本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

衣もSDGs

2022-12-03 20:52:09 | 住職の活動日記

ふと思うと、

いつまで護摩を勤めることが

できるのだろうかと

それで以前使っていた

衣を出してきた

 

 

昭和54年3月18日と

新調した日付があります

 

以前、東寺の御影堂ミエドウで

お大師様へお給仕していた時

信者の方から頂いたものです

それ以来

お給仕の後、

お舎利さんを出し、

その後護摩を焚く時に

使っていたものです

 

護摩の火で穴もあいて

生地が紬といこともあって

折れ目から裂けたりしてきて

その度ごとに補修をして

今に至っているのです

 

ということもあり

今日のお不動さま(11月28日)は

この衣で臨んだのです

身体に馴染む衣で

何時もの木綿の衣とは

また一味違った趣です

 

こういう衣も

大切に補修して使うと

何十年も使えるものです

色褪せてくると

洗い張りをして染め直し

仕立て直すと

そういうこまめな手入れが

大切なのです

 

祖父の改良服も

そういうふうにして使って

いるのですが

かれこれもう100年は経って

いるでしょう

でも今だに現役で

その姿を止めています

 

やはり、昔は物が無かった

それで仕方なしに

修理しながら使うしか

しかたがなかったのです

普段着にしろ帯も

裏返してみると

その修理の後が残っています

こういうことも今でいう

SDGsということでしょうか

 

今では衣も化繊のものが多く

痛んでくるともうそれで

その寿命は終わり

ということです

しかしながらいいものは

それなりに補修して使うと

100年以上は使えるものです

 

そういうこともあって

今回のお護摩は思い出もあり

この衣とも

いつまで一緒におれるか

そういう感慨深い気持ちで

勤めたのです

 

不思議なもので

祖父の護摩を見て

批判していた自分が

東寺では10年余り毎日焚き

帰ったからは毎月焚くという

護摩と離れられない

そういう日々を送れたことは

何とも有り難いような

背きつつ離れられないという

妙なものです

 

まあ、続く限り

精一杯務めたいと思って

おります

 

 

ゆっくりした船旅で

今朝、帰って来たのです。

 

 

 

 

 

 

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