幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 奇跡

2010-08-28 01:21:43 | Weblog

 
 
  UFО
 
  宇宙から来た
 
  あなたは宇宙人
 
  とってもきれいな
 
  理想的な姿かたちをしている
 
  でもそれよりもっとぼくが好きなのは
 
  あなたは不思議だということ
 
  
  世俗に居ながら超えている
 
  あなたの呼吸のひとつひとつが
 
  詩人の奇想天外なイマジネーション
 
  そんなあなたに
 
  驚いてしまう
 
  あなたの笑いは魔法の爆発
 
  知的な瞑想が飛躍した
 
  そのときあなたは笑う
 
 
  ぼくにとっては苦痛でしかないことでも
 
  あなたにとっては幸せを作り出す種になる
 
  まるで雑音から音楽を作り出すように
 
 
  ぼくは唄を口ずさんでいる
 
  あなたがそばにいるだけで
 
  鼻歌を歌っている
 
  すこし夢見がちになっているみたいだ
 
  あなたの匂いを少し吸い込んだみたいだ
 
 
  恋焦がれている
 
  そんなわけないけど
 
  あなたには教えてあげる
 
  ぼくはあなたとは無関係
 
  恋焦がれている
 
  そんなわけないけど
 
 
  だから気付かないなら
 
  それでもOK
 
  でも気付いてほしい
 
  あなたはそんなに素敵だということに
 
  ぼくが恋焦がれるほど
 
  あなたは不思議だ
 
  きっと神でさえ
 
  創造できないだろう
 
  こんな奇跡を
 
  こんな魔法のような奇跡
 
  それがあなただ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 魔法

2010-08-28 01:03:41 | Weblog

 
 
  どんなこと?
 
  最終的に起きること
 
  望んでいようがいまいが
 
  必然的にそうなること
 
 
  結局
 
  夢を見るだけなの?
 
  過去の記憶
 
  それが夢になるだけなの?
 
  ちがう
 
 
  最終的にそうなること
 
  それは結果じゃない
 
  仮定の過程
 
  まだ起きてないことは
 
  予想できない
 
    
  あなたは想像できる?
 
  そこにあなたがいて
 
  ぼくがいて
 
  なにをしているか
 
 
  あなたは秘密をねだる
 
  ぼくは告白しない
 
  
  月の見える丘に昇って
 
  月光の映る夜の川を見つめる
 
 
  あなたがそれでいいと言ったから
 
  ぼくはそうした
 
  あなたがそうしてもいいと言ったから
 
 
  それなのにその秘密を告白しろと言うなら
 
  どうしたらいいかわからない
 
  それは言葉では言えないから
 
  言葉で言ったら陳腐になる
 
  
  月の見える丘に昇り
 
  湖を見下ろす
 
  月光が映る水面は鏡のよう
 
  そこに次のような魔法をかける
 
 
  どうしてそうなるかわからない
 
  それなのにそうなってしまう
 
  それがいいことなのかそうでないのか
 
  わからないけどいい
 
  いいにきまっている
 
  
  
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 最終的に?

2010-08-20 22:08:27 | Weblog

 
 
  水銀を流し込んだレンズを掛けて
 
  ぼくは深海に沈み込んでいく黒く紫色の雲を見た
 
  それは永遠が終るという暗示だということを知っていて
 
  海流がその流れを止め
 
  雷光がその光を消し
 
  雨粒がその水滴を蒸発させ得ることを
 
  日常のありふれた景色の中で
 
  誰にも気づかれずに
 
 
 
  あなたの夢とぼくの夢がすれ違う
 
  
  
  ぼくの身体とあなたの身体が触れ合わないのは
 
  
  あなたは気づいていないから
 
 
  永遠が終るとき
 
  すべてのことが起こり得ることを
 
 
  あなたがぼくに言ったことは
 
  すべて僕の身体の中に突き刺さり
 
  溶ろけ
 
  全身を巡り
 
  今でもぼくの血をたぎらせている
 
 
  あなたは天使だから知っている
 
  その形而上学的な意味を
 
  地おけるように天にも!
 
  天におけるように地にも!
 
  そう祈るときの、その祈りの意味を
 
  それはとっても現実的かつ具体的、世俗的
 
  形而上学はリアルな電磁気学となって
 
  細胞膜の中のミトコンドリアを活性化し
 
  オルゴンエネルギーを励起させる
 
 
  とっても重く
 
  重力に逆らえず
 
  地球の中心の鉄の固まりの中心にまで
 
  沈み込んで
 
  一点に凝縮し
 
  ブラックホールに飲み込まれて
 
  世界が終るときにはじめて
 
  やっと
 
  ひとつになれる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 昨日の夢

2010-08-17 22:16:02 | Weblog

 
 
  明日
 
  ひとまわりして
 
  地球が
 
  太陽の
 
  今日よりいい明日
 
  ぐるぐる回って
 
  
  すべてのいきものが
 
 
  昨日よりいい今日
 
  今日よりいい明日
 
 
  馬の夢を見た
 
  ぼくを乗せた馬が
 
  ぼくのことを好きで
 
  降りると顔を近づけてきて
 
  頬ずりしてくる
 
 
  割烹旅館
 
  出される料理は美味いのだろうけど
 
  なんだか板長さんが威張ってる
 
  出される料理の器を気にして
 
  客に扱い方を指導している
 
 
  小さなリムジンに乗って行ったのだけれど
 
  満員で
 
  よくわからない
 
  道順
 
 
  奇妙な入口
 
  
  暗示的言葉
 
 
  導かれている
 
 
  トンネルがあって
 
 
  自分だけの
 
 
  温泉もあるみたい
 
 
  いい所
 
 
  帰りたくないが
 
 
  明日は仕事
 
 
  カウンセリングルームに置かれた寝椅子
 
 
  だれが精神分析するのか分からないが
 
 
  ぼくはただ詩のようにしゃべる
 
 
  記憶はない
 
 
  分析してもしかたない
 
 
  紙テープに書かれた文字を
 
 
  裏から読むのと同じこと
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 あなたが見える

2010-08-16 21:50:11 | Weblog

 
 
  あなたが見える
 
  とっても崇高で高い
 
  羽の生えた小さなエンジェルではなく
 
  翼の生えた気高く大きな存在
 
  
  もし言葉が聞けるなら
 
  もう一度聞いてみたい
 
  癒されなくてもいい
 
  慰められなくてもいい
 
 
  天空高く飛翔する
 
  荘厳な言葉の響き
 
  大地と空を照らす光のように
 
  偏在し、照射し、自在に変化する
 
 
  大いなる力
 
  それに触れると
 
  ちっぽけな自分が消えてしまいそうなくらい
 
  あらゆる価値を含んだ
 
  大いなる全体
 
 
  ぼくにはまだわからない
 
  でも、荘厳な天使が導いてくれる
 
 
  あなたが見える
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 

 ぼくを殺したいなら・・・簡単

2010-08-16 01:34:55 | Weblog

 
 
  ぼくに詩を書かせてください。
 
  そうしないと窒息して死んでしまうからです。
 
  だから、ぼくが詩を書いていることを罵倒しないでください。
 
  バカにしたり、からかったりしないでください。
 
  
  お願いします。
 
 
  そんなに悪いことをしているのでしょうか?
 
  ほかになにも悪いことはしていないのだから、
 
  せめても詩を書くことくらい、許してください。
 
  あなたに、許しを乞う必要はないはずですが・・・
 
  バカにしたり、やめさせようとしたり、
 
  邪魔しないでくれるように
 
  せめてもお願いしている次第です。
 
  なぜなら、詩が書けなくなったら
 
  ぼくは窒息して死んでしまうからです。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 

 
  

 この瞬間

2010-08-13 00:23:40 | Weblog

 
 
  シャワーを浴びて思うこと
 
  今日、夕方、空を見なかった
 
  そんなに大切?
 
  恋は盲目
 
  なにが起きているかわからない
 
  窓もない風呂場
 
  せめて小さな窓があれば
 
  風が入って来れるのに
 
  窒息しそうだ
 
 
  いつの間にか
 
  
  自分がわからない
 
  3%もわからない
 
 
  誰か知ってる?
 
 
  わたしはあなたを
 
 
  知っている/知らない
 
 
  白い光は見えたよ
  
  眩しい光
 
  なにか起きそうな期待
 
  でもただそこにいるだけ
 
 
  太陽が赤くなって
 
  地平線に沈むまで
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 あなたは見えない

2010-08-10 00:06:02 | Weblog

 
 
  あなたは背が高い?
 
  それとも低い?
 
  あなたの髪の色は何色?
 
  肌は白い? 黒い?
 
 
  あなたの声は高い? 低い?
 
 
  あなたはどんなふうに笑う?
 
 
  どんなふうに泣く?
 
 
  ぼくの腕の中で泣く?
 
 
  それとも、独りで泣く?
 
 
  それとも誰かの腕の中で泣く?
 
 
  どんな歌を歌うの?
 
 
  歌って聞かせてよ
 
 
  どこに行って、なにをするの?
 
 
  ぼくのことをどう思う?
 
 
  ぼくはきみのことが好き
 
 
  でも、きみには逢わない方がいい
 
 
  現実のきみには・・・
 
 
  背の高さも髪の色も知らないほうがいい
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 天使の知っていること

2010-08-08 01:48:14 | Weblog

 
 
  あんなに涙が出ていたのに
 
  数日しか経っていないのに
 
  もう涙が出てこない
 
  あれななんだったのだろう?
 
 
  私の天使
 
  教えてくれる?
 
 
  なんで
 
  いったいなにが
 
  この世で
 
  砂浜で
 
  エメラルドの海水
 
  価値があることなのか
 
 
  あなたがなにをしようと全部が正解
 
 
  あなたがなにをしようが
 
  全てはOK
 
 
  それなのにどうして
 
  そのすべてを
 
  いえ、そのほんの一部でも
 
  共有できないのか不思議
 
 
  リアリティーはパラレルになっていて
 
  平行線は交わらない
 
 
  僕は誰とも交わらない
 
 
  独房に入れられている囚人と同じ
 
 
  海辺の独房
 
 
  海水が打ち寄せる
 
  エメラルドの破片
 
  白い泡がはじける音
 
  青い空は無言で
 
  白い入道雲がゆっくり動いている
 
  まるで未来はそれほど悪くないと
 
  僕に教えているみたいに
 
 
  そうなのかな?
 
 
  僕の未来は
 
  そんなに悪くないのかな?
 
  それとも
 
  悲惨なのかな?
 
  私にはわからいが
 
  私の天使は知っている
 
  
  そうでしょ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  

 ハロハロ

2010-08-06 14:03:57 | Weblog

 
 
  ハロハロ

  簡単

  太陽が熱い

  光はまぶしい

  ぼくは休みだ

  エネルギーが溢れてくる

  汗のように

  吹き出してくる



  だから

  こんなに簡単なのに

  それをいちいち言わなければならない
 
 
  カネで買えないものを買うために
 
  銀行で金を下ろし
 
  コトバで言えないことを言うために
 
  パソコンのキーボードで言葉を打ち込む
 
 
 
  ハロハロ
 
  きみはしあわせ
 
  ぼくも
 
  きみがしあわせならしあわせ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 詩を書くこと

2010-08-06 03:01:16 | Weblog

 
 
  たくさんある言葉
 
  貝殻を集めるように
 
  並んでいる
 
 
  
  もしも夜があの蛍光灯のように
 
  発光していたら
 
  グリーンのベンチに座って
 
  あんなことを話すだろうか
 
 
 
  忘れてしまったら思い出せばいい
 
  ただそれだけのことなのに
 
  逆に忘れられないから
 
  思い出せない
 
 
 
  入って来るときは簡単だった
 
  それなのに
 
  出ていくときは迷路になっている
 
  自分で作った迷路だ
 
 
 
  あなたは背が高い
 
  そして綺麗だ
 
  みんなが振り向いていた
 
  ぼくだけが
 
  前を向いていた
  
  
  
  ここがぼくがいるところ
 
 
  
  夜
 
  だれもいない
 
  静かで
 
  自分自身も忘れてしまう
 
  
 
  永遠につづけば誰も不幸にならない
 
  それなのに
 
  一瞬たりともとどまらない
 
 
  
  だから物質を軟らかくして
 
  明日の中に溶け込ませる
 
 
  
  そうでもしなければ
 
  たぶん弱くて
 
  生きるのがつらいのだろう
 
  
 
  
  それなら
  
  詩を毎日書いた方がいい
 
  霊性を発揮させるのだ
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 夜見る夢

2010-08-03 00:22:57 | Weblog

 
 
  夜、夢を見ることはいいことだ
 
  夜、夢を見れないほど最悪なことはない
 
  そうだろ?
 
  そんなに疲れているなんて
 
  最悪
 
  
  きみは夢を見たかい?
 
  朝になって忘れてしまったかい?
 
  その夢が
 
  気持ちよくて
 
  まだ寝ていたいと思うほど気持ちよくて
 
  空を飛んでいたりなんかしたら
 
  きみは幸せ
 
  ぼくはきみがそうであることを祈る
 
  ぼくはきみが幸せであることを祈る
 
 
  ぼくはこれから眠ろうと思う
 
  眠ろうとしないと眠れないなんて
 
  ちょっと変だけけど
 
  あれこれ考えると
 
  苦しくなってくる
 
  目をつぶると
 
  かってに思い出されてくる
 
  今日あったことが
 
  昨日あったことが
 
  ずっと昔にあったことが
 
  僕はなにをしていたんだろう
 
  僕はなにをしたんだろう
 
  僕はなんてことをしたんだろう
 
 
  きっとあなたなら
 
  そんなことはしないはず
 
  そんな目にも遭わないはず
 
 
  遭わないでほしい
 
  つらい目には
 
 
  僕は弱いけど
 
  きみはもっと弱いから
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 天使の詩を聞くと

2010-08-02 01:08:01 | Weblog

 
 
  最近、天使にいれあげてるって聞いたけど
  ほんとうなのかい?
 
  そうだよ。うらやましいかい?
 
  いや、べつに・・・だって天使って
  人間じゃないだろ?
  人間だったら天使って呼べないもんな。
  あの世の存在か、空想上の存在ってとこだろ?
  お前は、妄想力がたくましいからな。
 
  そうかい。妄想か・・・
  きみはあいかわらず現実的だな。
  でも、これは君の現実よりももっとリアルな話なんだ。
  僕にとって、とっても現実的なことなんだ。
 
  そうかい。彼女は・・・おっと、天使って
  性がなかたんだっけ?
 
  なんで彼女だと思った?
 
  だって、きみがそんなにいれあげてるってことは、
  ”彼女”しかないだろ。
 
  そうなんだ。彼女なんだ。
  でも、僕にとって彼女は天使だから、性はどうでもいい。
  だって、じっさいには・・・
 
  じっさいには?
 
  ・・・いや、なんでもない。
 
  おまえ、彼女に会ったのかい?
 
  いや・・・
  姿を見たことも、声を聞いたこともない・・・
 
  それじゃあ、やっぱり想像上の存在とかわらないじゃないか。
 
  そうかもしれない、でも、ちがう。
  明らかに存在するんだ。
  僕にとって、初めての経験なんだ。
  こんなに純真なものから何かとっても大切なものを学ぶなんて・・・
 
  そうだな。お前は汚れているもんな。
  今まで、純真なものから学んだことなんてないんだろ?
 
  そうなんだ。もっと知的で、難しいことばかりを学んできたような気がする。
 
  純真なもの、たとえば・・・
  野に咲く一輪の花とか
  小さくて弱い一羽の鳥とか
  そんなものから本当に大切なものを学ぶことができる。
  それなのにおまえは、
  今までそんな大切なことを学んだことがなかった。
 
  そうなんだよ。
  なんだか、涙が溢れてくるんだ。
  だから、天使だと言ったんだよ。
  天使以外にないだろ。
  この僕の心がそう言っている。
  これは真実だ。
  それ以外にありえないだろ?
 
  たしかにそうだ。
  きみの心がそう言っているのなら、
  それは真実だ。
  それ以外あり得ない。
 
  ありがとう。
  わかってくれたんだね。
  だったらもう、”いれこんでる”なんて言わないでくれよ。
  彼女はじっさいに、現実の存在だし、
  ちゃんとこの世に生きている。
  でも、その現実だけじゃなくて、
  僕には、彼女の天使性が大切なんだ。
  わかってくれるかい?
 
  わかるような気がする。
 
  それをイマジネーションの問題だとは言い切れないだろ?
 
  そうだな。
  それは、現実の問題じゃない。
  でも、イマジネーションだけの問題でもない。
 
  そうなんだ。
  僕だけのイマジネーションの問題でもなく。
  彼女のイマジネーションも必要なんだ。
 
  だから、苦しいのかい?
 
  そう。
  だから、苦しいんだ。