幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 メッセージください

2008-04-30 18:59:22 | Weblog


 元気ですか?
 急にメールしてごめんなさい。
 別に用事などないのです。
 ただあなたからの文字が読みたくてたまらない。
 ただそれだけなのです。
 ごめんなさい。
 あなたからのメッセージに飢餓を感じています。
 自分でも何故こんなになってしまったのかわからない。
 あなたのことが頭から離れない。まるで恋に落ちてしまったみたいです。
 もしできたらメールください。
 ああ…今すぐに。今。今。今。今すぐに。今すぐに。
 今すぐに落ちてしまう。
 あなたへの思い、強すぎて、たまらない、ドキドキ、止まらない、
 GWまで、待ち切れない、私は初めて、知り合った事もない、
 飢餓に落ちてしまった、何故こんなに自分が見えない。
 もう夕方になったみたい。
 まだまだ明日まで遠い。
 でもこれから離れない、わけないのに、止まらない、
 この中の思い、詩にしたため、待ち切れない、わけ、
 もうこうして一人、墓に落ちて、朝までに、眠れない、わけ、
 自分でもわからない、から
 メールください。
 お願いします。

 ストロベリー・ホイップ・クリーム

2008-04-28 23:29:55 | Weblog


 ああ…
 
 
 きみはストロベリー・ホイップ・クリーム
 
 甘すぎて舌がとろけちゃう
 
 舐めても舐めても溢れてくるから
 
 指でぬぐって
 
 スポンジケーキに塗りたくる
 
 たっぷりとろける
 
 ストロベリー・ホイップ・クリーム・ケーキ
 
 一丁上がり!
 
 まだまだできる
 
 永遠の欲望のように 

 ふたつ
 
 みっつ
 
 よっつ
 
 いつつ
 
 ぼくはピンク色のパティシェリーを開店して
 
 ショーウィンドウに並べる
  
 開店と同時に長蛇の行列
 
 きみのおかげで大儲け
 
 
 ぼくは三ツ星パティシエになり
 
 ときどきぼく自身の
 
 バナナ・クリーム・クレープも
 
 店頭に並べてみたりする
 

 ああ…
 
 
 きみは…
 
 
 ときどきそれを試食したりして…
 
 
 頬張るきみは
 
 
 ストロベリー・ホイップ・クリーム滴らせ
 
 
 ぼくの舌は甘くてとろけちゃう
 

 
 

 
 

 P.S

2008-04-22 01:07:54 | Weblog


 P.S
 
 
 きみの砂丘のように乾いた肌
 
 潮騒の匂いがする
 
 それなのに
 
 きみの声が聞こえない
 
 
 クリムトを見つめる目
 
 ぼくはシーレの方がいいと言った
 
 それなのに
 
 きみの瞳は見えない
 
 
 それなのに
 
 どうしてだろう
 
 聞こえるよ
 
 窓をたたく風なのかもしれない
 
 灯りを消して
 
 ベッドにもぐりこむと
 
 見えるよ
 
 きみの
 
 砂丘のようにうねる肌
 
 熱くて
 
 乾いて
 
 雨を待っている
 
 どしゃぶりの雨
 
 なにもかもズブ濡れにして
 
 きみの長い髪も
 
 まつげも
 
 爪も
 
 そして
 
 見上げる
 
 千のダイヤモンド
 
 
 忘れないで
 
 ぼくが降らす雨
 
 雨乞いをして
 
 天から降らす雨
 
 
 大河のようにうねる肌
 
 大海にそそぐように流れ
 
 天空に舞い上がる
 
 
 銀河の星の数だけ
 
 キスを送るよ
 
  
 
 
 
 
  
 

 見えないきみ

2008-04-09 00:34:01 | Weblog


 言葉でつづるうた
 
 ひとつひとつに意味などないけれど
 
 きっときみにはわかるはず
 
 言葉でつづるうた歌えば
 
 桜ちる雨もやんで
 
 帰りの道すがら
 
 想い出す
 
 消えてしまった記憶の底の
 
 あの映像
 
 まだ一度も見たことがないのに
 
 すでに見たのだと錯覚してしまうような
 
 なつかしい眼差し
 
 でもぼくは
 
 ぜったいファンになったりしないよ
 
 きみのファンになったりしない
 
 だってきみは
 
 人形じゃないから
 
 肉体でもないから
 
 霊魂だから
 
 
 ん?
 
 
 きみの眼差し
 
 それは永遠で
 
 幽霊で
 
 呪いで
 
 祝福
 
 
 さよならを言っても
 
 まだ見てるんだね
 
 
 ぼくが夢を見ていても
 
 見ているんだね
 
 
 だから
 
 ぼくは見ないよ
 
  
 きみのこと
 
 見ないよ
 
 
 そこにいることだけは知っている
 
 でも振り向いたりしないよ
 
 
 もしそこにいなかったら
 
 
 だから
 
 
 それはきみだ
 
 
 涙が流れるのは
 
 
 きみのせいだ
 
 
 見えない
 
 
 きみのせいだ
 
 
 

 PRESIOUS MOMENT

2008-04-04 01:59:00 | Weblog


 NO NO
 
 右の道を左に曲がり
 
 NON NON
 
 突き当りの山道を海岸までひとっ飛びすれば
 
 YEA YEA
 
 ぼくは雲になる
 
 あの高い高層の絹雲
 
 あそこには
 
 死者たちが集う
 
 透明な聖堂がある
 
 だからあんなに輝いている
 
 でも夕方になると
 
 魔術師が現れ
 
 この世にエゴの欲望という魔法をかける
 
 だから夜の風は
 
 ときには疾走する馬のように荒く
 
 心をかき乱す
 
 眠れない
 
 眠れない
 
 あんなに太いみつあみ
 
 もう見ることのないメッセージ
 
 溶けてしまったアイスキャンデー
 
 CAMON
 
 YES
 
 MON AMI
 
 MY PRESIOUS MOMENT
 
 FOREVER
 
 
 雲が輝く
 
 風がゆっくりとキャンデー色に染まり
 
 あの世の絹雲から
 
 レンブラント光線が差し込む
 
 牧歌的田園での恋愛
 
 頬をそめて
 
 C’MON
 
 YES
 
 と言った
 
 風になびくみつあみ
 
 もしぼくが
 
 もう一度
 
 3才になれたら
 
 キューピッドの矢を
 
 自分に放ち
 
 あなたのもとに行く
 
 頬ずりして
 
 斜面を走り下る
 
 昼は
 
 太陽の光で満たされ
 
 夜は
 
 何も見えない闇になるから
 
 C’MON
 
 Ooo YEA
 
 
 温かい暖炉の炎
 
 話してくれたお母さんのこと
 
 愛してるんだね
 
 あなたを愛してくれる人を
 
 だから
 
 ぼくは笑った
 
 
 あんなに太いみつあみ
 
 二つも下げて
 
 なぜあなたはひとりなの
 
 ぼくにはわからなかったから
 
 きいてみた
 
 でも夕日がまぶしくて
 
 忘れてしまった
 
 話す言葉も
 
 次にしなければならないことも
 
 だから見つめた
 
 オレンジ色に染まったあなたの頬
 
 
 PRESIOUS MOMENT

 しあわせって

2008-04-02 21:33:00 | Weblog


 しあわせって
 
 中空に浮かぶ
 
 死にぞこないの
 
 中毒のようなもの
 
 
 リップスティックを塗りたくったって
 
 そんな唇
 
 革命家のアジテーションさえ
 
 だれも聞かないうわ言のようなもの
 
 
 だから
 
 どんなにパンティを脱いで
 
 尻を丸出しにしたところで
 
 中世の尼じゃあるまいし
 
 デカメロンの現代版の撮影ですかと
 
 通行人にきかれるようなもの
 
 
 だから
 
 100万カラットの
 
 フローレスダイヤモンドを拾ろったって
 
 それがしあわせなんて
 
 地球の貧困の種をまたひとつ
 
 地面に投げ捨てるようなもの
 
 
 だから
 
 お小水をまき散らす噴水のしぶき口あけて飲み込み
 
 京都の禅寺で叫んで
 
 たとえば道元和尚にきいてみよう
 
 悟りがきみを幸せにしましたか、と
 
 ところが
 
 そこにいたのは
 
 ナンシーという名のアメリカ人観光客
 
 ぼくを見て
 
 忍者だと思ったのか
 
 赤いチークでほほ笑んだ
 
 
 それって
 
 まるで幸せのように感じたから
 
 ジンでも飲みたくなって
 
 ウインクした
 
 
 それって
 
 まるで幸せのようなものだから
 
 勃起してきて
 
 赤面してきて
 
 路上を走った
 
 
 路上を走って
 
 路上の電柱に
 
 立ちションした
 

 それって
 
 まるで
 
 猿の惑星の進化形のような
 
 しあわせ ?