本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「法」ということも難しい!

2020-06-13 20:38:31 | 住職の活動日記

お月さまを見ていて

昔は、兎が餅を搗いている

と見たのですが、

望遠鏡が出来て、

はっきり見えてくると

分からなかったことが

新たに見えてくるということが

あります。

だんだん、年と共に

分からないことが増えてくる

ように思います。

 

この「法」ということも

分からないことの一つです。

普通では、

法といえば法律ということに

なってきますが、

仏教でいう「法」とは

少し意味合いが違ってきます。

 

幅広い意味を持っているので

あえて、訳さずに「ダルマ」と

いう場合もあります

あの「だるまさんが転んだ」の

「だるま」です

選挙とかで当選すると

目玉を入れるだるまさんです。

 

この「達磨」ダルマは人の名で

禅宗を開いた方で

「面壁九年」という話があります

壁に向かって9年間も座禅した

そのため足が立たなくなった

という伝説から

あのだるまさんの姿が生まれた

ということです。

 

仏教でいう「法」は

聖徳太子も

「篤く三宝を敬え、

三宝とは仏・法・僧なり」と、

十七条の憲法で述べておられます

この時は仏法僧が「宝」と

いうことです。

それから、三法印といえば

諸行無常・諸法無我・涅槃寂静

の三つです

法印というのは旗印

仏教とは何かと問われた時

こうですと言える

三つの旗印が三法印です。

 

簡単には

三宝といわれるように

仏があって、

仏が説かれる教え「法」があり

教えを実践する仲間(サンガ)が

いるということです

お釈迦様が説かれた教えが

「法」といわれるものです。

 

が、

ただそれだけでは包み切れない

ものも含んでいるのです

そこが分からないと

いろんな場面で出てくる「法」

ということが混乱してしまいます

昔から、

「法」には二つの意味があり

一つには、

任持自性(にんじじしょう)と

もう一つは、

軌生物解(きしょうもつげ)

ということです。

こういう意味を含んでいるので

訳さずにダルマ、漢字では達磨

として出てくる場合もあります。

 

任持自性、

それ自体の本性(自性)を

保持しているもの

ということは一切の「存在」して

いるものを指します

私たちがいる、家がある、

坐っているイスがあり机がある

こういう存在しているすべてを

法というのです

ここのところがぱっと頭に

入ってこない所です。

 

軌生物解は

軌は軌範の軌です

物解(もつげ)というのも

仏教独特の言葉使いでしょう

ですから、規範となる法ノリ、

法則、道理、教説、真理

ということを指しています。

 

お経に出てくる

色法とか一切法とか萬法とか

いう法は存在をあらわし

任持自性ということに

あたるのです。

 

そして、

お釈迦さまの教えとかいうことが

おおまかに軌生物解と

いうことになります。

ですから、

仏法を聞くことによって得た喜び

それを法喜とか法悦といい

仏法の味わいを法味、

法味を喜び楽しむことを法楽と

そういう言葉も生まれてきます。

 

まあ、この「法」ということ

一つとっても更に分からない

ことが増えてくるようで

本当に難しい!

 

(勝手に難しくしているのかも

 しれませんが?)

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする