本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 11/10~11/16

2008-11-10 00:38:23 | 今週の言葉
  自然法爾  ( じねんほうに )

 焚くほどに風が  もてくる落葉かな


 ここ2,3日で急に冷え込んできたようです。

 産業道路の街路樹ケヤキの葉も落ち始めました。その頃になるといつも思い出す

のが、この歌です。

 掃いても、朝になるとまた一面に散っています。


 自然法爾 ( じねんほうに ) という題ですが、

仏教で使う場合は 『 自然 』 と書いて ( じねん ) と読むようです。

また、法爾の 『 爾 』 という文字も最近はめったに使わなくなった字です。

「 そのまま 」 というような意味があるようです。


 若い頃、毎日散るものですから、木をゆすって葉っぱを落としていましたら、

えらく叱られたことがありました。

 「 掃き清めた後に散る葉っぱは風情があるのですよ 」

と教えられたことがあります。

 散れば掃く、そしてまた散ればまた掃く、この繰り返しが大事です。


 『 自然 』 を ( じねん ) と読む場合、もう少し深い意味があるよう

です。

 ただ何もしなくて、 『 自然に任せる 』 というのではなく、

自分ではあらん限りの努力をするのですね、矢折れ玉尽きて、

そして、見えてくる世界、そこには 「 お任せするしか仕方がない 」

人間の力はたかが知れてる、そういう世界に出会うのです。


 「 鳴かぬなら 殺してしまえ … 」

 「 鳴かぬなら 鳴かせて見せよう … 」

 「 鳴かぬなら 鳴くまでまとう … 」

と読まれた、とされる、3人の武将の性格を表した歌ですが、

やはり、家康の 「 鳴くまでまとう … 」 というところに、

『 自然法爾 』 ( じねんほうに ) ということの意味があるようです。 
コメント
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