神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

原地神社

2008年06月01日 | 三重県
三重県南牟婁郡御浜町神木

熊野市から熊野川に至るまでの範囲にある神社は、川沿いにあることが多い。どれも清流と言ってよい流れで、しかも殆どの神社で大木が見られる。
この、原地神社もそういった神社の一つであるけれど、なんと言うか、この辺りの神社全般的に、ちょっと雰囲気が明るいのである。
北から西にかけては山、東から南にかけては海、という地勢的な要因もあって、木々が茂っているわりに日当たりはいいし、温暖な地というイメージも相俟って、どうも陰影に乏しい気がしてしまう。
勿論、それは良いか悪いかということではなく、好みかそうでないかということであって、大らかな雰囲気と、日差しと木々と流れに恵まれた、豊かな場所であるとも言える。
ただ、私としては、明るい雰囲気の写真を撮るのが苦手であるので・・・。



国道から逸れて、集落内のやや狭い道を進むと神社前。
想像していたよりも立派な神社で、参道両脇には大木が立ち並び、幟も賑やかだ。


拝殿は、熊野市にある大馬神社と似たような形状で、何となくロッジのようなものを連想してしまう。
本殿は、背後の覆屋の中にある。


境内すぐ横の流れ。朝陽が反射して眩しい。
この川の上流に、「不動の滝」というのがあるらしいので、ちょっと足を伸ばしてみることにした。
不動の滝は、ネットでも僅かしか情報が無いが、国道に看板も出ていたし、変わった形状の奇瀑ということである。

神社から更に集落の奥へと進む。
やがて民家は途切れて林道となり、その終点に駐車スペースがある。ここからは徒歩だ。


林道終点付近からは、岩壁のそそり立つ南紀らしい山容が望まれる。
山道ははっきりしており、特に険しいところもないが、運動不足の身には堪える。
散策というには少し厳しい道のりである。


30分近く歩くと、急に左右が門のように狭まって、高く岩壁が屹立する。その奥に、水量が少ないながらも滝が見えてくる。


滝を懸ける岩壁はオーバーハングしており、水は中空に飛び出す。よって、滝の裏側に廻ることが出来、不動明王も祀られている。
水量が少ないのが幸いして、飛び出した水が、ぼうっと浮かび上がるのが神秘的だ。


ちょうど山から太陽が顔を出し、滝に一条の線を描く。


神々しい輝きだ。


水飛沫を浴びながら、独特の美しさに眺め入る。

下山後、腕に山ダニが付いているのを見つけた。ズボンをめくると膝にも一匹。コイツは気付かずにいると、一週間でも血を吸い続ける迷惑なヤツで、風呂に入っても死なないのである。しかもそうなると、頭部を皮膚に食い込ませてちょっとやそっとじゃ離れず、無理に剥がすと頭部が皮膚の中に残って化膿するかもしれないという代物だ。
幸い、本格的に食いつかれる前に気付いたので事なきを得たが、それでも払っただけでは取れず、引っ張らないと皮膚から離れなかった。

何だか神社より滝がメインになってしまった・・・。


2万5千分1地形図 木本
撮影日時 080522 原地神社 7時~7時15分
             不動の滝 7時50分~8時50分

駐車場 あり
地図



最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うほっ (era)
2008-06-01 21:45:21
hiro1jzさん。これは神社には申し訳ないけど滝で
すよ。滝。水量は残念ですけど、なんともいえない
手を合わせたくなる滝ですね。
これが南紀の魅力ですね!

忍者マニアの外人さんをテレビでみたことあるん
ですが、ある意味神の領域でした。
本人マジなのが凄かったです。

今年、滋賀の多賀大社に参拝したんですが大きすぎ
人多すぎでガッカリしたんですよ。
なので気持ちわかります。
不動産屋的感覚で言いますと境内が千坪あると、
それなりに大きくていいですよ。
不審者扱いは嫌だなぁ。

味濃い神主さん
我が悪友が出会った最凶の神主さんはノン・ストッ
プで日ユ同祖を語り続けた神主さんです。そのとき
他の神主さんもいたんですが、悪友と、その神主
さんは呆然としたそうです。
そいつが神社サイトつくったらクソ話と心霊写真
ばかりのサイトになりますよ。。。

長良の河口堰は政治家・官僚・業者の鉄のトライア
ングルが行った愚かな行為と断定されるでしょう。
心ある漁猟関係者は琵琶湖の鮎の稚魚は買わない
そうです。これも変な団体からんでいるんです。
皇室のためのは・・・まだあった気が・・・

籠神社
そうです。正解です。それと比沼麻奈爲神社です。
某ブログで比沼麻奈爲神社を見てキュンキュンし
たんですよ。
あとは竹野神社ですね。ここは良い神社という予感
するんですよ。
やはり、それなりに雪ふるんですね。予定通り秋に
参拝しますよ。
それにしても潮岬の気候は羨ましいかぎりですよ
ね。神社も風景も素晴らしい場所でした。
あと鰹の茶漬けも美味でした。
返信する
 (幽黙)
2008-06-02 07:16:58
なんと神々しい滝でしょうか
下から2枚目などは
まるで十字架のようでもありますね
播磨の山中に
七種滝があって観音滝とも呼ばれる
素晴らしい光景を生みだしますが
こちらの滝も実にすばらしい!

籠神社
比沼麻奈為神社
竹野神社
藤社神社
丹後を廻ったときに参拝してきました
どこも素晴らしい聖空間でした
丹後には
物語が多くていいですね

返信する
Unknown (hiro1jz)
2008-06-02 09:28:57
>eraさん
これが京都府など、滝の少ない地域にあったなら、
それなりに知られた滝になったと思うのですが、
南紀は滝がやたらと多いので、地元の人か滝マニアでないと知らないようです。
ここに行く前に、同じ御浜町の別の神社で出会った方達にも聞きましたが、
神木にある不動の滝と言ってもご存知なく、そこの地元にある別の滝を奨められました。
一つの集落ごとに、自慢できるような場所があるのは羨ましいです。

多賀大社には随分前に行きました。
社殿の秀麗さには心惹かれましたが、やはり落ち着きには欠けますね。
ああいう場所は、観光客の来ない早朝に行くに限ります。
私の行く神社は、参道を別にすれば、300坪無いような神社が多いですね。

日ユ同祖ですか・・・そういう説を唱える人がいるのは聞いたことがありますが・・・。
まあ職業としても特殊ですから、個性的な方が多いかも知れませんね。
その理屈でいけば、趣味としても特殊だから、我々が個性的である可能性も高く・・・。

竹野神社は近いうちに行くつもりでした。
例によって、地形的に素晴らしい場所にあるので。
eraさんが行くより先にアップしちゃうと、ネタバレっぽくて良くないでしょうかね・・・。
潮岬は水門神社に行ってみたいのですが、
鰹のお茶漬けにも惹かれますねぇ。


>幽黙さん
七種滝は何度かネットで検索したことがあります。
画像からの印象では、観音様というより、マリア様に見えてしまいました。
この不動の滝に朝陽が当たる様子は、私も十字架を連想しました。
宗教や時代を問わず、人間が感じる神々しさという感覚は不変なのかも知れません。

丹後の神社はいろいろ調べたことがあるのですが、
まったく気にも留めていなかった藤社神社に、
幽黙さんのブログを見て行きたくなりました。
歴史を紐解き、連作物語を紡ぐ、というとても真似できない見事な紹介をされていますので、
行ったところでアップには抵抗がありますが・・・。
比沼麻奈為神社は・・・あの掃き清められた境内に、足を踏み入れられそうになく(笑


返信する
いいなぁ (era)
2008-06-02 23:50:27
南紀の滝すごいですね。そんなに自慢の滝があるの
は素晴らしいですね。
西国だと、あとは三重が滝の名所ですか?

300坪
そんなクラスですか!それならホントに氏神さんの
広さですね。まぁ大きさに関係なく素晴らしい場所
は素晴らしいですよね。
多賀大社クラスは早朝しかないですね。実感しま
した。門前のかき氷が不味かったなぁ。
式内社の摂社はよかったですよ。

まぁ変人はどこにもいますよね。自分も変人です
しね。
でも元伊勢候補地の神主さんが日ユ同祖論者は
アウトだなぁ。

竹野
いえいえ逆で、ぜひぜひ行って掲載してください。
それみて妄想ふくらまします。hiro1jzさんの写真
は妄想するのに最適です。。。褒め言葉ですよ。
潮岬の鰹の茶漬けは駅前ですよ。萬口という店
ですよ。
その神社は参拝してないんですよぉ。残念です。
潮岬神社に行きましたよ。ここの元社がステキ
です。少彦名が常世に渡ったと云われる場所です。

幽黙さん
藤社神社もありますね。ホント物語も多くて丹後
すてきです。
失礼な質問ですが幽黙さんは久延毘古さん?
間違えていたら、すみません。
返信する
Unknown (幽黙)
2008-06-03 21:55:16
>eraさん
はじめてお話させていただきます
愚生のブログは「久延毘古 独言」と
タイトルを付けさせていただいております
詳しくもないのに好きなだけで
思い込んだら妄想一途で
あちこちをふらふらと廻った記録を
お届けさせていただいております
丹後は静かな杜が多くてとてもいいです
乙女神社も実によい空間でした
丹後には社日さんが多かったのが
とても印象的でした
返信する
はじめまして (era)
2008-06-04 00:18:42
幽黙さん。久延毘古 独言は巡回ブログなんです。
というより幽黙さんのブログをみて比沼麻奈為神社
にキュンキュンしたんですよ。絶対に丹後に行こう
と決める決定打でした。

乙女社もいいですね。幽黙さんのブログで拝見して
います。ステキですよね。
丹後は浦島さんもあるし興味深い場所ですよね。
籠神社の先代神主さんの本を片手にまわってみた
いんですよ。

これからもよろしくお願いします。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2008-06-04 09:52:03
奈良、和歌山、三重のそれぞれ南部が滝の多いところですね。
かつては魔の山と言われた大台ケ原の周辺には、
100mを超える滝が何本もあります。
関東近辺では、日光周辺に憧れを抱いています。
隣の芝生は青いと言いますけど、
神社にしても自然にしても、東国の方が良いのでは、
と思うことがしばしばです。

観光地の食べ物は基本的にダメですねぇ。
それにしたって、かき氷なんて不味くする方が難しそうだけど(笑
前にも言ったように、私は旅行的な行動は一切しませんので、
お土産や食べ物とは無縁なのですが、
潮岬の鰹の茶漬けは食べてみたいと思います。
気軽に入れるお店ならいいのですが・・・。

竹野神社、年内という漠然とした予定なので、どちらが先かはわかりませんが、
妄想広がる写真が撮れるよう頑張ります(笑


返信する
Unknown (mikumano)
2008-09-15 10:52:21
hiro1jzさん、はじめまして・・・
神木の原地神社の検索からお邪魔させて頂きました。
自然と調和した神社の画像が心に響きました。
先日訪問した色川神社にもびっくりしました。
次回機会がございましたら、三重県紀宝町の神内神社も是非訪ねてみて下さい。(私の好きな場所です。)
今後も楽しみに拝見させて頂きます。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2008-09-16 07:45:10
mikumanoさん、初めまして。
ここは神社好きな方が見て下さることは多いですが、
そうでない方は非常に少ないと思います。
ましてやmikumanoさんのように、
風景写真を撮られている方に見てもらえるのは、とても嬉しいです。
更に更に、私の大好きな南紀のお方。
いつかは南紀に住みたいと思っているくらいです。
私の方も、mikumanoさんの撮られた南紀の風景を、
楽しみに拝見させて頂きます。

神内神社は既に二回、行っておりまして、
私自身も好きな場所なのですが、
写真の出来映えが悪くて紹介出来ないままだったりします・・・。
神社に限らず、時には普通の風景や滝なども掲載しておりますが、
近いうちに桑の木の滝をアップしますので、
またぜひ見に来てください。

すでにリンクして頂いているようですので、
こちらからもリンクさせてもらいます。
では、今後ともよろしくお願いします。


返信する

コメントを投稿