今朝のお参りのときはまだしっかりした
蕾のままでした。
ところが、お昼庭に出てみると
なんと、バラはすっかり満開になっていて、
もう、花びらも落ちしまいそうなくらい
開ききっていました。
とてもいい香りを放っています。
その香りに誘われてでしょうか、
蝶もやってきていました。
香りも素敵なのですが、
私たちは目で楽しむことのほうが多いようです。
蝶にとっては花の姿かたちより、
香りに惹かれてやってきたのでしょう。
『 薫習 』 ( くんじゅう )
という言葉がお経に出てきます。
今日のバラの花のようにとてもいい香りを漂わせています。
このバラの花にハンカチを被せます。
しばらくして、ハンカチをとると、
このバラの花の香りがハンカチに移っています。
そのように香りがしみこみ移っていくことを
『 薫習 』 といいます。
台所では赤ちゃんがすやすや眠っています。
4月9日に生まれて、今日で16日
日に日に大きくなっているようです。
そして、動き方も違ってきています。
いろんなことを吸収しているのでしょう。
周りの環境の動きを察しているのです。
まだ赤ちゃんの感覚は視覚はあまりないはずです。
たぶん、触覚 ( 母親との肌のふれあい )
そして、臭覚 ( 母親の香り、お乳の香り )
その感覚が研ぎ澄まされているのでしょう。
今赤ちゃんの脳細胞には
周りの状況がバラの香りがしみこむように、
刷り込まれていっていると思います。
見ていると、自分の意志も芽生えているようです。
やはり、持って生まれたものもあるようです。
それに、周りの環境も多大な影響を与えているようです。
持って生まれたものに、刻一刻と新しい経験が
「 薫習 」 されていっている。
そうやって人格が作り上げられていっているのです。
仏教では 「 薫習 」 というような
こころにいろんな経験が香りがしみこむ、
そういう表現をとるところは
実に面白いところだと思います。
持って生まれたものを 「 種子 」 ( しゅじ )
ともいうし、植物の命の姿を
仏教の用語にしてるところは
興味深いところです。
明日からはどんどんバラの花も咲いていくことでしょう。
また、楽しいことが増えました。