幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 あなたを救いたい

2010-06-28 00:11:05 | Weblog

 
 
 あなたのことはすべてわかっている
 
 手に採るように
 
 こうすればこうなり、ああすればああなる
 
 全部わかっている
 
 
 そしてあなたがぼくをどうおもっているかも
 
 ずべてわかっている
 
 どのように同情し、どのように誤解しているか
 
 全部わかっている
 
 
 あなたの思っているぼくはぼくじゃない
 
 ぜんぜん違うのだけれど
 
 あなたの思う僕がどんな僕か自分でよくわかっているから
 
 あなたの気持ちもわかる
 
 あなたの感情もわかる
 
 
 そして、ぼくがあなたを救おうとしていること
 
 きっとあなたにはわからないはず
 
 
 あなたは僕を救おうとしている
 
 ぼくでない僕を救おうとしている
 
 そして、ぼくはあなたを救おうとしている
 
 あなたが思うあなたではないあなたを救おうとしている
 
 
 だから、和解はあり得ない
 
 
 和解はあり得ないのをわかっているから
 
 なおさらそうしたい
 
 
 お互いに理想のあなたになれるように
 
 今のあなたを救い出せるように願っている
 
 でも、それはぼくの理想ではないし
 
 あなたの理想でもない
 
 そんなことはわかっている
 
 わかっているからなおさらかわいそう
 
 おたがいにかわいそう
 
 
 だから
 
 もっとわかり合いたい
 
 そのためには
 
 あなたはぼくを忘れてはいけない
 
 ぼくに会わなくてはいけない
 
 ぼくに逢わなくてはいけない
 
 ぼくに合わなくてはいけない
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 精神的に疲れ果てた

2010-06-14 03:09:05 | Weblog

 
 
 今日は疲れた
 
 ネガティブにならざるをえない
 
 なぜなら
 
 朝起きてから
 
 飯つくり
 
 後片付け
 
 携帯の設定
 
 車を運転
 
 データ移行
 
 買い物
 
 荷物運び
 
 説明
 
 設定
 
 食べもの段取り
 
 片づけ
 
 掃除
 
 苦情受付
  
  
 精神的に疲れ果てて眠れない
 
 
 
 
 
 
 

 幸と不幸

2010-06-09 00:45:54 | Weblog

 
 
 眠りが明日を忘れることだとしたら
 
 なぜあなたは涙ぐむのか
 
 不幸の原因が湧きだす泉があって
 
 まるであなたはそこから水を汲んで飲まなければ
 
 死んでしまうかのように
 
 不幸と同居していると思っている
 
 
 日々、その日の不幸を味わうために
 
 明日を迎えているのだとしたら
 
 眠りは唯一の救いであり
 
 人生は眠りのようなもの
 
 それなのになぜ
 
 あなたは涙ぐむのか
 
 気を失って眠っていればいいではないか
 
 あなたにとって生は
 
 不幸なのだから
 
 
 幸運は道端に転がってやしない
 
 だれかが落とした宝石を拾うようには
 
 幸せを拾うことなどできない
 
 
 自ら作り出した幸福がなければ
 
 不幸な人生を嘆くしかないだろう
 
 簡単な足し算、引き算だ
 
 詩の介入する隙もない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 消費される

2010-06-04 02:18:48 | Weblog

 
 
 詩は消費される
 
 だから新しい詩を書かなければならない
 
 だとしたら?
 
 
 愛も消費される
 
 だから新しい相手を見つけなければならない
 
 だとしたら?
 
 
 あなたも消費される
 
 だから新しいあなたをみつけなければならない
 
 だとしたら?
 
 
 私も消費される
 
 だから新しい私をみつけなければならない
 
 だとしたら?
 
 
 朝は消費される
 
 だから新しい朝をみつけなければならない
 
 だとしたら?