幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 必要最小限

2010-10-22 21:21:37 | Weblog

 
 
  努力するにも使う筋肉がいる
 
  考えるにも頭を使う脳細胞がいる
 
  描いたり書いたりするにも目で見る視神経がいる
 
  でも僕は
 
 
  そんなものを使いたくない
 
 
  つまりこの肉体をなにも使わないだけじゃなく
 
  使わないことすらしたくない
 
 
  そんなことありえない?
 
  生きているならありえない?
 
 
  確かにそうかもしれない
 
  でも不可能を可能にしたい
 
 
  つまり、筋肉も頭も神経も使わないで
 
  なにかを創造したい、創作したい
 
  
  例えば、絵具もキャンバスも使わないで絵を描きたい
 
  原稿用紙もワープロも使わないで物語や詩を書きたい
 
 
  想像の中でなら可能だと言われるだろうが
 
  脳細胞すら使いたくないのだから、土台無理な話だ
 
 
  でも不可能を可能にしたい
 
 
  だから少しだけ妥協して
 
 
  必要最小限の
 
  筋肉、頭、神経を使うことにする
 
  この、かなりいかれてきている”僕”という生き物の肉体に備わった
 
  筋肉、脳細胞、神経を
 
  必要最小限だけ使うことにする
 
  それすらかなりめんどうなのだけれど
 
  しかたがない
 
  必要最小限使って
 
  それすら使えなくなったら
 
  さよならするだけだ