「道というところの
具ですね。」
という簡単な一文
なるほど
道具というのは
「道の具」と書くんです
「凡夫におる衆生を
仏果にまで運載するところの
道具や。
やっぱり仏道の具です。」
こういうことで
あらためめて広辞苑を引くと
「仏道修行の用具。」
ということが一番最初に
出ています。
仏教辞典には
「仏道を修するために必要な
衣鉢その他のもの。」
とあり、
これには「三衣一鉢」といって
衣が三つに鉢が一つ
これが修行僧の最低限に
必要なものです
そして、それらを容れる
袋を「頭陀袋」ズダブクロ
といいます
何でも入れて持ち運ぶ
「ずだぶくろ」といって
母の世代はよく使っていた
ようです
そういうと
具足戒といこともあります
これは戒が具わった
お釈迦さまのお弟子になる
ということは
まずこの具足戒を受ける
ということです
「具」ということも
面白いもので
お経の一番最初に出てくる
言葉、
「如是我聞」
私はこのように聞きました
と訳すのですが
私というのは阿難尊者のこと
この方も慎みを持っていて
「私が」とは
言っておられないのです
そういう主格ではなく
「私と具(トモ)に」
という具格、
(インストルメンタル)です
如是我聞も正確には
「私とともにこのように
聞きました」
ということになるでしょう
歌のない曲も
インストルメンタルと
いいますが、
楽器だけのつまり道具だけの
曲ということで
こういうのでしょう。
道具ということも
仏道修行の必要な品であるし
また、衆生を仏果にまで運ぶ
道具つまりこれは
単なる普通いう道具ではなく
教えということを
指しているようです
ですから、道具といっても
精神的な面と使う物としての
意味もあるようです。