その寺は閑静な住宅地の中に忽然と現れる、という表現がぴったりの佇まいを見せています。
浄真寺本堂
東急横浜線の自由が丘駅で大井町線に乗り換え一つ目の「九品仏駅」は世田谷のど真ん中とは思えないほどの素朴な雰囲気を漂わす小さな駅でした。
参道入口
一つしかない小さな改札を抜け、踏み切りを渡ると目指す浄真寺の参道入口が現れます。まるで浄真寺のために造られた駅のようです。とはいえ駅から参道入口まではほんのわずかな距離しかないため、どこぞの寺のように土産屋が軒を連ねているという訳ではありません。
参道入口には浄真寺参道を刻まれた大きな石柱が立ち、長い参道が総門へ一直線にのびています。松の並木が植え込まれた参道を進みながら、徐々に近づいてくる総門と総門の向こうに居並ぶ伽藍に期待が膨らんできます。
総門へつづく参道
総門
総門をくぐるとすぐ右手に「閻魔堂(えんまどう)」が置かれています。せっかくなので閻魔様にお参りをすませ境内へと進んでいきます。
閻魔堂
閻魔様
予想にたがわず境内の広さには圧倒されます。おそらく都内でもいちにを争うほどの境内の広さを誇っていると思います。総門から入域すると正面に開山堂が構え、その開山堂を見ながら左に折れると18世紀末に建立され見事な建築美を誇る「仁王門」が現れます。
仁王門
仁王門のすぐ側には鐘楼堂が置かれています。梵鐘は江戸時代の作と伝えられています。仁王門をくぐり境内の庭園を見ながら進むと、右手に立派なご本堂が現れます。「竜護殿」と呼ばれるご本堂の脇に都指定の天然記念物「九品仏のイチョウ」が太い立派な幹を見せています。木の高さは約20m、幹囲は4.2mもあるそうです。
鐘楼堂
ご本堂「竜護殿」
大イチョウとご本堂
このご本堂に対峙するように広い庭を隔てて江戸時代の初期に建立された「三仏堂」が配置されています。実はご本堂は現世の此岸(しがん)を現すために西向きに建てられ、一方、三仏堂は東向きで浄土の彼岸を現しているといいます。現世の此岸、浄土の彼岸の考え方についてはとんと詳しく判りませんので説明は割愛させていただきます。
三仏堂遠景
三仏堂ということなので、大きなお堂が整然とした趣で3つ東向きに並んでいます。説明書きによると中央に「上品堂」、右手に「中品堂」、左に「下品堂」が配置されています。つい、「じょうひん」とか「げひん」と読んでしまいがちなのですが、正式には「じょうぼんどう」、「ちゅうぼんどう」、「げぼんどう」と読むようです。
中品堂
上品堂
中品堂全景
手前から中、上、下の各品堂
この三仏堂のそれぞれに三躰の阿弥陀如来像が安置され、合計九躰が鎮座することで「九品仏(くほんぶつ)」と呼ばれているのです。
境内俯瞰
境内俯瞰
境内俯瞰
実はこの仏様が開眼したのは江戸初期の1670年のこと。しかもその場所はここ奥沢の地ではなく、なんとお江戸深川の古刹「霊巌寺」だったそうです。当時、霊巌寺にはこれらの仏を祀るお堂があったのですが、洪水によってお堂が壊されたため、1678年に新たに場所を移したのがここ奥沢の浄真寺だったということのようです。
白梅と仁王門
紅梅と仁王門
静かな境内を一巡していると、紅白の梅の花が寒風の中で揺れているのを見つけました。
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東急横浜線の自由が丘駅で大井町線に乗り換え一つ目の「九品仏駅」は世田谷のど真ん中とは思えないほどの素朴な雰囲気を漂わす小さな駅でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/71/6a8305c318aed0bca5e6941d45a2f400.jpg)
一つしかない小さな改札を抜け、踏み切りを渡ると目指す浄真寺の参道入口が現れます。まるで浄真寺のために造られた駅のようです。とはいえ駅から参道入口まではほんのわずかな距離しかないため、どこぞの寺のように土産屋が軒を連ねているという訳ではありません。
参道入口には浄真寺参道を刻まれた大きな石柱が立ち、長い参道が総門へ一直線にのびています。松の並木が植え込まれた参道を進みながら、徐々に近づいてくる総門と総門の向こうに居並ぶ伽藍に期待が膨らんできます。
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総門をくぐるとすぐ右手に「閻魔堂(えんまどう)」が置かれています。せっかくなので閻魔様にお参りをすませ境内へと進んでいきます。
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予想にたがわず境内の広さには圧倒されます。おそらく都内でもいちにを争うほどの境内の広さを誇っていると思います。総門から入域すると正面に開山堂が構え、その開山堂を見ながら左に折れると18世紀末に建立され見事な建築美を誇る「仁王門」が現れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/11/9b44702b07a810961733c8534464b625.jpg)
仁王門のすぐ側には鐘楼堂が置かれています。梵鐘は江戸時代の作と伝えられています。仁王門をくぐり境内の庭園を見ながら進むと、右手に立派なご本堂が現れます。「竜護殿」と呼ばれるご本堂の脇に都指定の天然記念物「九品仏のイチョウ」が太い立派な幹を見せています。木の高さは約20m、幹囲は4.2mもあるそうです。
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このご本堂に対峙するように広い庭を隔てて江戸時代の初期に建立された「三仏堂」が配置されています。実はご本堂は現世の此岸(しがん)を現すために西向きに建てられ、一方、三仏堂は東向きで浄土の彼岸を現しているといいます。現世の此岸、浄土の彼岸の考え方についてはとんと詳しく判りませんので説明は割愛させていただきます。
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三仏堂ということなので、大きなお堂が整然とした趣で3つ東向きに並んでいます。説明書きによると中央に「上品堂」、右手に「中品堂」、左に「下品堂」が配置されています。つい、「じょうひん」とか「げひん」と読んでしまいがちなのですが、正式には「じょうぼんどう」、「ちゅうぼんどう」、「げぼんどう」と読むようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/ed/6c213d3f5e40c2ea53b2669eca52a7de.jpg)
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この三仏堂のそれぞれに三躰の阿弥陀如来像が安置され、合計九躰が鎮座することで「九品仏(くほんぶつ)」と呼ばれているのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/50/339e807f80c64dab6bce1633dd51f2ef.jpg)
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実はこの仏様が開眼したのは江戸初期の1670年のこと。しかもその場所はここ奥沢の地ではなく、なんとお江戸深川の古刹「霊巌寺」だったそうです。当時、霊巌寺にはこれらの仏を祀るお堂があったのですが、洪水によってお堂が壊されたため、1678年に新たに場所を移したのがここ奥沢の浄真寺だったということのようです。
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静かな境内を一巡していると、紅白の梅の花が寒風の中で揺れているのを見つけました。
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