本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お茶の「表と裏」 佐藤宗順先生

2017-05-07 20:59:36 | 住職の活動日記

裏千家茶道教授、佐藤宗順先生の

お話を聞きました。

表と裏ということで

表千家と裏千家かと思いきや

表舞台としての「茶室」

裏の仕事場としての「水屋」

という、表と裏のお話です。

 

東福寺も緑が真っ盛り

新緑の名所としても有名です。

 

 

サツキの新緑、これから花でしょう

 

 

躑躅は今が見ごろ、

 

 

モミジも初々しい新緑

秋には見事な紅葉へと

姿を変えていく

 

 

 

みとれるほどの緑を見上げながら

勉強の会場へ

 

とても面白い話でした

「日常茶飯事」ということも

当たり前のことなのですが

最近の小学生、

お茶は知っているけど

それはペットボトルのお茶

お茶の葉を見たことがない

ということです。

日常茶飯事ということも

死語になりつつあるのでしょう。

 

茶室でお点前をする以上に

裏方の仕事がいかに大切か

水屋を任されるということは

それだけ信用ができる人という

ことなのです。

 

禅宗でも「典座」(てんぞ)

という仕事があり、

台所の仕事なのですが

お坊さんの位では一番上の人が

する仕事だそうです。

 

道元というお坊さんが

中国へ行った時

日本から来た船ということで

向こうのお坊さんが買出しに見えた

貴方は日本から何を学びに来たのか

禅を学びに来た、

あなたは、というと

私は買い物に来たという老僧

そうかといって別れたのですが

なんと、その老僧が

道元が行くお寺の

一番偉いお坊さんだった。

という話があります。

それから道元は食事を作る

お坊さんを一番上に置いた

ということです。

 

お茶の作法も仏事の作法も

よく似たところがありますが、

一休にしろ利休にしろ

お坊さんですから当然のことです。

 

庭掃除が一番大事

塵一つない庭ではまだだめで

前日に掃き清めた庭に

朝方、葉が数枚落ちるている

これが最高である、と

無為自然(むいじねん)というか

自然法爾(じねんほうに)というか、

作為でありながら

作為が見えない、ということが

最高のおもてなしということです

 

「掃くほどに

  風がもてくる落ち葉かな」

 

という歌もあります。

木をゆすって

葉を無理やり落とし

掃き清めてもそれは風情がなく

自然でもないのです。

 

 

今日のお茶菓子は藤をあしらった

ものです。

 

 

 

いかにも古そうなガラス

景色がひずんで見えます

それも風情のうち

窓ガラス越しに頂く一服のお茶

何とも最高のおもてなしです。

美味しくて二服頂きました。

 

 

境内の一角には

生垣よろしく

お茶の木が植えてあります。

5月2日が八十八夜です。

茶摘みも始まったことでしょう。

 

お菓子の甘さに合わせて

お抹茶の量も調整するとか

やはり絶妙のお味です。

口の中に香りと共にお茶の味が

広がっていきます。

 

 

庭の池では蛙も鳴いています。

京都市内でもこういう

自然に接することができるのは

なんとも有り難いかぎりです。

 

しかし、境内には

「猿とイノシシに注意」

という立札がありました。

そういえば、

都ホテルにイノシシが出て

けが人も出る大騒動があったとか

東山沿いのここにも

出没するのかもしれません。

 

 

五感を満足させる

素晴らしい一時でした。

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑華荘厳 | トップ | 東福寺三門へ上がる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事