本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

必殺! 地蔵落とし    ??

2016-05-31 21:03:50 | 住職の活動日記

今も腕の中で孫は眠りにつきました。

誰がよんだわけでもないのですが、

得意技で、

泣き叫んでいた子も

あっという間に寝てしまいます。

 

まあ、私のその姿を見て

「地蔵 おとし」といったのでしょう。

お地蔵さまの胸のなかで

眠りにつく子供のようだったから?

それはわかりませんが、

 

胸にしっかと抱いて

小刻みに足踏みをしていると

そのスリッパの音

揺れる震動が

胎内にいた時の様子に

似ているのでしょうか

 

どんなに泣いていても

5分もすると …

すやすや 

と寝てしまいます。

 

この効果があるのも

6ケ月までぐらいでしょうか

それ以上になると

体重も増えてきて、

私の体力がついていきません。

 

生まれたばかりの

赤ちゃんにとっては

やはり母親のおなかの中が

一番安心できる場所でしょう。

お風呂に入れるときも

ガーゼの肌着が身に付いていないと

不安に感じるようです。

 

「胎」という字もおもしろいもので

「胎蔵界曼荼羅」というときも

母体の胎という字を使います。

仏の菩提心を宿している、

仏の心を孕んでいる、

そういう意味で使うのでしょう。

また、

「疑城胎宮」という言葉も

お経の中には出てきます。

修行しているといろいろ疑惑も

出てくるものです。

その疑惑を城にたとえて

疑城といい、

お母さんの胎内にいる

こどもにたとえて

胎宮というのです。

地獄であれば、

まだ苦しいということがわかる。

しかし、胎宮というのですから

気持がいいのでしょう。

修行していても、まあこのくらいでいいか

と、その場所に休んでしまう。

 

修行していると

周りからも認められるし

自分でもここまでやったのだからと

なんだか安心して一服してしまう。

もう気持がよくなってきて

修行を止めてしまう。

 

一面からいうと

地獄に落ちるよりもたちが悪い

気持のいい世界で止まってしまう。

修行を止めてしまう。

地獄であれば苦しいとか

痛みがわかる。

よく、「ぬるま湯」

ということをいわれました。

ちょうどいいぬるま湯は

入っていて気持ちがいい

出ようとすると外は寒い

風邪ひきそうになる。

まあ、気持のいいぬるま湯がいいか

と、そこに腰を落ち着けています。

 

「胎」ということも

安心できる場所ではあるが

赤ちゃんも月日が経つと

苦しい通って

この娑婆に出てこなければりません。

ところが、

胎宮となると、

腰砕けになって修行を止めてしまう

その止めた痛みさえ分からなくなる

そこが一番危険なところです。

 

赤ちゃんはもとの胎内を

思い出して、

私の地蔵落とし、

でもいいのですが、

私たちは気持のいい場所に

止まってしまってはいけない、

一端生まれ出た以上は

死ぬまでが修行なのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

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