幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

2020.3.29(日)東京都民に外出の自粛要請、雪の日曜日の日記

2020-03-29 20:45:00 | Weblog

東京、雪が降ってきた。
なんだか三文SF小説かゲームの世界にいるような気がしてきた。
カナダで開発された生物兵器を中国が盗み出して研究していたところ、アメリカのディープステートの諜報員が研究室から流出させて、やがて世界中に広まってパンデミック。株価は暴落し、世界中で渡航禁止令が発動される。東京でも外出の自粛勧告がされる中、5Gの超強力な電磁波が放出される。桜が満開の都心で、季節外れの雪が降り、人々は自宅に篭って皆が同じ洗脳プロパガンダのテレビのニュースを見ている。本当のことは何も報道されない。イタリアのバチカンで聖職者が一斉に逮捕されていることも、アメリカのハリウッドやニューヨークで映画スターやセレブが大量逮捕されていることも、ヨーロッパの貴族や王族が特殊部隊によって拘束されていることも。彼らはペドフェリアであり、悪魔を崇拝して子供達を生贄にし、拷問にかけてその血を飲んで、自らの若返りを図っていた。悪魔は遠い昔、地球にやってきた宇宙人で、翼のある恐竜の形をしている。日本では偽書と言われている竹内文書などで、太古の天皇は翼を持ち、トサカがあり、巨大なゴジラのような恐竜だと書かれているその姿だ。折しもマヤ暦の終わり、新しい占星術的な星の配置になった日を境に、まるでこれは三文SF小説かと錯覚するみたいなことが起きている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


新型コロナ騒ぎの裏で進行していること 2020.3.17

2020-03-18 13:33:00 | Weblog

新型コロナのこの騒ぎは少し異常ではないかと私は思っている。
そう言うと“陰謀論”と言われ、スルーされるだけだとは分かっているが、この騒ぎの裏で、何か(重大なこと)が起きているのではないかと思う。それも一つではなく、複数のことが同時進行しているのではないか。
その一つは、世界経済の崩壊。中国、アメリカでの債務不履行。そのため、デジタル通貨への移行。量子コンピュータ、ブロックチェーンによる世界統一通貨(量子金融システム)への移行。
その二に、大量逮捕劇が繰り広げられいる可能性。大量逮捕とはカバールとか悪魔崇拝者とかハザール・マフィアと言われている連中(0.0…1%の支配層とその子分たち)を、現行法を適用して逮捕し、処罰すること。これは前々から言われていた。例えば911の本当の首謀者。この輩は、大量殺人犯として逮捕し、裁判にかけるべきだ。でもそれがなされていない。なぜなら、それが現在の社会の支配者層だからだ。それを逮捕するという話は前々からあった。初めは何千人規模だったものが、現在では何万人規模になっている。もしかしたら、その逮捕劇が本格的に始まったのかもしれない。
第3に、(このレベルになると“オカルト”だと言われて笑われるだけだろうが)、地球にいる地球外生命体(複数種族)間の最終戦争がクライマックスを迎えていること。地球解放を支援する宇宙人と、相変わらず地球人類の奴隷化を維持したい宇宙人との戦いが最終段階に来ていること。キメラとかアルコンとか言われるレプティリアンよりも上位の支配階級の宇宙人が、プレアデス、シリウス、アンドロメダ、アルクトゥルスなどの連合によって地球から駆逐されようとしている。
少なくてもこのような3つのことが、もしかしたら、コロナ騒ぎの裏で進行しているのではないか。

信じるか信じないかはあなた次第です。笑

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死亡者が何千人規模で、緊急にG7首脳会議を開くだろうか?
世界中で外出禁止令や渡航の禁止をしているのには、何かのイベントの準備(予行演習)か、すでに始まっているのかもしれないと思います。

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はじめにポジティブなことを書きましたが、逆にネガティブな未来も考えられます。それはこれを期に、強制的に予防接種をさせられることです。ナノテクノロジーによって、体内にコンピュータチップが埋め込まれ、ケムトレイルによる“スマート・ダスト”の散布、5Gによる電磁波遠隔操作の三つ巴で、人類の完全な支配が確立されるかもしれません。ワクチン接種にはお気を付け下さい。

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家庭にコンピュータを普及させたマイクロソフトのビル・ゲイツが何故ワクチン開発に携わっているのか。そのビル・ゲイツが何故、軽井沢に別荘を構えたのか。何故、軽井沢の近くに皆神山(太古の日本のピラミッド)があり、何故そこに終戦(敗戦)間近に大本営を築こうとしたのか。みんな何か関係(理由)があると思います。

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これ以上言うと(ここまででも既に…)笑われるか、理解もされないと思いますが、“神一厘の仕組み”というのがあります。大本教から来ていますが、その後、岡本天明の日月神示に受け継がれ、現在は“大日月地神示”となっていますが、ちょっとそちらと関係ができそうなので、少し積極的に接近してみようと思っています。もし相手もそれを望むのであれば。

 2020.3.17 facebook に投稿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


アセンションを容易にするヒーリングセラピーへの誘い

2020-03-18 00:16:00 | Weblog

最近、アセンションとは旧来の自己からの超越のことではないかと思うようになりました。そのためには今までは、ヨーガや宗教的修行が必要でした。でも今現在は、もっと簡単な方法があるのではないかと思うようになりました。それは直接身体(神経)に働きかける方法です。バグワン(オショウ・ラジニーシ)がエネルギー・ダルシャンとかディクシャとして行っていたこと。これを新しく実践、実験してみようかと思います。興味ある方、ピンときた方はお気軽にコメントまたはメッセージください。これはアセンションを我々の側から積極的に容易にする新しい試みのひとつです。

このブログを読んでくださっている方は、facebook とダブっているのでしょうか?
facebook に上記の文を投稿しましたが、説明不足というか、あまりにも簡単に書いたので(それが理由かどうかわかりませんが)、いったい私が何をしたいのか分かる人はほとんどいなかったためでしょう、あまり反応はありませんでした。
このブログを読んでくださっている方からコメントをいただくことはめったにありませんが、もし何か思いついたことがあったらコメントをください。

キーワードは、アセンション、次元上昇、エンライトメント、身体性、ディクシャ、エネルギー・ダルシャン、本来の自分を思い出すこと、神経のチューニング
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2020.3.13 Facebook(株価急落)

2020-03-17 23:58:00 | Weblog

いよいよ終末感が漂ってきましたね。
株価急落、原油価格爆下げ、これからドイツ銀行破綻、中国、アメリカ債務不履行で人民元暴落、ドルデフォルト、ブレグジットでヨーロッパ崩壊、中東でイスラエルとイランの戦争、東南海地震、首都直下地震、日本崩壊となるのでしょうか?
1999ノストラダムスも2012マヤの予言も通り過ぎましたが(?)、まだヨハネの黙示録があります。ホピの予言もあります。
一方で、新しい地上天国のような時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
新しい宇宙時代。未だに宇宙人と言うと笑われますが、そろそろ宇宙人と正式コンタクトをする時期が近づいているのかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2020.3.4 (fbに投稿)

2020-03-07 23:05:00 | Weblog

わたくしごとですが、友人から「君が呪術でもやった方がいいんじゃないか(コロナ収束の為に)」とコメントをいただきましたが、私はその呪術のようなことを行なったのです。
それはつまり、中国の習近平率いる共産党体制が崩壊するように念じたのです。(私の念はとても強力だと十代の頃にすでに指摘されていました。)
そのように念じたのは、中国共産党のウイグル人の強制収容と臓器摘出、大虐殺を糾弾するお話しを聞いたことがきっかけでした。中国共産党はウイグルだけでなく、かつてはチベットで民族浄化を行なっています。ナチスと同じホロコーストが現在行われているのです。そして、民族だけでなく、中国の法輪功信者を徹底的に弾圧しました。
最終戦争はキリスト教対イスラムの対決だけではなく、やはり白人対有色人種、モンゴロイドに向けられたアメリカを中心とした白人エスタブリッシュメントとの戦いになるという図式があります。
私はモンゴロイドですから、中国に肩入れしたいところですが、習近平はどうも好きにはなれません。習近平を永代書記長とする中国共産党の一党独裁が崩壊するなら、たとえそれが西側のディープステートだろうと、ロスチャイルドだろうと、イルミナティ だろうと構わない、一刻も早く中国共産党が崩壊することを願うばかりだ、と、このfacebookの投稿にも書きました。
それから数ヶ月もしないうちに、このような事態になりました。
新型コロナウィルスはカナダの微生物研究所から武漢の研究所に持ち出されたものが、ディープステートの戦略によって流出して拡散されたようです。
中国共産党は、カナダから盗んで自国で研究開発された生物兵器が流出したことを認めることはできないので、たとえそれがディープステートの仕業だとわかっていても、これは生物兵器による戦線布告であるとアメリカを非難することはできないのでしょう。
これで中国共産党が崩壊したら、民主化して、普通の選挙を行えばいいのです。でもそれが実現するには更に長い時間が必要でしょう。今まで甘い汁を吸ってきた中国共産党の幹部連中は、市民によって徹底的に復讐されるでしょう。
中国は大混乱になるとともに、世界経済も大混乱になるでしょう。人民元がデフォルトすればドルやユーロだってデフォルトするかもしれません。
そうなったら、戒厳令でしょう。
それに反発した民衆が蜂起して、内戦状態、アメリカは社会民主主義のサンダースの時代になるでしょう。超富裕層への増税、復讐が始まれば、今まで裏に隠れていたディープステートの連中が表にあばきだされるでしょう。
そのようなシナリオを考えています。

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コロナの直前まで、香港デモが大変なことになっていましたよね。大学に警察(軍隊?)が入って学生を次々に拘束していました。
今はどうなったのでしょうか?
コロナの危険を告発した医師やジャーナリストが死んだり行方不明になったりしています。
武漢では、感染者を隔離する巨大な施設ができましたが、治療の設備はなく、強制的に拘束して隔離しているだけのようです。まるでナチスの強制収容所です。
中国共産党は市民を監視し、ネットを検閲し、不都合な情報発信をしている者を拘束しているようです。多分、抹殺しているのでしょう。
Wechatなどで香港や深センの中国人と連絡を取っていましたが、共産党に関して私が何か書いても、とても神経質になっていて、何も反応しないことがほとんどでした。ネットが全て監視されていることは、皆知っているからでしょう。チベットで、ウイグルで、法輪功信者に対して、そして香港で、中国共産党が何をしてきたか、そして何をしているのか、知っている中国市民もいるのだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



2020.3.4 (日記)

2020-03-07 23:01:00 | Weblog

超然庵(Super Natural Studio)に、タロットカードの壁掛けを張った。そして、ふと気づいた。タロットカードの19番目は太陽(The Sun)。ちょうど今流行りのコロナウィルス、covid 19 に一致するではないか。コロナといえば太陽のコロナ、しかもつけられた番号が19。
これは近々、太陽に異変があることを暗示しているのではないか。
太陽に異変が起きることは前々から言われている。現在は太陽黒点の数が異常に少なく、これから太陽活動は衰退して地球は寒冷期を迎えると。ただし、この黒点の極小期のあとに、今後数年で太陽フレアが大爆発する。いわゆるソーラーフラッシュが起きる。太陽はご存知のとおり、太陽光線だけでなく、強力な電磁波を放出している。太陽風と呼ばれる電磁波の爆発的な嵐が地球を襲えば、様々な影響があるだろう。現代社会はコンピュータテクノロジーに完全に依存してしまった。コンピュータのICチップに電磁波が照射されれば誤動作が起きる。通信網の電波にも影響する。銀行のクレジットが消えたり、交通網のナビゲーションがクラッシュしたりしかねない。それ以外に、もちろん生物にも影響を与える。人間の脳波にも影響するだろう。もちろん、ウィルスにも、DNAにも影響を与える。突然変異、RNAのペプチドの合成にも影響を与えることになれば、今までにないホルモンが分泌され、意識状態さえ変化するかもしれない。
ソーラーフラッシュとは、そのように大変な影響を与える一大イベントになるだろう。
そうなったら、地球は世界は、いったいこの先どうなるのだろうか?
知りたい人は、現在営為改装中の私の超然庵(Super Natural Studio)にお越しいただければお教えします、と言いたいところだが、次にどうなるか?
ヒントはタロットカードの次は20、審判であることだ。Judgment 。キリスト教での最後の審判。
コロナウィルス騒動の後は、いよいよ最期の審判のときを迎える。
タロットではそのようになっている。





 
 
 
 
 
 
 
 

ファルージャの虐殺(創作)

2020-03-06 20:39:00 | Weblog

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ファルージャの虐殺
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窓から西日が差し込んでくる。
六畳一間にキッチン。西向きの玄関に一番近い二階のこの部屋は、夕方になると、まともに西日が当たる。まだ四月だというのにオレンジ色の日光がやたらに暑苦しい。その光のなかに包まれていると、どうしようもなくけだるくなってくる。
今日も朝七時から、まだ誰も人が通らない新宿地下街のショッピングモールのタイル張りの床にバケツで洗剤を撒き、ポリッシャーで磨き、汚れた水をバキュームで吸い上げてきた。時給900円のバイトだ。時給も安いが家賃も安いボロアパートだから食っていける。
もしぼくが天皇だったら…。
こんなところに棲んでいないだろう…。
西日に照らされていると眠くなってくる。
ぼくは安いTシャツを着てその上にGジャンを羽織ったまま畳に横になっている。いつもと同じジーンズを履いている。バイトで流した汗の臭いがする。
金が貯まったら、ベルリンに行きたい。
ブランデンブルグ門を一度見てから死にたい。
でも、ベルリンに行く前に、ドイツ語がしゃべれるようになりたい。
ぼくは今・・正直、とても幸せだ。ぼくは存在する。ただそれだけでとても幸運なことだと感じる。ぼくは至福の絶頂に登りつめ、幸せで窒息しそうだ。と言ってもいいくらいだ。
でも本当は、ぼくは、無視され、嘲笑され、追放されたのだ。どこから? ほかでもない、この偽善に満ちた社会からだ。
偽善的な言葉だけの正論が、金と暴力の裏づけによって社会を動かしている。ぼくには分かる。国家とか権力から自己に押し付けられた社会的強制が、イマジネーションの領分にまで及んできたら、ぼくは、できるなら、いや、できる限り、ぼくは、ぼくのイマジネーションを堂々と駆使してそれに反抗すべきなのだ。そう、ぼくは、詩によって暴力に立ち向かうべきなのだ。そう、ぼくにはそうする”資格“がある。なぜなら、ぼくは詩人だから、、、。そして、真実の詩には正義が宿るから。そう。ぼくの詩的なイマジネーションが偽善ではなく自由を希求するなら、ぼくはそれを言葉にするべきなのだ。そうすればぼくは他人から無視も嘲笑も追放もされず、逆に拍手をもって歓迎されることになるだろう。否、そうなるような詩的な、美しい言葉をこそ、これからぼくは発しなければならないのだ。なぜなら、ぼくは詩人なのだから、、。


いつものように朝8時半、新宿地下街にポリッシャーを掛け終わった。
ロッカー室に戻るとお茶の時間だった。
男たちはタバコを吸っていた。ぼくは、便所掃除のおばさんが淹れてくれるお茶を飲み、掃除の会社が出してくれる菓子を食べていた。
この地下街を掃除している全員が集まって、地下街の通路のどん詰まりにあるビル清掃会社の事務所のロッカー室の奥の座敷に座って束の間の休憩。総勢二十数人。その中で、若いバイトはぼくを含めて六、七人。床にポリッシャーを掛けるチームだ。あとは機械を使えない年寄り連中が七、八人。床のタバコ掃き専門のおじさんが二、三人。便所掃除のおばさん連中。そして、地下のゴミ集積所担当のおじさんが二人。
このゴミ集積所担当のおじさん、一人はガリガリに痩せていて口がうまく利けない、もうひとりは頭がやたらでかい。頭のでかいおじさんは、どちらかというと痩せたおじさんの監視役だ。自分ではあまり働かない。体を動かすより口を動かして、コンビを組んだウサギ目の痩せたおじさんに大声で指導して活を入れている。
二人は、地下駐車場の一角にあるゴミ集積所で朝から晩まで働いている。ゴミ捨て場専門で、一年中、地下のゴミ集積場にいる。地下街のショッピングモールにある全ての店舗のゴミが集まるその一角は、薄暗くじめじめしていて、飲食店から出される生ゴミの強烈な悪臭が充満している。痩せたおじさんは薄暗いゴミ捨て場で、まるで大きなドブねずみのように、生ゴミでベトベトしたゴミバケツの整理をしたり、油で真っ黒になった床をブラシで洗ったりしている。作業服も汚れ、髪の毛もべっとりと額に張り付いている。いつも黄色くうす汚れたガーゼのマスクをしているから、表情が分かるのは目だけだ。苦悩の深い皺が刻まれた額にベットリ張り付いた真っ黒い前髪と汚いマスクの間からのぞき見える垂れ下がった瞼の間から、絶望しきったウサギのように真っ赤な両目が見える。
おじさんはその目でなにを見ているのだろう。時間毎にゴミの収集車がやって来ると、清掃車の作業員がゴミバケツの中身を次から次にゴミ車に投げ込む。それを飲み込むゴミ車。この世から隠したい人間のエゴが廃棄した現代文明の成れの果てを、必死で亡きのもにしようとしている。おじさんは悪臭のするゴミバケツの間をまるで下等な爬虫類のようにうろうろしながら、空になった業務用のポリバケツにホースで水を掛け、洗剤のついたブラシで付着した生ゴミのカスを洗い流す。世の中の地位のある人からは嘲笑され、絶対にノーベル賞も貰えない、そんな仕事。それでもおじさんは几帳面にきれいに、空になったポリバケツを洗う。ひとつずつ、丁寧に。ひとつずつ、きれいに。ひとつずつ、几帳面に洗い流す。
ひとつずつ。
ひとつずつ。
休憩時間にゴミ捨て場のおじさん達がロッカー室に戻って来ると、強烈な酸っぱい悪臭が漂ってくる。便所掃除のおばさんは、自分も糞の臭いがすることを棚に上げて、ウサギ目のおじさんの強烈な臭いを口汚くののしる。そして、冗談ともつかないわけの分からないことをゴウゴウと言う。痩せたおじさんは、汚いマスクで口を押さえながら、口うるさいおばさんの入れてくれたお茶をすする。そのお茶が口からこぼれ落ちると、おばさんが雑巾で畳を拭き取る。
「きたないねー。あんた! 口押さえて飲みなさいよ!」
おじさんは三口を誰にも見られないように、夏でもマスクをしているのだ。薄汚れたガーゼのマスク。それがおじさんの顔と一体化している。休憩時間にお菓子を食べ、お茶を飲むときもマスクを外さない。だから、どんな表情をしているのか分からない。唯一、真っ赤に充血した小さなウサギ目以外に、おじさんの内面を伺い知ることができるものは他にない。ただ、眉間に刻まれた深いしわ。それだけは、おじさんの苦悩を幾分か物語っているように見える。精神的苦痛に耐え続けてきた獣の刻印のような深い皺。苦悩の表情のまま固まってしまった青白い蝋人形のような額。うす汚れた黄色いマスクの奥から、うめくような、か細い声が漏れる。なにか人間の言葉を発しているのは確かだ。でも、だれもそれを聞かない。なぜなら、“おじさん”は、人間以下だから。だから、そんな“おじさん”に話しかける言葉があったとしたら、それは“からかい”であり“さげすみ”であり”叱責“でしかないのだ。
今日、ぼくは初めて、ウサギ目のおじさんをいじめているおばさんに言った。
「おばさん。うるさいよ! 静かにお茶飲めよ!」


この哀れなウサギ目のおじさんと頭のでかいおじさんはコンビで、そしておばさんを入れるとトリオだ。日の当らない地下街で、あんなに真面目に残飯の入った汚いポリバケツをきれいに洗い、便器を雑巾で拭っている。それなのに、なにも報われない。最低の賃金で、社会の底辺で、文字通り地下のまたその地下で、お天道様の当らない所で、誰の目にも触れられないまま、汚い仕事をしている。
毎日毎日、毎日毎日。
毎日毎日、毎日毎日。
一年365日がその労働のためにある。それがおじさんの人生なのだ。
これが、“自由競争”の当然の結果なのだろうか。汚いゴミを自分では始末しない役割分担社会の当たり前の日常なのだろうか。
しかし、おじさんは口をガーゼのマスクで隠し、なにも言わない。なんでこんなにも無力なのだろう。
アメリカ合衆国大統領は、自由のための戦いと称して、異国の女子供を虐殺しても、まったく罪に問われない。偽善者だ。悪人だ。誰か地獄に行くべき者がいるとしたら、彼を措いてほかにはいないだろう。それに比べて、この三口のおじさんはなんて芯から善人なのだろう。ただただ弱いだけで悪を行えない。悪すら行えない弱者だから、善人なのか。それとも、善人だから、弱くなるのか。それに比べて、世界でもっとも強い権力者であるアメリカ合衆国大統領は、たった一人で、世界を滅ぼすことができるだけのパワーを所有している。世界最強の軍隊を持ち、石油の利権を掌中に入れ、自由に世界に利権を配分する。しかし、その持てるパワーを行使するとき、まったく知恵がなく、ただの偽善者で、自分の利益しか考えないエゴイストだから、ただただ世界に混乱と混沌と絶望と復讐だけをばら撒いている。その口先で叫ぶ正義のなんたる悪徳。利己的利害のために人殺しも虐殺も憚らない。しかも、それを正義だと主張し、自分では手を汚さず、国民を殺人に駆り立てる。最も力の弱い者が、知力の弱い者が、ちょうどこのおじさんのように、自己の存在をリスペクトできない者が、平気で自分の命を、名ばかりの国家に捧げる。そして、そうした従順な子羊の群れに支えられ、守られて、狼は権力を得、利権を得、自分をスーパーパワーの所有者として、その力の行使者として、さぞ偉い何様スーパー・ヒーローとして、歴史上の偉人として、とんだ勘違いの利己的エゴを膨張させ続ける。風船がどんどんどんどんバブルのように膨らんで、国民も政治家も、マスコミも思想家もはなはだしく勘違いしたまま、間違ったゲームが際限もなく続いていく。そんな中で、“平和”というスローガンが、まるで幻想のように叫ばれる。そのゲームの中では、逆に“幻想”こそが目覚めることなのだ。そう。この倒錯したゲームをやめるとき、平和は初めからそこにあることに気付く。逆に、ゲームをやめない限り、平和はない。しかし、そのゲームの中では、ゲームを放棄すること、放り出して一抜けることは、“幻想”と呼ばれている。スーパーパワーによって、そのように洗脳されているからだ。しかし、間違ったルールで成り立つゲームで遊んでいることこそ、“幻想”に支配されていることではないのか。


休憩時間が終わり、地下駐車場の、暗い通路を歩いているぼくは、耳鳴りを聞き、脳内に圧力を感じ、眩暈を覚え、通路にうずくまる。


ジョン・レノンが殺された前日、既にアメリカは革命を起こそうとする者を監視する膨大なシステムを完成させていた。膨大な数の国家公務員がそこで働いていて、軍産複合体国家の崩壊の予兆を潰そうと、絶えず世論を監視していた。奴隷国民から搾取した税金で、世界で最も多くの戦争を遂行し、最も侵略を好み、最も多くの人殺しをしてきた国家に、“平和”というスローガンで盾突く詩人がいたら、そのたった一人の詩人から、世界最強の軍事国家の最高権力を守るために、詩人をテロリストと名指し、「彼は狂っている」、「彼は殺人者だ」、「彼は軍隊よりも恐ろしいゲリラだ」とマスコミを使って全国民を洗脳する。そして、軍需産業の作った兵器を減価償却する者を召集するため、一般人に催眠術を懸け、愛国者に仕立て上げ、ただ、アメリカ合衆国の権力者達を守らせるためだけに自らの命を差し出させ、兵器と伴にその命までも爆破する。つまり、愛国的で善良な納税者と徴兵される若者は、奴らに搾取されている奴隷に過ぎないのだ。そして最後は虫けらのように殺されるのだ。それなのに、それに気付かない。税金はウラニウムに投資され、世界各国から自国の大学に集まる知性は金で買収され、世界的金融ネットワークを運営させられ、巨大なシンジゲートの中に組み込まれるために洗脳される。だから、ただのIQが高いだけの知性は軟弱だ。爆弾を発明し大量生産した者が創設した賞を貰い、平和に貢献していると自負している文学者や詩人や科学者たち。彼らの言うことはいつもの決まり文句。
「科学は善に使えば善になり、悪に使えば悪になる」
そして、国家のためと称して、人殺しの片棒を担ぎ、大量破壊兵器の開発に携わる。ノーベル平和賞、そして、文学賞。爆弾を発明したことで儲けた金で設けられた賞と金で詩人が買収され、平和の歌は偽善の絵空事と化す。
買収された詩人達の歌う偽善の歌。

愛こそすべて!


次の日、からっと晴れた気持ちのいい夜だった。
銀色の上弦の月が光っていた。
腕時計を見ると夜9時15分だった。
誰かが後ろからついて来る。
黒い影のように見える。
「きみも帰るの?」
しばらく、彼女と一緒に駅まで歩き、地下鉄の階段を下りて同じ電車に乗った。
そのままその黒い影のような彼女は、ぼくのアパートまでついてきた。
じつは彼女は今もここにいる。
顔を洗い、着ているものを脱いでパンツ一枚でベッドの上に座っているぼくの傍らに、なぜか黒い彼女も影のように座っている。
黒い霧のような彼女。こんなボロアパートに食事でもしに来たのだろうか。もしそうだとしても、ごめん、きみに出せる食器はないよ。食器はぼくの一人分しかないからね。ぼくは高校の頃から、近くの禅寺で毎週やっている参禅会に参加していた。夏休みの一週間、禅寺での泊まり込みの接心に参加したこともある。そのときに覚えたこと。それは、お茶碗が一つ、お箸が一膳、お椀が一つ、お皿が一枚、湯呑みが一つ。持ち物はそれですべて事足りるということ。あとは何もいらない。だから、何も持たない。ぼくはそんな禅の生活が気に入った。だから、独り暮らしを始めたとき、部屋には必要最小限のもの以外は、一切置かないことにした。だから、ずいぶんと寂しい部屋に見えるだろう? きみをもてなす何物もぼくは持っていないんだ。唯一の贅沢は、このベッドだ。古道具屋で安く売っていたクイーンサイズのフランス・ベッド。どう? なかなかファンシーだろ?
着るものも、見てのとおり、ほとんどなにもない。下着が四、五枚と、ジーンズが二、三本、あとはTシャツとトレーナー、Gジャンと靴下くらいだ。充分あるじゃないかって? 確かに。ぼくもそう思うよ。でも、寒くても毛糸のセーターは着ない。ごわごわして気持ちが悪いから。ぼくはそもそもおしゃれじゃないし、着るものも寒さがしのげればそれで充分だと思っている。
冷蔵庫は近くの個人商店の電気屋で見つけた。一番小さいのを選んだのに、サーモスタットで約一時間おきにモーターが回る。夜は音がうるさくていやになる。こんな冷蔵庫捨ててやろうかと思うけど、夏は冷蔵庫は必需品だ。中には水と氷以外ほとんど何も入っていないけどね。ときどき夜中、冷たい水を飲みたくなるだろ?
風呂はない。近くに銭湯がある。今どき珍しく、富士山の絵が壁に描いてあって、タイルには鯉が泳いでいる。ぼくはそれが気に入っている。真っ裸で鯉が泳いでいる絵を見ていると気持ちがいい。本当に富士山を見ながら温泉にでも浸かれたら最高なのに。そう思わない?
あっ。今気付いたけど、きみはスリッパも履かなかったんだね。ごめん。でも、ぼくもいつも裸足で二階のこの部屋まで階段を上がって来るんだ。汚いスリッパがあるんだけど、いつも誰かに間違えて履かれているみたいで、あっちこっちに行方不明になっている。だから、裸足で上がってきて、この部屋に入って最初にすることは、濡らした雑巾で汚い足を拭くことなんだ。そして、顔を洗って裸になる。
「いい部屋ね」と、お世辞にでも言われないだろうね。
でも、何もないかわり、清潔なのは確かだ。ぼくは綺麗好きだからね。汚い畳は雑巾で何度も拭いて、それでも汚かったから、吉祥寺の布地屋に行って帆布を何メートルも買ってきた。畳の上に敷いてあるのは、その帆布ってやつだよ。絨緞用の画鋲を何本も畳に刺して、動いてしわしわにならないようにしてある。壁の汚れを隠すために和紙も張ってある。できるだけ大きな手漉きの和紙を世界堂で買ってきて、紙テープで張り付けた。手漉きの和紙は、かなり高かったけどね。奮発したんだ。だから、部屋の中は、麻色一色で統一されているだろ。自分では、この内装、なかなか気に入ってるんだ。
「そこに座ってるのかい?」
彼女は何も答えない。
突然彼女は壁に貼り付けてある絵を黙って指差した。ぼくが画用紙にクレヨンで描いた画だ。
どうやら、この影のような女の子は、絵が好きらしい。キューレターにでもなるつもりだろうか。だったら、ぼくの絵も有名な美術館に収蔵してほしいものだな。
彼女が笑った。


昨日、女の子は、ぼくのボロアパートに泊まった。今日の朝、出てくるとき、彼女らしき黒いものが毛布に包まってベッドの下にいた。どうせ寝ているのだろう。死んでいるのかもしれない。そう思いながらも、遅れそうだったので急いで部屋を出た。
今日も新宿の地下街にポリッシャーを掛けるために朝6時15分にアパートを出た。
そして、いつものように、ぼくは・・、このまま掃除のバイトを続け、バイト代が溜まったらベルリンに行くつもりだ。否、パリのほうがいいのかもしれない。そう。フォンテーヌ・ブローで散歩しよう。迷子になったらうれしいだろうな。クレヨンで描いた絵をシャンゼリゼに飾れたらいいのに。ぼくの夢は、・・えーと・・夢といえば・・。この子も一緒について来ればいいのに。


2004年4月11日

眠い。布団から出られない。もう一週間もバイトを休んでいる。頭が割れるように痛い。彼女がぼくの部屋に泊まって以来、なんだかおかしい。夜になると、部屋の片隅に膝を抱えて座っていて、ぼくを見ている。なんだか奇妙だが、それが当り前のように怖くもなんともないのはなぜなのだろう。
彼女はぼくをじっと見つめている。まるでこれから何かが始まるのを見守っているかのように。ところが、それからというもの、なんだか風邪に罹ったみたいに熱が出てきて、なんにもやる気がしなくなってしまった。バイトにも行く気になれずボーとしている。きっともうクビだろう。
布団を被って寝ていると、別の世界にワープしたみたいで気持ちがいい。でも正直、だんだん不安になってくる。
遠くの空から、低い唸るような音が聞こえてきた。
ヘリコプターの音だ。
突然近づいたかと思うと、爆音になる。
アパートの窓ガラスが今にも割れんばかりにガタガタと揺れ、安アパートの骨組みまでがぶっ壊れそうに震動する。
いっそうのこと、このアパートを爆撃してくれればいいのに。
でもヘリは猛スピードで遠ざかっていく。
生暖かいベッドに伏せると、なんだか、非現実的な夢を見たようで幸せな気分になる。いや、まだぼくはその“非現実”の中にいるのかもしれない。このまま永遠に、夢の世界に引きずり込まれていれば、現実を忘れることができる。この世が終わる黙示録の終末の夢。目を瞑るとはっきりと見えてくる。でも、寒くて眠れない。窓が開いたままだ。冷たい風がビュービュー吹き込んでくる。


ぼくの頭の中に、イメージが湧いてくる。
1.海岸に打ち上げられた無数の死んだ魚。その魚の目は白く濁っている。
2.燃え上がるアマゾンの熱帯雨林。無数の鳥たちが必死に羽ばたいて空高く舞い上がろうとするが密林を焼き尽くそうとしている炎に煽られ焼かれて次々に落ちていく。
3.人口衛星からの砂漠化した地球の衛星写真。森林を示す緑のドットはほとんどなく、すべて砂漠化した赤のドットで塗りつぶされている。
4.NY・ロンドン・東京・上海の株式市場の電光掲示板。スムーズに流れる株価の数字。それらが一斉に急落していく。
5.南の島のリゾート・ホテルのプールでカクテルを飲んで日光浴している富豪の太った腹。高級ブランドのサングラスを掛けている。そのサングラスを通して見る太陽は真っ黒。
6.最後に、地球のあちこちに集結する戦車。空を飛び交う戦闘機。世界中のあちこちで火山が爆発している。血で血を洗う殺し合い、奪い合い、殴り合い、憎しみ合う、流血のイメージ。兵士が、空爆で瓦礫と化した民家から、女を引きずり出し、銃剣の柄で叩いている。


「今、金融だの情報だのを動かしている国際金融資本だけが、欲望に飢えた男根のように、肥大化してるのよ。そして、それだからこそ、世界規模で、第一次産業はだんだんと衰退していくばかりなの。だから、小規模農家は成り立たなくなって、みんな穀物メジャーに吸収されていくしかないのよ。それを止めようたって、誰にも止められやしないのよ。」
女の子が初めて喋った。

「だから?」
とぼくは彼女に尋ねた。
「だから、土壌は痩せて、表土は流出し、大規模な砂漠化が進行していくの、地球規模で。そして、食糧難になり、人々は餓えるの。熱帯雨林は伐採されて地面はむき出しになり、太陽に照らされてカラカラに乾燥し、異常気象が起き、世界規模でのカタストロフが飢饉に折り重なって起きるの。」
「だから?」
「だから、今のうちに目覚めるのよ! 日本の企業で働いているサラリーマンは、今すぐ脱サラして、これからは、工場で工業製品を生産する方法を考えるかわりに、農作物を、自然に則ったやり方で作る方法を考えるべきよ!」
「そんなことで、君の言う地球規模のカタストロフは回避できるのかい?」
顔を上げて「どうして?」と彼女は言う。
「だって、あなたにはできる? お金にもならない農作物だけ細々と作って、一切自然を破壊しないやり方で、それだけ食べて生きていくなんて。街にはいろんな服も工業製品も電気製品も車も情報もあるんだよ。それなのに、それらをすべて捨てて、ただ、自然に、自然な食べ物だけを生産して消費しましょう、それだけを食して満足しましょうだなんて、だれにもできないよ! そんな社会なんて、つまんないってだれでも思うだろ。あなたは、そんな生活が望みなの?」
「まあ、たまには映画を見に行ったり、マックでコーラを飲んでフライド・ポテトも食べたくなるでしょうね」
「そうだよ。そう。人間だれだって綺麗な服も着たいし、美味しいグルメも食べたいと思うだろ。それに、かっこいい車にも乗りたって思うんじゃない? ぼくはちがうけどね・・」
「アメリカ文化に汚染された、情報・・資本主義、金融・・軍需産業、資本、石油・・原子力社会、この世界を名づけると・・そ・・そ・・そんなふうに・・あ・・そう。そう・・ね。農本主義・・詩情経済・・自給自足・・精神倫理社会じゃない・・のよね・・」
彼女の姿がだんだんと薄くなっていく。今にも消えてしまいそうだ。
「でも・・、カタストロフは・・まだ回避できるわ・・そして・・、あなたは・・、戦争を終結させることも・・できるの。そう・・あなたはなんでもできる・・国家権力を手にした独裁者よりも・・強いの。そう・・でしょ?」
「ああ。革命でも、なんでもするよ!」
「ナポレオンにも・・」
「ナポレオンにも?」
「ナポレオンにもできなかったこと・・」
「え? それをぼくにやれっていうのかい?!」
「そう!」
彼女の姿がまたハッキリした。
「たかだか、百年か二百年よ。近代化してから。現代っていったって、なにが変わったっていうの? 二つの大戦で、人類は想像でき得る限りの残虐な殺戮を同胞に対して行っただけじゃない。言葉と肌の色と信条の違いによって・・そして、殺し合いの末に、力による世界秩序が出来上がり、曲りなりにも〈平和〉が構築された、と思っている。科学技術が発展し、工業製品が大量に生産されるようになった。コンピュータネットワークが張り巡らされ、情報が瞬時に世界中に発信できるようになった。でも、テクノロジーはどこにも連れて行ってはくれないわよ。それよりも、イマジネーションの方が、遥かに遠くへわたしたちを連れて行ってくれるの。そうでしょ?」
彼女はハッキリとそう言うと、突然消えてしまった。


イラクでは、米軍による大規模な “テロリスト” 掃討作戦が展開されているらしい。
ファルージャでは、モスクに対しても攻撃し、女や子供の死者も多数出ているという。
ブッシュが再選され “テロに対する戦争” を、大手を振ってやれると舞い上がっているのか?
ブッシュよ! ラムズフェルドよ! はしゃいでいるんじゃないだろうね? 君たちの石油会社や軍需会社が儲かると思って、それしか頭にないんじゃないんだろうね? 
アメリカ合衆国は、テロリストに対する戦争をしているのではなく、女子供を殺しまくっている!
「イスラム原理主義者は、テロリストだ」という先入観が宣伝され、グローバル・スタンダード企業の経済を貧しい人間の命よりも優先する “裕福な企業家” が国の政策を決定している国の国民は、イスラームは、そもそも原理主義であることをすっかり忘れているか、全く知らないのだろう。


大塚和夫著 『イスラーム主義とは何か』(岩波新書)に、次のような一説がある。「『原理主義』という用語の問題点 ・・略・・ 現在、世界に十三億ほどいるといわれるムスリムの大半は、その聖典・クルアーンは唯一絶対神、世界の創造主であるアッラー(神)の言葉の集成であると信じており、したがって無謬であるとみなしている。クルアーン無謬説は、ほとんどのムスリムが堅持している立場なので、この基準をあてはめれば、ほとんどのムスリムが『原理主義者』となってしまう。」


だから、イスラム原理主義というとき、ブッシュを応援した “ボーンアゲイン・クリスチャン” のような頭の悪い“キリスト教原理主義者”と同列に考えていると、十三億のムスリムを全員敵に回すことになるのを覚悟しておいたほうがいいだろう。
当然、モスクを戦車で撃ったのだから、その覚悟はできているのだろうね。
アメリカは、自分は最強だと自惚れているのではないか?
そう、そして、モスクにいた女や子供や市民を殺して、ちょうどそのような最中、アラファト議長がパリで亡くなった。
葬儀は、エジプトのカイロで開かれるという。
きっと、アラブ世界の首脳が集まるのだろう。もちろんイランも、アラブ以外のイスラム圏の国の首脳も。
日本では、川口前外相が出席するという。
モスクを戦車で攻撃したのはアメリカだけど、それを支持している日本も、もはや「イラク復興支援のため、イラク人のため、水や道路や学校を直すため、“自衛隊を派遣している” のだ」とは言えない段階にきているのはわかるだろう。

(終)