幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 数世紀の足踏み

2010-10-04 01:33:05 | Weblog

 
 
  金持ちの中国人の家で
 
  ぼくを住まわせてくれて
 
  美味しいものを御馳走してくれて
 
  いろいろ教えてくれた
 
 
  そこには一人、寝たきりで意識のない子どもがいて
 
  もしかしたらぼくがその人の意識を甦らすことができるかもしれないと
 
  その家の主人が期待して考えていたのかもしれない 
 
  でもぼくにはできなかったし
 
  ぼくは奇跡を起こしてみようと
 
  試みもしなかった
 
 
  また数世紀、時代が足踏みをしないように