幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

青緑色の灰色

2014-06-29 23:55:02 | Weblog
アキラと絵の話をしていて、油絵の具で絵を描いていて、書き込み過ぎて色が全部混ざってグチャグチャになると、灰色になるよね、と僕が言うと、アキラは、それは違う! 青緑色した灰色になると言うから、それはその通りだ、言葉を省略して灰色と言ったまでで、正確に言えば、青緑色の灰色に必ずなる、と言った。どうしてそうなるんだろう? きっとプルシャン・ブルーを必ず使うからだと二人の結論は一致したが、なぜ緑がかるのかは、なぞが溶けなかった。それはともかく、僕は、書き込み過ぎてグチャグチャになった、青緑色の灰色の絵が描きたいんだとアキラに言うと、それについては、何のコメントも帰って来なかった。

運命に呪われたりしたら

2014-06-25 23:32:56 | Weblog

運命に呪われたりしたら

間違ったことをわざとするべきだ

その結果が

事務所にかかってくる電話のように

理不尽だったり、支離滅裂だったら

折り返し電話するからと告げて

相手の電話番号を聞き出すべきだ

もし相手が電話番号を教えたら

その番号にかけてみるべきだ

そして尋ねてみるべきだ

何で、わたしは呪われているのかと

ときには、住所を告げる場合があるかもしれないが

そのときは、そこに行ってはいけない

もう一人の自分自身と

出会ってしまうかもしれないから

そのときは、どちらかの自分が消えることになる

それが自分だったら

“私”は消えてしまうことになるから

気をつけなければならない











太陽

2014-06-14 22:11:16 | Weblog

太陽を見つめてはいけないと言われました

よく太陽を見つめていました

子どもの頃に

雲に隠れていく太陽

眩しくて見ていられない太陽

だから、余計に見たいのです

あの光

古くて新しい光がまさに今

生まれているのです

一切の穢れを知らず

妥協もしない

そんな太陽が素晴らしく好きです

いつか僕が

黒いリムジンに乗せられて

焼かれに行くとき

太陽がキラキラ

輝いていますように














底なしの湖

2014-06-14 21:31:25 | Weblog

いそがなければ

いそがなければ

白鳥が浮かび

太陽がキラキラ反射してる

あの底なしの湖に

眩しい光を浴びに

行かなければなりません

だから

ここにいてはいけないと

考えています

ここにいてはいけない

ここにいてはいけないのです

でも

あなたが一緒でなければ

あなたが一緒でなければ

湖から白鳥は去り

太陽は分厚い雲に隠れてしまい

僕はたった一人で

飛び込まなければならないのです

あの真っ暗で冷たく

永遠に深い

底なしの湖に