久しぶりに尾張名古屋の名刹探しに出かけることにしました。
名古屋市街地から車で20分ほどの距離に、木々に覆われ自然豊かな「八事(やごと)」があります。この八事に尾張徳川家の祈願所として隆盛を誇った真言宗の名刹「興正寺」の伽藍が静かに佇んでいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/8a/8286c5a9558a801e9686b86eb65c6e13.jpg)
尾張徳川家の祈願所になったは江戸時代の初期、貞享五年(1688)に尾張藩主二代光友公の頃に八事山遍照院興正律寺の寺号を賜りました。その後、三百有余年の歴史を刻み、現在は高野山真言宗の別格本山として八事山興正寺と称し、尾張高野の名でも親しまれています。
国道153号線に面して参道が境内へと延びています。参道を進むと、前方に歴史を感じさせる「中門」が構えています。かつては女人門と呼ばれ、修業の場であった東山と西山の境に建っていたものです。八事山は東西に分けられた二つのエリアから構成され、かつては東部が女人禁制の場で現在でも「女人禁制」と刻まれた石柱がいたるところに置かれています。
参道から見る中門と五重塔
興正寺中門
女人禁制の石柱
この中門をくぐると、興正寺のシンボルとも言える五重塔が姿を現します。建立は古く江戸時代の文化五年(1808)に遡ります。スラリと伸びた五層の塔は30mの高さを誇り、緩やかな曲線を描く屋根の反りが日本の塔の典型的な美しさを伝えています。東海三県下唯一の木造の五重塔で国の重要文化財に指定されています。
五重塔
五重塔
中門、五重塔を直線で結んだ先に構えるのが当寺のご本尊である「阿弥陀如来」を祀る「西山本堂」です。
西山本堂
西山本堂の裏手には当寺自慢の美しい庭園「普門園」が広がっています。庭の中央には大きな水盤が配され、庭を囲むように建つ歴史的建造物が回廊で結ばれています。庭の背後の緑豊かな竹林が白砂の庭に美しく映えています。
庭園「普門園」
庭園「普門園」
本堂の右手に小高い丘の上に置かれている宝塔様式の建造物は「圓照堂」です。この圓照堂の脇にかつて女人禁制の東山に置かれた「奥の院」へと通じる細い参道が墓地の間を縫って続いています。参道に沿って夥しい宝篋印塔が並んでいます。
圓照堂
奥の院への入口
奥の院への参道
参道を抜けると、ハ事山では一番高い位置に置かれた大日堂が石段の上に現れます。それほど威厳を感じるお堂ではないのですが、堂内には元禄十年(1697)に二代藩主光友公が母の供養のために鋳造させた高さ3.6m、重さ20トンの大日如来が安置されています。
大日堂
奥の院からの帰路、東山の中腹から、西山の伽藍群の甍が眼下に広がる様子を見ることができました。
東山中腹からの眺め
尾張徳川家の菩提寺ではないにしろ、徳川家の祈願寺としての寺格と高野山別格本山の格式の高さを実感できたひとときでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/e3/cf23692bdc07c2291b2b6eb316d45c80.jpg)
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名古屋市街地から車で20分ほどの距離に、木々に覆われ自然豊かな「八事(やごと)」があります。この八事に尾張徳川家の祈願所として隆盛を誇った真言宗の名刹「興正寺」の伽藍が静かに佇んでいます。
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尾張徳川家の祈願所になったは江戸時代の初期、貞享五年(1688)に尾張藩主二代光友公の頃に八事山遍照院興正律寺の寺号を賜りました。その後、三百有余年の歴史を刻み、現在は高野山真言宗の別格本山として八事山興正寺と称し、尾張高野の名でも親しまれています。
国道153号線に面して参道が境内へと延びています。参道を進むと、前方に歴史を感じさせる「中門」が構えています。かつては女人門と呼ばれ、修業の場であった東山と西山の境に建っていたものです。八事山は東西に分けられた二つのエリアから構成され、かつては東部が女人禁制の場で現在でも「女人禁制」と刻まれた石柱がいたるところに置かれています。
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この中門をくぐると、興正寺のシンボルとも言える五重塔が姿を現します。建立は古く江戸時代の文化五年(1808)に遡ります。スラリと伸びた五層の塔は30mの高さを誇り、緩やかな曲線を描く屋根の反りが日本の塔の典型的な美しさを伝えています。東海三県下唯一の木造の五重塔で国の重要文化財に指定されています。
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中門、五重塔を直線で結んだ先に構えるのが当寺のご本尊である「阿弥陀如来」を祀る「西山本堂」です。
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西山本堂の裏手には当寺自慢の美しい庭園「普門園」が広がっています。庭の中央には大きな水盤が配され、庭を囲むように建つ歴史的建造物が回廊で結ばれています。庭の背後の緑豊かな竹林が白砂の庭に美しく映えています。
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本堂の右手に小高い丘の上に置かれている宝塔様式の建造物は「圓照堂」です。この圓照堂の脇にかつて女人禁制の東山に置かれた「奥の院」へと通じる細い参道が墓地の間を縫って続いています。参道に沿って夥しい宝篋印塔が並んでいます。
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参道を抜けると、ハ事山では一番高い位置に置かれた大日堂が石段の上に現れます。それほど威厳を感じるお堂ではないのですが、堂内には元禄十年(1697)に二代藩主光友公が母の供養のために鋳造させた高さ3.6m、重さ20トンの大日如来が安置されています。
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奥の院からの帰路、東山の中腹から、西山の伽藍群の甍が眼下に広がる様子を見ることができました。
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尾張徳川家の菩提寺ではないにしろ、徳川家の祈願寺としての寺格と高野山別格本山の格式の高さを実感できたひとときでした。
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