本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

本蔵院のコスパ・タイパ・スぺパ

2022-12-07 20:38:41 | 住職の活動日記

いよいよ、シン・本蔵院が

始動し始めました

地鎮式も終わり

これから着工の段取りです

どういうものが建立されるか

楽しみです

 

代々この限られたスペース

の中でいかに有効に

生かしていくかが

智慧のだしどころのようです

思考錯誤を繰り返しながら

次第に構想も固まり

正に誕生しようとしています

 

最近、新しい言葉で

コスパということは

かなり浸透していますが

新たに、タイパという

cost performance

に対して、

time performance

という、

いかに時間を有効に使うか

ということです

さらに、空間利用と

スペパという

space performance

という言葉も生まれた

ようです

 

本蔵院もわずか200坪という

本当に小さなスペース

どれだけ上手に活用するかが

課題です

色々考えていくと、

現住職の話ですが

先代が如何に知恵を絞って

お寺を建立されたかが

ひしひしと伝わってくる

ということです

 

いざ解体して新しく創る

となると

何気なく見過ごしていたこと

が、その工夫の跡が

伝わってくるということです

 

コスト、ということは

この時勢、色々な世界情勢の

問題もあり

コストの高騰

そこかが最大の難関です

頂いた浄財を最大限生かして

創るという

設計の方々と知恵を出し合い

これからの新しい

お寺像を目指しての

設計です

 

タイパということも

時は金なり、といいますが

仏教的には時は命なり

ということです

戒律ということも

ただ、してはいけないと

規制するのでなく

無駄な時を過ごすな

ということです

命は短い

あっという間に

過ぎていきます

その限られた時間内に

自分の生きる意味を見つける

ということは

本当に集中して時間を大切に

しなければ

気がつけくと

棺に片足が入っている

ということに

なってしまいます

 

スペパという新しい言葉も

我がお寺にとっては

最大の問題です

本当は庭があって

ゆったりとした

アプローチが欲しいのですが

このスペースでは

致し方ありません

いかに、そういう形を

醸し出すかが知恵の絞り

どころです

 

本来は

「仏は無一物」といって

頭陀袋に七つ道具を入れる

だけの持ち物です

お袈裟も元は糞雑衣といって

トイレ掃除をした後の

捨ててしまうような布を

継接ぎして一枚にしたもの

ですから、

縫い目が表に出てます

まあ、SDGsです

 

でも、

お釈迦さまもさすがに

あるお弟子が大切にする

のはいいけれど

継ぎ接ぎが重なりすぎて

段々袈裟も重くなり

見るに見かねて

その袈裟は

新しいものに変えなさい

と仰ったという話があります

 

祇園精舎というように

精舎となり生活を営む

ということになると

それなりの必要備品は

増えてくるものです

そこをいかに上手に

収めていくかも

腕の見せ所です

 

しかし何よりも

その場所において

智慧を生み出す、生産する

ということが最も大切な

ことになります

 

今日もテレビで

東寺のお寺が紹介されて

いましたが

今はくすんだ色ですが

出来た当初は

瓦は緑釉瓦、柱は朱色

何とも鮮やかな色彩だった

ということです

当時としては最先端の技術の

結晶がお寺だったのです

 

今は、ソフト面において

お寺は最先端とまでは

いえないのですが

それなりに充実したものが

必要になってきます

しかし

内面的なことは

人間が生まれて以来

迷いは変わっておりません

人間の心の原始林を

開拓していくのも

お寺のハタラキなのです

 

来年秋には完成予定です

楽しみです。

 

 

 

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