幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 きみは? さんさーら?

2013-12-27 01:09:20 | Weblog

 
 
  平坦なまな板のようなシーソーの道
 
  歩いたことあるよ 僕は
 
  歩いたことある? きみは?
 

  そのとき欲しいものあった?
 
  ぼくはあった
 
  きみ
 
  きみだった
 
 
  だからあんなことしたし
 
  あんなこともしたし
 
  あんなこともしようとした
 
  
  全部、きみにした
 
  きみを相手にしたことだ
 
  
  したことすべて書いておこうかな
 
  でもやめておくよ
 
  明日は、と言っても、もう今日は金曜日だから
 
  
  あなたはあなた
 
  ぼくはぼく
 
  でも、だれもしらない僕の秘密を知っているあなた
 
  あなたの秘密だって知っている僕
 
 
  まだ井戸水をくみ上げている家があるんだって
 
  骨が折れるだろうね
 
  僕の骨は折れているけどね
 
  きみは綺麗な井戸水が飲めるよ
 
  
  夢のような所
 
  僕が連れて行ってあげる
 
  そんなことしかできないから
 
  僕には、つまらないことしかできないんだよ
 
  
  明日は雨が降ったらだけど
 
  蝙蝠傘差して歩いていくと
 
  川の近くに大きなマンホールが空いていて
 
  中から水が噴き出しているんだって
 
  そこに両足を突っ込むと
 
  吸い込まれていくんだよ
 
  もちろん、異次元ってやつさ
 
  すごい加速度で落っこちて行くから
 
  死ぬんだと思うと思うよ
 
  そう
 
  実際に死ぬんだけどね
 
 
  でも大丈夫
 
  別の物語に必ずつかまるから
 
  そうきみは決めて来たんだよ
 
  あのピラミッドの王の棺の中でね
 
 
  人生なんて短い物語だと思えば
 
  明日の心配なんてしなくて済むよ
 
  実際には、なにも選択なんてしちゃいないんだよ
 
  大きな川に流されているだけさ
 
  
  ときどき空中に浮遊したりするけどね
 
 
  きみはどう?
 
 
  牢屋に入ったことある?
 
 
  ぼくはないけど、脱出したことはあるよ
 
  
  空中を浮遊して
 
 
  昨日も、海の端っこまで行った
 
  そうしたら、携帯が通じないんだ
 
  へんな表示がでてきて
 
  現代のテクノロジーなんてそんなもんさ
 
  いくら頭よくたって、企業なんて金儲けが目的だから
 
  そこまで考えて作ってる奴なんて誰もいないんだよ
 
  海に浮かんで、太平洋を漂ったら
 
  どんな気持ちがするか想像もできない連中さ
 
 
  生きていることを鈍感に忘れている
 
 
  無限大なのに
 
 
  ありえるんだよ
 
 
  ちょっとぼくがやってみるからね
 
 
  あなたにだけは見せてあげるよ
 
 
  なんか描いてみるよ
 
  文字とか線とか、色とか、
 
  ペイントしたり、してね
 
 
  僕の中にある情熱を感じてくれるかな?
 
  骨が折れる程、強くだきしめたって
 
  わからないだろ
 
  ぼくの胸の中にあるものがどんな炎で燃えているか
 
  熱くて、火傷しそうなんだけど
 
  わからないだろ
 
 
  
  
  だから
 
 
 
 
  夢のようなところ
 
 
 
 
  抱き締めたって
 
 
 
  
  すり抜けてしまう
 
 
 
  
  だから
 
 

 
  さんさーら
 
 
 
 
  夢のようなところ
 
 
 
  
 
 
 

  
 
 

 
 
 

 

 
 
 

 
 
 

 
 
 
 
  

 クリスマス、青山のおみせ

2013-12-26 02:29:18 | Weblog

 
 
  どうしてる?
 
  シャンパン飲んだ?
 
  そんなの飲まなくたって生きていけるけど
 
  むしろエックスマスにそんなの飲まない方が、長生きできるかもよ
 
  なにしろ、青山のレストランは満員だったからね
 
  善良なカップルが、ほとんどだった
 
  女性はそれなりにオシャレをして、お化粧をして、綺麗だったけど
 
  男の方は、スーツを着ていても、たいしたことなかったな
 
  ワイン一本が一万円以上するし、下手すると二万円もするんだから
 
  そんなの何本も開けてる人は、なんか見せびらかしてるみたいで、イヤミだったな
 
  どうせ仕入れ値は三千円にもならないんだから
 
  あぶく銭ができたら、何本も開けてやるけど、
 
  僕には、二級酒の方が合っていると思う
 
  ドンペリなんか、絶対飲まないだろう
 
  それだったら中国産か、アメリカ産の生レモンで作った安焼酎のサワーで、僕には十分
 
  フォアグラ食べるんだったら、ブタのレバーや、ハツやハツモトを食べている方がいい、一本百円だから、福島産でもしょうがない
 
  でも、善良なカップルがクリスマス・ディナーに来ていたよ、青山に、オシャレして
 
  それなりに美味しくて、ワインも最高だったし
 
  サービスもいいしね
 
  外苑の所にある青山のキハチって店
 
  まあ、悪くはないね
 
  六本木のボタニカよりボーイがちゃんとしてる
 
  料理は、ボタニカの方が美味しいかもね
 
  厨房の中はきっときちんとしてるんだと思う
 
  でもホールの方は、チャラいボーイがいて、ベラベラしゃべっていたりする
 
  こういう店は、ダメだね
 
  二度と行きたくなくなる
 
  キハチよりも、さらに高いのにね
 
  教育がなってないんだろう
 
  銀座にあったイタリアンのベンティーはまだあるんだろうか
 
  この前探したら、なくなっていた
 
  美味しかったのに
 
  ワインのこともいろいろ教えてくれた
 
  楽しい店だった
 
  でも僕のお気に入りは高円寺の明神丸と西荻の戎かな
 
  そのあたりが、ぼくのステータスにピッタリしてるってことだろう
 
  貧乏人が、気兼ねしないで飲んで食べられる店
 
  もちろんボーイも居ないし、高級な内装もないけどね
 
  それなりの刺身だってあるし、肉だってある
 
  酒はそんなに美味いもんじゃないが、飲めないほどでもない
 
  僕には、その程度で十分
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 










 かわいそうなポロック

2013-12-16 22:37:10 | Weblog

 
 
  かわいそうなポロック
 
  あんなにきれいな曲線を描いたのに
 
  メチャクチャだと思われて
 
  貧乏画家
 
  頭も禿げて
 
  奥さんもかわいそう
 
 
  サイ・トゥウンブリーはカッコいい
 
  絵がカッコいい
 
  あんなに下手に描けるなんて
 
  ずば抜けている
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 






 シュレーバーより連想する

2013-12-15 00:28:30 | Weblog

 
 
  性的妄想は死んだのか?
 
 
  快楽と言うと同時にタブーが裏側にくっついてくる。
  
  タブーは創造行為に権力を付与したものである。
  
  快感は生殖行為に関わる報酬であるが、
  A10神経は、
  困難な行為を達成したとき、
  脳内麻薬を分泌させる。
  
  困難な創造行為と性的達成。
  
  この二つは対極にあると同時に、
  生殖行為という創造行為を達成したとき、
  古い脳は、報酬として脳内麻薬を分泌させるのと同じように、
  人間は、性的空想にふけるというイマジネーション上の創造行為を、
  自らの脳でたった一人でやってのけられる動物だ。
  
  たとえ異性が現実にそこにいなくても、
  肉体的に興奮し、
  性的快楽を得ることができる。
  
  この肉体的神経生理学的行為はパヴロフの犬以上に複雑なメカニズムではないが、
  想像という創造行為は、
  大脳に還元され得ないペンフィールドやエックルスが論じる二元論的意味での心の属する場所、
  すなわち天国と地獄の領域であり、
  宗教家が受ける啓示の領域であり、
  人間の性的空想は、
  宗教的倫理にかかわる問題でもあり、
  非常に宗教的だ。
  
  その意味で、シュレーバーの神との接続は、
  神経のシナプス間で放出したり受容したりするホルモンの分泌命令が、
  神経に流れる電気信号を司るわけだが、
  単に皮膚に覆われた自己という閉じた主体内で“自己完結”しているものではなく、
  いわば“神”とよばれる“他者”との相互作用によって成立している
  複雑なメカニズムを有していることを暗示している。
  
  「神経接続」によって受ける神の光は、
  肉体の神経系で作用している電磁気学的化学的なものにとどまらず、
  無数のパラレル情報をを有している神学的情報である可能性を暗示している。
  
  通常、神経は、
  感覚器官の外界からの刺激以外の信号を直接外界から受け取ることはありえない。
  
  いわゆる五感によってしか人間は“外界”を認識できないのであるが、
  感覚器官からの信号は、一旦脳で情報処理され、
  神経繊維内では電磁気が流れ、また、シナプス間ではペプチドホルモンの受け渡しが行われ、
  “客観科学化”という形に変換されて“物理学的”に伝達されるわけだ。
  
  電気は、電圧の差こそあれ、その性質は同一である。
  
  また、例えばモルヒネのペプチドの分子式は、常にモルヒネであり、その他の性質を有することはない。
  
  その意味で、神経系の情報伝達は安定しているがゆえに、
  “表象”が混乱することはあり得ない。
  
  しかしもし、神経が何らかの刺激を電気や分子を介しないで、
  直接“感じる”ことができるとしたらどうなるだろうか?
  しかもそれが、この世のものではなく、“あの世の光”を電気や分子と換わるものとして、
  直接感じることができるとしたら・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 今日はいろいろと大変だった

2013-12-12 01:00:29 | Weblog

 
 
  今日は忙しかった
 
  そしてたいへんだった
 
  脳に別の薬を入れてみたのがいけなかった
 
  いや、いけなかったのがわかったのだからよかった
 
  そして、入れるのは脳だけじゃない
 
  身体の細胞の一個一個
 
  そして主にチャクラ
 
  一番神経が集中している所
 
  その中でもやっぱり脳と目玉だ
 
  生体はけっこう複雑なことをしているが
 
  仕組みは単純でもある
 
  だから製薬会社の研究員ごときが薬を開発できる
 
  それより、アシッドを解禁した方がよさそうだ
 
  いろいろな文化が生まれた
 
  サイキデリックとか
 
  イージーライダーとか
 
  ヘアーとか
 
  だから逆に言えば、新しい文化が生まれるようなケミカルは許されないのだ
 
  だから僕も合法でいっている
 
  わざわざ監獄とか閉鎖病棟とか自らすすんで入ろうとは思わないから
 
  なにを書いていたんだっけ
 
  そう、きょうはいろいろと大変だったのだった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
  

 ありがとうを言う人

2013-12-09 00:30:34 | Weblog

 
 
  気管支にタンがからんで咳が出る
 
  眠剤で少し頭が朦朧としている
 
  目玉は相変わらず充血している
 
  腹の脂肪は増えている
 
  
  イクラの卵が繋がって浮遊している
 
  何本もの虹が見える
 
  ぼくはハンガーを見なかった
 
  ぼくが先の?型に曲がったハンガーだった
 
 
  だいたい個性のことはよく分かった
 
  あとはエネルギーの問題だ
 
  アラビアの魔法のランプに油を入れて火を灯した
 
  
  脳と腹が二つの大きな球体で
 
  重要なコンデンサーなのだが
 
  配線がショートして熱くなっている
 
  スイッチを入れる最新式じゃなくて
 
  ヒューズをいちいち取り替える旧式だから
 
  地下室に降りて行かなければならない
 
 
  ありがとうを誰に言えばいい?
 
  苦しんでいる人にだ
 
  ぼくのために苦しんでいる人がいる
 
  その人にありがとうを言おう
 
 
  ぼくは誰かを助けているか
 
  幾人かは助けている
 
  でもそれだけだ
 
 
  清く正しい生活をしていてもダメだ
 
  メチャメチャな生活をしていてもOKなこともある
 
 
  要はハートと実行力である
 
 
  今度また西荻の焼きもつ屋に行ってハツを食べよう
 
 
  アルコールは禁止されている
 
 
  だったらアルコールじゃない酒を飲めばいい
 
 
  おやすみなさい