涙なんて乾いて出ない 2011-01-28 23:37:09 | Weblog どこを彷徨っているの? あなたには眠るベッドすらない 冬は寒いのに 街には座る所もないから マックに入るしかない 一杯のコーヒーを買って 眠って、また、朝起きる 一週間、休みなし 夜も昼も同じ 街を彷徨うだけ 何も考えられないから 続けていける 悲しみも寂しさも忘れた 生きることは なにも要求しないこと 誰から教えられたわけでもないのに 気づいたら既に身についていた 悲しみも寂しさも忘れた 笑いはしゃっくりになり 涙なんて乾いて出ない それでもあなたは 僕と同じ
愛 2011-01-21 23:26:48 | Weblog 最近、愛に溢れてる 愛ってなんだか知らないけれど それって、人助けとか、慈善とかじゃなくて あなたをあいしてます ってとかじゃなくて なんだか、胸の辺りに燃えるような炎 きみを、あるときには傷つけ 殴ることもあるかもしれない でも、それは 僕自身を殴り、傷つけることなのだ それでも僕は愛に溢れてる あなたの悲しみは深すぎて ぼくにはどうすることもできないかもしれない でも、少なくとも なんとかしたいと思う なぜなら あなたの悲しみと同じ悲しみを僕も持っているから 人の一生なんて 悲しみの連続かもしれない でも、だからこそ もっとも価値あることが必要なんだ それが愛だ 愛ってなんだかぜんぜんわからないけど 僕の胸の奥に燃えている 溢れてくる なにが美しいかって 愛を感じて涙を流すこと以上に 美しいことなんてこの世にない あの世にも 愛以外になにもない そうだろ?
エンドレス・ユートピア 2011-01-08 20:40:41 | Weblog いつか仕事が休めたら きみを連れて行きたい ぼくが若いころ旅した楽園 地図もない 道もない ところ きっとどこかに 世界中のどこかに あると信じてた 理想のユートピアが あると信じてた 苦しみもない 争いもない ところ さがして 歩いて 歩いて 流れて 流れて 歩いて 気づいてみたら いつのまにか 歳をとっていたけど あなたはずっと あの頃とかわらない かわらないから もう一度だけ 初めから 出会って 見つめて 見つめて 笑って 愛して 愛して
詩を書くということ 2011-01-03 03:39:02 | Weblog 詩を書くというのは 特別なこと だから、 あえてレトリックを使わない レトリックを使わないというレトリックを使う 小学三年生の作文ほどにも複雑ではなく 誰が見ても単純極まりなく 小洒落たフレーズを散りばめたり 隠喩も暗喩も使ったりしない それはわざとそうしているのであって 無知でそうしているのではないのだが 読む人にとっては区別がつかない つまり、詩を書くとは特別なことだが まったく特別ではないと思わせるほど 単純な文体 ただし この文は 自己完結してはいけない 詩は 確定してしまっては どこにも行けない どこかに行かなければならないし できれば夢見がちな 霧の濃い 未知の道程に誘い出さなければならない でもたいていは それらは非現実で リアリティーがないから 陳腐な慰めにしかならない わたしは あなたが笑うような稚拙な文体しかしゃべれないのではなくて あなたが驚くであろうレトリックをわざと使わないほどにも ストレートにしゃべっている なぜなら 陳腐な慰めとは 常にごまかしであり 純粋な表現に対して答えられない曖昧さは 既に醜悪でしかないから もうあなたには私は語らないし 二度と誘ったりはしない たとえば それが安易な本能のように感じられたとしても それはわたしのねじれた表現であって わたしはあなた以上に あなたが想像する以上に はるかに複雑であり 宇宙の構造のようにも もつれた糸のようにも 入り組んでいる あなたがたは、決してぼくのようには語れない ぼくのようにストレートには語れない なぜなら あなたはそれほどまでに複雑ではなく とても単純であり 薄っぺらで軽いから 言葉は文法ではないし 発音でもない あなたがたは文法に囚われ 説明に窮するようにも発音に窮している ぼくは簡単に詩を書く それがまるで意味がないかのように そして絶対に完結することはないが ただあなたにだけは もう二度とあなたにだけは 何も書かない ***** 例えば恋がレトリックであることを理解できないリアリストがいる なにか肉管的なことを恐れていたり 始まってもいないのに、苦痛を嫌悪したりしている それらはぼくにとってはただのメタファーなのだ 殴り合ったり、抱き合ったりすること それらはストレートな欲望の表現ではなく 欲望を駆り立てるための遊びなのだ 欲望はその後にくる感覚的な現実だ 苦痛であったり嫌悪であってもいい ただ、通過する前に想像し、嫌悪し、否定する その先にはエロスはない どこにも辿り着けないまま リアリストという名の 軽薄な散文主義者がいるだけだ 常に自分と同じ風景を見つめて 安全な航海に出ようと海辺に立つには立つが 荒波が穏やかに凪ることはない なぜなら 死人だけが あなたにはふさわしい相手だと悟るには あなたが死人になるまで待たなければならないだろう それほどまでにあなたは死んでしまっている そして死んでいることにも気付かないでいるから つまりは生を取り戻すということ それができなければ 死んでいるも同然だから