ひろかずのブログ・2

79歳のおじいさんです。散歩したこと、読んだこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、腹が立ったこと等々何でも書いてみます。

野口町をゆく(82) 大庫源次郎物語(9) ふいご吹きと使い走り

2022-08-24 07:26:31 | 加古川市歴史探訪・野口町編

 

  

野口町をゆく(82) 大庫源次郎物語(9) ふいご吹きと使い走り

 源次郎は、頬を風船玉のようにふくらませ、顔をまっかにしながら、毎日フウフウふいごを吹きました。

  見習修業は、厳しいものでした。鉄工所へ入ったというのに、仕事らしい仕事は、何もさせてもらえません。

  朝、暗いうちに起きると、まず工場内の掃除。油でよごれ、鉄片の散った工場の掃除は難しいものでした。
 それがすむと、ふいご吹き。
 上手に火を起さないと兄弟子たちから、いやというほど怒鳴られました。当時の職人修業は、一人前になるのに十年と言われていました。
 一年余りは、ふいご吹きと使い走りだけで過ぎてしまいました。
 丁稚(でっち)車と呼ばれる荷車を曳いて、遠い所まで得意先をたずねたが、見当らないこともしばしばでした。
 思案に暮れて帰ってくると「もう一ペん行って捜してこい」と怒鳴られるのでした。
 「おかぁん」と呼んで大声で泣いてしまいたいこともしばしばでした。
 この年(明治45年)の727日、京の町はむし暑い夏でした。
 明冶天皇御不例の発表が宮内省から行われ、30日崩御。明治は終わりました。
 そして、913日、大葬の夜、乃木将軍夫妻が壮烈な殉死をとげました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野口町をゆく(81) 大庫... | トップ | 野口町をゆく(83) 大庫... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

加古川市歴史探訪・野口町編」カテゴリの最新記事