う日本のホタル(2019)

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2019年の自己ベスト(昆虫編)

2019-12-26 22:10:21 | 自己ベスト/風景、昆虫

 今年も本年撮影した写真の中から自己ベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

2019年の自己ベスト(昆虫編)

  1. マダラヤンマのホバリング
  2. マダラヤンマの産卵
  3. ルリボシヤンマ 青眼型メス
  4. ヤブヤンマの青眼メス
  5. ウスバシロチョウ不完全黒化型
  6. クモマツマキチョウ
  7. ギフチョウのイエローバンド
  8. ヒロオビミドリシジミ(メス)
  9. キバネツノトンボの産卵
  10. オオルリシジミ

 昆虫写真は、出会いさえ叶えば、図鑑的、生態学的見地から貴重な記録として残すことができるが、今年も細かな計画を立てて遠征したにも関わらず、目標達成率の低い結果であった。年々目標のハードルを高くしていることもあるが、春先の異常気象で発生が極端に少なく上手く撮れなかったり、悪天候で断念したり、大阪まで行って被写体を目の前にしたにも関わらず撮影できなかったり、あるいはまったく探し出せなかった種もあるなど、苦難の連続であり、またブログは、どこどこで今日はこんなものを撮りました的な日誌ではないため、更新頻度も低い年であった。
 以下には、(1)目標の達成度、(2)撮影の苦労度と難易度、(3)写真の完成度、(4)学術的貴重度などから10点を選び並べてみたが、自己満足度が高いのはヤンマで、低い方にチョウが占めているのが今年の特徴。ただし、満足度がかなり低く、無理やりのランク入りである。来年は、様々な反省点を踏まえ、未だに撮影できていない種と未達の生態シーンなどを美しい図鑑写真、生態写真として残したい。すでに来年3月末から11月まで昆虫撮影の予定を組んでいるので楽しみたいと思う。
 専門のホタルに関しては、マクロ的なものではなく飛翔風景ばかりを撮影した。写真も動画も満足度の高いものが撮影でき、それらは、次の記事「2019年の自己ベスト(風景編)」にランク付けした。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

マダラヤンマのホバリングの写真

マダラヤンマのホバリング

マダラヤンマの産卵の写真

マダラヤンマの産卵

ルリボシヤンマの青眼型メスの写真

ルリボシヤンマ 青眼型メス

ヤブヤンマの青眼メスの写真

ヤブヤンマの青眼メス

ウスバシロチョウ不完全黒化型の写真

ウスバシロチョウ不完全黒化型

クモマツマキチョウの写真

クモマツマキチョウ(目撃したのはこの1頭だけ)

ギフチョウのイエローバンドの写真

ギフチョウのイエローバンド(今年は個体が少なく、更には証拠程度)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミのメス(オスかと思って粘ったらメスだった)

キバネツノトンボの産卵の写真

キバネツノトンボの産卵(知人のお陰で撮影)

オオルリシジミの写真

オオルリシジミ(極めて希少な種だが、遠征の帰りについでに寄っての撮影)

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最上の一枚とは

2019-12-22 13:36:52 | 風景写真

 あっという間に令和元年も残すところ一週間余りとなってしまった。例年通り、一年を振り返って、この一年に撮影した昆虫と自然風景の自己ベストを掲載したいと思うが、その前に「最上の一枚」について、個人的に考えておきたい。

 写真撮影は趣味である。ただし、求める一枚には、趣味だからとかアマチュアだからというマイナス思考はなく、自分なりに信念や情熱をもって臨んでおり、ブログやFacebookに掲載する以上は、見て下さる方々からの評価も気になる。だからといって「いいね」を多く獲得しようと、あえてインスタ映えするようなものを撮る気はなく、自身が求める最上の一枚を目指している。
 昆虫写真の場合は、目的の種との出会いに苦労することも多いが、マクロで的確に写せば図鑑的、生態学的見地から貴重な記録として残すことができ、目的は達成できる。一方、自然風景写真は昆虫写真ともスナップ写真とも違う。写実には違いないが、単なる記録ではなく芸術作品でありたい。「絶景」ともなれば美しい自然そのものが芸術だ。絶景とは、辞書で引くと「他に例えようもない、すばらしい景色。」とある。特に、簡単には人間を寄せつけない大自然の圧倒的な美しさは、まさに「絶景」であり、秘境でなくても気象条件によって極限られた時にしか見られない光景も「絶景」と言えるだろう。そんな「絶景」には、これまで数多く出会い、そして撮影してきた。しかし昨今、その「絶景写真」に疑問を持ち始めている。

 以下の写真は、信州上高地の「霧氷の田代池」と、その撮影が叶うまで何回も通い続けた際に撮影した「田代池」である。「霧氷の田代池」がいかに絶景であるか一目瞭然である。この光景は、厳冬期に行けば、いつでも見られる訳ではない。様々な気象条件が合致しなければならないのである。何度も通うことで知識を得て、条件を見極める事ができるようになり撮影できたが、果たしてこれは「最上の一枚」と言えるのであろうか?

 厳冬期の上高地に入るには、相当な覚悟が必要になる。11月中旬の「上高地閉山式」が終わると、上高地までバスやタクシーで行くことも出来なくなる。沢渡の冬期指定駐車場に駐車し、予め予約したタクシーで中ノ湯まで行き、そこからは徒歩である。まずは、照明の消えた真っ暗な長さ1.3km、傾斜約10度の急坂である「釜トンネル」を登る。トンネルを抜けると気温はマイナス23℃。鼻もまつ毛も瞬間に凍りつく。大正池までの区間は降雪状態により至るところで雪崩が発生するので、細心の注意が必要になる。トンネル出口から、およそ1.2kmで大正池、そこから約1.8kmで田代池に到着する。
 運よく「霧氷の田代池」に出会えても辛抱が続く。霧氷が輝くのは朝陽が当たってからなので、向かいの霞沢岳(標高2,646m)の稜線から太陽が顔を出す午前10時過ぎまで待たなければならない。撮影した時は、池畔で2時間待った。スキーウエアは霜で真っ白になり、カメラバックから出したレリーズのコードも凍って丸まったまま。結果的には「霧氷の田代池」を撮ることができたが、苦い想いもある。
 私は田代池に一番乗りし、良いと思う場所に三脚をセットし待機した。しばらくすると同じ撮影者が次々と来られ、三脚をセット。ここは5~6人も並べばもう三脚を立てる場所はない。私より1時間も遅くきた方々は三脚を立てる場所がなく、仕方なく後方へ。すると、その方々のなかの一人が私の三脚の足が邪魔だとぶつぶつ文句・・・迎えのタクシーの事もあり、時間切れで撮影を終えて早めに撤収すると「やっと、どいたぜ」の一言。言い返したい言葉を飲み込んで、その場を後にしたが、嫌な思い出も一緒に持って帰ることになった。

 有名な景勝地では、カメラマン同士の揉め事が多い。長野県の阿智村へ「駒つなぎの桜」を撮りに行った時は、狭い範囲に50人がひしめき合っての撮影。場所取りでの喧嘩も目撃した。大勢集まればのマナーの悪いカメラマンもいるのである。
 私も何度も訪れている新潟十日町の「星峠」。新潟日報によれば、今年の5月の連休中には1日千人が押し寄せたという。連休のさなか、深夜に細い山道をバックで上っていた車が 約15メートル下の棚田に転落。運転していた男性が死亡する事故が発生した。昨年も同じ場所で転落事故が起きた。この田はオイル漏れから作付けできなくなり、土を入れ替えたばかり。事故発生時は田植えの直前だった。「もうここでは米を作れない」。現場の棚田の所有者で峠集落に住む女性は、ここでの米作りを諦めた。「先祖が苦労して開墾した棚田だが、2度も事故があって気落ちしてしまった」と表情を曇らせる。
 迷惑行為は頻発している。集落の住民によると、田や畑に、三脚の跡や車のタイヤ跡があった。ごみを農地や道路に捨てる人、あぜで用を足す人も多いという。さらに農作業中の住民にポーズを指示する人、撮影の邪魔だから農作業をやめろという人まで出現。無断で撮影された住民が、知らない間に雑誌に出ていたということもあったという。また撮影地へ向かう際、深夜から未明にかけて集落内を車が行き来し、騒音で「眠れない」と訴える住民もいるという。
 場所取り、身勝手な「邪魔物の排除」。私有地に「お山の大将」のわがもの顔で進入する。ゴミを放置する。カメラマンは何様なのだろうか?良い写真を撮るためなら何をしても良いわけではない。

 ホタルの撮影でも問題が多い。ホタルは自らの発光が繁殖行動の要であり、ホタルに光を向けるのは繁殖行動を阻害することになる。にも関わらず、懐中電灯、ストロボ、車のライト・・・を向ける。「水辺のカマラマン」と称するプロのカメラマンが、ホタルにストロボを当てて撮影した写真をブログに掲載し、その撮影方法を解説していたのでコメントしたら、驚く返答があった。(原文そのまま。一部抜粋)

「ストロボを使用するホタル撮影は、ホタルの繁殖行動に悪影響を及ぼしてしまいます。」 などという記述も含めて、私には極論に感じられました。
 弱い懐中電灯の明かりやほんの数回のストロボの発光が、ホタルの繁殖行動に目くじらを立てるほどに悪影響を及ぼすのなら、なぜ、町の中の光がたくさん存在しホタルの活動時間帯に車が絶えず通るような場所にも、ホタルが多数生息する場所があるのでしょうか? また古河さんは、ホタルの観察に出かける際に、ヘッドライトをつけた車に乗ることはないのでしょうか?
 そもそもマナーは、人それぞれが自分なりに一生懸命に考えることであり、他人に押し付ける筋合いのものではないと考えます。ホタルを大切にしましょうという主張は、ホタルのためではなくて、突き詰めると、ホタルを好きな誰かのためなのです。 もしも人間が存在しないのなら、実はホタルはどうなってもいいのです。ホタルに関して言うと、まずは事実が大切です。本当に懐中電灯の光や数回の発光が、目くじらをたてるほどの悪影響があるのか? ホタル愛好家が自分たちが好きなホタルの見方を、自然保護の名目で押しつけようとしていないか?せいぜい自分のホームページ内で主張すべきことだと思うのです。

 ルールには強制力があるが、マナーは、個人が自発的におこなう周囲への配慮であり、他人に強要すべきことではないかもしれない。確かに町の灯りが漏れる所や車が頻繁に通る所にもホタルは生息している。しかし、ホタルはそのなかでも灯りが直接当たらない場所に移動して交尾をしているのである。ホタル全体の発生期間は3週間くらいだが、メスの発生期間は2週間。その内、月明かり、低温、強風の日は繁殖行動が抑制されるから、交尾に適した日数はほんの数日しかない。しかも、1日1時間ほどだ。そのチャンスを懐中電灯の光やストロボの数回の発光で邪魔をすればどうなるだろうか?カメラマンは何様なのだろうか?良い写真を撮るためなら何をしても良いわけではない。

 掲載した「霧氷の田代池」は、まさに絶景であり、貴重な記録であり撮影して残すことに意義がある。こうした光景は今後も撮っていきたいと思うが、この時の一枚は、「最上の一枚」ではない。なぜなら、私が対峙したのは目の前の自然ではなく、背後で文句を言うカメラマンだったからだ。
 どんな絶景であっても、有名な景勝地において「定番」と言われる光景の向かいには、数人から数百人ものカメラマンがいる。パンダを見るかのようにひしめき合っているのである。エコツーリズムの精神を持たないカメラマンによるマナーの悪さ、横並びしたカメラマンとの人間関係。それぞれカメラやレンズが違い、若干構図が違い、RAW現像時の調整値が違っても、おそらく大きな違いはない一枚。少々うんざりしてきた。
 私にとって最上の一枚とは、冷静に自然と対峙し、自分の心を見つめ、自分が感動し、人々にも感動していただけるオンリーワンの写心だ。

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田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 1/8秒 ISO 800 -2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.11.03 7:34)

田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 0.5秒 ISO 100 -2EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.11.10 6:58)

田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.12.23 7:48)

霧氷の田代池の写真

霧氷の田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F18 1/6秒 ISO 50 +1EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2013.1.05 10:19)

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クリスマス気分

2019-12-15 14:28:11 | 風景写真/冬

 クリスマスは、今や日本でも冬を代表するイベントである。勤め先の東京渋谷では、イルミネーションやクリスマスデコレーションに包まれ、忙しく人々が行き交う雑踏とは別に華やかな演出でクリスマスムードの高まりを感じる。自宅近くの国立でも、並木や建物などがライトアップされ、いつもの街の風景もロマンティックな雰囲気になっている。
 子供の頃はワクワクし、結婚の前後は二人で夜景を見ながらムード満点の大人のクリスマスを楽しんだものだが、いつしかそれもなくなり、今ではイベント感すらなくなってきている。そもそも無宗教であるから、そのことを悲しく思うことはないが、年末の仕事の忙しさに紛れて「雰囲気」に対する感受性が鈍くなっていることを嘆きたい。

 この記事では、一足早く、私なりにクリスマスに向けての雰囲気を盛り上げ気分を高めるため写真と動画を掲載した。街のイルミネーションに負けない自然からの贈り物だと思う。24日~25日は平日なので、いつものように忙しく仕事をしていると思うが、合間に心を落ち着かせて、様々なことに思いを馳せてみようと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 5秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 6:39)

ダイヤモンドダストの写真

ダイヤモンドダスト
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/1250秒 ISO 400 -1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 7:10)

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 +23EV(撮影地:長野県塩尻市/高ボッチ 2012.12.02 7:12)

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県塩尻市/高ボッチ 2012.12.02 7:13)

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/8秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県塩尻市/高ボッチ 2012.12.02 8:01)

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/6秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県塩尻市/高ボッチ 2012.12.02 8:02)

Timelapse Video of the starry sky(BGM付)

Diamond Dust and Sun Pillar(BGM付)

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デジタル写真~現像とフォトレタッチ

2019-12-10 20:43:51 | 風景写真

 フィルムと違ってデジタル写真はパソコンで修正や加工ができ、実際に撮影した風景とは違うものを簡単に作り出すことができる。存在するものを「ない方が良いから」と消したり、逆に、無いにもかかわらず「あればもっと良いから」と付け加えることもできる。それは、創出アート作品として成り立つかもしれないが、風景写真、昆虫生態写真、報道写真等の観点からは「写真」とは言えないし、写真コンテストにおいては、フォトレタッチを認めている場合を除いて審査対象外になる。とは言え、デジタル写真は、RAWで撮影し、後に撮影者の記憶色によって現像することになるから、RAW現像時におけるガイドラインも必要だ。
 ある風景写真のコンテストでは、応募要項に以下の注意事項(ガイドライン)が記載されており、該当する作品は審査対象外となる。

  1. 異なる場面を合成したもの
  2. 画面に写っていたものを消去すること(レンズのホコリや小さなゴミの消去は除く)
  3. 補正の範囲を超えた色彩の演出、変換
  4. 写っているものを部分的に焼き飛ばす、または焼きつぶすこと
  5. 極端にトリミングされた作品

 RAW現像時に行う露出補正やWBの調整、色調やコントラストの調整、トリミング等、一般的な画像の調整はフォトレタッチには当たらず、センサーについたゴミを取り除くことも認められているが、原版となるRAWとかけ離れている場合は、過度なレタッチであり、NGであるという。コンテストの応募にRAWデータを添えることも条件のようだ。

 私は、1975年からOLYMPUS OM-2 というフィルムカメラで写真撮影を始め、昨今ではCanon EOS 5D Mark Ⅱ 及び Canon EOS 7D というデジタル一眼レフで撮影している。 Canon は、撮影時に「風景」「ポートレート」「ニュートラル」等というPicture Styleの設定があり、撮影シーンに合わせた細かい色の調整が撮影時にできるが、私は常に階調優先の「ニュートラル」にてRAWで撮影し、Lightronn cc にてパソコンで現像(画像調整)作業を行っている。
 Picture Styleの「ニュートラル」は、明暗差が大きい被写体でも繊細な質感を残したい時、鮮やかな色彩の中の微妙なニュアンスを表現したい場合に適している。コントラストは控えめに、彩度は強調を行わないため、他のスタイルに比べて白飛びや色の飽和が起きにくく、抑制のきいたしっとりとした表現となる。より豊富なディテールが情報として残っているため、後のPCでの現像に適した画質が撮影できるのである。
 以下に1例として、霧ケ峰で撮影した「霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー」のRAWデータそのものの画像(2枚目)と撮影から7年近く経った今回再現像(1枚目)したものを並べてみた。現像前のRAWデータをみると、コントラストも彩度も低く、このままでは見た目とも違う。現像は記憶色に頼るため、現像する毎に若干違う結果になることも多いが、再現像すると私自身の中で感動が再び蘇る。それもデジタルならではの楽しさなのかも知れない。
 当ブログに掲載している私の風景写真、昆虫写真は、写真コンテスト等に応募したこともなければ、これからもするつもりはなく、あくまで私自身の楽しみであるからガイドラインに拘ってはいないが、30年以上もフィルムで撮影してきたので、デジタルであっても原版のRAWデータとかけ離れるような過度なレタッチはしないようにしたい。

追記~ホタルの飛翔風景における合成について

 ホタルの飛翔風景における、長時間露光と合成について触れておきたい。
 ホタルを撮影する場合、フィルムでは一回のシャッター時間が長い長時間露光が基本であり、夜間の背景が写るまで露光することが適正露出で、数秒から1時間に及ぶこともある。一方デジタルでは、ノイズの問題もあり、数秒露光によって撮影した数枚から数十枚の写真をパソコンで重ね合わせる手法が主流となっている。薄暗い時間帯に撮った背景にホタルをの光を重ねれば、フィルムでは表せない美しい写真が出来上がる。また、重ね合わせる枚数を増やせば、ホタルの光(光跡)はいくらでも増やすことができる。問題は、昆虫生態写真、風景写真として成り立つかである。
 勿論、昆虫生態写真ではない。なぜなら、予め撮影した背景とホタルの光だけの場面は全く同じ場所で構図であり、重ね合わせるホタルの光跡写真の露光時間の合計が一発露光のフィルムの露光時間と同じであっても、デジタルの場合は少なくとも1秒と言うタイムラグがあり時間的連続性がない。それゆえ昆虫生態写真とは言えないのである。風景写真コンテストのガイドラインからは、大きく外れてはいないと思うが、コンテストによっては「一回のシャッター」という決まりもあるようなので、厳密に言えば単なる見栄え重視の創作写真であろう。私もそのようなデジタル写真を撮影し掲載しているが、それを理解した上で、見て頂く方々に誤解のないよう注釈を添えている。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラーの写真

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー(現像後)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 7:31)

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラーの写真

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー(調整前のRAWデータ)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 7:31)

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