幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 スイート・エクササイズ

2009-10-28 21:43:34 | Weblog

 
 
 Sweet
  
 EXercise
 
 してみませんか?
 
 もしよければ
 
 私と
 
 してみませんか?
 
 Sweetで
 
 Endlessな
 
 X Y Z
 
 そこまでいったら、またAに戻って
 
 B C D
 
 あなたとなら
 
 E F G
 
 H なのは 私( I )
 
 JはジュテームのJ
 
 Kanじて Lick you
 
 Moon は 三日月
 
 Non, no 満月  
 
 Oh! like my Penis

 だいじなのは
 
 Quality of life
 
 Ringing on the Street
 
 Talking Yellow Valley girl
 
 Wash toilet ウォシュレットの後は
 
 Xanadu 桃源郷
 
 Yes!
 
 nothing but Zen buddhism
 
 Really ?
 
 ほんと?
 
 
 座禅して
 
 交わる?
 
 
 煩悩滅却して
 
 感じる?
 
 
 熟考して
 
 夢想する?
 
 
 頭丸めて
 
 埋める?
 
 
 女人成仏
 
 尼寺の歓び?
 
 
 だから
 
 
 私と
 
 してみませんか?
 
 
 スゥイート・エクササイズ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 ぼくは黒髪

2009-10-26 23:58:52 | Weblog

 
 
 東京の街
 
 深夜の街
 
 高層ホテルの窓から覗いてる
 
 二つの目が見下ろしている
 
 高速を走るトラックの光
 
 自由とは
 
 こういうものかと思う
 
 全裸で
 
 空中に浮かび
 
 労働する移動を見下ろしている
 
 
 生殖機能の無駄遣い
 
 生体エネルギーの非実用的消費
 
 感覚の過剰刺激
 
 なぜなら
 
 もしそこに求める者がいなかったら
 
 成り立たない対話
 
 今日
 
 始まってしまったから
 
 
 夢想した理想は
 
 肉体の現実
 
 熱帯の果実
 
 雨に打たれて
 
 川を流されていく
 
 滝つぼに落ち
 
 回転して浮上する
 
 
 語り手さえ忘れてしまった物語
 
 よみがえった亡霊のように
 
 ラジオから聴こえてくる
 
 台風情報
 
 東京に再接近は深夜3時だと告げる
 
 まるで神託のように厳かに
 
 
 ぼくは黒髪で瞳も黒い
 
 日本人で
 
 東京に住んでいる
 
 特定の宗教はない
 
 
 あなたは
 
 高い塔のある街にいる
 
 
 ぼくはあなたの身体を高い塔の上に持ち上げ
 
 ぐるぐる空中で回し
 
 手を離す
 
 重力と伴に落下
 
 ぼくの上に落下
 
 
 けん玉のように
 
 球が棒に
 
 棒が球の中に収まる
 
 
 みごと成功
 
 
 失敗はせいこうの素
 
 
 あなたにとって失敗とは
 
 ぼくにとって失敗とは
 
 
 台風の来る前に外に飛び出してしまったこと
 
 それも全裸で
 
 公然猥褻
 
 でも深夜で
 
 だれもいない山の中だったから
 
 警察に捕まらなくて済んだ
 
 でも月が
 
 流れる雲に見え隠れする蒼い月が
 
 ぼくを掴まえた
 
 
 アストラルエネルギーが
 
 ぼくを空中に舞い上げた
 
 
 そして台風の渦に巻き込まれ
 
 無風の目に身体の中心を置いたとき
 
 さながらコマのように回転し
 
 北上しはじめた
 
 
 あなたは追いかけなければならない
 
 
 台風を追いかけなければ
 
 ぼくは北の空に消えてしまう
 
 
 あなたにとっての失敗とは
 
 ぼくをただ傍観していること
 
 
 でも
 
 やがては二人は
 
 せいこうする
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 詩の埋葬

2009-10-19 23:30:27 | Weblog

 
 
 まともな詩を書いてないから
 
 たまにはまともな詩を書かないといけないなと思い
 
 あれこれ考えるが無駄だ
 
 
 もう無駄なことはやめよう
 
 だって下らないから
 
 無駄なインフォメーション

 うざいいんだよ!
 
 関係ないけど
 
 
 そうだ!
 
 思い出した!
 
 夕方
 
 人ごみでごった返した雑踏を歩いていて
 
 夕焼け空に気づいた
 
 ぼくだけ気づいていた
 
 つまりテレパシー
 
 異次元の存在とコミュニケートしていた
 
 だれにも気づかれないまま
 
 
 青い蛍光灯が闇に光っている
 
 その光に目をくらまされて見えない
 
 その正体
 
 だれにも見えない
 
 
 あなたの秘密を
 
 あなたが隠していることを
 
 ぼくは知っている
  
 いずれ終わりがくることも知っている
 
 時計のベルが鳴って
 
 時を告げたら
 
 その時だから
 
 
 目に見えない世界があるって
 
 それを見てみたいって
 
 体験して
 
 感じてみたいって
 
 
 でももう戻れない
 
 
 1999年
 
 
 まだ終わっていないのに
 
 通り越したような気がする
 
 終わりが後ろから追いかけてくる
 
  
 あなたがいる限り
 
 
 でも
 
 きみは
 
 ぼくを
 
 無視して
 
 遊んでる
 
 優越感に浸って
 
 恋人のことを語る
 
 
 ぼくは詩人
 
 感情を押し殺す
 
 なにも感じてなんかいない
 
 繊細な感情なんて邪魔なだけ
 
 そんなの足蹴りにして
 
 埋葬する
 
 異教徒の墓に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 鐘楼の上に犬が昇って

2009-10-09 01:36:48 | Weblog

 
 
 今日、我慢できずに
 
 鐘楼の上へ、記念堂の瓦の上へ
 
 天才詩人のいる最上階へ昇る
 
 きのこ狩り
 
 忘れられず
 
 あのとき
 
 深い濃い霧に隠れ
 
 森の奥は誰にも見えず
 
 むせるような野生の匂い
 
 我慢できなくなって
 
 できることはただひとつ
 
 一番太い湿った軸を手に取り
 
 そっと舌先で舐め
 
 匂いにむせび
 
 食す
 
 毒かもしれないのに
 
 死を賭して
 
 口に入れる
 
 ねばねばした唾液がべたつき
 
 菌糸の香りが拡がる
 
 良ければ幻覚の世界
 
 悪ければ二度と戻って来れない
 
 そうしたら
 
 深く深く沈んでいくだけ
 
 深海の底の
 
 柔らかい
 
 光の届かない襞の奥
 
 潜り込み
 
 込まされ
 
 包み込み
 
 込まされ
 
 握り締め
 
 締めつけられ
 
 抵抗し
 
 すり抜け
 
 ぼくは一匹の幻の魚になって
 
 もがき
 
 尾びれをうねらせながら
 
 泥を舞い上げ
 
 深海の底をあばれ回る
 
 
 我慢できずに
 
 犬のように
 
 剥き出しになったら
 
 パブロフのように
 
 単純に
 
 機械的に
 
 扱えばいい
 
 
 欲望と報酬の条件反射を
 
 体に覚え込ませればいい
 
 
 食事は与えなくてもいい
 
 飢え死にする前に
 
 肉を貪り喰うだろう
 
 どこかに転がっている誰かの肉を
 
 
 あなたは
 
 ただいるだけでいい
 
 ただそこにいるだけで
 
 ただ
 
 あなたがそこにいるだけで
 
 すでにぼくはもう
 
 覚えてしまっているから
 
 
 あなたの匂いを
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 二つが出会う

2009-10-02 00:43:30 | Weblog

 
 
 瓜二つ
 
 樽に入れて
 
 水に浮かべる
 
 
 星降る夜空
 
 和音奏でる
 
 プラチナメッキの光沢
 
 レモン型の月
  
 
 握手をしよう
 
 君と出会う
 
 夜の海
 
 砂浜で裸足
 
 
 味わう
 
 新鮮な野菜
 
 みずみずしい食感
 
 
 固くて苦いもの
 
 柔らかくて甘いもの
 
 
 目を瞑って味わう
 
 
 これはなに?
 
 なんていう食べ物?
 
 今まで味わったことのない味覚
 
 
 子供の頃
 
 天国の夢を見た
 
 そのとき
 
 味わったことがあるような気がする
 
 ただ
 
 そんな気がする
 
 でも有り得ない
 
 子供がこんなこと
 
 できるわけないから
 
 こんな大人がすること
 
 するわけないから
 
 
 それなのに
 
 感じる
 
 懐かしい
 
 触覚
 
 
 ずっと昔
 
 どこかで聴いた
 
 微か遠くの歌声
 
 胸を締め付ける
 
 短調のソプラノ
 
 
 悲しいのに
 
 歓びを感じているのはなぜ
 
 こんなに静かなのに
 
 心臓が鼓動するのはなぜ
 
 こんなに清らかなのに
 
 獣のように淫らなのはなぜ
 
 
 鏡に映った目と目
 
 水の表にさざ波が立ち
 
 掬いだして二つ並べる