本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

欧米か、見えるか、持続か補助金

2020-06-23 20:50:46 | 漢字

「持続化給付金」、「見える化」

という言葉を耳にし、

この「か」ということを

可能の「可」となんとなく

思っていたのですが、

化けるの「化」の方です。

当たり前のことなのですが

どうにも私には理解しがたく

自分なりに調べてみると、

 

「化」という字

にんべんに匕(サジ)からなり

部としては「匕部」になります

この部の漢字も少なく

北という字があります

この字は

人が背中を向け合っているさま

をあらわし、人に背くという意味

それが、

家は普通南向きに立てるので

その反対をあらわす方角

ということで北となったようです

 

それで、

「化」という字ですが

人とさかさまになった人からなり

上の人が下の人に教えをおよぼす

というのが原義です

そこから、変わるとか

化けるという意味があります。

 

見える化とか持続化というのは

「化」を付けることによって

なになにするようにする

という、進行形のような形を

表すのでしょうか。

 

しかしまた、

この字は仏教になると

「化」(ケ)と読み

非常に沢山の意味を含んでいます

まず第一に

衆生を教え導いて転化・改変

させる、とあります。

教え導くことを教化(キョウケ)といい

教え導く人を能化(ノウケ)

教化される人を所化(ショケ)と

それで、お寺によっては

管長さんの事を「能化さん」と

いうところもありますいう。

 

それから仏のことを化主(ケシュ)

といいます

「極楽化主阿弥陀如来」と

人々を極楽へ導く主である

阿弥陀如来ということです。

 

縁に随い適宜に衆生を教化する

ことを、隨縁化物といいます

ここでいう物とは衆生のことで

物故者の物も同じです

たまに仏故者と書かれる人も

おられるようですが、

 

それから、亡くなることを

遷化(センゲ)といいます

特に僧侶の場合が多いようです

人が遷移化滅(センイケメツ)して

死ぬということです

人は移り変わり(遷移)して

化という字にはものを生成させる

働きという意味もありますから

その働きが滅するということです

 

仏教では物が生まれる方法を

「胎卵湿化」という四つで

表しています

胎生は母体から生まれるもの

卵生は卵から生まれるもの

湿生というのは湧いて出るという

今どこからともなく出てくる蚊の

ような存在です

そして、化生(ケショウ)

という生まれ方、

忽然として生ずること、と

辞書には出ていますが

父母とか雌雄などからではなく

業の力によって生まれる

例えば地獄に生まれるという

そういう生まれ方を化生と、

 

化という字には

調べていっても面白くなるほど

いろいろの意味を含んでいます。

 

「け」という読み方はおおむね

仏教的なことであり

「か」と読めば普通に使う

言葉のようです

ただ、女性の化粧だけは

「け」と読みます

これも不思議なところですね。

 

 

 

 

 

コメント
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