本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「 若葉寒 」

2013-04-21 11:52:48 | 住職の活動日記

 「 最高気温は17度前後で若葉寒が続く。」

と、熊日新聞の 「 きょうの天気 」 に出ています。

 『 若葉寒 』  という言葉があるのですね !

「 わかばさむ 」  と読むらしいのです。

 そういえば、ここ数日寒い日が続きます。

さくらの頃も 「 花冷え 」 という言葉があるように、

花見に浮かれていると風邪を引いてしまいます。

 

 「 あらとうと 青葉若葉の日の光 」

 

と芭蕉も詠んでいるように、

一番若葉の美しい季節です。

 

    

 

イチョウも新芽を吹いてきました。

 

   

 

バラの新芽も朝日に輝いています。

 

  

 

ツタも朝露にぬれて、生き生きと

緑が目に飛び込んできます。

 

 芭蕉も 「 奥の細道 」 で

日光に詣でたときにこの句を詠んだのです。

 

 元禄元年四月一日

卯月朔日、御山に詣拝す。

往昔 ( そのかみ ) 此御山を 「 二荒山 」 と

書しを空海大師開基のとき、「 日光 」 と改給う。

千歳未来をさりて給うにや、今此御光一天にかがやきて

恩沢八荒にあふれ、四民安堵の栖穏なり。

猶、憚り多くて筆をさし置きぬ。

 

 とそのときの情景を奥の細道に詠んでおられます。

 

 観音さまの浄土を 「 ポータラ 」 といい、

それを音写して 「 補陀洛 」 と書きます。

よく、観音さまの霊場は山号として 「 補陀洛山 」 という

お寺がたくさんあります。

 その 「 補陀洛 」 を 「 二荒 」 ( ふたあら ) とも

書きました。

 「 二荒 」 を弘法大師が 「 日光 」 と書き直した、

と芭蕉は記しているのです。

 

 「 あらとうと、 」  と

日光の木々に差し込む光をそのように詠まれたのでしょう。

 

 今日も昼間はとてもいい天気になりました。

木々たちにとっては、日の光が降り注いでいるように

眩しいばかりの日があたっていました。

 

 

 

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