本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

おせち料理

2014-12-25 17:59:43 | 住職の活動日記

スーパーではもうクリスマスの雰囲気はなく

お正月の品々が目にとまります。

 

   

 

「棒だら」が並び始めました。

お正月の定番です。

 

おせちも今ではとても豪華になってきましたが、

基本は三つ肴(祝い肴)といって、

「ごまめ」と「数の子」「たたきごぼう」です。

簡単には、

お福茶を頂き、お屠蘇を飲んで、

三つ肴のおせちをいただけば、

それで、お正月のお祝いは集約されるのです。

 

私の子供のころは、終戦後のもののない時代

なにせ腹いっぱい食べれる、

お餅を競い合って食べたものです。

真新しい下着と洋服に着替え、

床の間で、家族そろって、

その時だけは一人ひとりにお膳が出て

緊張した面持ちで、お雑煮を頂き

祖父からお年玉をもらうという、

そういうささやかなお正月でした。

 

三つ肴もそれぞれに意味があり、

「ごまめ」は田作りともいいます。

五穀豊穣を祈ったのです。

昔はカタクチイワシを田んぼの肥料にした

それで、

「ごまめ」は五万米、五万俵のお米がとれた

という事に由来するようです。

「数の子」は数が多いところから

子孫繁栄、

「たたきごぼう」は根を深く張るところから

家の安泰を願って、

ということのようです。

 

京都には「出あいもん」ということがあって、

違った材料が一つになって

絶妙の味を醸し出す、

今で言うなら、料理のハイブリッドです。

「棒だら」も「エビイモ」と炊き合わせる

という「いもぼう」という料理があります。

 

   

 

北海道の棒だらと、

エビイモは江戸時代に長崎から持ち帰って

祇園の丸山で育てたところ

そこの土が合ったのか

エビのような縞模様が入った

芋になった。

その料理が「いもぼう」として

平野屋本家に脈々と続いているのです。

「エビイモの灰汁が棒だらを柔らかくし、

棒だらの膠質がイモの煮崩れを防ぐ」

と謂れが書いてあります。

 

豪華になりすぎる「おせち」

本来の意味をもう一度見直して、

三つ肴だけでも十分ですから

お正月を迎えたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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