春、紫の音が聞こえる
うたた寝は気持ちいいが
今は冬になりかけている秋だし
朝になりかけている夜中だし
明日の朝、起きなければならないという
脅迫観念に取りつかれている
だから、
眠れない
今日の出来事でも書いておこう
上空、左の雑音で聴力が金属的になり
見た夢は忘れてしまった
男が二人いて、その内の一人が自分だった気がする
言い争って、金のために
相手を出し抜こうとしている
トタン板の粗末な小屋ひとつ
そんなもののために
理想どおりいけば
とっても能力もあり
勉強もしているし
体力もあるから
成功するはずの人がいるのに
そうは問屋が卸さないのは
問屋に卸す商品が見つからないから
直感に従って行動する職業は
今のところ
職安に行っても募集していないし
そんな従業員を雇う社長もいない今の世の中
長い一日
待っていたらなにも起きないが
なにもしなくても
いろいろなことに巻き込まれて
気分を害する
それがこの、今の、世の中の、人生
少しだけ歩けるようになった
ベッドから起き上がって
自分のやることをやる
メシを喰い、なにを考えるでもなく考え、なにを描くでもなく絵を描く
飯を食うことがメインだが
それ以外は、ぜんぜん飯を食う足しにはならないが
生きているには実感が必要だ
生きている実感というやつだ
そして、ぼくにはぼくの肉体があり
ぼくの生命があるはずなのだ
だからぼくには、ぼくなりの生きている実感が欲しいのであり
ぼくは、生きている実感として、
なにより快楽が必要なのだ
快楽が必要なのだ
快楽だけが必要なのだ
退屈し切っているから
この世の中
文化、文明、思想、哲学、宗教
政治、経済、社会生活
唯一、
倫理って好きだね
倫理だけを教える先生がいたとしたら
その授業を受けるよ
ぼくは大学を倫理で受験した
でも余計な哲学が付きまとってきた
そんなものは邪魔なだけだ
倫理に哲学は不要だ
ぼくが教えてあげるよ
倫理って愛だ
簡単なんだ
そして難しい
とっても複雑で
美しい
職業上、一切ごまかさないで
どんな相手にも、正直な言葉を吐いたとしたら
世の中少しは変わるかもしれないよ
簡単に言えば、それが倫理だ
それにはまず詩人が正直にならなければならない
嘘をつかないように
出版のため
ヴォキャブラリーのために
ギャラのために
売名のために
嘘をついたらいけない
そして、なにより、男女は嘘をついたらいけない
くだらない駆け引きなんてやめた方がいい
倫理に男女の愛はつきものだけど
だからといって
嘘をついていいことにはならない
ぼくには最近ぜんぶわかる
ぼくは言葉をしゃべる
それが行動の一つだ
その行動によって相手が何を考えどうしたのか
ぼくの行為が性的なとき
それが本当に性的な行動のときは
出来る限りストイックになる
それがぜんぜん性的な行為でないときは
性はジョークになり
蔑まれ
おとしめられる種になる
だらだら書いているだけだが
だれも読んでいないのを知っている
読む意味などないのだ
永遠に書いていられる
言葉なんてそんなものだ
長々と書きつけて
強制的に不特定多数に送りつける
それも夜中、だれもが寝静まった頃
それってハラスメントだが
時間がある人は
たぶん、1人以下の
0.何人が
読んで
なにも感じない
それがこれだ