幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

3年が10年に

2022-09-22 02:35:00 | Weblog
 

おはよう

きみはまだ寝てないの?
 
僕がこんなに早くに起きているのは
 
まだ寝ていないからです
 
メールを何度もしたんです

でも電話のようには応えてくれなかった

電話ボックスは海岸にありましたね

覚えてる

あなたのかわいい頭の形

そうあの

電話ボックスに行くには

(なかなか行けないけど)

高速を降りてゆっくり走って

誰もいない明け方だから

それなりにダルくて

気づいたら海が見える

それ以上先がない

海だから

あそこだよね

あの電話ボックスの前


僕が電話した

訳もなく

だって

どんな理由がある?

きみを誘い出すのに

どんな正当な理由がある?

ありゃしない

理由なんか

ただ

そうしたいだけ

だから

そうしただけ

だから

そこには

きみと僕しかいなくて

あそこはまるで二人だけの舞台

まるで映画のセットのようだったね

海岸の岸壁

冷たいコンクリート

その先には塩辛い海が波だっていて

そこに電話ボックスがあった

誰と交信する?

あの世との交信

もうこの先の命がないとしたら

あなたは誰と交信する?

もちろん僕だったらきみだよ

だからきみと交信したんだ

あのとき

そしてきみはやってきた


そして僕はメールした

覚えていますか?

何通も何通も

でもきみは

電話のようには出てくれなかった

あのときのように

僕の前には来てくれなかった


おはよう

きみがまだ寝ていないとしたら

それは眠れなかったから?

それとも今起きたから?

僕はまだ寝てない

眠れない

でも、もしかしたら

もう眠っていて

ただ夢を見ているだけなのかもしれない


知らないのは私だけのようです
 
私はまた振り出しに戻ってしまいました
 
ゲームを1からやり直しです

それは、それで、仕方のないことだし、
 
なにか理由があるのでしょう
 
そうだとしたら、
 
わたしはまた、
 
今度も初めから、
 
たった一人で、
 
同じ道を辿るしかありません
 
また、あそこで、
 
あのように出会えるかもしれないと
 
映画の巻き戻しのようには期待できないのは知っています
 
もう、すでにゴールしてしまったのですから
 
2年前、
 
3年後と言った時は、
 
あと1年後に迫っています
 
でも、今年がすでに2022年ですよね。
 
2023年はどうなるのでしょう。
 
今のわたしにはまったくわからなくなっています
 
果たして
 
インドにいるでしょうか?
 
それとも、シャスタ山の麓に?
 
それとも、カルデラの島?
 
 
気が向いたらいつでもメールください
 
昔の、ショートメール・・・

思い出したよ

きみと一番最初に交わした

ショートメール

I love you って

他に思いつかなかったの?(笑)

でもあのあと

ロスト イン トランスレーションになって

でもまだ一度も愛していると言ったことがないと

え? それって、声で?
 
そのあと

一時期

その声に恋焦がれたけど
 
それでは、
 
楽しいことがたくさんありますように。
 
 
Genji Murasaki


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



もう何も

2022-09-12 22:35:00 | Weblog
 
僕はわかっていた
ありえないこと
絶対ありえないことだと

だからぎりぎりまで
平常心を
保っていれば
大丈夫だと
高を括っていた

でも突然
それはやってきた

僕は突然
奈落に堕ちた

その瞬間
自分でわかった
これはもう
どうしようもできないことを
自分で自分の感情を
もうコントロールできなくなってしまったことを

その瞬間から
それは勝手に
ますます僕を
深みに引きずり込んでいく

どんどん深くなって
闇もどんどん濃くなって

もう目の前には
何も見えない

あなた以外
もう何も見えない

もう何も
あなた以外何も

想像もできない

ほかのことを

考えることすらできない

ただあなただけに
飢えを感じ
乾きを感じ

そして
決して報われることのない
永遠の時間のすべて

それはあなたのもの

自分でよくわかっている
これは絶対に
かなえられない

永遠の渇望だということを

あなたは僕に魔法をかけた
あなたの言ったとおり

僕は

破滅するだろう

確実に

バラバラに

解体されるだろう

跡形もなくなるくらい
粉々になって

ついに

僕が消えれば

そのときやっと

あなたを忘れられるかもしれない

ほらわかるだろ!

あなたはついに

僕の全てになった!

そのことを
僕はあなたに
告白する

もう僕は
僕にとって
何の意味もない存在になった

あなたにこそ
意味がある

僕のすべての意味は
あなただけにある