幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 倫理について語れば、すこしは眠くなるかもしれない、とっても大切なことだから

2011-11-28 02:31:42 | Weblog

 
 
  春、紫の音が聞こえる
 
  うたた寝は気持ちいいが
 
  今は冬になりかけている秋だし
 
  朝になりかけている夜中だし

  明日の朝、起きなければならないという
 
  脅迫観念に取りつかれている
 
  だから、
 
  眠れない
 
 
  今日の出来事でも書いておこう
 
 
  上空、左の雑音で聴力が金属的になり
 
  見た夢は忘れてしまった
 
  男が二人いて、その内の一人が自分だった気がする
 
  言い争って、金のために
 
  相手を出し抜こうとしている
 
  トタン板の粗末な小屋ひとつ
 
  そんなもののために
  
  
  理想どおりいけば
 
  とっても能力もあり
 
  勉強もしているし
 
  体力もあるから
 
  成功するはずの人がいるのに
 
  そうは問屋が卸さないのは
 
  
  問屋に卸す商品が見つからないから
 
 
  直感に従って行動する職業は
 
  今のところ
 
  職安に行っても募集していないし
 
  そんな従業員を雇う社長もいない今の世の中
 
 
  長い一日
 
  待っていたらなにも起きないが
 
  なにもしなくても
 
  いろいろなことに巻き込まれて
 
  気分を害する
 
  それがこの、今の、世の中の、人生
  
 
  少しだけ歩けるようになった
 
  ベッドから起き上がって
 
  自分のやることをやる
 
  メシを喰い、なにを考えるでもなく考え、なにを描くでもなく絵を描く
 
  飯を食うことがメインだが
 
  それ以外は、ぜんぜん飯を食う足しにはならないが
 
  生きているには実感が必要だ
 
  生きている実感というやつだ
 
  そして、ぼくにはぼくの肉体があり
 
  ぼくの生命があるはずなのだ
 
  だからぼくには、ぼくなりの生きている実感が欲しいのであり
 
  ぼくは、生きている実感として、
 
  なにより快楽が必要なのだ
 
  快楽が必要なのだ
 
  快楽だけが必要なのだ
 
  退屈し切っているから
 
  この世の中
 
  文化、文明、思想、哲学、宗教
 
  政治、経済、社会生活
 
  唯一、
 
  倫理って好きだね
 
  倫理だけを教える先生がいたとしたら
 
  その授業を受けるよ
 
  ぼくは大学を倫理で受験した
 
  でも余計な哲学が付きまとってきた
 
  そんなものは邪魔なだけだ
 
  倫理に哲学は不要だ
 
  ぼくが教えてあげるよ
 
  倫理って愛だ
 
  簡単なんだ
 
  そして難しい
 
  とっても複雑で
 
  美しい
 
 
  職業上、一切ごまかさないで
 
  どんな相手にも、正直な言葉を吐いたとしたら
 
  世の中少しは変わるかもしれないよ
 
  簡単に言えば、それが倫理だ
  
 
  それにはまず詩人が正直にならなければならない
 
  嘘をつかないように
 
  出版のため
 
  ヴォキャブラリーのために
 
  ギャラのために
 
  売名のために
 
  嘘をついたらいけない
  
  
  そして、なにより、男女は嘘をついたらいけない
 
  くだらない駆け引きなんてやめた方がいい
 
  倫理に男女の愛はつきものだけど
 
  だからといって
 
  嘘をついていいことにはならない
 
 
  ぼくには最近ぜんぶわかる
 
  ぼくは言葉をしゃべる
 
  それが行動の一つだ
 
  その行動によって相手が何を考えどうしたのか
  
 
  ぼくの行為が性的なとき
 
  それが本当に性的な行動のときは
 
  出来る限りストイックになる
 
  それがぜんぜん性的な行為でないときは
 
  性はジョークになり
 
  蔑まれ
 
  おとしめられる種になる
  
 
  だらだら書いているだけだが
 
  だれも読んでいないのを知っている
 
  読む意味などないのだ
  
 
  永遠に書いていられる
 
  言葉なんてそんなものだ
 
  
  長々と書きつけて
 
  強制的に不特定多数に送りつける
 
  それも夜中、だれもが寝静まった頃
 
 
  それってハラスメントだが
 
  時間がある人は
 
  たぶん、1人以下の
 
  0.何人が
 
  読んで
 
  なにも感じない
 
  それがこれだ
  
 
  
 
  
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 愛する鳥と私

2011-11-28 01:56:20 | Weblog

 
 
  小鳥に愛なんて言ったって通じやしない
 
  理性のある大人の女でもあるまいし
 
  理性のある大人の女だって
 
  愛なんて言ったって通じやしないのに
 
  かえって小鳥にこそ通じるのではないかな
 
  だって小鳥の目は疑いを知らないもの
 
  疑いを知らない
 
  ぼくの頭にとまっている
 
 
  目で見て
 
  舌で味わって
 
  確かめる
 
 
  愛を確かめるって
 
  そういうことでしょ?
 
  
  きみにならわかるよね
 
 
  きみはピュルピュル鳴いてうなずく
 
 
  きみの言葉はこんなに簡単
 
 
  ぼくがそのきみの言葉を詩にしていることを
 
  きみは知らない
 
  きみは知らないのに
 
  なんでも知っている
 
  なんでも知っている
 
  大空の飛び方
 
  宇宙にまで飛翔する方法
 
  太陽に焼かれずに天界にまで上昇する方法
 
 
  だからきみを抱きしめたい
 
  でも小鳥だから簡単にすり抜けてしまうけど
 
  きみを抱きしめて
 
  グルグル回りたい
 
  グルグル回って
 
  大笑いしたいよ
  
 
  きみは自由だけど
 
  ぼくには時間がないんだ
 
  生まれてから死ぬまでの時限爆弾
 
  きみはそんなものを知らない
 
 
  だからきみにキスしたい
 
  でも小鳥だから
 
  くちばししかない
 
  でもそのくちばしにキスして
 
  大笑いしたいよ
 
 
  きみの目はまん丸
 
  なにを考えているかわかっている
 
  歌のことしか考えていない
 
  いつどんな声で歌うか
 
  いつも最高にうれしい時を待っていて
 
  すかさず歌いだす
 
 
  きみはぼくの頭にとまって
 
  得意そうにあたりを見回している
 
  本当は、得意になっているのはぼくの方
 
  得意になっているのはぼくの方
 
  はしゃいでいるのはぼくの方
 
 
  小鳥と心が通じたから
 
 
  きみと心が通じたから
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 雪に閉ざされてジャムをなめる

2011-11-27 15:09:36 | Weblog

 
 
  たのしかったことを思い出して
 
  そうした時間を集めて煮込んでジャムにして
 
  なめてみる
 
 
  真っ白い洗濯物の匂いから始まって
 
  雪の日のアルバイト道
 
  ソ連の大使館でお茶をごちそうになり
 
  ラジオで聞いたアビーロード
 
  ぼくはどこにも行けない
 
 
  冒険するには切符を買うが
 
  そうしないと遠くに行けないから
 
  それなのに汽車はレールに凍りついて走らないから
 
  しかたがなく船に乗り込む
 
 
  南氷洋は飛行機で通過するに限るが
 
  上から見るとおっこちそうで怖ろしい
 
  もし墜落したら凍え死ぬだろう
 
 
  犬でも飼えたら
 
  大きな家があって
 
  近くに散歩できる海岸
 
  それでも仕事がなければ
 
  蓄えが底をつくだろう
 
 
  大学教授が放浪を夢見て
 
  なんであんなに大きい本棚があるのに
 
  書庫には行かずに
 
  旅のガイドを見つけて
 
  インドについて調べようとしている
 
 
  ルピーをたくさん持って行けよ
 
 
  独裁者が君臨していて
 
  雪が積もると
 
  羽ばたこうとして
 
  戦艦の甲板に立ったりしている 

 
  荒波に飲み込まれるなよ
 
 
  つまりは陽光を浴びたうたた寝
 
 
  それさえできれば
 
  雪の積もった町で
 
  閉ざされて孤立していてもOKだ
 
 
  他にやることなんてないから
 
  救助の手も差し伸べられないまま
 
  生き延びても死んでも
 
  雪が溶けるのを待てばいいだけ
 
 
  ジャムをなめながら
 
  自分の真っ赤な血のジャム
 
 
  雪に閉ざされて
 
  甘く酸っぱいジャムをなめる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 どうでもいい奴らと、中学の不気味な友人

2011-11-27 14:47:18 | Weblog

 
 
  あれから
 
  コメントを受け付けなくした
 
  僕の全部のブログ
 
  不愉快という感情はコントロールできない
 
  インドのグルかぶれで、「自分は悟った。No.1だ!」と
 
  幼稚なことをしつこく言って来る奴がいた
 
  「ぼくになんでも質問してきてください。あなたは悟りに近い存在です。」
 
  だって、
 
  なんて幼稚なんだ。
 
  確かにきみは悟った。No.1だ!
 
  OK
 
  だから
 
  どうでもいいよ、お前なんか
 
  だれか一人でも貴重なコメントをくれるのを待つよりも
 
  不愉快なコメントをまったく受け付けなくする方がましだ
 
 
  そうしてから
 
  つまらない人間によくでくわすようになった
 
  以前は多少は同情していたのかもしれない
 
  が、今は、つまらない人間を見ると
 
  なんだか自分までみじめに思えてくる
 
 
  自分ではなにもできない人
 
  能書ばかり言ってて
 
  精神薄弱な人
 
  そういう人間に遭遇すると
 
  以前は多少同情していたが
 
  なんだか、そういう人のつまらなさが
 
  最近、つくづく無意味に思えてきて
 
  なんだか自分まで嫌になってくる
 
 
  悪いけど、できればかかわり合いたくない
 
  そういう人はそういう人で、生きているのだろうから
 
  そのまま、どうぞ勝手に生きていってほしい
 
  私にかかわらないでほしい
 
 
  すべてがネガティブに思えてきて
 
 
  たまには尊敬できる人に出会いたい
 
  共感できる人に出会いたい
 
 
  でも、そんなに大勢でなくてもいい
 
  友人は少なくていい
 
  5人いれば十分だ
 
  1人か2人がベストかもしれない
 
  むしろ、1人もいなくてもいいのかもしれない
 
  
  中学の友人、オサムのことを思い出した
 
  彼は直感に従って生きて
 
  直感の矛盾にずたずたにされて死んでしまった 
 
  ひとつも理性を働かせようとしなかった 
 
  嫌いだと思えばとことん憎み
 
  好きだと思えばとことん気に入った
 
  その好き嫌いには、なんの根拠もないように思われた
 
  彼は直感だけに従っていたのだと思う
 
  それは、僕と共通しているかもしれない
 
  僕は彼となぜかとても気が合った
 
  でも彼が嫌う奴らでも、僕は嫌いではない奴もいたが
 
  彼は、一度嫌いとなったら、とことん嫌った
 
  一度ムカつくと
 
  殺すのではないかと思うほど
 
  ムカついた相手を痛めつけた 
 
  手加減というのを知らなかった
 
  奴は、シンナー漬けになって
 
  ホテルの一室で首を括って死んでいたという
 
 
  奴と一緒に、一度
 
  とことん直感でめやめちゃに行動したことがある
 
  電車にめくら滅法に乗って
 
  キセルして
 
  まったく知らないところに行った
 
 
  なぜかそこに”アカシア公園”という大きな公園があった
 
  ぜんぜん楽しくはなかったが
 
  今ではおかしな想い出になっている
 
 
  あとからそのことがなぜか担任の先生にバレた
 
  二人が自慢して話していたのを
 
  だれかがパクッたのかもしれない
 
  教室にモデルガンを持って行って
 
  机の中に隠していた
 
  それを担任に取り上げられたのも
 
  誰かがパクッたのだろう
 
  ”アカシア公園”に行ったときも
 
  そのモデルガンを持って行った
 
  中一のときだ
 
  僕はそれほど気にもしなかった
 
  でも奴はパクッた奴に復讐したに違いない
 
  僕の知らない所で
 
  奴はいつも暴れていた
 
  なにが理由なのか判らなかったが
 
  奴の敵
 
  奴の気に入らない奴
 
  直感的に嫌いな奴
 
  先生にパクる奴を
 
  殴って蹴って、とことん痛めつけていた
 
  僕はそこまでやらないし
 
  あまり気にもしていなかった
 
  でも奴は最後に滅茶苦茶になって
 
  自ら死を選んだ
 
  奴と最後に遭ったとき
 
  もう、僕の知らない別人になっていた
 
  僕のことを気チガイだと言っていた
 
  僕は「お前こそ」と思った
 
  それが最後だった
 
  最後には、まったく解り合えなくなっていた
 
  多少、奴を怖ろしくも感じた 
 
  相手も、僕を不気味に感じていたようだ 
 
  でも正直、奴のほうがよっぽど不気味だった 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 思いつき物語る

2011-11-27 14:12:28 | Weblog

 
 
  幽霊加工食品の缶詰工場が倒産して
 
  社員は全員、ジャグジースパに雇われたらしい
 
  丸い月が水銀だったっていう話は
 
  そこで噂されていた
 
 
  あり得ないことだけだけど
 
  丸まった水銀の固まりが飛び散って
 
  空に浮かんで星と見分けがつかなくなったと
 
  ラジオのニュースでやっていたが
 
  そのラジオ、短波放送で
 
  どこの島から流れて来た電波だか誰にもわからない
 
 
  近所の大工の棟梁がおかしなことを言っていた
 
  最近、金槌の鉄が、水銀のように溶けて無くなってしまったんだと
 
  棟梁、最近だいぶ老いぼれて頭がおかしくなっているから
 
  きっと遠くないうちに、病院でも入れられるのだろうが
 
  夜中にときどき、薄暗い街をブラブラ徘徊しているのを見たことがある
 
 
  この街には、駅もないし、バス停もない
 
  新聞スタンドもないし、スーパーもない
 
  ただあるのは、一本の抜け道
 
  でも、幹線道路が閉鎖されてから
 
  その抜け道を通る車は一台もいなくなった
 
  だから、最近は、夜中になると道にはなにも通らないから
 
  大工のじいいさんが悠々と徘徊している
 
 
  昔は、道の外れに用水路の溜め池があったが、
 
  だれか子供が溺れてから、
 
  鉄格子が周りを囲んで
 
  だれも中に入れなくなった
 
  でも、そこでときどき不気味は光を見たという噂が立つ
 
  発光する魚か、蛍でも見たのかもしれないが、
 
  季節的に蛍は合わない
 
  墓場では人玉が燃えるというから
 
  そんなものかもしれない
 
 
  ぼくは、夜そこを通ると鈴の音が聞こえる
 
  大勢の話し声のように、鈴の音のように聞こえてくる
 
  けっして、不快な音ではなく
 
  なんとなくなつかしい
 
  静かな音だ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 無限で知り得ない光と闇

2011-11-27 00:43:28 | Weblog

 
 
  ぼくの詩を、だれも読んでくれてないみたいだね
 
  もったいないね
 
  こんなにいい詩を書いているのに
 
  知らないなんてさ
 
  光は分解すれば七色の原色になるけど
 
  暗黒がいいっていう人だっているし
 
  ぼくだってそうだよ
 
  真っ黒って
 
  眩しい光くらい好きだよ
 
  暗黒にプリズムの七色の虹がキラキラ光っていたら
 
  きれいだろ?
 
  まるであなたみたい
 
  わたしみたい
 
  精神はそんなふうに輝くんだ
 
  死の中に生の輝きがあり
 
  生は神秘そのものなんだ
 
  だから
 
  愛は無限で、知り得ないのさ
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 不幸と幸福

2011-11-10 03:06:47 | Weblog

 
 
  ぼくは不幸だ?
 
  薬を飲んで眠るから?
 
  それでも眠られず
 
  だから、幸福だ?
 
 
  そう
 
  ぼくは、ある特定の、ピンポイントの歓びを
 
  ほんの少し感じる
 
  それは、ぼく以外に
 
  この宇宙にぼくはいないという意味での幸福
 
  そのぼくがどんなに不幸だろうと
 
  そう考えるだけで、不思議な幸福感が
 
  もしかしたらそれは
 
  不幸感かもしれないが
 
  どちらにしても同じことのように感じる
 
 
  苦しみと快楽は表裏一体であり
 
  生と死は背中合わせで重なり合っている
 
  
  この存在が無くなってしまったら
 
  たぶん全てがあるのだろう
 
  存在に空白などないのだから
 
 
  だから愛は
 
  純粋なものであり
 
  正直なのだ
  
  
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 貨幣経済

2011-11-09 02:53:56 | Weblog

 
 
  世の中、貨幣経済だ
 
  そんなことはよく知っている
 
  でも、生命は貨幣経済ではない
 
  存在は、貨幣経済ではない
 
  今、ここに、存在することの奇跡
 
  それは、貨幣価値に支えられている訳ではない
 
  それなのに、人間は、
 
  地球上の現在の人間は、
 
  お金がなければ生きられない
 
  貨幣経済に組み込まれ
 
  その中で労働して、消費しなければ
 
  食べる物を得ることもできずに死んでしまう
 
  病気になっても薬も飲めなくなってしまう
 
  そんなのは人間社会だけだ
 
  だからおかしいと言って、政府に抗議しても仕方がない
 
  生命に政府などないし
 
  存在は政府によって成り立っている訳ではない
 
  どんな科学者だって、哲学者だって、宗教家だって
 
  この存在の神秘を解明できやしない
 
  ましてや、政治家になど・・
 
  そのようなレベルを遥かに超えた存在であり、生命であるのに
 
  どうして、人間の作った貨幣という仕組みに
 
  人間は自分自身を縛り付けているのだろうか
 
  だれか一部の人間が、その他大勢の人間を搾取しているからか?
 
  貨幣とは、他人の富を搾取する手段なのだろうか?
 
  より多く持つものが、更に富を増やし
 
  持たざる者は、ますます貧しくなる
 
  与えれば与えただけ少なくなる
 
  愛は、与えれば与えただけ豊かになるのに
 
  貨幣は、与えたら、その分、自分が貧しくなる
 
  他人から奪い取れば、豊かになる
 
  人だけではなく、
 
  自然からも搾取し、生命からも搾取する
 
  資源を掘り尽くし、金、ダイヤ、石油を高値で売りさばく
 
  富の源泉とは、自然からの搾取ではないか
 
  労働の対価としての貨幣
 
  その貨幣を口実に
 
  どれだけ生命を酷使してきたか
 
  安い労働力は、安いエネルギーであり、安い生産機械だ
 
  人間の価値は生産性におとしめられ
 
  単位時間当たりいくら分の労働ができるかでヒエラルキーが決まる
 
  億単位のマネーを動かすディーラーは最も高値で取引され、
 
  労働の対価は高いが
 
  畑でジャガイモを栽培しても
 
  それが売れなかったら、その労働は、なんの富も生みださない
 
  だんだん、数字の操作だけが労働になり
 
  食料を生産するにも大規模な機械化によって行われ
 
  日々喰うものを自ら生産することがなくなってしまった。
 
  だんだんと貨幣価値の経済に巻き込まれ
 
  クレジットの残高、銀行預金の額だけに左右される人間が
 
  生命とはかけ離れた日常を送り
 
  エネルギーと資源を消費するようになってしまった。
  
  
  でも、生命は貨幣経済とは本来無関係であり
 
  生命そのままの生を生きれるはずなのだ
 
  存在の価値は、貨幣価値には本来還元できないはずであり
 
  存在そのものが、存在することそのこと自体が神秘のはずなのだ
 
  ダイヤモンドの美を独占し、価格を決めて、売りさばくことなど
 
  存在への冒涜のはずなのだ
 
  でも、貨幣経済の中では、あたり前のこととして、
 
  その一翼を担っている
 
  
  どんな人間といえども
 
  たとえ砂粒ひとつだって
 
  その価値を決めることなんて
 
  できるはずはないのだ
 
 
 
 
 
  

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 あの世に、蕎麦を食べたら行ってみよう

2011-11-07 02:41:38 | Weblog

 
 
  ちょっと蕎麦屋で蕎麦を食べたら
 
  きみをあの世の花園に連れて行ってあげる
 
  死後の世界という言い方もあるかもしれない
 
  生きながらにそこに行った人は
 
  臨死体験者とか
 
  麻薬中毒者とか
 
  そんな人たちしかいないらしい
 
  瞑想者とかも中には、ほんの数人いるみたいだが
 
  ただの常人で、そこに行った人はいないらしい
 
 
  ぼくらはただの普通の人だが
 
  自由にそこに行き来できる特権を与えられている
 
 
  ただ、そこで見聞きしたことは
 
  こちら側に戻ってきてからは、誰にも話したらいけない
 
  そういう決まりになっている
 
 
  でも、
  
  詩にしたり、絵にしたりすることは許されている
 
  では、
 
  そろそろ始めようか
 
 
  赤にもいろいろな種類があることは知っているはず
 
  ルビーの赤にも
 
  ピンクがかった赤
 
  紫がかった赤があるように
 
  純粋な色彩の赤にも、オレンジぽい赤と青っぽい赤がある
 
 
  ぼくが今見ている赤は
 
  ちょっと青みがかった硬質な赤だ
 
 
  中をのぞくと
 
  血のような透き通った光が射してくる
 
 
  心臓を貫く槍
 
  ほとばしる血しぶき
 
  ゴウゴウと流れる奔流
 
  真っ赤な河川は
 
  ジャングルの奥の秘境にある
 
 
  山の頂は万年雪に覆われているのに
 
  雪解け水が流れつくジャングルは熱帯だ
 
 
  だれも立ち入れない深い谷に
 
  血のように、ルビーのように赤い激流が流れている
 
 
  それを見たものは涙を滝のように流すという
 
 
  自分の犯した罪をひとつひとつ思い出すのだ
 
 
  どんなに小さな汚れも
 
  それがたとえ小さな点のようなシミだとしても
 
  巨大な銀河のように大きく感じらる
 
 
  銀河の渦に飲み込まれると
 
  否応なく、自分がいかに醜い存在かを思い知る
 
 
  洗いたてのシーツのように真っ白い心
 
  太陽の白熱光線に照らされて
 
  銀色に輝く
 
  まぶしくて目を細める
 
 
  その真っ白い絹を
 
  真っ赤な血潮の奔流に投げ込むと
 
  見る見る絹は血を吸い取って重く沈み
 
  激流に翻り、下流に流されていく
 
 
  それこそがぼくの魂なのだ
 
 
  ぼくは何年も前に生まれてきたが
 
  
  やがて死ぬまでに
 
 
  なにをなすのか、なしたのか
 
 
  自由というのは文字通り、無限なものだ
 
  
  自分の生とは、無限の自由
 
 
  99%が血潮で
 
  残りの1%が霊魂だ
 
 
  そして、轟々と流れる血の川の下流には
 
  その水を汲んで洗濯している女たちがいる
 
  真っ白なシーツが真っ赤に染まってしまっているのに
 
  彼女たちは気付かない
 
  なぜ気付かないのだろう
 
  ぼくにはわからない
  
 
  ぼくは裸になって
 
  その河川の下流域の上空を飛んで、漂っている
 
  洗濯する女たちの上空を飛んで
 
  彼女たちのすぐ近くにまで下降し
 
  全裸のぼくは彼女たちの間をすり抜ける
 
 
  それなのに彼女たちは気付かない
 
 
  真っ赤に染まったシーツを畳んで
 
  物干し場にまで運んでいくため
 
  大きな籠に入れる
 
 
  彼女たちは気付かない
 
 
  その濡れた血は
 
  あの山の頂から流れて来た
 
  ぼくの鮮血だったことを
 
 
  ぼくは彼女たちには見えないことをいいことに
 
  彼女たちのうちの一人を選んで
 
  家について行く
 
 
  薄暗い部屋にはテレビが点けっぱなしになっていて
 
  だれかが奥の台所で何かを料理している
 
  肉の焼ける匂いがする
 
  野菜を煮込んだ蒸気が漂ってくる
 
 
  誰も見ていない点けっぱなしのテレビをぼくは見る
 
 
  ちょうどあの世とこの世の超常現象のドキュメンタリーだった
 
 
  シャーマンがなにか、大量のお香のようなものを焚いて、トランスに入っている
 
 
  彼の意識の見る世界がどういう世界なのか
 
  テレビには映っていない
 
  映っているのはただ、うつろな目をして大量の煙の中に見え隠れしているシャマーンの姿だけだ
 
 
  今日、ぼくは、バスに乗らずに歩いてきた
 
 
  歩いて、蕎麦屋にまできた
 
 
  少し疲れて、椅子に座り
 
 
  もりそばを注文してから
 
  
  すこし、ウトウトとしたかもしれない
 
 
  目の前にあった大きなテレビに映っていたのが
 
  アマゾンの探検のドキュメンタリー映画だった
 
 
  珍しい番組をやっているなと思って
 
  目が釘付けになった
 
 
  シャーマンがなにか白い煙を大きなパイプでふかしている
 
 
  そんなものを吸い込まなくても
 
  ぼくはあの世に行ったり来たりできると
 
 
  ここにはいない彼女に向かって話している
 
 
  この蕎麦を食べ終わったら
 
  ちょっと花園に行ってみようか?、と
 
  彼女に話しかけている
 
 
  きっと彼女の方が、ぼくよりよく知っているにちがいないのだ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 サイロの風化したコンクリート

2011-11-05 03:38:42 | Weblog

 
 
  ガラス窓から漏れる真っ白い昼の光
 
  隔離されて
 
  荒波の打ち寄せるサイロの風化したコンクリートは不動にして
 
  海砂に吹かれる
 
  海砂に吹かれる
 
 
  潮風が隙間風になって窓枠をビュービューいわす
 
 
  生温かい肌が
 
  沸騰したやかんのお湯に怖じけずいて
 
  昨日の喧嘩を途中で止めたことを
 
  映画の逆回しのように再上映する
 
  なんどもなんども頭から
  
  なんどもなんども頭から
 
  殺すまでやればよかったのだ
 
  殺すまでやればよかったのだ
 
 
  弱さや優しさは
 
  ただの自分へのいい訳だ
 
  法治国家も無実の釈放も
 
  ただの権力にこびへつらった隷従に過ぎない
 
 
  筋肉を纏い
 
  そう
 
  ジムに通って汗を流し
 
  筋肉を纏い
 
  筋肉を固くして
 
  薄汚い街を歩く
 
  薄暗くなって
 
  街に
 
  薄汚い連中が繰り出して来る
 
  一人残らず
 
  殺すまでやってやればいい
 
  殺すまでやってやればいい
 
 
  汚物を清掃することも美に貢献したことになる
 
 
  新しい美を創造する前に
 
  目の前にある醜悪を一掃するのだ
 
  それから剥き出しの
 
  裸の美をさらけ出すことができる
 
 
  汚物の目を潰し
 
  見られることがないようにしてから
 
 
  裸の美をさらけ出す
 
 
  驚異の美を創造する
 
 
  それは生命であり
 
  性であり
 
  傷付き安く
 
  現れにくい
 
 
  植物がいとも簡単にやっているが
 
  花を咲かせて、芳香を放って
 
  惜しみもなくさらけ出しているが
 
  なかなか人間には真似できない
 
 
  美を知らないからだ
 
 
  まして美を表現しようとなんて
 
  だれもしない
 
 
  だからただただ醜い
 
 
  生命も醜くなり
 
  性も悪臭を放ち
 
  隠れ回って
 
  こそこそ盗人のように闇に紛れる
 
 
  夕日が真っ赤な風を棚引かせると
 
  空に覆われた憂鬱が
 
  隔離された風化したコンクリートの壁の中に逃れてくる
 
  
  冷たくなった手を水で洗い流すと
 
  義務はもうすでにノルマも数えるほどしかなく
 
  後は、腹を多少満たし
 
  それから、世間で起きている不公平に起因する事件・殺人・事故
 
  裁判・拘束・隔離
 
  公権力と私的民事的経済活動
 
  それらの渦巻く労働時間は終わって
 
  後は、TVの電源を切り、
 
  携帯をOFFにして
 
  誰ともコミュニケーションせず
 
  自己ともコミュニケーションせず
 
 
  強化を図る
 
 
  自己にエネルギーを向かわせる
 
  仕事量は重さ×距離×早さだ
 
  自己に向かわせるエネルギーは
 
  一つのヴィジョンだ
 
  自分自身が紡ぎ出した自分だけの仕事
 
  重さに、イメージが乗じられる
 
  イメージ×重さ
 
  そのエネルギーを夢想する
 
  夢想といっても緻密に
 
  奇想天外な絵を描くように
 
 
  そうすると外に吹く風は
 
  コンクリートを侵食する砂嵐は
 
  ただのエネルギー供給機となり
 
  ニュートリノ加速器となり
 
  場末のアパートの目の前に
 
  潰れかけたモルタルのアパートに
 
  容赦なく、励起した加速粒子をぶつけてきて崩壊させる
 
  
  錆びた手すりは曲がり
 
  鉄の階段は軋み
 
  二階の目隠しのボードは砕けて下に落下してしまった
 
 
  あなたは湘南から、特注した鉄の看板を郵送させ
 
  表札代わりに窓に掛けてみたが
 
  台風の嵐の風が強いから
 
  どんな看板だって飛ばされてしまう
 
 
  だからそんなときは
 
  コンクリートの風化した壁の内側に隠れて窓を閉めて
 
  ラジヲでも聞くしかないのだ
 
  周波数帯の合わないラジヲを聞きながら
 
  ウエーブする音量の潮の満ち引きに
 
  台風が辿る進路も近付いてくる
 
 
  台風の辿る進路も近付いてくるのだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 

  

 僕はあなたの夢は見ない

2011-11-05 03:13:27 | Weblog

 
 
  ずっと詩を書いてなかったから
 
  しばらくぶりに書いてみる
 
  だいたい
 
  そうすると失敗するはずだ
 
  イマジネーションも飛翔せず
 
  堅い文になり
 
  つまらないものにしかならないだろう
 
  それが僕の詩なら
 
  それでかまわない
 
 
  僕は、僕以外の誰にもなれないのだから
 
 
  僕は、僕以外の誰にもなれないのだから
 
 
  たとえ僕が無になって
 
  大海の一滴となって消えうせても
 
 
  僕は、僕以外の誰でもない
 
  僕は、僕以外の誰でもない
 
 
  あなたは
 
  まどろみ夢見ている
 
  暖かいインドの昼下がり
 
  ハンモックに揺られて
 
  シタールの旋律を聞きながら
 
  あなたはまどろみ
 
  夢見ている
 
 
  遠く異国の地
 
 
  僕は日本にいて
 
  あなたは上流カーストのインド人
 
 
  なんの疑問も感じない
 
  なんの疑問も感じない
 
 
  カーストにも
 
  世界経済にも
 
  なんの疑問も感じないあなた
 
 
  でも僕は違う
 
 
  疑問だららけで
 
  夜も眠れない
 
  まして
 
  シタールを聞きながらまどろむことなんて・・・
 
 
  僕にはできない
 
 
  僕にはできない
 
  蓮華座に座り
 
  頭から離れ
 
  丹田のチャクラへと意識を下げ
 
  なにも考えない
 
  ただ呼吸に意識を集中し
 
  考える頭から遠ざかる
 
  そんなことできない
 
 
  僕にはできない
 
 
  疑問だらけだ
 
 
  なぜあなたはインドにいて
 
  なんの疑問も持たずに夢見ているのか
 
  上流カーストでいながら
 
  ゆったりまどろんでいるのか
 
 
  それなのに
 
  あなたの夢見る夢は
 
  僕の夢
 
  極東の国
 
  まだ見たこともない日本にいる僕の夢
 
  
  僕はあなたの夢は見ない
 
 
  あなたは僕の夢を見る
 
 
  そして、僕はあなたの夢は見ない