真言宗でいつもお唱えするお経に
『 理趣経 』 ( りしゅきょう ) があります。
今日もお唱えしつつ、終わってから
経本の修理 …
( 折れたところから裂けかかってきているのです。)
さいわい、古い和紙の便箋が出てきたので、
短冊に切って補修してたのですが、 …
そこで、
気になった言葉、が … ??
「 妙適清浄句是菩薩位 」
( びょうてきせいせいくしほさい )
このお経は漢音で発音するせいか
「 清浄 」 ( しょうじょう ) と発音するところを
( せいせい ) というように読みます。
また、普通いうところの
「 菩薩 」 も ( ほさ )
と簡単な発音になります。
『 適 』 という言葉なのですが、
とても幅広い意味合いを持った言葉です。
① ゆく ( 往く )。おもむく。
② よめにく。とつぐ。
( という意味もあります )
③ よつぎ。あとつぎ。
④ 正妻。本妻。
というような、一群の意味があって、
① かなう。気に入る。
② あてはまる。「 適当 」
③ たのしい。たのしむ。「 快適 」
と、次のグループの意味が続いてきます。
どうもこのお経の中では、
「 妙適 」 というのは、 「 たえなる、たのしむ 」
というような意味合いになると思います。
その後には、
『 適悦 』 というような言葉も出てきます。
「 悦 」 という字も ( よろこび ) という
意味を持っています。
『 法悦 』 という言葉もあるように、
教えに出会った喜び、
十地経というお経の最初は
「 初歓喜地 」 ( しょかんぎじ )
で始まります。
真理に出会うということも、喜びが原動力になるのです。
その歓喜のこころで行を行じていくのです。
この 「 理趣経 」 というお経も
初段はやはり、次の言葉
「 無量適悦歓喜 」
と、無量の喜びの言葉が連なっています。
歓喜、喜びのこころで波羅蜜を
行じて行けと激励しているのでしょう。
このたび得度され、5月から修行に入られます、
『 奎良さん 』 この最初の喜びのこころを
大切に、そして忘れず、胸に抱いて、
厳しい修行に望んでほしいと念願しています。