ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
自然風景の写真も紹介しています。

ウチワヤンマ

2018-10-27 14:17:14 | トンボ/サナエトンボ科

 ウチワヤンマ

 ウチワヤンマ Sinictinogomphus clavatus clavatus (Fabricius, 1775) は、サナエトンボ科(Family Gomphidae)ウチワヤンマ属(Genus Sinictinogomphus)で名称に「ヤンマ」と付くが、サナエトンボの仲間である。青森県から鹿児島県に至るまで、平地や丘陵地の大きな池や湖で6月頃から10月頃まで見られる。腹部第8節側縁下方に半円形の付属物が大きな特徴であり、和名の由来でもある。「なわばり」の行動として、水面から突き出た棒の先などに後肢4本で止まるのも面白い。
 昨今、四国南部や九州および南西諸島に分布していたタイワンウチワヤンマ Ictinogomphus pertinax (Selys, 1854) が分布域を北上させている。約70年前には高知市近辺が北限であったが、2017年現在では、北は島根県太田市まで、東は神奈川県の海岸沿いにまで記録が広がっている。本種はタイワンウチワヤンマ属(Genus Ictinogomphus)で、腹部第8節側縁下方に半円形の付属物がすべて黒色をしているのでウチワヤンマとは容易に区別ができる。
 両種の間には幼虫の生息環境に違いがあり、共存するようないけにおいても、水生植物の多い所にタイワンウチワヤンマ、水生植物があまり見られない場所にウチワヤンマというように棲み分けをしているため、タイワンウチワヤンマの北上がウチワヤンマの生存を脅かしていることはないようであるが、近年、生息場所の減少や環境の悪化からウチワヤンマは数を減らしており、環境省カテゴリには記載がないものの、長崎県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類、東京都では絶滅危惧Ⅱ類、千葉県をはじめ、他に5つの府県で準絶滅危惧種として選定されている。

 タイワンウチワヤンマは、今年10月8日に愛媛県で撮影したが、画質が悪かったため宮古島で撮影したものを掲載した。ウチワヤンマは過去に撮影したものを再現像して掲載。
 これまでに撮影したトンボを整理してみると、103種類撮っているが、本種の写真は掲載したものがすべてであり、サナエトンボ科に至っては、数種しか撮影しておらず、すべて図鑑的なもの。 前記事の「ギンヤンマ」もそうであるが、今後は、産卵、羽化といった生態を観察し、その瞬間を写真に収めていきたいと思う。

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ウチワヤンマの写真

ウチワヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 200(撮影地:東京都 2010.8.21)

ウチワヤンマの写真

ウチワヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/800秒 ISO 200(撮影地:東京都 2010.8.21)

ウチワヤンマの写真

ウチワヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:東京都 2010.8.21)

ウチワヤンマの写真

ウチワヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250 +1/3EV(撮影地:埼玉県 2012.6.17)

タイワンウチワヤンマの写真

タイワンウチワヤンマ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM / 絞り優先AE F5.6 1/640秒 ISO 200(撮影地:沖縄県 2012.9.09)

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コオニヤンマ(静止飛翔)

2017-09-07 22:41:08 | トンボ/サナエトンボ科

 コオニヤンマ Sieboldius albardae Selys, 1886 は、サナエトンボ科(Family Gomphidae)コオニヤンマ属(Genus Sieboldius)で、サナエトンボの中では日本最大である。北海道から種子島・屋久島まで分布しており、主に丘陵地や低山地の、周囲に樹林のある砂泥質または砂礫質の河川や小川に生息している。成虫は6月頃から羽化するが、出現期間は長く、9月中旬まで見られることがある。環境省カテゴリに記載はないが、東京都のRDBでは準絶滅危惧種として選定している。
 コオニヤンマの産卵は、メスが単独で流れの上にて静止飛翔しながら卵塊をつくり、時々打水して放卵する間欠打水産卵である。この日は、ミルンヤンマの産卵を撮ろうと、小川の脇で待機していると、コオニヤンマのメスがやってきて、目前でホバリングした後に打水して産卵したが、卵塊を写すことはできなかった。

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コオニヤンマ(メスの静止飛翔)の写真

コオニヤンマ(メスの静止飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/320秒 ISO 3200 -1EV(2017.8.13)

コオニヤンマ(メスの静止飛翔)の写真

コオニヤンマ(メスの静止飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/250秒 ISO 32000 -1EV(2017.8.13)

コオニヤンマ(メスの静止飛翔)の写真

コオニヤンマ(メスの静止飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/2060秒 ISO 3200 -1EV(2017.8.13)

コオニヤンマ(オス)の写真

コオニヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(2012.06.23)

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クロサナエ

2017-05-22 22:52:42 | トンボ/サナエトンボ科

 クロサナエ Davidius fujiama Fraser, 1936 は、サナエトンボ科(Family Gomphidae)ダビドサナエ属(Genus Davidius)で、日本特産種であり、本州・四国・九州に分布している。低地から山地の河川上流域(源流)などに生息している。同種のダビドサナエ Davidius nanus (Selys, 1869)と非常に似ているが、クロサナエは名前の通りオスの腹部がほとんど黒で、側面にも黄色の模様が入らないことや胸部側面の黄斑のうち、中央のものが小さいこと、前脚のつけねに黄斑がないこと等で区別できる。
 クロサナエは、以前のブログ記事では、羽化したばかりの個体を掲載したので、成熟してクロサナエと判別できる写真は初記載となる。比較としてダビドサナエも記載した。

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クロサナエの写真

クロサナエ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 1250 +2/3EV(撮影日:2017.5.20)

ダビドサナエの写真

ダビドサナエ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 200 +1/3EV(撮影日:2016.5.18)

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