本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『 自動車科 』

2010-11-01 22:25:43 | 住職の活動日記
 自動車つながりで、

むかし、 『 洛南高校 』 には自動車科がありました。

今は、進学校として、とても有名になりましたが、

三浦先生が始められた頃は、 自動車科・商業科・普通科・進学クラス

というふうに分かれていました。

 全部 「 進学コース 」 にしたら、と思って、質問したことがあります。


そしたら、

 「 機械はウソつかんでしょう ! 

  ネジ一つ取ってみても、ええ加減な締め方してたら

  機械は動かない。

  自動車という機械を通して、

  ウソつかない真面目な人間をつくる、

  そして、これからは必ず自動車の社会がくる。」


というのが、三浦先生の答えでした。


 なるほど !!



 先日来、 『 十地経講義 』 を読み進めるうち、

たぶん、三浦先生が閃かれた、と思われる箇所が出てきたのです。

 チョット読んでください、


「 十地経 」  より、


   人間が知るというのは、働くことを通して、創ることを通して知る。

  人間は精密機械だというけれど、それは人間が精密な機械を作ることに

  よって、かえって自分の生理構造を自覚する。

  人間は自分を精密機械と見たことはことはないでしょう。

  心臓でも、循環系統の構造も見た人はいないでしょう。

  人間が精密な時計というものを作ることによって、

  その行動を通して、作る自分を自覚するんだ。

  作らずして知るということはあり得ない。

  なんでも、手を動かして人間は知るんです。

  製作を通して人間は認識を得る。


という、抜粋なのですが、

 ( 話し言葉風なので理解しにくいかもしれませんが )

   
 


 いま、日本では 「 つくる 」 ということから、

次第に遠ざかっているようにおもいます。

しかし、

 面白いことに 『 フィロソフィー 』 という ( 哲学 ) という

言葉で、検索すると、なんと  …

『 ホンダ 』 『 京セラ 』 『 トヨタ 』 

などの自動車会社とか物作りの会社が出てくるのです。

 やはり、「 作る 」 ということは、ただものを作るというだけではなしに

大きな精神構造が肝心になってくるのです。

 
  「 作ることによって、人間を認識していくという 」



 三浦先生は 「 洛南高校の自動車科 」 を通して、その生徒たちに

ウソのない世界、真面目にやること

それが人間の本当のあり方ということを、教えていかれたようにおもいます。

そのことが、自分自身を荘厳してくる、

そこに 、 「 功徳 」  が備わってくる。

実際、「 洛南の自動車科 」 を卒業された生徒さんは引っ張りだこだったのです。



 今日の 「 十地経講義 」 読み進めるうちにそんなことが浮かんできました。


   ので   ので   …








 

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